「むむむむむむぅ…」
俺、錦木アラタには最近とある悩みがあった。
その悩みとは──最近、アイさんが俺のことをからかいすぎな事だ。この前は料理中に胸を押し付けられたりしたし、お仕事の休憩中にちょっとえっちな写真を送ってきたり、いってきますの時に舌を入れたキスをしてきたり…!
「このままじゃダメだ…! 仕返ししてやる…!!」
俺だって男だ…! からかい上手のアイさんにずっと主導権を握られているわけにはいかない! 偶には俺もやりかしてアイさんをぎゃふんと言わせてやるのだ!!
(でもやり返すと言ってもどうしようかなぁ…? アイさんがお風呂に入ってる時に俺もお風呂に入るのは…うん、ダメだ。逆に襲われる未来しか見えない)
飢えた肉食獣の檻の中に草食動物が入りに行くようなものだ。確実に喰われてジ・エンドである。 ん? 飢えた肉食獣……檻………あ。
「ふっふー。良いこと思いついたぞ〜!」
*******
星野アイside
「はっ、はっ、はっ」
今日もお仕事を終わらせた私は、疲れた体に鞭を打って小走りで家へと向かう。 理由は勿論、アラタくんだ。アラタくんが家で待ってくれている。それだけで心の奥底から元気が湧いてくるし、1秒でも早く会いたいからこうやって走ってしまう。
「ただいま〜アラタくん!」
「おかえり! アイお姉ちゃん!!」
鍵を開けて扉を開けると、天使が飛びついてきた。
あぁ♡♡本当に可愛い♡♡やっぱり私の彼氏最高すぎる♡♡大丈夫だよアラタくん♡お姉ちゃんがたっっっっっっっっっっぷり甘やかしてあげる♡♡♡♡♡
「ぷは! お姉ちゃん、晩ご飯出来てるから一緒に食べよ!」
「うん♡たべよっか♡」
今日は中々レアなアラタくん弟ムーヴの日。しかも明日は土曜日で私もアラタくんも仕事がない。もうこんなん誘ってるに決まってる。アラタくんはえっちだなぁ♡♡
今すぐにでもアラタくんに襲い掛かって啼かせたいけど、我慢。せっかくアラタくんがご飯を作ってくれいるんだから、それを粗末には出来ない。
「それじゃ、いただきます」
「いただきます」
今日の晩ご飯はシチューとマカロニのサラダにガーリックトーストの3種類。私の彼氏料理も出来るとか最強すぎる。よし、結婚しよっか♡
「あ、お姉ちゃん、口元にクリームついてる」
「え?]
「取ってあげるから、動かないでね」
アラタくんは私の顔に手を伸ばし、口元にあったクリームを指で掬い取って──ペロッと舐めた。
「えへへ、間接キス〜」
決めた♡♡今日は絶対寝かせない♡♡どろっどろのぐっちゃぐちゃになって私無しじゃ生きられないくらいまでいっぱい啼かせてあげる♡♡♡
「ご馳走様でした♡」
「はい。お粗末さまでした」
ご飯を食べ終わったらもうこっちのものだ♡♡食器類を水に沈めて、アラタくんの腕に絡みつく。
「じゃあアラタくん♡♡お風呂行こっか♡♡」
「ふふっ」
いつもは顔を真っ赤にするアラタくんが、まるでイタズラを成功させた子供みたいに小さく笑った。
「お姉ちゃ〜ん、俺もう8歳になるんだよ? もう俺一人でもお風呂に入れるから、お姉ちゃんだけで入ってきなよ」
は???
「まぁ? お姉ちゃんがどうしてもって言うんなら入ってあげない事もないけど〜。どうしよっかな──」
うるさいアラタくんの口を無理矢理黙らせる。勿論暴力じゃなくてディープなキスの方でだ。
「んぁっ……! んちゅ…! アイさ…!」
可愛い♡♡可愛い♡♡可愛い♡♡可愛い♡♡ ふふっ。必死に抵抗してる♡♡でも無駄だよ♡♡まだ小学生のアラタくんの力が中学生の私に敵うわけないじゃん♡♡
「ぷはぁ…!! ハァ…ハァ…アイさ…なんでぇ…」
「ホンット可愛いねアラタくん♡♡もしかしてこの姉弟ごっこで私から主導権奪えるかもとか思ったの? 無理に決まってんじゃん♡♡寧ろ逆効果にも程があるよ♡♡」
「ご…ごめんなさ…い…許して…くだしゃい…」
「〜〜ッ♡♡」
泣きながら謝っても興奮するだけなのに♡♡あぁもう我慢の限界♡♡お風呂とかどうでも良いや♡♡ここでヤッちゃお♡♡
「良いよ♡♡許してあげる♡♡だって私アラタくんの事大大大大好きだもん♡♡アラタくんは?」
「好きです…!! 大好きです!! アイさんと結婚したいです!!」
「〜〜〜ッッ♡♡♡♡♡!」
本当に…! 本当に!! アラタくんは!!
「うん♡♡アラタくんが18歳になったらちゃんと結婚しようね♡♡絶対浮気とかしちゃダメだよ♡♡」
「絶対にしません!!」
「良く言えました♡♡じゃ、これから私以外の女じゃ興奮できないような体にしてあげるね♡♡♡」
本日の勝敗──錦木の大敗北