柱間「世界を征服しようと思う」扉間「え………?」 作:tanaka
火の国が世界を統一してから凡そ500年後。
木の葉隠れの里にうずまきナルトと言う男児が生まれた。彼は第28代目火影波風ミナトの実子であり、名門うずまき一族に名を連ねるものだ。
ナルトの面倒は政務で忙しい父親と出産時に死んでしまった母親の代わりに、うずまき一族分家の娘であり、ミナトに大恩がある、うずまきサキに任せられた。サキは他のうずまき一族の者同様高い奉仕体質を有し、それは大層熱心にナルトの世話をした。ミナトが愛息子を思ってそのような人間を選んだのだから、狙いズバリと言った所だろうが、その選択は情操教育と言う点では失敗だったかもしれない。なぜなら、余りにも高すぎる忠誠心と大きすぎる愛ゆえに大抵の事を許してしまったからである。本来なら叱られるべき事を叱らず優しく育てられたナルトは些か奔放すぎる性格に育ってしまった。
忍A「火影様!ナルトの奴がまた!」
ミナト「あー今度は何をやらかしたの?火影岩に悪戯?それともお色気の術とかやらで騒ぎを起こしたの?」
忍A「そ、それが道行く人々に多重影分身でカンチョーしまくってるようです」
ミナト「なにやってんの!」
ミナトは頭を抱えた。常に冷静沈着を地で行き、穏やかな笑みを崩さない男が、困惑と驚愕と羞恥の感情で悶えている。実に珍しい光景である。いや、そうでもなかったな。ナルトが動き回れるようになってからは良く見られる光景だた。
ミナト(本当になにやってんの!ナル君!他人にカンチョーしちゃダメだって、サキさんに教わったでしょ!)
ナルトはサキに何度もカンチョーしたことがあるが、怒られたことは一度もない。その事実をミナトは知らない。
ミナトは耳を塞ぎたい衝動に駆られつつも、火影として報告を聞かねばならない。聞きたくないな、聞きたくないな、と思いながら、ミナトは震える声で問うた。
ミナト「それで被害状況は?」
忍A「私が見た限りですと既に60人は下らないかと」
ミナト「う、嘘でしょ」
想像の五倍くらい多かった。
忍A「本当です」
非情な肯定が返ってくる。
ミナトは色々な感情を込めた短いため息を吐き、何とか心を落ち着かせる。そして、直ぐに影分身を一体作り、その影分身に避雷針の術を使わせ、ナルトの元へと向かわせた。
避雷針の術で飛んできたミナトにナルトはあっさり捕まった。「何でこんなバカなことをやったんだい?」と言うミナトの言葉にナルトは慌てて、「ち、違うんだってばよ!これはカンチョーしてくれって頼まれて!」「頼まれた?誰にだい?」「ほ、本人達に」
ナルトも流石にこの言い分は苦しいと思ったのか冷や汗を流している。明らかに嘘と分かる仕草と言い訳にもならない言い訳をするナルトに、ミナトは笑みを深め、「今夜は説教フルコースだよ」とニコッと笑った。ミナトの背後に般若を見たナルトは悲鳴を上げるが、何だかんだ言って父親と一緒にいられるナルトは楽しそうであった。
⚫️波風ミナトの憂鬱 真相
木の葉M女協会
木の葉の里の非正規組織の一つに『木の葉M女協会』というものがある。名前の通り、マゾフィズムと言う特殊性癖を持った女性が集い、公には出来ない性癖や妄想を暴露し、共感し合ったり、エッチなオモチャや店の情報共有をしたりするための場所である。
その下らない内容とは対照的に組織の規模は大きく、会員は500人を越える。だが、実はこの組織はかなり最近作られたものだった。作ったのは小南と言うまだ年若い娘で、彼女はお金を稼ぐと言う目的のために自身の紙忍術をフル利用して協会を一から作りあげ、会員をコツコツと増やしていったのだ。そうした努力が結実し、今では会費の徴収や、オモチャや店の宣伝料で、小商人並みの年収を稼ぎ、一財を築き上げていた。
そんなら小南が協会で最近耳にするようになったのがうずまきナルトと言う名だ。彼は小南よりも10歳ほど若く、まだ六歳であった。何故そんな子供がM女協会なんかで名が上がっているのか最初は首を傾げたが、話を聞いて納得する。どうもその子供はかなりヤンチャな性格らしく、良く町中で育て親にカンチョーしたりだとか、抱きついた拍子に胸をはだけさせたりとか、揉んだり、引っ張ったりしているらしい。とんでもない奴だと思ったが、同時にこれは商機だと感じた。彼を上手く使えば一儲けできると。
そして、小南はナルトに話を持ちかけた。
「え?カンチョー?そんなんでお金もらえるの?」
「ええ、もちろん。この青いアクセサリーを着けた人にカンチョーするだけでいいの。まあ、いきなり初めてあった相手に他人をカンチョーしろなんて言われても困るだろうからまずは私にやってみて」
ナルトはカンチョーの構えを取る。
「あ。今じゃないわよ。明日指定の時間に指定の場所でやって」
「場所まで指定すんのかってばよ」
ナルトが面ど臭そうに顔を歪める。
「協会の人へのデモンストレーションの意味もあるから」
「協会?」
「カンチョーされるのが好きな人達が集まる協会よ」
翌日
指定された時刻 指定された場所
ナルトは青い輪を右手につけ、表通りを歩いている小南にさっと近づき、慣れた手付きでカンチョーを見舞った。
「好きありだってばよ!」
小南の尻にナルトの指が根本まで入る。
小南は予め来ると分かっていたとは思えないほど自然な反応で一瞬体を硬直させ、前につんのめるように倒れる。
ナルトが勢い良く指を引き抜くと、小南は「はう」と艶かしい声をあげ、ビクッと腰を震わせた。その様子を遠くで見ていた協会員達は顔を赤らめ、腰を悶えさせる。
「な、なんて容赦のない突きなの」
「さ、流石だわ」
「はあ ナルト様 」
「腕輪を買えばあれを私にも 」
その一言が契機になり、彼女達は我先にと青い輪を買いに行くのだった。