最強のナビといっしょ   作:シュオウ・麗翅

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水道局の電脳、攻略編です。とは言っても、道中はサクサク進めます。

氷、炎……うっ、頭が……!!


氷の電脳の調査

「何コレ?所々凍っちゃってるね」

 

水道局の電脳世界へとプラグインしたスラーとロックマンの見た光景は、氷の世界だ。

道が凍っており、ツルツル滑りそうな足場。コレでは移動が不安定になってしまう。

 

「それに、プログラムやネットナビの姿も見当たりませんね」

 

『あの人、全力でバグを取ってるって言ってたのに……』

 

『なんか怪しいな……』

 

責任者の氷川は、給水プログラムのちょっとしたバグを取り除くと言っていた。自分達で解決できると暗に言っていたのだ。

だからこそ、この光景が信じられなかった。そうじゃないなら、氷川が犯人ということになってしまう。

 

『行くよ!スラー。とりあえず、水道局の給水プログラムを調査して!』

 

『頼む、ロックマン!』

 

「分かりました。行きますよ、ロックマン」

 

「わかったよ、スラー。熱斗くん。行くよ!……うわあああ!!」

 

『ロックマーーーン!!』

 

凍った電脳世界を2人は走る。

電脳世界の道は凍っていたり、凍っていなかったり。兎に角足場が安定しない。

ツルツル滑ることで、うまく立つことが出来ない。

 

「ね……熱斗くーん!!ウイルスだ!ここにもワールドスリー産のウイルスがいる!!」

 

立ったり滑ったり。産まれたての小鹿のようにブルブルと震え、ウイルスの攻撃でまたコケる。

雨雲のゆるキャラのようなウイルス、クモンペがロックマンの頭上に雨を降らそうと雲をけしかける。

青のまんじゅうに水の手足が生えたようなウイルス、ウォルタルギアが、アクアタワーでロックマンを追い詰める。

 

 

『バトルチップ、エレキサークル!スロットイン!!』

 

「うわあああーーー!!」

 

ロックマンの周りを電気の玉が回転する。

バランスを崩し、滑りながらウイルスに突撃。ロックマンの周りを回る電撃によってウイルスを撃破した。

 

「ロックマン!光熱斗がローラースケートで滑るように動きなさい!」

 

『そうか!ロックマン!片足で踏ん張って、もう片方の足で地面を蹴るんだ!』

 

「わ……わかった!」

 

前方ではスラーがプラグソードでウイルス達を次々と斬り捨てていく。

 

ロックマンは何度かトライ&エラーを繰り返すと、漸く滑ることに成功。気を取り直して先に進んでいく。

 

道中、電脳蛇口が水を出して先に進めなかったが、ハンドルを捻って水を止めた。

 

 

『アレ?道が凍ってないぞ?何でだ?』

 

『光くん。水は氷よりも熱いから、水をかけると溶けるのよ。去年理科の授業で教えたじゃない』

 

『そうだっけ?』

 

「熱斗くん、どうせその時寝てたんでしょ?」

 

『……何はともあれ、これで先に進めるんだ!行くぞ、ロックマン!』

 

「はぁ……」

 

暗に授業中に寝ていた事を明かした熱斗。コレにはまり子先生も、スラーも、ロックマンも呆れた表情だ。スラーに至っては溜息が出ている。

 

「ロックバスター!」

 

「ワイヤーショット!」

 

氷の道を滑り、ウイルス達を倒し、電脳世界を進んでいく。

こちらへ体当たりしてくる船と鳥を合体したようなウイルス、キオルシンの群れを撃破したが、まだまだオカワリはやってくる。

 

「チッ!殲滅します!ストライクサークル!」

 

スラーが片手を天にかざし、円を作る。

すると、その円の中心から爆撃のような衝撃波が巻き起こり、前方にいたウイルスたちが次々とデリートされていく。

その様子に、熱斗とロックマンは「凄い」と感嘆した。

 

「ふん。貴様ら、中々やるようだな」

 

「誰だ!」 「……」

 

目の前でウイルスを赤の剣で斬り捨てて現れたのは、サングラスをつけたヘルメットを被っているような深紅のネットナビだ。

 

『水道局のナビじゃない……?おい、そこのナビ!お前はワールドスリーなのか?それともオフィシャルなのか?どっちだ!』

 

今、水道局にいるナビは自分たち以外いないはずだ。

職員はもうこの施設には居ない。もしかしたら、まだ残っている職員がいるかもしれないが、ワールドスリー産のウイルスがいるような場所にいるとは思えない。

だからこそ、ここにいるネットナビは自分達を除くとオフィシャルかワールドスリーの2択となる。

 

「うわっ!?」

 

キィン!

 

熱斗が問いかけた刹那、素早い踏み込みがロックマンを襲った。

あまりのすばやさに無意識に後ろへ下がろうとしたが、氷の足場に足を取られ、尻もちをついてしまった。

 

「ったく、世話が焼けますね」

 

「今のを防ぐか、白いの」

 

そんなロックマンへの攻撃を防いだのは、スラーのプラグソードだ。

赤い剣と、白の細剣に金属音を擦るような音が響き、火花か飛び散っているようだ。

 

「今時のオフィシャルは血の気が多いのですね。ブルース」

 

「ふん。炎山様を知っていたお前だ。俺の事を知っていても不思議では無いな」

 

スラーはブルースを弾き飛ばす。その瞬間に衝撃を後ろへ逃がしてダメージを0にして後ろへと跳躍。距離を取った。

 

『ブルース、何をしている?』

 

電脳世界からオペレーターウインドウが出現。画面には朝、受付で遭遇した白髪の少年が映っていた。

 

『お前、受付にいた伊集院炎山とかいうやつか!』

 

『朝、スラーが言ってたオフィシャルネットバトラーだ!』

 

『またお前らか。一般人が出る幕は無いと言ったはずだが?』

 

「バカにすんな!」

 

受付で出会った伊集院炎山の第一印象は、嫌な奴だ。

確かにすごい人物ではあるだろうが、初対面である自分達をガキ扱い。それも恐らく同年代の相手がだ。

 

「ふん。お前らが何をしようが別に構わん」

 

『だが、もしお前らが俺たちの邪魔をするのであれば、その時は遠慮なくデリートさせてもらう』

 

『そんなこと、できるもんか!』 『そうだそうだ!』

 

『証明するのは簡単だが……生憎と任務があるのでな。行くぞ、ブルース!』

 

炎山の出す命令に、「ハッ!」と敬礼するように応え、ブルースはその場を去ろうとする。

 

「俺達にデリートされる前に、ワールドスリーにやられなければいいがな。特に、そこの青いナビは精々頑張るといい。おい、白いナビ。お前はなんという名だ?」

 

去ろうとしたブルースは足を止め、後ろを振り向いた。

あの踏み込みに反応し、あまつさえ受け止めた白いナビは強者だ。ブルースは本能と経験から、それを読み取った。

だからこそ、聞きたいのだろう。自身の攻撃を受け止めた強者の名前を。

 

「私はスラー。レイチェルのネットナビです」

 

「スラーとやら。貴様の名は覚えておいてやる。さっさとプラグアウトして家に帰るんだな」

 

そう言い残し、ブルースは再び歩を進める。

 

『んだよ、アイツ!やっぱ感じ悪いな!』

 

「熱斗くん、冷静になって。怒ると喉が渇くよ」

 

『そうだな。ごめん、ロックマン』

 

『熱斗くん、ロックマン。先を急ぐよ!』

 

今はオフィシャルネットバトラーと、そのネットナビのことを考える場合じゃない。給水プログラムの事が先決だ。そう思い、電脳世界の奥へと進んでいく。

 

途中、玉に乗った道化師のような怪しいナビが、「この先は行き止まりだよ」と忠告してくれた為、来た道を一度引き返し、また先へ進んでいく。

 

 

「熱斗くん!ウイルスだ!とても強そうだよ!」

 

視線の先には凍りついた給水プログラムがある。

それを守っているのは、2体のシロクマのようなウイルス、コルドベアだ。

 

『オペレートは任せろ!バトルチップ、エレキソード!ダブルスロットイン!』

 

ロックマンの両腕が、雷を纏った細剣へと変形した。

不安定な足場だが、慣れてしまえばどうということは無い。

 

コルドベアは、氷の塊……アイスキューブを生成し、投げつける。

それをジャンプして踏み台にし、2体のコルドベアの間に入り込む。

 

「でやぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

回転して、1体目を斬りつける。その後、舞うように2撃、3撃。放たれるアイスキューブを避け、切り裂きながら攻撃。

 

「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

トドメの横のひとなぎで1体。剣を突き刺してもう1体を撃破。

ほんの2週間前、スラー監督の元、たっぷりと特訓したのだ。いくら場違いといっても、ウイルスであることに変わりはない。

 

「今のウイルスが給水プログラムを凍らせてバグらせていたんだね」

 

『ああ。まあ、あの特訓をくぐり抜けた俺たちの敵じゃあなかったな。スラー達の方も終わったみたいだし、ロックマン。これで、みんな水が飲めるようになるぞ』

 

「うん。熱斗くん、炎属性のバトルチップを送って」

 

『よし、分かったぞ、ロックマン。ファイアショットを送……』

 

『光くん、ちょっと待って!』

 

ファイアショットを送るのを静止したのは、まり子先生だ。

まり子先生は給水プログラムを直せば解決すると思っていた。それさえ直せば水が出てくるからだ。

しかし、会話には混ざることはできなかったが、オフィシャルと遭遇したし、ワールドスリーの仕業である事も、オフィシャルからの情報で確信した。そこ産のウイルスもいるから尚更だ。

そこに、飲み物の買い占めや盗難も含めると、事態はそう単純なものでは無いはずだ。

そんな時、まり子先生は思い出した。水道とは給水だけではない。汚い水を綺麗な水に浄化して初めて、人は水道の水を飲む事ができるのだ。コレにはレイチェルにとっても盲点だった。スラーは薄々勘づいていたのだが。

 

「ファイアアーム!!」

 

「ロックマン!」

 

それを熱斗達に伝えた結果、事態は再び振り出しに。家に帰り、情報を整理しようとプラグアウトしようとしたが、横から飛んできた炎がそれを阻んだ。

もっとも、その炎はスラーがプラグソードを回転させることで受け流したのだが。その姿は火芸のようだった。レイチェルが『パパすごい!』と興奮していたようだ。

 

『へっへっへ。プラグアウトなんてさせねぇぜ。お前らはここで俺達に焼かれてデリートされるのさ!』

 

「お前は……!!レンジ連続発火事件の!!」

 

水道騒動を解決しようとした2人の前に現れたのは、水とは真逆の炎のネットナビだ。

理科で使うガスバーナーを無理やり人型にしたような炎のネットナビ、ファイアマンが立ち塞がったのである。

 

 




・ストライクサークル

スラーがロックマン、ブルース、サーチマン、カーネルと戦った時、トドメに使用したアレ。技名を調べても出ないので勝手に命名。アレ、なんて言うの?

・ブルース

伊集院炎山のネットナビ。ロックマンのライバル枠。
どの媒体でも、最初は感じの悪いヤツに従う従順なネットナビという印象だが、物語が進んでいくにつれて王道のライバル関係に。
鷹岬版ではシャドーマンを置いて、あのムラマサの使い手となった。

・熱斗くんとロックマンを止めたまり子先生

オフィシャルが動いているのを知って、2人をどうしようかと悩んでいる時にあれよあれよと展開が進んだ為、会話不参加に。ゲストメンバーだからね。仕方ないね。
何気に今回ファインプレーをかました。さすが先生。

・エレキソード二刀流

無印Zのヴェルルゼバの剣舞をイメージお願いします。

・ファイアマン

ゲーム版、アニメ版、鷹岬版に登場する、火野ケンイチのネットナビ。出演ナンバリングは1と4。
1ではレンジ発火事件の黒幕として熱斗の家のレンジの電脳で戦うことになる。子供と思って油断したのか、ロックマンに敗北した。
とある縛りでは最初の難関として強敵。序盤故のチップ不足が原因か。普通にプレイする上ではそんなに強くない。
鷹岬版もゲームと立ち位置は同じだが、フォルテGS編では闇の力を手に入れたファイアマンは闇の力を利用したスタイルチェンジを習得。フレイムマンにスタイルチェンジした。ヒノケン曰く、「闇のメタモルフォーゼ」
アニメ版では序盤こそ悪役だが、徐々に中立、味方と立場が変更。カレー屋を営んだり、ガッツマンの師匠その1になったりしていた。
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