最強のナビといっしょ   作:シュオウ・麗翅

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前倒しや!

なんかふと思ったこと。スラーは気の強い女や女騎士と同じ弱点してそう(超絶濁し)

展開が無理やりかもしれんけど、基本行き当たりばったりなんですこのSS。ユルシテ…ユルシテ…


都市、開通

熱斗とレイチェルが水道事件を解決して数日後。秋原町の人達はメトロに集まっていた。

なんでも、デンサンシティの中心地である、デンサンタウン行きのメトロが今日開通したとの事だ。

 

熱斗はメイルと一緒に、やいとへの誕生日プレゼントを買うための下見に行くらしい。コレはデートなのでは?

 

レイチェルは今日も着ぐるみ制作に精を出している。以前出したヤツよりも大きな代物だ。

着ぐるみ第1号は、玄関の前に防犯システムとして置いてある。熱斗の家の犬小屋型防犯システムと同じものだ。不審者には警告音と共に小型のモヤットボールを連射してぶつける仕様である。地味に痛そう。

 

外見は以前と同じ手順で作った為、残りは中身とオプションだ。目指すは乗り物である。

 

「随分と精が出ますね」

 

「うん!ママがアンチウイルスプログラムを発表するから、ボクも負けないものを開発するんだ!」

 

レイチェルのホームページには、既にアンチウイルスプログラムの試作品を投入している。その効果は試作品でも絶大で、紛れ込んだウイルスはメットール1匹さえ逃さない程だ。スラーが一々ウイルスバスティングをやらずとも、風呂入って寝てるだけでお掃除してくれるのだ。コレで面倒な作業をやらずに済む。

 

水道事件の日から完成形を送られたレイチェルは、稼働実験をメールで報告している。以前は試作品で実験していたが、完成形が送られてきたので今度はそっちでやっている。

プログラムをインターネットエリアに配置し、襲い来るウイルスを倒していくという単純な作業だ。現時点でインターネットエリア5まではクリアしている。次はエリア6だ。

 

「先程、桜井メイルから光熱斗と3人で買い物に行かないかとの誘いが来ましたよ。どうするのですか?」

 

「うーん……」

 

デンサンタウン。大都会での買い物。材料集め。作業。

 

デンサンタウンは、デンサンシティの中心地だ。それだけ人が集まりやすい。人が集まるところにはビジネスのチャンスが多く転がっている。だからなのか、タウンには多くのお店や施設が建っている。

美味しい食べ物に、多くの専門店。レジャー施設。兎に角魅力的なものがそこかしこに点在している。秋原町中の人がメトロに集まるのも納得の一言だ。

 

だが、今作っているのは科学省パーティーに持っていくものだ。クリームランドのアンチウイルスプログラムに負けないつもりで作っている。

 

悩む。悩む。悩む。友達と大都市でのお買い物か、今制作しているものの続きをやるか。

 

 

 

ピンポーン

 

「来客でしょうか?」

 

「多分熱斗くんかメイルちゃんじゃないかな?ちょっと行ってくるね〜」

 

流石に、実体化しているスラーに来客を任せる訳にはいかない。レイチェルは作業を止めて玄関へと向かう。

誘いの返事を聞きに来たのかな?そう思いながら扉を開けると……

 

 

「ママ!!」

 

「ふふっ、来ましたわ、レイチェル」

 

プライベート用の狩人風衣装に身を包んだ、プリンセス・プライドが立っていた。サプライズが成功したかのような笑みを浮かべている。近いうちに来るとは言っていたが、こんなに早く来るとは思っていなかった。

レイチェルはプライド王女に向かって飛び込んだ。別れてから1ヶ月ちょっとだが、甘えたがりの年頃の子供には少々、心細くあったのだろう。

 

プライド王女はレイチェルを抱っこしながら家に上がり、リビングへと向かっていく。

 

「貴方でしたか。予定より早かったですね」

 

「ええ。レイチェルに会うのが楽しみで仕方がなくて、先の仕事も終わらせてきたの」

 

「きちんと寝ていますか?貧しかった時と同じくらい働いているように見えますが……」

 

『うむ。そこは問題ない。祖国が軌道に乗ってからというもの、姫は常に健康的な睡眠時間を確保している』

 

「そうですか。私が眠らせていた頃が懐かしいですね」

 

「気絶させてまで眠らせる人がいますか?」

 

「私は、レイチェルの高性能ネットナビです。その他大勢のナビとは違いますので」

 

スラーは来客用の紅茶を人数分注ぎながら、他愛ない会話をしていく。

プライド王女とレイチェルは椅子に座り、スラーが人数分の紅茶を持ってきて向かい合わせに座った。ちなみに、レイチェルはプライド王女の隣だ。

 

9年前のプライド王女は国のトップとしての責任感からか、自身の寝る間も惜しんで仕事や作業に没頭しなければならず、目元のクマも酷いものだった。

有り金全部賭けたような、一世一代の大勝負の際にもだ。ナイトマンが身体を労わるように言っても聞きはしなかった。なんせ、国の未来がかかっていたのだ。寝る間も惜しんで死にものぐるいに仕事をするのは当然と言えた。

 

スラーは初回、そんなプライド王女の腹に肘打ち。その後、ヘッドロックを決めて無理やり気絶させて寝室へと運ばせたという経緯がある。

 

ーーー王女を起こさないでください。死ぬほど疲れてます。

 

そのあまりある所業にかつてのナイトマンは怒ったものの、当のスラーは知らん顔だった。

その事を話すと、「そんな事もありましたね」と紅茶を飲みながら言った。スラーはいらない過去は振り返らない主義だ。それに、あの時はああする以外方法はなかった。

睡眠は、人間が一日活動する疲労を回復する上で重要な行動だ。幾ら忙しいからといって、何徹もするのはパフォーマンスが下がり、体調がおかしくなるばかりである。

 

 

「ねえ、ママ!今日、デンサンタウン行きのメトロが開通したんだって!一緒に行こ!」

 

久しぶりにお出かけしたい。一緒に遊びたい。流石にスラーは外で実体化する訳には行かないのでPETの中だが、折角家族が揃ったのだ。レイチェルも遊びたい年頃なのである。

 

「ごめんなさいね、レイチェル。ママはちょっと用事があるの」

 

「ええ〜」

 

『レイチェル殿。すぐに終わるので心配は無用です。ご安心を』

 

「科学省パーティーのちょっとした打ち合わせだから、そう時間はかからないはずよ」

 

「ならば、現地集合で構いませんね。集合場所は……デンサンタウン一丁目のバス停でいいでしょう」

 

家族とも遊べる。現地には光熱斗と桜井メイルもいるから、友達とも遊べる。特に光熱斗は何度もワールドスリーが起こす事件を解決しているから、オフィシャルでもあるプライド王女ともいい感じになるだろう。ネットバトルをしてくれれば、それを見学させて学ばせればいい。

 

熱斗達に合わせて、レイチェルの出発は昼からでいいだろう。プライド王女は用事を済ませる為に最低限の荷物を持って出発。スラーは時間までのんびり過ごし、レイチェルは熱斗にメールを送り、張り切って作業を再開した。

 

ーーーーーー

 

 

お昼ご飯を食べ、デンサンタウンを目指していざ出発。そこに行くためのメトロ前には熱斗とメイルが居た。どうやら、自分が最後だったらしい。

 

「おまたせ!」

 

「よし!コレで3人揃ったな!いざ、デンサンタウンへ、イクゾー!!」

 

「おー!」

 

熱斗とレイチェルが景気づけるように、元気よくメトロへ向かった。

後は切符を手に取り、実際に向かうだけだ。

 

そんな時だ。メイルのPETから通知音が鳴った。

 

「……ごめん!今さっきメールが来て、急に隣町のおばあちゃんに荷物を届ける事になっちゃったの。だから2人とも、先に行ってくれないかな?」

 

どうやら、先程のメールはそれだった様だ。急な用事が出来て、メイルも困惑しているだろう。

熱斗はメイルをそこそこ長いとこ待っていたようで、つい文句が出てしまったようだ。そこはロックマンが宥めていたが。

 

今度埋め合わせするから!と言って、メイルは隣町へと向かっていった。

 

「熱斗くん。オフィシャルからのメール、見た?」

 

「今さっき届いたやつだろ?ワールドスリーのウイルスも厄介になってるみたいだし、俺達も気をつけないとな」

 

数日前にワールドスリーが起こした水道事件。その情報を求めているという内容だった。

 

『レイチェル。ワールドスリーの事件は益々激しくなるでしょう。もっとネットバトルの腕を磨かなければいけませんね』

 

「うん。でもさ、スラーは無敵だから、ワールドスリーなんて一捻りだよね!」

 

『私も無敵ではありません。それに、過信は身を滅ぼす事になりますよ。決して、《スラーが居るから全て大丈夫》なんて言って、練習を疎かにしない事です』

 

「……なんだろ。スラーが言うとなんでか、えーっと……説得力?があるよね」

 

スラーは、自分が負けたあの日の事を戒めとしてレイチェルに忠告した。

デューオによって作られた地球外ネットナビであるスラーの、ただ1度の敗北!ゴミのような地球のネットナビに、デューオの意思である私が敗れたのだ。レイチェルを育てるまで、この辱めに耐えてきた……という自負がある。

 

だが、レイチェルを育てていくうちに、成長というものを学習した。ほんのわずかな時間で、あんな小さかった子がどんどんできることが増えていったのだ。

ハイハイ、つかまり立ち、言葉、食事、歩行。レイチェルがそれを会得した時、フォルテの言葉を思い出した。

 

ーーーー裏電脳世界で、大量のバグを平らげたからな。

 

バグとは、ネットナビにとって良くないものだ。人間で言うところの病原菌のようなものである。

そして、裏電脳世界。そこは脱出不可能と言われている程めちゃくちゃな場所であり、凶悪ウイルスの巣窟でもある。フォルテはそこで己を鍛え、パワーアップしたのだろう。特に、吸収はフォルテの十八番だ。どこぞの英雄よろしく、パワーを得ていればスラーを圧倒するのも納得である。

 

対してスラーは地球人にアステロイドをばら蒔いただけである。

その途中、カーネル達とも戦ったが、所詮は格下。それでパワーアップができるわけがない。

 

レイチェルが勝ち続けている理由も、所詮はスラーが強すぎるだけだ。レイチェルの腕は、一般人相手だと圧倒できるだろうが、光熱斗や伊集院炎山。それからプリンセス・プライドと比べるとまだまだという他ない。

 

アステロイド集団戦も、一対一ならば相手の有利なフィールドでも戦えるが、そんなものはスラーの性能の暴力によるものだ。もしロックマンをオペレートしていたならば、あの偶然正解を引いたヤケクソ込みでギリギリ勝利できるか……と言ったところか。

 

(暫くは、プリンセス・プライドに鍛えてもらいましょうか。少なくとも、数日は滞在するらしいですし、丁度いいでしょう)

 

ネットバトル強化プランを考えていくうちに、メトロはデンサンタウンへ到着した。

 

「レイチェル!メイルの用事が済んだみたいだ。今から、デンサンタウン一丁目行きのバスに乗ってるんだってさ」

 

「ボクも届いたよ!あ、ママも同じバスに乗ってるみたい。話が盛り上がってるんだって」

 

『うーん……やいとちゃん、最近骨董品集めてるらしいんだけど、どこがいいんだろう』

 

『それなら、黒井みゆきの骨董品屋がいいでしょう。たしか、デンサン二丁目にあった筈です』

 

「お世話になったスカルマンのオペレーターのお店だな!よし、そこにしようぜ!後はメイルとレイチェルのママを待つだけだな!」

 

2人は集合場所のデンサン一丁目のバス停に向かっていく。

その途中、炎山からオフィシャルメールの返信が届いたが、その内容に熱斗は憤慨していたようだ。

 

「えーっと……デンサン一丁目……デンサン一丁目……ここだな!」

 

「ママ達はもうすぐ来るって行ってたし、ここで待ってようよ!」

 

2人は走ってバス停に向かう。後は合流して、熱斗はやいとの誕生日プレゼントの下見。レイチェルはプライド王女とお出かけするだけだ。4人で一緒に町を見て回るのもいいかもしれない。

 

「……ん?」

 

「アレ?信号機の調子、変じゃない?」

 

バス停近くの横断歩道を渡った瞬間、2人は異変に気づいた。

信号機が電源を入れたり消したりを繰り返しているように、早い頻度で赤と青に表示変更しているのだ。

 

そして……

 

「ゲッ!どっちも青じゃん!!」

 

「あっ!熱斗くんアレ!」

 

デンサンタウン一丁目の信号機が、全て青表記になってしまった。

自動車は基本的に自動操縦で走っている。歩行者や信号を探知し、止まったり走ったりをコンピュータで管理しているのだ。オートドライブシステムと呼ばれている。

 

だが、交差点の信号は全て青。システムはブレーキを選択せず、アクセルをずっと選択することになる。

 

「事故だ!」

 

向かい側に居た、サラリーマンの男が叫んだ。現場は阿鼻叫喚の嵐だ。

車は他の車が来ようが構わず前進。息を合わせたかのように車同士はぶつかり、大爆発を起こした。

 

それが2度、3度と続いた瞬間、2人のPETにメールが届く。

 

ーーー差出人は、ワールドスリーだった。

 




・デンサンタウン

デンサンシティにある大都市。ビジネスの町という事だからか、沢山のお店やビルがある。シティと同じ名前がついているということは、県庁所在地的なやつだろうか。

Qフォルテがスラーに勝つ方法は?

A、バグによるドーピング。

・レイチェルのネットバトルの腕

比較対象がおかしいだけで、レイチェルは割と強め。スラーの評価は厳しいのだ。
ちなみにレイチェルはスラーに甘えてる所が多いからそこが減点対象。それが無ければ化けるかもしれない。

・バスに乗ってるプライド殿下

用事が終わり、デンサンタウン行きのバスに乗ったらたまたま桜井メイルを目撃し、「いつもレイチェルがお世話になってます」的な感じから会話スタート。そこから盛り上がりを見せた。
日本でクリームランドの公務用の車は使えない上、これからプライベートなので送迎を断ってバスを使用したという事で。

・ホームページ

熱斗のホームページ以外はウイルスが結構いる。特にみゆきのホームページにはキャンデービルなんてクソ強ウイルスもいる。どうなってるの?やはり熱斗は日頃からウイルスバスティングをやっているのだろうか。

・オートドライブシステム

車の運転をコンピュータによって管理するという運転には欠かせないシステム。作中の描写からすると、信号機>車=歩行者という優先度なのだろう。現に熱斗が車の前に行くと、どんな飛び出し方をしてもピッタリ止まってくれる。スゴい。なんならそこから熱斗が歩くと誘導してるように見える。スゴい。

・信号機事件

エグゼ1で色綾まどいが起こした事件。どう見ても車が粉々になってるので、中の人がどうなっているかは不明。やってる事はシャレにならない。
アニメ版では信号機を全て赤にして渋滞させるといったマイルド仕様になった模様。
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