最強のナビといっしょ   作:シュオウ・麗翅

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ゲーム版エレキ伯爵は全くわからぬ、顔グラ怖い(´・ω・`)

アニメ版はほんとキャラ付けが盛られてて好き。

デッデッデデッデーン
デッデッデデッデーン
デーッデッデッデッデッデーッデン(デデデデンッ、デデデデーッデン)

評価に色がつけられた!感謝感謝やで!ありがとうございます( ∩՞ټ՞∩) ンフ~~




停電事件

パーティー会場にたどり着くと、そこには沢山の科学者や研究者が、様々なプログラムや発明品を手に、壇上に立つのは今か今かと待ち望んでいる様子が見れた。

この科学省で行われるインキュベーションパーティー。著名な科学者に目をつけてもらえるチャンスであり、発明品を評価してもらえる場だ。

特に、今回は日本が誇る大天才科学者の光祐一朗。ここ9年で、異様な発展を遂げたクリームランドの王女、プリンセス・プライド。この2人が来ているのだから、早く見てもらいたくてうずうずしている。

 

「ペットボトルPET?パ……スラー、これってすごい発明品だよね!」

 

『……そうですね。リサイクルしてPETの部品を作ることなら可能でしょうが、全体を作ったとなるとこれはものすごい発明品です』

 

「開発したのは、ジャック・エレキテル……聞いた事あるような……」

 

『キングランドの貴族ですね。なんでも、雷や電気に精通し、それを生業とする事で伯爵の地位を手に入れたとか。エレキ伯爵とも呼ばれている当主でもありますね』

 

エレキテル家と言えば、キングランドでは高名な貴族だ。雷のように激しい人柄が多い事で有名だが、雷の専門家として名を馳せている。

貴族と王族の交流。それは珍しいものでは無い。故に、クリームランド王家とエレキテル家はそこそこの付き合いだ。キングランドと交流を深めた際に生じた関係である。

 

『ですが、エレキテル家と言えば雷に由来する貴族のハズ。なぜ、一欠片も関係の無い、こんなものを発表するのでしょうか?』

 

スラーは今回、エレキ伯爵の発表する発明品に疑問を持った。

これまで、性能のいい電池やバッテリー。果てはエレキギターまで、電気の名がある物は大抵、エレキテル家が初出だ。

中にはナビがダメージを受けるとオペレーターに電流が走るという狂ったものまであるが、コレはコレで刺激に飢える者には需要があるという。

 

「アレじゃないかな?ホーホーレンコンってやつ」

 

『それを言うなら方向転換です……。貴方、国語は壊滅的なのに何故そんな小難しい言葉を使いたがるんですか?』

 

馬鹿な言い間違いに呆れ、溜息を吐くスラー。レイチェルは、普通に喋れるのにも関わらず、熟語やことわざを使う事で毎回言い間違いをしてバカを晒してしまう事が多々ある。ヒャッハーは寝て待てとか酷かった。どんな言い間違いだ。このトリアタマは。

 

そんなスラーの内心とは裏腹に、ウッキウキの様子のレイチェルは人気のいない場所にへ直行。即ち、トイレの個室だ。

 

鍵を閉めて誰も居ないことを確認し、ディメンショナルチップを使用。スラーを実体化させ、PETに入れていた着ぐるみを取り出した。

 

「うんうん!システム問題無し!オールオッケー!」

 

『それで、どうするのですか?』

 

「勿論!このまま前進!直行!ナイトくん2号!行くぞ〜!!」

 

背中に乗り込み、操縦席に座る。ナイトマンがぬいぐるみような見た目がデフォルメされた形、ナイトくん2号。手を器用に動かして鍵を開ける。

堂々と歩く姿は、さながら騎士そのものだろう。

……ここがパーティー会場で無ければ。

 

トイレから出たデフォルメナイトマンという珍妙な物を見た参加者は、気まずそうに顔を背けた模様。

 

ーーーーー

 

 

一方、レイチェルがトイレで着ぐるみに搭乗している頃、プライド王女と熱斗達は仲良く談笑していた。

 

「ねえ、レイチェルのママ!後で俺とネットバトルしようよ!」

 

「私のことはプライドで構いませんわ。熱斗くん。時間が取れれば喜んでバトルをしましょう」

 

『先に言っておくが、レイチェル殿の作成した再現データと一緒にすると痛い目を見る事になるぞ』

 

『そちらこそ、子供だと思って油断していると足元を掬われますよ』

 

人間同士であれば互いに目から電流が流れ、撃ち合いをしている事だろう。

熱斗とロックマンにとってはつい最近SPをなんとかクリアした強敵だ。そして、今目の前にいるネットナビはは再現データではなく本物。オペレートまで付いてくるのだから、強敵なのは間違いないだろう。

再現データ相手に苦戦しまくった相手に、とてもワクワクしている2人だ。口元に笑みが浮かんでいる。

 

対して、プライド王女は熱斗達の事はレイチェルから聞いていた。曰く、ワールドスリーの事件を次々と解決しているという。

スラーという性能の暴力という反則級のナビを除けば、秋原町1と言われている小学生ネットバトラーだ。それに、再現データとはいえナイトマンSP相手に勝利したというのだから、ワクワクするのは必然であった。

 

立場も年齢も違えど、2人はネットバトラー。強い相手と聞いて戦いたいというのは自然であった。

試合前の選手がよくやるような剣呑な雰囲気。なんだなんだ?と視線が釘付けにされている。

 

 

『ママ〜!準備出来たよ〜!』

 

そんな時、レイチェルの声が耳に入った。

準備とは言うが、プライド王女の出番は1番最後の筈だ。パーティーのトリを任されている。クリームランドのアンチウイルスプログラムの発表。それが1番のメインイベントである事は間違いない。

何かサブイベントでもあるのだろうか?そう疑問に思いながら、声のした方向へ視線を向けた。なんなら、会場の全員が凝視している。

 

『世界一硬くて、世界一忠義の心がある騎士道精神の鏡、ナイトマンの登場ですぞ!』

 

『れ……レイチェル殿……』

 

「………………」

 

パーティー会場をデフォルメされているナイトマンが歩いているのだから。

この光景を見たプライド王女は頭を抱え、ナイトマンは絶句している。反対に、熱斗は子供のような反応を示し、熱斗のパパは「これはどう動いているんだ?」等科学者目線で分析を始めている。ちなみに炎山は飲んでたコーヒーを吹き出していた。

 

子供がごっこ遊びでやるような、あまりにも解釈違いな言動とポーズの数々。もし、女優としてのプライド王女が審査員として出たならば、マイナス100点を付けるほどの酷さだ。

それなのに、デフォルメされているとはいえ細部までほとんど再現されているのがまたタチの悪い仕上がりとなっている。

 

『やったね、パパ!みんながナイトくん2号にメロメロだよ!みんなの注目を独り占め!』

 

『ええ。レイチェルがナンバーワンです。この存在感は只者ではありませんよ』

 

ダメだこのバカ親子。早く何とかしないと……。

たしかに、存在感は1番だ。視線も1番。注目度も1番だろう。

だが、それは悪目立ちという意味でしかない。というか名前はもう少しマシにならなかったのか。

スラーは教育面以外は甘々なので、正直宛にはならない。

 

「所で、この……着ぐるみ?にはどんな機能があるのかな?」

 

『ふっふーん!ナイトくん2号は凄いのだ!熱斗くん、お腹のレバーをONにして!』

 

「これだな?よし!」

 

腹部分にあたる、装飾のところだろうか。そこがレバーになっている為、熱斗は言われるがままにレバーを押した。

 

「うお!眩し!」

 

『お腹のレバーをONにすると、この着ぐるみの全身が光ります。イルミネーションに最適ですね』

 

「ちょっと眩しすぎたからこっちで調整するね〜」

 

全身が盛大に光った事で目が眩んでしまったが、中で明るさを調整。蛍光灯並に調整した。

 

「あー……びっくりした〜」

 

『……姫。この機能、もしもの時の備えによろしいのでは?』

 

一理あると思ってしまった自分がいた。これでは怒るに怒れない。

無駄に洗練された、無駄のない無駄な開発とはこのようなことを言うのだろうか。

 

『次はナビマークを押してみて!』

 

「わかった!」

 

「お腹が開いて……これは貯蔵庫かい?なんだか食べ物とPETのバッテリーがあるようだけど……」

 

『ええ。長く保つとはいえ、PETは充電式。もしもの時の備えの為に常に所持してあります』

 

『ボク、スラーが居ないと何も出来ないんだよね〜』

 

「洒落にならない事をさらっというのやめなさい」

 

『次はナビマークを回してみて!』

 

「わかった!いくぞー!」

 

レイチェルの作った着ぐるみを中心に、光一家は大盛り上がりだ。やはり、息子である熱斗の友人が作った事と、無駄に洗練されているところのポイントがたかいのだろう。

 

『焼きたてのパンが出てくるよ!』

 

「なるほど。トースター機能も着いているのか。しかし、パンだけというのも味気ないな……トッピングは無いのかい?」

 

「あ、俺も欲しい!やっぱり食パンと言えばイチゴジャムだよなー」

 

『プリンセス・プライド。バスター部分のスイッチを押してみてください』

 

「え……ええ。分かりましたわ」

 

思わず公の口調で喋ってしまうプライド王女。スラーに言われるがまま、スイッチを押すと……

 

『ジャムマーガリンが出てくるよ!』

 

『適切な方法で保存しているので、衛生問題もバッチリです』

 

「おお!うめー!」

 

「コレで朝ごはんの準備も楽になるわね〜」

 

『いえ。逆に手間が増えるだけだと思うのですが……』

 

『ちなみに、左手からはコーヒーが出ます』

 

「朝ごはん味がすごい!?」

 

『今申し込みいただくと、お値段はなんと!デデン!2万9800ゼニー!』

 

「急に通販番組っぽくなりましたわね!?」

 

『ちょっと待ってください。今から1時間以内に申し込み頂いた方には、1分の1等身大スケールの私、スラーのフィギュアが着いてきます。』

 

『それをお付けしてお値段そのまま!2万9800ゼニー!』

 

『思いっきり通販ですな……』

 

パーティー開始前にも関わらず、光一家達のこの大盛り上がりだ。今、中心である5人は会場の注目の的だろう。

家族とその友人で楽しくやっている姿と、着ぐるみで悪目立ちしている姿が異様な化学反応を起こしている。そして、そんな様子にツッコミを入れているのはプライド王女のみだ。息も荒い。

ちなみに、この光景を見た炎山は頭を抱えていたという。

 

「ああ、熱斗。そういえば、お前に話したいことがあったんだ」

 

「え?何パパ。急に改まっちゃってさ」

 

先程の盛り上がりようから一変、熱斗のパパは言い聞かせるような口調で熱斗に話しかけた。

ギャグ調からシリアスに急転換したような雰囲気。一瞬で切り替えた熱斗は、パパの言葉を聞き逃さないようにじっと見ている。

 

「ああ。実は、この話はお前とロックマンに深く関わることなんだ」

 

「……と、言うことは、私達は退散した方がよろしいのですか?」

 

「ええ。出来れば、そうして貰えると助かります」

 

「分かりましたわ。行きましょう、レイチェル」

 

『うん!わかったよママ!熱斗くーん、またねー』

 

「おう!またなー!」

 

着ぐるみを操縦し、大きく手を振るレイチェル。

一旦熱斗たちと別れ、ぐるりとパーティー会場を散策してく。もちろん、バイキング形式の食事を皿に映すのも忘れない。

 

「そういえばレイチェル。あなた、その着ぐるみを何処に持っていたの?」

 

『?PETの中だよ』

 

『私は実体化してPETに戻る際、現実世界の物を電子データにする事が出来ます。その逆も然りです』

 

『……やはり、スラー殿は規格外ですな』

 

改めてスラーの凄さを実感するナイトマンとプライド王女。スラーの事でいちいち驚いていたらキリがない事はわかっているが、どうしても反応してしまう。

どんなナビをも圧倒的に凌駕する性能に、チップ1枚で実体化でき、現実世界のものを電脳世界に持ち込める。これが規格外と言わずになんと言おうか。

1度、ナイトマンにディメンショナルチップを使用したことがあるが、エラーを吐き出すだけで不発に終わった。

スラー曰く、「特殊な因子プログラムが必要」との事。実体化は今のところ、スラーの専売特許と言えるものだ。

 

『あ、炎山だ。コーヒーいる?』

 

2人で会場を歩いていると、レイチェルは炎山を発見した。

確か、警備の仕事だと言っていたか。コーヒーを飲みながら怪しい人がいないかチェックしているようだ。

 

「……いや、別にいい」

 

『というか、まだ充分に残っているだろう。見て分からないのか。それから、いい加減そのネットナビもどきから降りたらどうだ?』

 

着ぐるみに乗って強気になっているのか、楽しんでいるからハイテンションになっているのか。炎山はどっちだ?と考えていたようだ。ブルースはブルースで当たりが強い。

プライド王女とレイチェルは、いい意味でも悪い意味でも目立っている。というか、あのネットナビの着ぐるみと一緒に歩いている時点で目立つなと言う方が無理がある。

 

「プリンセス・プライド。オフィシャルの仕事の件で少し相談が……」

 

『只今より、このパーティーの主催者による挨拶が始まります』

 

故に、一刻も早く悪目立ちをしているバカから離れるのが得策だ。その為に、プライド王女に相談があるように持ちかけてレイチェルから離れる必要がある。

 

それをいざ実行に移そうとした瞬間、パーティー開催の挨拶が始まってしまった。なんと間の悪い。

 

「皆様。ようこそお集まり頂きました」

 

壇上に立っているのは、電飾でピカピカしている緑のスーツに身を包んだ、特徴的な髪型の男だ。

 

『ママ。あの人が、えーっと……エレキ伯爵って人?』

 

「ええ。我が国のアンチウイルスプログラムの発表と、インキュベーションパーティーの合同企画を立ち上げた、キングランドの貴族。エレキテル家現当主。エレキ伯爵よ」

 

壇上に立っているエレキ伯爵は、堂々とした感じで挨拶をしている。

恐らく、緊張すら自分のものにしているのだろうか。顔色ひとつ買えていない。

 

「この……ワールドスリー主催の死のパーティーへ!」

 

「……ワールド……スリー?」

 

だが、そんなエレキ伯爵はあろうことかとんでもないことを口にした。

このパーティーが、ワールドスリーに狙われていた。信号機パニック事件が終わってから、下っ端1人すら活動を起こさなかったのはこの日のためなのだろう。思わず炎山は舌打ちをしてしまう。

 

「私共はつい先程、地下の発電施設を乗っ取らせて頂きました。と、言うわけで、最初の出し物はコチラ!大規模な停電の始まりです!さあ、エレキマン。始めなさい!」

 

エレキ伯爵が背負っているエレキギターをかき鳴らした瞬間、明かりが消えた。

発電施設を乗っ取った。つまり、この施設の全てを乗っ取ったと言っても過言ではない。現に、空調システムを弄って作動できなくしたようだ。

 

「それでは皆さん、残り少ない空気をゆっくりとお楽しみください」

 

暗闇から聞こえる声。壇上にある電飾の光が動いている。恐らく、彼がエレキ伯爵なのだろう。

 

「クソ!ダメだ、電気がつかない!恐らく、地下の発電所がやられたんだ!だれか、見に行ってくれ!」

 

恐らく、発電所の職員であろう男の声が会場にひびいた。

その言葉を聞いて、会場中は大パニックだ。あかりも無い。空気もない。どうすることも出来ない。

 

泣く子も黙る、最悪のネット犯罪組織の大規模な作戦が、今ここに始まった。




・ナイトマンの着ぐるみ

コクピットイメージはテスラさんじゅうさいが大暴れしてた回のロボ的なやつでお願いします。ちなみに頭部にあります。

・エレキ伯爵

ゲーム版、アニメ版、漫画版に登場する、エレキマンのオペレーター。緑の派手なスーツに派手な電飾をつけている派手派手な男。本名はジャックというらしい。ガウス・マグネッツの生き別れの弟。

エグゼ1で初登場。会議でちょくちょく顔見せをし、発電所で停電事件を起こす。エレキプログラムを奪取した後は脱出したと見られるが、6で逮捕されていると描写されている。恐らく、トランスミッションの時系列辺りで逮捕されたと思われる。エレキマン出てたし。

鷹岬版ではワールドスリー壊滅後、完全にグレており、忠誠心の高いエレキマンを捨てた模様。一応アレ、エレキテル家のナビだよね?

アニメ版では片言とエレキギターを演奏するというキャラが盛られた。出身地もキングランドと明らかになっている。最初は敵対関係、後に中立、味方となる。ヒノケン、まどいと同じ道筋を辿っているようだ。2期ではデカオの師匠その3となっており、エレキ伯爵のカレーが認められ店を持つことを許された。エレキカレーってどんな味なんやろ?
出来のいい兄と比べられるのが嫌で家を飛び出し、ワールドスリーに加入したという経歴を持つ。

・PETの充電事情

エレキマン事件の時、電脳世界に入ると異様にバッテリーが減る描写と、B連打充電の描写があることから充電の必要があると分かる。
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