道順は当然……カットだ!
エレキテル家めちゃくちゃ捏造しています。こじつけ結構入ってます。
アニメロックマンエグゼは一斉配信から本格的に入ったからブルースの中の人がジュア=ム・ダルービって知って結構驚いたわ。
ああいう狂ったキャラ結構好き。
配電盤のような形の床に、ビリビリと電動コイルが四隅にドンと立っているような、広い空間。
一目見ただけでも、電気を取り扱う施設の電脳世界だと分かる。
電気が通っていないにも関わらず、この電流だ。流石は発電所の電脳と行ったところだろうか。
『大丈夫?スラー』
「ええ。あの程度のプロテクト、私にかかればどうということはありませんよ」
『やはり規格外だな……。俺とブルースはまだ手間取ってるというのに』
「ブルースはもう少しかかりそうですね。私達が先行しましょう」
炎山はスラーがあっさりとプロテクトを通過した事に、驚きと納得が半々と言ったところだろうか。
本気のブルースを圧倒した事から、「この位なら出来るだろう」という信用。「ここまで規格外なのか……」という自分達が突破できないプロテクトを平然と突破する唖然。
一方のロックマンは、少しダメージを受けていたのか、苦しそうな表情をしていたようだ。
それでも、強固なプロテクトを突破できたあたり凄いと言わざるを得ない成果であると言えよう。
「……!!」
「これは……」
突如、2人の視界にノイズが走る。
まるでテレビの砂嵐が走ったような奇妙な感覚。ロックマンは一瞬だけ頭痛を感じた。
スラーはなんともない様子だが、とても苛立ちを隠せない様子であった。
『どうしたんだ?ロックマン……スラーも』
「……感じたんだ。今まで感じたことの無いような、物凄いプレッシャーを」
『エレキ伯爵のナビじゃないの?』
「ありえませんね。ワールドスリーのネットナビ如きに、あれほどのプレッシャーは出せるはずがない」
『……気になるね。熱斗くん』
『でも、今はそんなこと言ってる場合じゃない!急いでネットワーク発電機の所へ向かってくれ!』
「う……うん!」
2人が言っていたプレッシャーがなんなのか気にはなるが、今はシステム奪還が優先だ。
見えない床を踏破し、奥にいるプログラムくんからサイバー電池を受け取った。どうやら見えない床とは違い、消えた床は歩く事ができない。電池を正しい場所に嵌め、電源を入れる事で床が出現する仕掛けとなっているようだ。
『……あーもう!ナニコレ!?なんなのこの嫌な仕掛け!!』
この仕掛けに我慢できなかったのはレイチェルだ。
サイバー電池を正しい位置に嵌めて電源を入れる。単純な仕掛けだが、その正しい位置というのが曲者だ。
サイバー電池を使用すると、中の内蔵量がゴッソリ削られる。電池の容量が小さいのか、発電所で消費するエネルギーが多いからなのかは分からない。だが、それは至極どうでもいいことだ。どちらにせよフル充電で2回までしか使えないのだから。
最初の位置は3箇所だったからまだ何とかなった。確率は3分の1。仮に2度間違えたとしても、充電してもらって最後の1箇所を当てはめればいいのだから。
それなのに次は6箇所の中から2箇所。そうなると、電池の配置は15ものパターンが考えられる。
その次は9箇所の内3箇所。つまり84通りものパターンだ。やってられるか。
ただでさえ時間が無いのに、こんな面倒な仕掛けを一々解いていたら確実にバッテリーが消える。外して、充電に行って、また嵌めて。その間にウイルスと戦って……。
絶対に間に合わない!なんだこれは!運ゲーにも程があるじゃないか!
祈祷力か?祈祷力が足りないのか?縛りプレイか?リセット案件か?
もう限界だ!押すね!
『パパ、早く駆け抜けるよ!突撃モードに変わって!』
「……仕方ないですね」
ため息を吐きながら、自らに球体のエネルギーを身にまとい、飛行機のような形に変形する。
なんだなんだと驚いているロックマンをチラ見した後、とてつもない速さでその場を飛び去っていった。
『……って、やば!ロックマン!俺達も続くぞ!』
「……え?ちょっと熱斗くん!?」
『アーマーパーツ!ロックブースター!装着!』
熱斗も、こんな面倒な仕掛けを解くのはゴメンだと思ったのか、慌ててロックブースターを転送する。
こんな面倒なこと、やらなくていいならそれに越したことはない。そもそもやりたくなかった。
『ロックマン!スラーを追ってくれ!』
「わ……分かったよ!」
『ま……待て!お前ら!』
背中に装着されたロックブースターのエンジン点火。飛んで行ったスラーを追うため、ジェット機さながらのスピードで飛んでいく。
漸くブルースをプラグインに成功させた炎山が静止を呼びかけるも、2人は既に飛び去った跡だ。もう遅い。
『……ブルース。俺達は仕掛けを解いてから行くぞ』
「はい。炎山様」
発電所の電脳、エリア1にて、炎山がブルースに呼びかけた。
その姿は、同僚や部下の失態の尻拭いをする上司のような感じだったという。
ーーーーーー
スラーとロックマンが飛翔して少し経った。
その際に至る所にサイバー電池を嵌め込む箇所があり、それを見たレイチェルは「飛んで良かった〜」と安堵している。しなくてもいい作業を見つけた従業員のような気分なのだろうか。
とはいえ、この電脳世界の仕掛けを解いていたら時間がかかることは事実だ。時間をかければかけるほど、空気はどんどん薄くなっていく。
水道事件では、3日までは猶予があった。だが今回は1分1秒の時間でさえ命取りになりかねない。
それに、バッテリー残量の事も気がかりだ。このPETはスラー専用のワンオフ機の為、どの機能も従来のPETよりも高性能なのは間違いない。が、それでも消費速度は今までの比では無いことは明らかだ。
今はまだ、レイチェルが持ってきた予備のバッテリーがあるが、それが無くなればおしまいだろう。
「そこまでです。大人しくしなさい」
「お……お前は、スラー!!」
電脳の1番奥で、見覚えのあるのと無いネットナビを確認した。
スラーは変形を解除し、2体のナビの目の前に着地する。
片方は両肩に爆弾を装着している、プロテクターを装備しているモヒカン頭の鳥顔ヤンキーのようなネットナビ、ボンバーマンが驚いた様子でスラーを見ていた。
「ちっ!まだエレキプログラムは吸い出せてないってのによ……!」
ボンバーマンのそばにいるのは、背中にコイルを背負っている顔色の悪い青年のようなネットナビだ。目元には雷マークの模様が描かれている。恐らく、アレがエレキ伯爵のナビだろう。確か……エレキマンと言っていたか。
「なるほど。貴方がこの騒動の犯人ですか。デリートされたくないのなら、今すぐシステムを復旧してさっさと立ち去りなさい」
「ほう?どういう風の吹き回しだ?」
「別に?貴方はエレキテル家当主のネットナビ。そんな貴方が何故ワールドスリーに入ったのか……。クリームランドの全権代行者として気になるだけです」
「何を偉そうに……!!」
ついでにボンバーマンは対象外です。と付け加えておいた。慈悲はない。
仮にもプライド王女と交流のある、エレキテル家のネットナビだ。スラーにはそんな義理はないが、体裁のために一応聞いておくべきだろう。
抵抗すればデリートすればいいし、指示通りに動いたのならば簀巻きにすればいい。
対して、エレキマンの方は気が立っているようだ。威嚇するように身体中に電流を走らせている。
「よく言われます。所で、どうするのですか?大人しく発電施設のシステムを元に戻すか、このままデリートされるのか。好きな方を選びなさい」
「黙れ!この裏切り者が!ライトニングブレェェェェス!!」
エレキマンは両手に電気のエネルギーを溜め、スラーに向かって発射した。
ドッヂボール程度の大きな球状の電撃が、スラー目掛けて一直線。バチバチという大きな音が、当たった時の威力の大きさを想像させられる。
『ば……バトルチップ、オーラ!スロットイン!』
その攻撃に対し、スラーはバリアを展開する。
大きな電撃とバリアが衝突する。けたたましい爆音が鳴り響き、トップウに劣らない爆風が2人を中心に四散した。
「な……なんだ?」
遅れてロックマンが到着する。
思わず咳き込んでしまうほどの煙の量だ。思わず目を瞑ってしまう。
数秒後、煙が晴れると、最初の位置から移動していないスラーとエレキマンを確認した。
スラーは涼し気な表情であり、対するエレキマンは子供には見せられないような凄まじい形相をしている。親でも殺されたのだろうか。
『裏切り者って、どういうことなの?』
「いきなり裏切り者呼ばわりされても困りますね。……エレキマンでしたか?私が貴方の何を裏切ったというのですか?」
「ふざけるな!」
激情に身を任せたエレキマンは、己とオペレーターの恨みつらみをスラーにぶつけた。
エレキテル家は雷と機械の専門家だ。 誰よりも速く、どこよりも速く需要を見極めて様々な機械を開発した。
電球、バッテリー、エレキギター……兎に角、機械と電気関係は全てエレキテル家が先導して真っ先に開発したのだ。
それなのに、後から参入したものに次々と追い越されるのは何故だ?こちらは実績も名もある名門貴族なのに。性能はこちらの方が断然いいはずなのにーーー。
挙句の果てには「開発の速さだけが取り柄」などと馬鹿にされる始末だ。
しまいにはインターネット普及がトドメを刺した。今はあらゆるものがネットワークで管理され、便利な世の中になった反面、純粋な機械は日陰に移されてしまった。
インターネットに接続出来ない……ナビをプラグインできない機械は、今の世の中だと不良品扱いだ。そのせいで、エレキテル家はどんどん衰退していっている。
時折1部のマニアが買ってくる時もある為、収入はゼロではないが、そんなものはバケツに水滴が落ちるようなものだ。なんの足しにもならない。
クリームランドも、インターネットを早々に導入したまでは良かったが、その後他の国から邪魔者扱い、踏み台扱いされて衰退していく姿に同族意識が芽生えたものだ。キングランドと外交をしている時に接触したのはこの為だ。ナカーマナカーマ。
だが、ここ9年でクリームランドは先進国に名を連ねる事となった。
それを知ったエレキ伯爵とエレキマンは激しい憎悪と嫉妬に包まれた。特にエレキ伯爵は幼少期に貧しい思いをしている為か、それが顕著に現れている。エレキマンよりも凄まじい表情だ。
例えるなら、崖下から漸く這い上がったところに強風が吹き荒れ、再び落下してしまった時のような心境だろうか。
エレキテル家に引き取られたのは、雷に耐性と適性があったから。そのおかげで生き別れの兄よりはとても裕福だったが、同時に教育は厳しいものだった。それに耐え抜き、今では当主の名を与えられている。
その矢先にコレだ。
ーーー同族だと思ってたのに……!!俺らと同じだと思ってたのに……!!裏切りやがって!!
『ぴっ!?』
『だからって、ワールドスリーに入ってみんなに酷いことするなんて……そんなの間違ってる!!』
「黙れよ……!なにも知らないクソガキ風情がッ!!」
その怒りは当然、レイチェルにも向いている。赤子の頃からプライド王女に育てられたのだから。幼少期の伯爵とは違い、何もかもが恵まれている。国が滅亡する危機も無くなった。今ではどんどん駆け上がっていくだけだろう。
こんな不公平があって溜まるか。
「そんなもの、貴方達が勝手に期待しただけでしょう。その恨み節はお門違いにも程がありますね」
「貴様ァ!!」
八つ当たりも甚だしいとはいえ、本気も本気の怒りと憎悪を目の当たりにしたレイチェルは軽く悲鳴を上げた。
熱斗は一定の理解は示した上で否定し、炎山は無言。スラーに至っては「みっともない」と一蹴。なんなら面倒くさそうに対応しているのが目に見えて明らかである。
今にも頭が沸騰しそうだ。怒りで炎属性へと転身しそうだ。
雷の熱で火花が飛び散っている。今なら気合いでフレイムオーラが纏えるかもしれない。
「エレキプログラムはお前らを倒した後で手に入れてやるよ!スラー、ロックマン!デリートされるのは貴様らだ!覚悟しろ!!」
「この場所にはたっっっぷりと地雷を仕掛けて置いたダ!少しでも歩けばドカーンダ!」
エレキマンが血走った瞳でスラーを睨みつけ、ボンバーマンは脅しとも取れるセリフを吐いた。
熱斗とロックマンは狼狽え、レイチェルは軽くパニックを起こしている。一方、スラーの方は「なーに言ってんだコイツ」という風にボンバーマンを見ていた。
「グワーッハッハッハ!!驚いたダか!!コレでお前らは1歩も動けないダ!!」
そんな様子を見たボンバーマンは上機嫌だ。勝利を確信したかのような大笑い。この電脳中に響き渡る程の大声だ。
なんなら見上げすぎて頭からひっくり返りそうなほど上機嫌だ。後で起こせとか言ってきそう。
「バラすなー!!」
そんな上機嫌なボンバーマンに、エレキマンは綺麗な飛び蹴りをクリーンヒットさせた。
・ジュア=ム・ダルービ
スパロボOGMDに登場する。初登場作品はJ。
「冷凍睡眠からいつか目覚める家族にいい暮らしをさせてあげたい」という目的でフューリア聖騎士団に所属している男。公式では「直情的な性格で執念深く、出世欲が強い」と紹介されてある。
カルヴィナルート第1話で量産型ヒュッケバインマーク2に乗って登場し、その後ちょくちょく機体を乗り換えて登場している。
敵対宇宙人によくある地球人蔑視が目立ち、以前の襲撃事件の犠牲者を侮蔑する暴言を吐いてしまう。その事が原因でカルヴィナの地雷を踏んでしまい、怒涛の猛攻を受け追い詰められてしまう。
トドメを刺されそうになったその時、無意識に禁断のシステムを発動させてしまい、カルヴィナを撃退。その後パニックになって撤退してしまった。
帰還した後、システムの無断使用が原因で騎士団を除名。内心がぐちゃぐちゃになってしまい、カルヴィナへの恨み節を叫んでいるところにソ=デスと遭遇。そのまま諜士に転属した。
そこから徐々に狂っていき、最終的には狂気と妄執に囚われてしまった。もしも選民思想と地球人蔑視がなければまた違う結末になっていたかもしれない。
発狂しているジュア=ムを演じる松風氏の怪演は必聴。乗ってる機体も多く、スパロボOGには特殊セリフが多いためセリフ量も凄い事になっている。
量産型ヒュッケバインマーク2→白ヴォルレント→オレンジヴォルレント→赤ラフトクランズ→クストウェル・ブラキウム→赤ラフトクランズ(クストウェルを入手してた場合のみ)
・サイバー電池の組み合わせ
俗に言う、「パターンは何個ですか?」という問題。確か中3辺りの範囲?
発電所の電脳2の最初にある、6箇所の内2箇所に電池A、Bを嵌める。それぞれの位置をA1、B1、C1、D1、E1、F1と仮称する。
例えば、電池AをA1に嵌めると、電池BはB1〜F1の範囲に配置できる。しかし、電池BをA1に嵌めても結果は同じなので、ダブっているものは省くものとする。
6箇所の内2箇所を選ぶ問題なので、6p2となり、従って(6×5×4×3×2×1)÷(4×3×2×1×2×1)=720÷48=15となる。つまり、総当りをやるなら2回目のところだけでも最大15通りやる必要がある。制限時間もあるし、そら投げ出すわな。特にエリア3とかややこしさが増して投げ出す自信しかない。
もしかしたらこの仕掛けはセキュリティ兼予備電源的な位置づけなのかもしれない。1番最後の道を作ると発電所の扉が開いたし。
・やっとプロテクトを解除出来たブルース
エリア2までは仕掛けが解かれているが、レイチェルがぶん投げた為にエリア3以降の仕掛けを解かなければならなくなってしまった。空中を飛べる訳じゃないからね。仕方ないね。
・このSSでのエレキ伯爵
ワールドスリーに入った動機が「電気と機械が主役の時代を取り戻したい」とあり、6ではエレキテル家が没落した事から、この時から徐々に衰退していると予想。多分ゲーム版プライド殿下みたいにエレキテル家をなんとかしようと思ったんじゃないか説。アニメ版でオカンがめっちゃスパルタだったから英才教育も厳しそうなんだよね。あと両者とも顔グラの目がイッちゃってるのよ……(´・ω・`)
このSSでは落ちるだけのクリームランドに同族意識が芽生えていたが、当のクリームランドが再び返り咲いたので嫉妬に狂っている感じに。
“一緒にマラソン走ろうぜって言った友達が途中から猛ダッシュでぐんぐん追い上げていった”ような感じです。これにはエレキ伯爵とエレキマンは激おこ。……なんかゴスペルみたいな動機になっちゃった。こじつけが酷い(´・ω・`)
なお、エレキ婦人や伯爵の養母は真っ当な方法で復興を果たそうと努力している模様。