最強のナビといっしょ   作:シュオウ・麗翅

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スラー「さっさと降参しなさい。3人に勝てるわけないでしょう」

エレキマン「バカヤロウ!俺は勝つぞお前!」

ボンバーマン「チ───(´-ω-`)───ン」





黒の最強

ブルース、スラー、ロックマンVSエレキマン、ボンバーマンの戦いは、ロックマン達の圧勝に終わった。

それもそうだろう。ボンバーマンは足でまといな上、ロックマンに完膚なきまでに叩きのめされていたのだから。折角全回復したのに……。

 

最後まで意地と執念で限界以上に奮闘したエレキマンだったが、元より実力で負けていた相手に勝てるはずも無かった。無念。

 

「く……クソォ……!!」

 

確かに、エレキマンはどのワールドスリーよりも強かった。

自身に有利な環境はこれまで以上の力を発揮できていたし、性能もV3級に強化されていた。並のオフィシャルならば容易く蹴散らせただろう。

 

そんな超強化されたエレキマンだったが、相手が悪かった。戦いの環境にこれでもかと恵まれた状態でも、スラー1人に軽くあしらわれていたのだから。

そこにオフィシャルのエースネットバトラーが来たのだから、ただでさえ低い勝率がもっと低くなった。エレキマンは泣いていい。

 

『そういえば、炎山はどうやってエレキマンの充電を解いたんだ?』

 

ボンバーマンをボコる傍ら、横目でエレキマンの充電を見ていた熱斗が聞いてきた。

誰が見ても分かるような、明らかなパワーアップ。どんな欠損を一瞬で治す、圧倒的な回復力。ついでに選んだ対象も回復できるようだ。

幾ら光熱斗とロックマンでも、負けを覚悟するであろう多くのバフをどうやって解除したのか。そう言うと、ブルースは当てつけのように言葉を発した。

 

「どこかの誰かさんが、先走って行動したが故に発電室の扉が閉じっぱなしだったからな」

 

『俺達が仕掛けを解いて、施設の予備電力を起動したんだ。感謝するんだな』

 

『そんな言い方しなくてもいいじゃん!』

 

『それに、俺達が先に行ったからエレキプログラムが奪われるのを阻止できたんだぞ!』

 

炎山の含みのある言葉に、頬を膨らませているのはレイチェルだ。

確かに、エレキマンとボンバーマンが究極プログラムの1つを抜き出す途中でたどり着き、見事阻止している。

だが、それはあくまでも結果論だ。もし、エレキマンの充電を阻止できなかったらそのままジリ貧となり、負けていただろう。最も、スラーならば1発で終わらせることができるだろうが。

 

発電施設を利用した充電が出来ようが出来まいが、どの道エレキマンには敗北か降参しか残っていなかったと言っても過言ではない。

 

「ま……まあ、事件は解決したし、プログラムは盗まれなかったから結果オーライって事にしない?」

 

「ああ、そうだな。確かに、お前らが先行しなければエレキプログラムは盗られていた。そこは間違いないだろうな」

 

総当りの仕掛けを解いていたら攻略に時間がかかり、プログラムはワールドスリーの手に渡っていただろう。それは炎山もブルースもよく分かっている。

事件が無事に解決出来たのは、突入したのが3人であったという事だろう。特に、炎山とブルースはオフィシャルだ。重要施設であるこの電脳の性質を理解していない訳が無い。

 

「さて、オフィシャルの老人達には後で責任を取ってもらうとして……エレキマンをどうしますか?」

 

敗北したエレキマンはスラーの手によって簀巻きにされている。

お手製のワイヤーは、フォルテにしか破られた事がないという耐久力を誇る。幾らエレキマンが充電でパワーアップしていても、力が大きくスラーに劣っているのだ。破れる訳が無い。今でもまな板の魚のようにビチビチともがいているようだ。

 

『無論、1度オフィシャルに連行した後、記憶領域からワールドスリーの本拠地を絞り出させてもらう』

 

「老人共の思惑通りなのは癪に障るが、完璧に任務を遂行したんだ。オフィシャル全体としても万々歳だろうな」

 

今まで、ワールドスリーへの対処は後手後手に回っていた。事件が発生し、現場に駆けつけて鎮圧。後に現行犯逮捕が多かったのだ。

逮捕した構成員にしても知らぬ存ぜぬの一点張り。逮捕した下っ端達は通信を利用して指示を受けていたようだ。

 

そこにワールドスリーの重要情報を握っているであろう、Aランクオペレーターのネットナビを確保。うまうまである。

ちなみにボンバーマンはデリートされたようだ。だからリモコンボムとハートを取れと言ったんだ……。

 

 

 

「……!!」

 

エレキマンを連行しようとしたその時。とてつもない威圧感が3人を襲った。

 

『どうした?ロックマン』

 

『ブルース。何をしている』

 

『スラー。どうしたの?』

 

そんな3人の異変を早く察知し、今の状況を聞いた。

特にロックマンとブルースは必死に何かを探している様子が見て取れたのだから。

一方、スラーは露骨に嫌な顔をして舌打ちをしている。

 

「熱斗くん!ここに来た時に感じた、心臓を鷲掴みにされたようなプレッシャー……」

 

「炎山様!何か……来ます!」

 

『なんだって!?』

 

スラーが後ろを振り向いた瞬間、物凄い威力を持つ爆弾が爆発したかのような轟音と風圧がこのエリア中に発生した。

ロックマンとブルースは思わず目を瞑ってガードし、 縛られているエレキマンはスラーが首根っこを掴むことでぶっ飛ばされずに済んだ。

 

数秒後、風圧が止み、煙から少しずつ人型のシルエットが顕になっていく。

 

蝙蝠のような黒いヘルメットをした男だ。身体は茶色のマントで口元まで全て覆っており、唯一見える目は眼力だけでナビをデリートする……と言われても不思議では無い程に鋭い。なんなら物凄い重圧も感じる。

 

「老いぼれの言っていた事は正しかったようだな。ここまで強い波動を持つ者に出会えるとは」

 

『なんだ貴様は。エレキマン達の仲間か?』

 

「ふん。俺をこんな弱者共と一緒にしないでくれ」

 

炎山が目の前にいる漆黒のナビに質問する。

このタイミングで現れた、正体不明のネットナビ。ましてや風圧だけでブルースが飛ばされそうになるなど、只者では無いことが理解出来てしまった。

質問を投げかけられた黒のナビは、心底不愉快そうに縛られているエレキマンを睨みつける。フォルテから見て、満足のいく所か、及第点にすら届いていない戦いっぷりだった。強者を求める者として、そんなやつと同レベル扱いされるのは不快なのだろう。

そんなエレキマンはガクガク震えているようだ。人間だったら失禁レベルなのは間違いない。

 

『じゃあ、何者って言うつもりなの?曲者?』

 

「言っていることは間違ってはいないのですが……」

 

『じゃあ漬物?』

 

「しばきますよ?」

 

『ごめんなさい……』

 

レイチェルとスラーがアホみたいなやり取りをしている中でも、黒のナビは終始真顔だ。

 

「俺の名はフォルテ。強者を求め、電脳世界を彷徨う者」

 

緑色のオーラを身にまとい、辺りに重圧を放ちながら名乗りを上げた。

ロックマンとブルースは武者震いをしているのか、身体が少し震えている。エレキマンなんて、既に吐きそうな表情だ。ただでさえ悪い顔色が更に真っ青になっている。

 

『フォルテって……前に水道局でスラーが言っていた奴か!』

 

『聞いた事がある。圧倒的なパワーを持ち、無限に成長する究極のナビだと……』

 

「加えて、ありとあらゆるチップデータを取り込み、いつでも好きな時に発動できる……。無限の可能性と、無限の手札を持つ完全無欠のナビだが……まさか実在するとはな」

 

『そんなに凄いんだ……』

 

ブルースと炎山の言葉に、レイチェルは戦慄する。

無限の可能性と無限の手札。単純だが、それ故に超強力な能力と言えよう。

高い成長性は自分を容易く強くできる。昨日敗北した相手でも、今日戦えば圧勝する……なんて事が簡単に想像出来てしまう。

また、ナビがバトルチップを使う為にはオペレーターが送信し、転送したものを受け取るという手順が必要となる。

自律型ネットナビや予めフォルダとして内蔵されていればその限りでは無いが、それでも容量というものが存在するのだ。どうしても枚数に限界がある。

 

だが、目の前にいるフォルテにはそんな事は関係ない。10枚だろうが100枚だろうが、余裕でチップを扱えるのだから。

 

「……レイチェル。アンダーシャツの転送をお願いします」

 

あのスラーがここまで警戒するほどの相手。それだけでも、フォルテというネットナビがどれほどの強者か……想像するだけでも恐ろしい。

デリートされるような攻撃でも、限界ギリギリで1度だけ耐えられるチップ、アンダーシャツを送信する。

 

「感じるぞ……。スラーとか言ったな。これ程までに強い波動を持っている者はそうはいない。思う存分楽しめそうだな……!!」

 

「誠に申し訳ありませんが、ここで戦うには場所が悪すぎます。今度機会があれば、インターネットエリアででも戦いましょう」

 

「俺には関係ない。さぁ、楽しませてくれ」

 

「チッ……!話聞けよ!この戦闘狂が……!!」

 

いつもの余裕そうな表情はどこへやら。スラーは苛立ちを隠さずに戦闘態勢を取った。

その際に首根っこを掴んでいたエレキマンを放り投げる事を忘れない。「ぐえっ!?」と潰れたカエルのような声を上げ、硬い地面に激突してしまった。

 

元の時空では辛酸を舐めさせられた相手だ。なんなら1度敗北している。警戒して当然と言えよう。

 

「アース・ブレイカー!!」

 

「ガイア・ブレイカー!!」

 

白のナビと黒のナビの、パワーを込めた拳がぶつかり合う。

互いの最高の破壊力を持つ技の激突という形で、開戦のゴングが鳴り響いた。




・フォルテ

エグゼシリーズ皆勤賞。1では全てのチップを集めた時に戦える隠しボスで、ラスボス級のHPと攻撃力、及びドリームオーラ(後のドリームオーラ1、オーラ)を持っている強敵。……なのだが、1では強力なバトルチップがゾロゾロあり、加えて同じものが10枚まで持つことが出来る。
故にパラディンソード10枚積みはあるあるで、広範囲高威力の攻撃がバンバン使えるために強いといった印象が無い。
ナビチップは相手エリア全体に威力200のエクスプロージョンを放つというもの。高いバスティングレベルだとドリームオーラを落とすようだ。

今作ではまだドリームオーラをゲット出来ておらず、ワールドスリーにはアクア、ファイア、ウッドプログラムがあるので、現時点でいちばん強いウッドオーラを纏っている状態。

スパクロにはロックマンコラボが出ており、フォルテに声が当てられているのでゲーム版フォルテのCVが勇者王に聞こえるのよね(´・ω・`)

・ヤバいエレキマン

ボッコボコにされて簀巻きにされた上、フォルテの圧を食らってるから仕方ないね。
鷹岬版ではフォルテの圧でボンバーマン共々デリートされてます。
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