アニメ一挙配信で気づいたんだけど、V2とかのVってVERSIONの略なのね(遅い)
何故あの時マジックマンだけV2にしてなかったのか……コレガワカラナイ
全然文字やらセリフやらが思い浮かばくてちょくちょく折れちゃう(´・ω・`)
グラフディン合体攻撃追加記念にDD復帰しました。あと1個や……(´・ω・`)
「……知ってる天井ですね」
エレキマン騒動から翌日の明朝、スラーは目を覚ました。ここは、秋原町で生活している一軒家。レイチェルの部屋だ。
確かあの時、フォルテに負け、デリートされたと思っていた。
パストトンネル内で戦った時と同じやられ方。腹を貫かれ、エネルギー波で消し飛ばされる。
……そのはずだった。例えレイチェルがバリアやドリームオーラを送信しても、フォルテの手はスラーの腹にあった。つまり、どう足掻いても詰みであったのは、誰が見ても明らかだろう。
(ですが、こうして存在している……ナイトマンには感謝しなければなりませんね)
薄れゆく意識の中、見覚えのある鉄球が飛んできた事は確認している。それがフォルテを弾きとばし、腹の中にあった手が離されたことも。
当然、レイチェルがディメンショナルチップを使おうとした事も確認済みだ。
ディメンショナルチップはこんな風に共に生活したり、ネットナビのピンチを救ったりするような事で使用した者は居ない。
現実世界でナビを召喚し、より大きな破壊行為をする悪人が大半であった。中には勘違いで入れたり、ナビに言葉巧みに騙されて使った例外もいるにはいるが、そんなものは自らのコミュニケーション不足が原因だ。アステロイドは不良品では無い……筈だ。
ともあれ、愛する我が子が自分の為に、人目がありながらもディメンショナルチップを躊躇いなく使用する。公の立場としてなら説教コースだろうが、プライベートなら褒めちぎっていたことだろう。
それに、ナイトマンの横槍によって未遂に終わった事だ。グチグチ言う必要は無い。今日はゆっくりしたい。
そんなことを考えていると、ドタドタと慌ただしく階段を上る音が聞こえてきた。
そして部屋の扉がバン!と開く。一瞬ドアの中心が膨らんだように見えたが、多分気のせいだろう。
「パパ!朝ごはん、できたよ!」
部屋に入ってきたのはレイチェルだ。幼さ全開の銀髪の子供はスラーのPETを持つと素早く虹色のチップを取り出して転送する。
ディメンショナルチップを転送されたスラーは実体化し、それと同時にレイチェルから手を引っ張られる。
「こ……これは……」
スラーの目の前に広がる光景は、リビングにある朝ごはんだ。目玉焼きと味噌汁。ご飯、焼きシャケという、The・日本の朝ごはんといった献立だ。
「ごめんなさい、スラー。この子が『パパの為に作るー!』って聞かなくて……」
「い……いえ、別に構いませんが……」
プライド王女は申し訳なさそうな感じでスラーに言い、スラーは食卓に座る。
献立はごく一般的な物なのだが、ご飯は水の分量を間違えたのか、最早お粥みたいになっている。
目玉焼きは黄身が潰れており、卵の殻がチラホラと転がっているようだ。しかも白身の底が焦げている。シャケも焦げ焦げだ。
比較的マシそうな味噌汁を1口啜って見るが、出汁が入っていない。味が濃ゆい。
それでも食えない訳では無く、なによりレイチェルが作った理由を察する事が出来る。無碍には出来ない。
レイチェルとプライド王女も食べ始めるが、揃いも揃って渋い顔をしているようだ。そりゃそうだろう。
「……色々とダメだししたい所はありますが、そこは置いておきましょう」
重症から回復して早々に思った事が、「レイチェルに徹底的に料理を教える」だった。
スラーも最初はそこまで上手かった訳では無い。玉ねぎは向きすぎて米みたいになっていたし、火を使う時もボルケルギアを投入しようとしていたほどだ。切る時だってプラグソードを使い、危うく全てを真っ二つにしかける所もあった。
完璧であったはずの自分が、あれほど苦戦したのだ。ならば、レイチェルが初めて作った出来はこんなものだろう。そう思いながら飲み込むように口に入れていく。
スラーが口直しの紅茶を注いでいるのを見て、レイチェルは素早くお菓子を用意する。
何の変哲もない、スーパーやコンビニで売ってあるようなスナック菓子だが、無いよりはマシだ。早く舌に残っている味を消したいのである。
「先ずは、礼を言っておきます。ナイトマンの横槍が無ければ、私はデリートされていましたから」
「……スラーが素直にお礼を言うなんて……明日は天変地異でも起こるのかしら?」
『我が国の環境維持システムが無事なのか、直ぐに確かめるべきです』
「はっ倒しますよ」
優雅に紅茶を飲みながら、冗談たらしく会話する。
ごく普通の日常であるような会話を楽しみ、戦った黒いナビについて話し合い、今後の行動などを突き詰めていく。
兎に角、ワールドスリーは潰す。これは確定事項であるが、フォルテが所属していると分かった以上、迂闊な行動は出来ない。
あのぶっ壊れ性能のスラーが負ける程の相手だ。あの時のナイトマンの一撃がクリーンヒットしたのは、オーラが消えているところに不意をついたからという一点だけだ。2度目はない。
禁じ手のワイヤーバインドもアテには出来ない。どうしようか考えているところ、プライド王女が口を開いた。
「昨日、光祐一郎博士が貴方の破損領域を見つけたらしいの」
その言葉に、スラーは驚いた。
スラーはデューオによって造られた地球外ネットナビだ。ここよりも遥かに優れたネットワーク技術の集大成。人造神と言っても過言では無い存在から生まれている。そのうち地球を封印しそう。
そんなスラーを解析できた人間がいるのだ。驚かない訳が無い。興味が出ない筈は無い。
「では、行きましょう」
「わーい!パパとお出かけだ〜!!」
「待ちなさいスラー!今すぐPETに戻りなさい!」
「「あっ……」」
実体化したままの状態で外に出ようとするスラーに、プライド王女は慌て、スラーは急いでプラグアウトした。
ーーーーー
科学省に行き、エレベーター近くの受付に話を通し、光祐一郎の研究室へ向かう。
光祐一郎とプライド王女とレイチェル。先日、スラー修復の約束をした関係者達だ。
3人は挨拶したあと、軽く雑談をしてネットナビ治療室へと向かった。
「パパ、どう?」
『ええ。とても心地よい気分です。思わず眠ってしまいそうな程に』
カプセルホテルのベッドのような物に仰向けで寝転がり、優しそうな青色の波動に包まれる。
例えるならば、寝心地のいいベッドの上で質のいいマッサージを受けているような物だろうか。気持ちよさそうにウトウトしているようだ。
そんな寝落ちしそうなスラーに、赤外線が身体全体をスキャンした。
そして、カタカタとキーボードを叩く音が治療室で鳴り響き、やがて巨大なモニターにスラーの状態が表示された。
「これは……!!」
プライド王女が呟いた。先程、スラーをスキャンした時に出てきた文字が初めて見る物だからだ。
クリームランド文字でも無いし、日本文字でもアメロッパ文字でも無い。世界中の文字を見比べてみても、全く合致しない謎の文字だ。
初めてスラーの中身を見ることが出来たプライド王女だが、今度は謎の文字列がずらりと並んでいる。
一部、そこだけバックスペースで消したような不自然な虫食い跡がある。恐らく、アレが破損領域なのだろう。
光祐一郎が破損部分の説明をしているが、文字については一切分からないらしい。何しろサンプルが何一つないのだから。
幾ら世界一の天才科学者と言われる程の腕を持つと言っても、分からないものは分からない。
実はスラーがツギハギだらけのネットナビだというのがわかったのも、ロックマンという超高性能ナビを作った事による、経験から来る違和感から来たものに過ぎない。それでも正解を的中させるあたり、他の科学者とは何歩も先を行っているのだ。
「えーっと……‘’あすてろいど、ぷろぐらむ‘’だって」
「レイチェル!?貴方、ソレ読めるの!?」
「うん!パパが教えてくれたの!!PETもパパが作ったんだよ!」
そう言って自慢げにスラーのPETを取り出した。
一般のものはガラケーに取っ手がついたような形で、プライド王女のPETは某育成ゲームに取っ手がついたような形だ。真面目な家庭である程度育てた後急にネグレクトしたら悲しきモンスターが生まれるらしい。
対して、レイチェルのPETは携帯ゲーム機のような形だ。留学する数日前に完成した1品であり、スラー専用のワンオフ機。従来のPETは勿論、プライド王女のPETよりも数倍性能が上だ。
品質が最高級の素材をこれでもかと言わんばかりに使用した、スラーが直々に制作したシロモノである。恐らく、レイチェルはその時にこの言語を教わっているのだろう。
「アステロイド?レイチェルくん。それが何か分かるかい?」
プログラムの名称。それが分かっただけでも大きな進歩と言えよう。
一般的には星芒形という意味合いだが、単純にそれだとは考えにくい。
「うーんと……」
『私が生み出せる、強化改造を施したネットナビの事です。今は破損して使えませんが』
「たしかそれって、ここのウイルスバスティングプログラムを使った時に出てきたナビ達だよね」
『ええ』
それを聞いて2人は唖然する。
ネットナビを生み出すネットナビ。それがもし、生み出せる上限が無いとすれば、スラー1体だけで軍隊が出来上がる。
現に元の時空で地球抹殺直前。現実世界にキリが無いほどの大量のアステロイドをけしかけたのだ。クロスフュージョンメンバーに軽く蹴散らされたが、アレは相手が悪すぎただけだ。普通なら脅威以外の何物でもない。
「そうだ!レイチェルくん!スラーでウイルスバスティングプログラムを起動させてくれ!」
「なるほど。そういう事ですか」
「??」
光祐一郎が思いつき、プライド王女は納得する。
スラーの言うアステロイドがウイルスバスティングプログラムで出たのと同一のものならば、そのデータを流用すればいい。
後は、文字が読めるレイチェルの情報を頼りに埋めていけばいい。
身体の方はまだ未知数だ。下手に弄って悪化させてしまえば元も子もない。今はまだ、その時ではない。
その事を説明すると、スラーは納得してPETの中へ戻り、レイチェルは治療室を出て研究室へと戻った。
「プラグイン!スラー、トランスミッション!」
「プラグイン!ナイトマン、トランスミッション!」
2人はそれぞれのナビを科学省のホームページへと送り、スラーはプログラムを起動させた。
スラー「私の身体ぐちゃぐちゃじゃないですかヤダー!」