最強のナビといっしょ   作:シュオウ・麗翅

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ボンバーマン1戦目→単体(ナンバーマンとの連戦)。2戦目→エレキマンとコンビ(鷹岬版)3戦目、ストーンマンとのコンビ(アニメ版)+‪α‬フルコンプや。

エレキ伯爵の加入動機から妄想を膨らませた為、エグゼ2の殿下と兄貴を足したような感じになっております。

そういやナビの数え方って1人?1体?


VSワールドスリーの幹部達

「そう言えば、貴方達もいましたねぇ」

 

マジックマンは新たに現れた3人のナビを見据える。

ここはお仕置部屋の電脳世界。裏切り者や任務に失敗した者たちに対して処罰を行う部屋。ここに熱斗達4人を落とす前に、裏切り者3人を閉じ込めていた。故にこうしてナビをここに送り込んだのだろう。

 

「グワーッハハハ!お前ら裏切り者共が加勢したところで、この数に勝てると思ってるダか?」

 

「いいえ、勝てるかじゃない!勝ちますよ、闇太郎!!」

 

『そうでマス!アッシらは熱斗くんとレイチェルくんの恩に報いる為、1人でも多くのヒールナビを撃破するでマス!!』

 

日暮闇太郎とナンバーマン。彼らの本領はプログラムの制御やハッキング等の電子方面であり、反対に戦闘はそれほど得意ではない。戦法は主にギミック方面に特化しており、そこを攻略されれば脅威は激減。そうなればただの的だ。

かつて秋原小ジャック事件の際にボンバーマンから「お前でも出来る任務」と言われた通り、電子方面かつ戦闘する可能性が低い任務を与えられた。得意分野を全面的に活かし、苦手分野を多く排除した任務である。

それすらも失敗し、あまつさえワールドスリーを裏切った日暮は、ボンバーマンらにとっては弁明の余地もない弱虫だ。

 

反対に、日暮とナンバーマンにとっては貰った恩を返すと同時に、ワールドスリーと本当の意味で決別する絶好の機会だ。

高い給料でレアチップを買うために悪事を働いた自身に対する決別と償いの為に熱斗達に協力する。その為ならば、たとえデリートされても最後まで抵抗するという意志が見えた。

後の2人もほぼ同様の理由だ。過去にワールドスリーに入っていた事の償いの為に。老人は師であるワイリーを止めるために戦うことを選んだ。

 

「ふっ。その意気込みが、どこまで続くか……見せてもらいましょう!!」

 

『来るよ、パパ!!』

 

「ええ。私達を敵に回したことを後悔させてあげましょう」

 

『ブルース。目標を全て斬り捨てろ』

 

「ハッ!」

 

 

スラーがサディスティックな笑みを浮かべ、レイチェルから送信されたロイヤルレッキングボールを受け取り、ワイヤーで括り付けて振り回す。

ブルースは炎山の指令を聞き、剣を構えて踏み込んだ。

 

『さぁ、行きなさい!我らがワールドスリーの精鋭たちよ!!』

 

「「「「「うぉぉおおおおおおっ!!」」」」」

 

ーーーーーーー

 

 

 

お仕置部屋の電脳内。スラー達から離れた場所で、2人のナビが戦っている。

1人は背中に大きなコイルを巻いている顔色が悪そうな青年のナビ、エレキマン。もう1人は重装甲の鎧を纏った騎士のようなナビ、ナイトマンだ。

エレキマンが電撃を纏った剣、エレキソードを振り下ろす。

 

「ぬぅん!!」

 

「ちぃっ……!!」

 

ナイトマンは持ち前のパワーを用いて鉄球でエレキソード弾き飛ばす。

見た目通りの重装甲から放たれる鉄球は脅威だ。食らってしまえばひとたまりもない。

 

『バトルチップ、パネルスチール。スロットイィン!!』

 

そうなる前に、エレキ伯爵は高速移動が可能なバトルチップ、パネルスチールを送信する。

鉄球が当たるその瞬間、エレキマンの身体が消えた。否、消えると錯覚する程超高速で後退したのだ。

どれだけ破壊力がある攻撃も、当たらなければ意味は無い。ナイトマンは攻撃力と防御力こそ目を見張るものがあるが、その反面スピードはおざなりだ。

故に、追ってくる心配は無い。もし戦っているのがブルースやスラーだったならば、此方が反応できないほどのスピードで斬り捨てられていただろう。

 

「くたばれ裏切り者!シークエンス・ボルトォォォォォォッ!!」

 

後退しながら指に電気エネルギーを充電し、電撃を放出。ナイトマンを貫くような勢いでバチバチと音を立てながら突き進む。

子どもがギャン泣きしそうな程の怒りの形相で、容赦なく本気で攻撃してくる。その圧が。迫力が、プライド王女を怯ませた。

 

『ば……バトルチップ、ストーンキューブ。スロットイン!』

 

焦るようにプライド王女が送信したのはストーンキューブ。相手の動きを妨害したり、自らを守る盾にしたりと用途は様々だ。ナイトマンの目の前に現れた大きな岩の置物に電撃がぶつかり、四散する。

そこにエアシュートを受け取ってすかさず発射。威力は低いが、置物を吹き飛ばせるほどの衝撃を出せる弾丸を放つバトルチップだ。

大きな岩の塊が自動車のような猛スピードでエレキマンに突っ込んで来る。

だが、エレキマンも負けてはいない。背中のコイルに溜めたエネルギーをエレキソードに装填し、威力を上げた。

そして、剣を思いっきり縦に振り下ろす。凄まじい勢いで突っ込んできた岩の塊は真っ二つになり、エレキマンを避けるようにスライドして大きな音を立てて倒れた。

 

『くっ……!何故です!?何故、貴方達ともあろう方がワールドスリーに入っているのですか!?』

 

「知れたこと!エレキテル家復興の為だ!!」

 

その言葉をきっかけに、自身の過去をエレキ伯爵は語る。

エレキ伯爵はエレキテル家に引き取られる前、とても貧しい家庭に生まれた。9年前までのクリームランドの暗黒街の住民のような生活をしていたという。食事をとる事も困難で、周囲のどんな人間も手を差し伸べてくれなかった。

 

そんなある日、エレキテル家の人間が家に来た。話によると、子に恵まれなかった当時のエレキテル家は適性のある養子を探していたという。調査の結果、エレキ伯爵は適性がある事が判明した為に引き取られることになったとの事だ。

 

引き取られた翌日から拷問にも等しい訓練を耐え抜き、ようやくエレキテル家の当主になった。これで苦労が報われる。そう思っていた数ヶ月後の事だ。

 

世界中のネットワーク技術が急速に発達し、あらゆるものはネットワークで管理出来る時代になった。

その結果、純粋な電子機器や電化製品は過去の遺物となったのだ。専門の知識や資格が無ければ修理もメンテナンスも出来ない物より、ネットナビさえいれば修理もメンテナンスも可能になった物が主流となった。故にネットワークに接続できない……ナビをプラグイン出来ない物はいらないと切り捨てられたのだ。

 

そこからだ。徐々にエレキテル家が衰退し始めたのは。

需要が無ければ……人気が無ければ開発しても大損するだけ。ならば。と、ネットワークに接続出来るような電子機器を開発しようにもその専門の者が居なかった。ネットワークに関する知識や技術者が圧倒的に足りなかったのだ。

技術者や専門家を雇おうにも、現状を維持するだけで精一杯になったエレキテル家ではそれも厳しい状況だった。

「だからこそ、エレキテル家が復活するには今あるネット社会をぶっ壊し、純粋な電気が活躍する時代を取り戻すより他はねぇ!!」

 

『そんな俺達の苦労をお前のところの宰相サマは鼻で笑いやがって!!お前らだって同じ穴のムジナだっただろうが!!』

 

『……!!』

 

確かに、スラーならば鼻で笑うだろう。あの性格の悪い彼の事だ。と思いながら、プライド王女は複雑な気持ちが混ざりあってぐっちゃぐちゃになってしまった。

 

ーーーあの2人は、スラーとレイチェルに出会わなかった時の……若しくはスラーの次善策を蹴った時の自分の姿に見えたからだ。

エレキ伯爵の言った通り、かつてのクリームランドはエレキテル家と非常に似ている境遇だ。一族と国全体という違いはあれど、時代に取り残されて衰退の一途を辿っていた……という面として見れば共通点がほぼ一致している。

 

過去にキングランドのトップと会談した時、エレキテル家と交流することが何度かあった。似たような境遇ということもあって、よく話が弾んだものだ。

 

もしあの時、スラーとレイチェルを迎えなかったら。もしあの時、スラーの提案を蹴っていたら、自分は悪魔に魂を売っていただろうと思う。第2部の撮影の時期にとあるネットマフィアに勧誘されていたのだから。

 

合計3部作の大作から始まり、今ではクリームランドは先進国の仲間入りを果たしている。その後精進した結果、アニメやゲーム等のサブカル分野は世界1。それに加え、セキュリティ技術もトップクラスにまで化けた。クリームランド独自の武器を手に入れた結果、国が裕福になったのだ。レイチェルのような捨て子は見る影も無くなっている。

それが、エレキ伯爵達には手酷い裏切り行為に見えたのだろう。同じように他国から置いてけぼりにされ、邪魔者扱いを受けた小国が。同じように現状維持が精一杯で、いずれ滅ぶであろう脆弱になった小国が、ここ9年で一気に追い上げた事が。例えるならば、一緒にマラソン走ろうぜと言っていた友人が途中から猛ダッシュをしたようなものだから。

 

「くたばりがれ!ライトニング・ブレェェェェェス!!グォレンダァッ!!」

 

後ろめたさからなのか、プライド王女のチップを送信する手が止まってしまう。相手はネットワーク社会をドリームウイルスで滅ぼそうとしているワールドスリー。その幹部だ。倒さなければならない相手ではあるが、同時に仲がいい間柄でもあった。同じような目にあった仲間だった。だからわかる。2人のネットワーク社会に対する憎しみが。思わずプライド王女は躊躇という行動を取ってしまった。

 

ーーーそれがいけなかったのだろう。いつの間にかエレキマンからバスケットボールサイズの青白い電気ボールが5発放たれている。彼らが放つ一撃には怒りや憎しみが込められている。今なら炎属性も纏えそうな程の勢いだ。

咄嗟にナイトマンは鉄球を投げつけるものの、エレキマンが放ったエネルギーボールは鉄球を弾き飛ばした。

 

「ぬぅぅぅぅぅぅっ!!」

 

『ナイトマン!!』

 

『HAHAHA!そのまま黒焦げになっちまいなァ!』

 

マズイ。幾ら防御力に特化したナイトマンといえど、今の攻撃をまともに食らってはひとたまりもない。

プライド王女は慌ててリカバリー系のチップを送信するが、いつの間にかエレキマンが剣を振り下ろそうとしている。間に合わない。

 

「これで終わりだぜ!くたばりやがれぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

「否、まだだ!まだ終わらぬぞ!!」

 

ナイトマンは自身に内蔵されているバトルチップフォルダからエレキソードを選択し、エレキマンの剣にぶつけた。

 

「姫、戦ってください……!」

 

『ナイトマン……』

 

ナイトマンはライトニング・ブレスの直撃で、自慢の鎧にヒビが入りつつある。後1〜2発、強力な攻撃を喰らえばデリートしてしまう危険があるにもかかわらず、弱音を吐いていない。それどころか、折れつつあるプライド王女を奮い立たせようとしている。

 

「某も姫と共に居たのだから、分かります……!姫が彼らと戦いたくない事が……!!」

 

「こ……コイツ……!」

 

ナイトマンもまた、プライド王女と共にクリームランドを支え続けていたネットナビだ。勿論、当時の国の情勢や主がどのような思いで公務をしていたのかを1番理解している。

 

「某も出来れば彼らとは戦いたくない……!ですがここで戦わなければ、姫の大切な祖国が……レイチェル殿が大変な事になってしまいます……!!」

 

『……!!』

 

レイチェル。実体化したスラーがクリームランドで拾った赤子。出会い方はめちゃくちゃだったが、成長するにつれどこか幼い自分を思い出してしまう、放っては置けない義息子。今はたまにスラーと共にバカをやっているやんちゃ盛り真っ最中な子ども。大切な存在だ。

 

『……そう、ですね』

 

プライド王女はゆっくりと息を吐き、呼吸を整える。

 

『……エレキ伯爵。エレキマン。私も、本当は貴方達とは戦いたくはありません』

 

『ハッ!だったら大人しく降参しな!』

 

『……ですが、貴方達にも譲れないものがあるように、私にも譲れないものがある!!』

 

そう言って、プライド王女はとあるバトルチップを取り出した。

 

『私はクリームランドを……あの子を守る!!ナビチップ、スラー!スロットイン!!』

 

そして送信したのは、スラーのナビチップだ。一時的にチップに内蔵されているネットナビのデータを具現化させ、決められた攻撃行動を取るというものだ。

 

「不味い……!伯爵!あのチップだ!!」

 

『オーライ!バトルチップ、エレキオーラ!スロットイィン!!』

 

エレキマンが電気のバリアを張った後、負傷しているナイトマンをよろめかせて距離をとる。

ナイトマンに追撃するよりも、今はナビチップによって具現化したスラーの対処をすべきだ。そう判断したのだ。

それに、エレキオーラは属性を纏ったバリアの中で最も硬い。弱点属性を突かれれば1発で消し飛ぶが、それ以外は強い攻撃でなければ突破出来ない。

 

「なっ……!?」

 

だが、それがどうしたというのだ。プライド王女が使用したナビチップの元は、フォルテクラスのぶっ壊れだ。

一瞬でエレキマンの懐まで飛び込んだスラーは、特大の光弾を発射。その攻撃でエレキオーラは一瞬で消えていった。

 

「はっ!1発だけか!」

 

『最強のオーラを一撃で消したのは見事だが、本体を倒さなければ意味は無いぜ!!』

 

『いいえ、まだ2発目と3発目が残っています!!』

 

光弾とエレキオーラのぶつかりにおいて発生した煙が晴れると、突如として飛来してきた鉄球がエレキマンの鳩尾に直撃する。

背中を思いっきり打ち付け、腹に手を当てながら立ち上がるエレキマンの視界に入ったのは、ナイトマンが巨大なエネルギーソードを掲げている姿だ。

「な……なんだと!?」

 

このバトルフィールドを両断する程の大きさを誇るエネルギーソード。それがエレキマンの真正面に存在している。

バトルオペレーションは発生しており、プラグアウトは不可能。また、スラーのナビチップを確認した時に後ろに距離を取った為、ナイトマンの背後に回って回避することは不可能だ。

 

『プログラムアドバンス、ドリームソード!!』

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ナイトマンは思いっきり巨大なエネルギーソードを振り下ろす。

プログラムアドバンス。特定のチップを順番通りに送信し、かつそのエネルギーを制御する事で合体して強力なチップへと進化する必殺技のようなものだ。

避けられないと悟ったエレキマンは、エレキソードで対抗する。しかし、相手はプログラムアドバンスによる強力な一撃だ。

 

「お……俺達の計画は……間違っていたというのかァァァァァァッ!!」

 

エレキマンのエレキソードは一瞬で消滅し、自身さえも巨大なエネルギーソードに呑み込まれ、消滅した。最後まで憎悪に身を焦がしながら。

 

『はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……』

 

プライド王女は息を切らした。エレキマンと伯爵とのネットバトルが終わり、張り詰めていた緊張が解けたのだろう。

少し息を整え、ナイトマンにフルエネルギーを送信する。休んでいる暇は無い。幾らスラーとブルースが強く、3人が加勢に来たとはいえ、数の暴力は脅威だ。フルエネルギーによる全回復が終わり次第、スラー達に加勢する。

そして同時刻、ロックマンとファイアマンの決着が終わった。




尚エグゼ4のナンバーマンはクソ強い模様。
予定としてはエレキマン戦、ファイアマン戦、本隊戦の3話構成でやろうかなって思ってます。予定通り進むかな……?

ナイトマンはガンダムハンマー。スラーはグラビトンハンマーのイメージ。

・スラーが、鼻で笑った

発電機の電脳戦より。プライドがクリームランド首脳ならば、スラーはクリームランドの宰相(No.2)のポジションにあたる。

・次善策

スラーが「アニメを作りましょう」発言。後のサブカル国家計画。競合相手は少ないが、博打要素も強い為次善策。
ちなみに最善策はデューオの技術をフルに使う事。ただしそうなってしまえばスラーのワンマンになるし、デリートされればガチで詰む。本当の意味で最終手段。現時点ではクリームランドの中枢にのみ、スラー印のセキュリティが存在している感じ。

・バトルチップフォルダ

アニメ版や漫画版ではオペレーターがバトルチップをPETに差し込んで送信しているが、ゲームでは30枚のフォルダ(デッキ)からチップを選んで送信しており、鷹岬版のフォルテ2戦目において熱斗が気絶した際ロックマンが「フォルダ内のチップで対抗するしかない」的な発言から、あくまでもフォルダは緊急時に使用するものと解釈する。

・ナビチップ、スラー。

スラーがプライド殿下にのみ渡しているナビチップ。レイチェルをここまで育ててくれた礼も兼ねて渡している。通常で光弾。コマンドでプラグソード及びストライクサークル。
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