お仕置部屋の電脳を攻略し、脱出した熱斗達は奥へ奥へと進んでいく。ワールドスリーもセキュリティを構築していたが、所詮は究極プログラムがあった電脳世界の焼き直し。ギミック構築を理解している上、本来の物よりも短い電脳世界を攻略するのに時間はかからなかった。
途中、助っ人として日暮たち3人や、駆けつけたやいと、デカオ、メイル、氷川清次の助力もあり、大した消耗も無く最後の電脳世界の奥へと辿り着いた。
途中、アイスマンから憧れの人に出会った子供ファンの如く絡まれたスラーがたじたじになったのは余談である。
『なーんか描写ミケってやつだね』
「拍子抜け、です。ミケを描写してどうするんですか。というかミケって誰ですか」
『でもさ、レイチェルの言う事も分かるんだよな〜』
もうセキュリティのネタは尽きたのか。あのお仕置部屋の電脳のクオリティと比べて手抜きが目立つ。と言わんばかりに熱斗が同調する。
1人で来たならばもっと警戒していたのであろうが、今は心強い味方が3人もいるのだ。余裕ができて当然である。
「だが、油断はするな。早くたどり着けたからといって、ここで負けてしまえば本末転倒というものだ」
そんな熱斗とレイチェルに対し、ブルースが注意を促した。
これから戦う相手は相手はワールドスリーの総帥であり、その切り札であるドリームウイルス。4つの究極プログラムを使用して生み出された最強のウイルスだ。今までの敵とは比べ物にならないほど強いだろう。制御装置前の床が無いくらいの物だ。
「姫、このエリアのセキュリティを解除しました」
『これでワイリーの元に行くことができますわね』
『よし、ロックマン。プラグアウトするぞ』
それぞれがプラグアウト操作をしようとしたその時だ。
「·····っ!!」
ロックマン達に数多の光弾が迫り来る。
「ちぃっ!!」
スラーは3人の前に立ち、舌打ちをした後光弾を発射する。ロックマン達の目の前で繰り広げられる光の弾の応酬。それらが爆発する度に眩く発光する。その威力は、思わず目を守ろうとガードする程だ。
「·····随分な挨拶ですね」
「また貴様らか」
現れたのは、ボロのマントを羽織っているコウモリのようなヘルメットが特徴の青年のようなナビ、フォルテだ。
「ちょうど良い。新しく手に入れたこの力、お前達で試すとしよう」
電脳世界最強のネットナビにして、ワイリーの同盟相手。互いの目的が達成された今、フォルテを縛る物は何もない。
対峙している相手は1人は互角。もう3人は手加減すればそこそこ楽しめるか·····といったところだろう。
「ちっ……ここに来てフォルテとはな……!」
ブルースがソードを構え、臨戦態勢を取る。それに続くように、ロックマンはバスターを展開し、ナイトマンは鉄球を手に取った。
相手は前回、スラーに勝利した強敵だ。お仕置部屋の電脳で戦ったワールドスリーの幹部達とは比べ物にならないだろう。
「皆さん、ここは私に任せて先へ行きなさい」
『パパ!?』
フォルテを前にしたスラーが1歩前へ出る。
『何言ってんだよ、スラー!』
『そうだよ!みんなで協力すれば、そのフォルテってやつを倒せるかもしれないんだよ!?』
『·····いいえ、スラーの言う通りにしましょう』
『ママ!?』
プライド王女はここに来た目的を再度確認する。目的はワールドスリーの計画阻止。それをする方法は、ドリームウイルスを撃破する事だ。フォルテの撃破は目的に入っていない。強いて言うならばサブ目標といったところだろうか。
だからといって、フォルテが邪魔をしないとも限らない。そしてフォルテと渡り合えるのは、現状ではスラーのみだ。ロックマン、ブルース、ナイトマンが連携を組んでようやくバリアを剥せるか一撃食らわせられるか…といったところだろう。
だからこそ、この配役は間違ってはいない。スラーがフォルテを釘付けにし、他3人はワイリーの元へ進んでドリームウイルスを撃破する。適材適所というものだ。
「レイチェル君、スラー。負けないで!」
『俺達がドリームウイルスをちょちょいってデリートして、すぐ駆けつけるからな!』
『OK!そっちも頑張ってね!』
「フッ、心配せずとも貴方達の出番はありません。絶対に勝ちますから」
レイチェルとスラーに激励をした後、ロックマン達はプラグアウトし、熱斗達は奥の隠し部屋へと入っていく。
ここに残されたのは、共に最強のネットナビだ。
「以前と比べて更に力を感じるぞ」
「ええ。今度はあの時のように上手くいくとは思わない事です」
フォルテがマントを翻し、スラーが拳にエネルギーを溜める。
相手はフォルテ。少し前に発電所の電脳で戦い、スラーをデリート寸前にまで追い詰めた強敵だ。お仕置部屋の電脳の時のように、上手くいく保証は無いだろう。
『勝つよ、パパ!バトルオペレーション、行くよ!』
「ええ。私達の力を見せてやりましょうか」
レイチェルがバトルチップを何時でも送信できるようスタンバイしている。やる気は充分のようだ。
「アース・ブレイカー!」 「ガイア・ブレイカー!」
2人の渾身の一撃。それが、バトル開始のゴングとなって、ワールドスリーの電脳中に鳴り響いた。
・最後のエリア
発電所の電脳の焼き直しのようなラスダン。原作では見えない床しか無く、電池をはめるというギミックはなし。だが、最後の所には床も電脳電池もはめる所も無いいためロックマンでは進むことが出来ず、ロールが駆けつけて床1マス分製作して通れるといった展開となっている。電子制御に秀でたロールだからこそ出来る芸当だろうか。
このSSではスラーは空中浮遊。ブルースはマッハスピード。ロックマンはロックブースターで突破出来ている。ちなみにナイトマンはスラーがワイヤーで持ってきた。この状態のナイトマンは多分ヤエシールドのようになるのだろうか。ロイヤルレッキングナイトマン。
・ヤエシールド
Bを長押しすることでヤエが刀を前方に回転させて弾をガードする技。通常は移動不可だが、ヤエシールドバグを使えば移動も可能。武器レベル2で習得。私はネオ桃山の仕様しか知りません。