もう食運なんてコリゴリだあぁぁぁぁ!   作:おむれっつごー

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たった複数話だけなのにあまりの評価とお気に入り数の上がり具合に驚愕しました。
トリコ人気はやはりしゅごい……つい先日にはトリコ原作15周年のPVが発表されたのは本気で食運を実感しました!

それと申し訳ないのですが、感想が多くて返信に時間がかかります。

ですが、皆様の感想と高評価はモチベに繋がるので、今後とも感想での応援をよろしくお願いします!

文才がないので誤字脱字や設定の甘さも指摘されますが、見てくださる人がいる証拠として嬉しく思います。
今後ともよろしくお願いします!


五日目

〇月〇日

 

 何の前触れもなく人生の岐路に立たされて足が震えた。

 この世界に転生してから半年も経たないうちにとんでもない紹介状をもらった。

 恐らく、この手紙をもらうために世の料理人は血の滲むような努力をしているのだろうが、そんな物がなぜ俺に届いたのか皆目見当もつかない。

 

 ラッピングされた手紙とマスコットのようにSD化された節乃さんが印刷されているファンシーな見た目のピンクの封筒が地獄からの死刑宣告書に見えてしまうのが不思議だ。

 手紙から地獄からの瘴気とうめき声が聞こえる気がするのは俺の気のせいだろう。

 疲れているかもしれないが、ここは我慢するしかない。

 

 覚悟を決めて中身を確認したら、シンプルに節乃さんから料理の腕を磨かないかと言うお誘いだった。

 

 予想はしてた。

 予想はしてたけど、事態が急転直下ばかりで気持ちと身体が付いていけてない。

 国宝節乃に目をかけられたのはいいことなんだろうけど、料理人として大成するのにはすごく重要なことだけど。

 

 色々とトントン拍子過ぎて後が怖い。

 これが食運か……実際に体感してみるとこの異常さがよく分かる。

 この世の奇跡全てが食運によるものだと言われても、やりすぎだろう!

 ここまでくると誰かの陰謀にしか思えんのですよ!

 

 だが、このまま現実逃避していても仕方ない。

 ゾンゲの食運が俺にも作用してきたと考えて、今後のことを考える。

 

 この話は一生で一度でも起こるか分からないほどの、千載一遇のチャンスに違いない。

 今が波に乗っているのなら、このまま勢いに乗らずしていつ乗るのか。

 今でしょ!

 

 よくゼブラは「チョーシに乗るなよ」と言っているが、それは違う!

 調子に乗れるときに乗れなきゃ前に進めないってことがなぁ!

 こうなればやれるところまでやってやる!

 

 食運がある今、死ぬことはないだろう……そう思ってなきゃやってられん!

 

 俺は気が変わらないうちに同封されていた申込用紙にサインした。

 

 追記

 申し込み用紙にサインした後で窓がガタガタと揺れるから何かと思ったら巨大なグリフォンみたいな猛獣が家の窓を叩いていた。

 驚いて腰を抜かすのもお構いなしに猛獣は器用に窓を開けて首を伸ばす。

 意外と伸びる首に戦慄していると、申込用紙をフンフンと匂いを嗅ぐように突いてきたので、手紙を差し出してみると、そいつを奪うように咥えて一瞬のうちに大空へ飛び去って行った。

 

 首輪がついてたから節乃さんの差し金だろう。

 

 こうなったらもう後戻りはできない!

 今のうちに、もう堪能できない日常を謳歌してやるぜ!

 

 〇月〇日

 

 申し込み用紙を届けてから数日後、節乃さんがでかいクラゲに乗ってやって来た。

 

 リムジンクラゲだ!

 快適に過ごせる上に飛んで移動できるという原作に出てきた憧れの生物でもある。

 中で焚火で食事を作ったシーンもあったが、グルメ界の生物だから何でもありなんだろう。

 

 人が住むために作られたかと思うような快適そうなクラゲもそうだが、この世界の生物の進化はどうなってるのか。

 全部ブルーニトロのせいという線も考えられるが、今は関係ないので現実に意識を戻す。

 

 村が騒然とする中、俺の前に節乃さんが歩み寄って来て料理を教わる意思確認をする。

 

 以前に料理を振舞ってきたときと違って圧のある表情と問いかけだ。

 威圧だけで灰汁獣を退けるのだから、十分に手加減してもらったのは分かる。

 だけど一般人の俺の身体を硬直させるには充分すぎた。

 

「君の腕なら時間をかければ大成する可能性はある……じゃが、近道を望んで本気で挑むのなら、今までのような平穏な一時はしばらく味わえないと心得よ」と最終通告をしてきたが、俺の答えは既に決まっていた。

 どの道、このままじゃあ世界の危機に巻き込まれて地獄のような時間がいずれ来るだろう。

 それを乗り越え、生き抜くにはもうこの方法しかない。

 俺はゾンゲの料理人となるのだ!

 

 意思表明をすると、圧を抑えた節乃さんが俺をリムジンクラゲに招く。

 村人たちには逃げ道を塞ぐという名目で既に周知させていたから、俺に激励の言葉をかけてくれた。

 中には、なんだかんだで俺の料理のファンがいたのをこの時初めて知った。

 美味いと言われる喜びに体が熱くなる辺り、俺も大分料理人に染まってきたなぁと感じた。

 

 最後ではないが、しばらくの別れの挨拶を終えて俺はリムジンクラゲへ乗り込んだ。

 

 俺の転生後の人生が本当の意味で始まる。

 

 

 追記

 

 リムジンクラゲの中に何故かゾンゲがおり、そいつも連れていくことになったらしい。

 なんでだ!? そう思ったが、節乃さん曰く、食事会の一件でゾンゲとの関係性を見抜き、類まれなる才能があると一龍がゾンゲも招待したらしい。

 曰く、俺の修行の時の支えになってくれそうなのと、美食屋を目指すなら早い内に経験させた方がいいとのことらしい。

 才能って、もしかしなくても食運のことかもしれない。

 少ないやり取りでゾンゲの才能を見抜いた一龍さんの観察眼に強者でありながらIGO会長の座に就ける手腕を垣間見た気がした。

 

 原作では始終逃げ回っていたこいつがどうなっていくか、少し楽しみになった。

 

 

 

 〇月〇日

 

 リムジンクラゲで節乃さんの料理と空の旅と未知なる景色の漫遊を満喫して数日。

 ついに目的地へ着いた。

 

 場所はグルメタウンの外れにある節乃食堂……とはまた別のプレハブ小屋のような場所。

 自宅とほぼ同じ広さの小屋だが、寝床とキッチン回りの環境は比べるまでもなく実家よりもグレードが高い。

 ゾンゲが「小屋じゃねーか。出迎えろよ!」と生意気言ったのでぶん殴って黙らせた。

 

 かく言う俺も節乃食堂の地下の厨房が頭に浮かんだが、あそこはたった一人のスタッフ以外の出入りを制限しているのだから当然だろう。

 俺はまだ厨房に入る資格を持っていない。

 

 荷物を置いて節乃さんから旅の途中でも聞かされた料理教室の内容を再び聞く。

 

 しばらくは料理の基礎的な知識を実際の食材を調理して勉強し、空いた時間でも自習として宿泊先のキッチンと用意された調理器具で料理の腕を磨くように、とのこと。

 作った料理は自分たちの食事にしていいらしい。

 最初のうちは勉強に使うものと自習用の食材は節乃が用意するが、しばらくしたら自習用の食材は自分たちで調達するように、とのこと。

 一週間に一回は節乃さんからの試験があり、それにクリアすれば新たに技術や知識を教えてもらい、用意する食材のバリエーションも増やしていく。

 

 要は節乃さんに料理の基礎を教えてもらいながら自分で料理の腕を磨き、定期的に行われる試験を突破していくとのことだ。

 食材の調達も捕獲レベルの低い猛獣たちしかいない初心者用のビオトープの一部エリアでなら取ってきていいらしい。

 ビオトープでの狩りはゾンゲと共にOKとなった。

 

 正直、ゾンゲと俺の戦闘力は明らかに下の下なので不安ではあるが、最悪の場合は職員が乱入して助けてくれるとのこと。

 その際は狩った食材の一部は救出料として持っていかれる。

 有難いことではあるが、一部没収はかなり痛いので、できるだけ自分たちで何とかするしかあるまい。

 

 料理だけでなく美食屋としての活動も始めていくのか。

 やはり節乃さんの料理教室は一筋縄ではいかない。

 

 そもそも節乃さんが大々的に料理教室を公表すれば世の料理人の募集が殺到して混乱が起こるため、基本は俺一人のための料理授業となる。

 この授業を全てクリアした時にはレストランの就職が可能となるライセンスが発行される。

 俺が卒業したら、この料理教室は事実上消える予定らしい。

 

 一龍さんと節乃さんがなぜここまでするかは分からないが、考えても俺には及ばない事情があるのだろう。

 聞いても「光るものがあった」としか返されない以上、詮索は無理である。

 

 一連の説明が終わり、了承したところで本日はお開きとなった。

 本日に限り、節乃さんから昼と夕食を振舞ってもらい、明日から本格的に料理教室が始動する。

 

 ゾンゲは呑気してるが、俺はこれから始まる修行に向けて気合を入れる。

 この日は明日に向けて早く寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 〇月〇日

 

 料理教室もとい、修行が始まって既に数週間が経過した。

 その間は忙しかったので何があったかは次の機会まで保留とするが、今はただ一言、言いたいことがある。

 

 

 

 

マジで助けて




原作突入まで思うように進まない……!

とりあえずやりたい話がたくさんあるので、できるだけ飛ばせるところは飛ばしていきたいと思います。
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