ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。   作:YEBIS_nora

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二話連続投稿です!
今回のインターン編ですが、色彩ちゃん視点のお話と三人称視点のお話が入り混じった構成になっています。

11/18(土)投稿
・色彩ちゃん視点(本話)
・三人称視点

11/19(日)投稿予定
・三人称視点
・三人称視点
・色彩ちゃん視点(インターン後半の日記形式)

うまく構成をまとめられずにこんな形になってしまいましたが、お付き合いいただければ幸いです。

※2025年12月31日追記
本編後半(インターン5日目)の内容を一部修正しました。
詳しくは活動報告をご覧ください。



『謎のヒロインごっこ』活動記録~過酷で怒涛なインターン編①~

〇月‪✕‬日

 

 黒服さんが貸してくれた、四方を鉄筋コンクリートの壁で囲っただけの無骨で殺風景な空間。

 暫くすると、ホログラムで出来た人影や柱、自動車や投擲物など...実戦で障害物になり得るオブジェクトがランダムで投影され始める。

 

 ...そんな空間のど真ん中。二丁のハンドガンを構えたボクはゆっくりと目を閉じ、ヘイローと思考に意識を集中させた。

 

 ...深く、深く。イメージするのは、キヴォトスの中でもトップクラスの戦闘能力を誇る少女達。

 

 圧倒的な破壊力と、神秘による驚異的な再生力を誇るツルギちゃん。

 特にミドル~近接範囲では最強と噂され、ボクも戦闘訓練で幾度となくボコボコにやられた経験のあるネルちゃん先輩。

 

 パワー、スピードを含むあらゆる要素がバランス良く高水準なヒナちゃん。

 今でも半端なく強いけど...()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ホシノちゃん。

 

 そして...『神秘解放』という奥の手によって、あわやボクの『謎のヒロインごっこ』を終わらせかけたワカモちゃん。

 

 彼女達の他にも、その実力をもってシャーレに貢献してくれる部員達の姿を1人ずつ...本当に目の前にいるかのように(かたど)っていく。

 

 愛用する武器、基本的な位置取り...もはや癖とも呼べる、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 この頭に焼き付けた情報を隅々まで呼び起こし、『反転』したボクならどう捌いて反撃するかを実践する。

 

 イメージと現実の間で生じる『ズレ』を、少しずつ擦り合わせていくように。

 未だ持て余している部分の大きい『恐怖(テラー)』を段階的に...いつかその全てを御することが出来るように。

 

 

 ____表舞台の主役達から一目(いちもく)置かれ続けるような、理想の『謎のヒロイン』になるために。

 

 

 ...そんな流れを早朝から数時間ほど繰り返していたところで、部屋に入ってきた黒服さんからお呼びがかかる。

 どうやらそろそろ出掛ける時間らしい。

 

 うんうん!いい感じに静かで、シャドーをするにはピッタリな部屋だったよ!

 今後も好きに使っていいってことらしいし、早朝の日課にするのもアリかもしれないね。

 

 朝から気前よく黒服さんとハイタッチを交わし、ゲマトリアでのインターンシップが始まった!

 

 

-----------------

 

 

 インターン1日目の内容は所謂(いわゆる)『要人警護』。ここで言う『要人』は黒服さんのことだ。

 今日は黒服さんのビジネスに関わっている経営者達のもとへ視察に行ったり会食をしたりするから、一緒について回ってほしいとのことらしい。

 

 初めはそんだけでいいのかとも思ってたけど...なるほどなるほど。ついて回る内に、段々ボクの役割がよく分かってきた。

 

 つまるところ、ボクは『護衛』をしながら『黒服さんのステータス』としても機能しているらしい。

 

 以前何があったのやら...黒服さんに終始ヘコヘコしている経営者さんもいれば、黒服さん相手でも『ちょっとでも隙を見せたら喰い殺してやる』とでも言いたげに、笑顔で腹の探り合いを仕掛けてくる経営者(あいて)も割と多いのだ。

 

 もちろん、当の黒服さんが知略謀略を駆使して舌戦を優位に進めていることが前提だけど...『どんな人間を傍らに置いているのか』も含めて、ある意味経営者のステータスだ。

 ()()()()()()()()()()()()、どうやらボクの振りまく恐怖は尋常じゃないらしいからね。

 相手の心理状態を常時刺激し続ける盤外戦術の(かなめ)として、ボクはそこそこ役に立っているようだ。

 

 ボクも相手によって『恐怖(テラー)』を段階的に引き上げる練習が出来たから、ある意味一石二鳥の一日だった。

 

 でもなんというか、大人の世界は色々えげつないね!ちょっと大人になるのが怖くなっちゃったよ!

 ...なんて言ったら何が面白かったのか、黒服さんに笑われながらワシャワシャと頭を撫で回された。

 

 『いや失礼...()()()()()()()()、段々大人になっていくわけですからね』って...なーに普通のことを仰ってますの?変な黒服さん。

 

 

〇月☆日

 

 インターン二日目。今日は某遺跡でマエストロさんの実験をお手伝いするって話だったんだけど...なんか失敗したらしい。

 

 なんでもトリニティの地下で見つかった何とかの教義ってやつと『複製(ミメシス)』を組み合わせて『人工の天使』を作ろうとしたらしいんだけど...現れた『アンブロジウス』とかいう人型の『恐怖(テラー)』の塊みたいなヤツが暴走を始めたのだ!

 ...うん、自分で言ってて殆ど意味分かんないや!

 

 とにかく一旦距離を置きつつ止め方を検討したいところなんだけど...何故かマエストロさんが動かない!

 厳密には、事象の解説や考察に夢中で自分の身の危険とか全く考えていないのだっ!!

 

 マエストロさぁん!?ご機嫌なのは結構だけどさ、ソッチに飛んでいく攻撃を叩き落としながら攻めに回るのちょっとしんどいんですけど!?

 なんだろう...どんな状況でも目の前の事象を言語化することに全力な感じ、どことなくコトリちゃんに似ている気がしますわ!

 

 ...とか言ってたら遺跡の出入口塞がれたし!ええい、もう四の五の言ってる場合じゃねぇですわ!

 

 これまでずっと、部員の皆に守られてばかりだったんだ!今は誰かを守りながら戦えるってことを、『天使』のなり損ないと過去の自分に見せつけてやらぁ!!

 

 

 ...数時間後、無事に『アンブロジウス』を撃退して、未だに考察を続けるマエストロさんと一緒に帰還した。

 

 砂埃や壁の破片でマエストロさんのマネキンボディーがザラザラになっていたから、紙ヤスリとか使ってお手入れしてたんだけど...なんで黒服さんはニヤニヤしながらビデオカメラ回してんの!?ホームビデオじゃないんですのよ!

 

 

〇月◇日・〇月△日

 

 インターン3日目と4日目。ゴルコンダさんとデカルコマニーさんに連れられるまま、やって来たのはキヴォトス郊外に位置する『夜戸浦村』。

 まさかインターン中に遠征することになるとは思っていませんでしたわ。

 

 当然目的は海水浴などではなく、なんか『止め処無い奇談の図書館(The Library of Lore)』とかいう超常現象の顕現実験をお手伝いするってことらしいけど...出て来た()()()()()を見て、ボクは飲んでいた水出しコーヒーを盛大に吹き出した。

 

 だって見た目完全にペロロなんだもん!半端なくでっけぇペロロだよアレ!!

 

 おっと!普段から呼び方には気をつけておかないと...。

 『あはは...ペロロ“様”ですよ、サイカちゃん?』って泥のように濁った瞳で笑いかけてきたヒフミちゃんの表情はガチでトラウマになっているのだ。

 今度やられたら本気で漏らしてしまうかもしれませんわ!

 

 ...おーけーおーけー、分かってますよゴルコンダさん。ボク1人であの巨大ペロロ様を倒せって仰るんですわよね!いいかげんこのパターンにも慣れてきましたわ!!

 

 ...えっ、今回はデカルコマニーさんがサポートに入ってくれるの!?何それすっごい嬉しい!

 

 程なくして巨大ペロロ様との戦闘を始めたんだげど...うんうん、なんかめっちゃやりやすい!

 召喚される小型ペロロ様はデカルコマニーさんがヘイトを引き受けてくれるから纏めて叩きやすいし、ボクがデカルコマニーさんを見ると()()()()()()()()()()()()()替えの弾倉や武器を投げてくれるからずっと攻めに集中できますわ!

 

 待ってボクらコンビネーション良過ぎない?今までずっとソロ戦闘ばっかりだったから、連携がハマって重い一撃を叩き込める瞬間が楽しくて仕方ないんだけど!

 

 うへへへへ!なんかどんどんノってきた...!

 せっかく巨大怪獣対人間の激アツバトルをやれてるんだ!インスピレーションの湧くままに、新しい戦法をどんどん開拓していってやろうぜっ!!

 

 

〇月△日

 

 インターン5日目。この日は黒服さんのところで事務仕事がメインだったので手早く終わらせ、朝と同様トレーニングを済ませて戻ってきたんだけど...なんかドレスを着た女の人が黒服さんと話してた。

 どうやら彼女がウワサのベアトリーチェさんらしい。

 

 一応『反転』してガスマスクもしてたけど...限界ギリギリまでトレーニングしてた関係で殆ど『恐怖』を出せてなかったし、とりあえず会釈だけしてそそくさとその場を離れることにした。

...ちなみに後で聞いた感じ、その判断は正解だったらしい。

もっと出力の高い状態で鉢合わせていたら、とんでもなく面倒なことになっていたんだそう。

 

 ボクのことはとりあえず、『『恐怖』を生きている生徒に適応させる実験...そのために少々『()()』してもらっている、何も知らない子どもですよ』と『協力』の部分にめちゃくちゃ含みを持たせた感じで誤魔化し、ベアトリーチェさんもとりあえず納得してくれたらしい。

 

 ...ちなみにボクが挨拶しに行って、経緯とか正直に話しても良かったんじゃないの?って聞いたらノータイムで『ダメ』って返ってきた。

 なんかよく分かんないけど...まあ、黒服さんがそう言うならそれでいっか。

 

 

〇月‪✕‬日

 『廃墟』に行ったら『C&C』の面々に強襲された件。

 うおぉおおおお──なんでぇぇぇぇぇぇっ!?

 

 







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