ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。 作:YEBIS_nora
幕間を挟むタイミングがここしかなかったので温めていた話をねじ込む形になりますが、お付き合いいただければ幸いです。
「____さて、これで
キヴォトスのどこに存在しているのか...或いは異なる『位相』に存在しているとも知れない、彼ら『ゲマトリア』が公的に顔を合わせるための空間____通称『会議室』。
怪しい光を発する円卓を
「...本人が協力的だったこともあるが、随分と早くデータを揃えられたものだ」
マエストロの言葉に頷きながら、黒服とゴルコンダは円卓に広げられた資料の数々に目を落とす。
血液から抽出精製した遺伝子情報に、全身のMRI。運動能力の測定結果に多種多様な実戦記録。
...そして、キヴォトスにおいて『ゲマトリア』しか持ち得ない____『
『神秘』と『恐怖』をその身一つに内包し、自由自在に使い分けることが出来る唯一の生徒...そのメカニズムを解き明かす材料として、現状収集可能な全てを取り揃えた。
「クックックッ...いやはやしかし、随分と奇妙な結果が表れてしまいましたねぇ」
...或いは、確たる根拠も無かった頃に予感していた通りだったと言うべきか。
『神秘』と『恐怖』を自由自在に使い分ける...彼女がさも平然と実践してみせるソレは、
「遺伝子情報や脳をはじめとした各種臓器の状態など、メディカル的な検査結果にはどこにも異常はありませんでした」
デカルコマニーの腕に収まるゴルコンダは、『しかし』と一度言葉を切って再び話し出す。
「『忘れられた神々』の『権能』に根ざした、生徒それぞれに備わる『神秘の特性』...表面上は他の生徒と遜色ありませんが、中身は基礎的な身体強化で精一杯な程度の
「更に不可解なのは、『反転』する前と後の能力差があまりにかけ離れている点だ」
ギギギギッ、と身体を鳴らしながら、マエストロも続けるように疑問を呈する。
「『恐怖』という名の通り、『神秘』の状態より脅威度の高い『
「それについては、こちらの音声で疑問が晴れるかと...以前彼女と食事を共にした際の記録です」
言うや否や、黒服の操作で会議室に聞き慣れた少女の声が響き渡る。
『____んぇ、『
『む〜ん、なんて言うか...ヘイローの奥の更に奥みたいな所まで意識を集中させると、何か『力の塊』みたいなモノがうっすら見えてくるんですよね。見た目を例えるなら、皆既日食...いや、ブラックホールみたいな?』
『んで、そこから『オラァン!ちゃっちゃっとリソース寄越しやがれですわべらんめぇっ!!』ってな感じで必要なリソースを引っ張り出して練り上げてく感じなんだけど......わぁすっごい、黒服さんが机に両肘ついて頭抱えてんの初めて見たかも...!ちょっと写真撮っとこ♪』
「...............ふむ...」
「...
『そういうこった!』
「クックックッ、お気になさらず。彼女の不意打ちトークについては、私もいい加減慣れてきたところですので」
肩を竦めた黒服は『さて...』と言葉を切り、マエストロとゴルコンダは無言で続きを促す。
「出揃った検証結果に当人との会話記録、マエストロとゴルコンダが口にした疑問の全てを踏まえ、最も辻褄が合う仮説を提唱するならば......
「「............」」
濁された結論部分に、2人は敢えて口を挟まない...挟む余地がない。
彼女という存在に対し同じ結論に至っているだろうことは、言うまでもなく明らかなのだから。
「では、彼女に対する我々の
「...特に異存は無い。未知の観念や表現に対し、心から興味を持って教えを乞える
「わたくしも特には。
『そういうこったぁ!!』
「クックックッ...!では方針は決定ということで...具体的な関わり方については、各々の判断にお任せします」
そう告げた黒服は軽く腕を振り、空中に幾つものディスプレイを表示させる。
映るのは、追従ドローンが撮らえ続けた彼女の様々な活動記録。
...
もしもの場合は____彼女が『ごっこ遊び』を通して、
ゴルコンダの協力のもと、即座にヘイローを破壊出来る
「この透き通るような学園都市に現界せし、
色彩ちゃんの前では悪ノリしまくってるゲマトリアの大人達ですが、裏ではしっかりやることやっていたというお話です。
二話目は、また異なる視点のお話になります!