ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。   作:YEBIS_nora

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申っっっっし訳ないですわぁぁぁぁぁぁぁ!
色彩ちゃん視点の存在を完ッ全に忘れてましたわ!
「次回、若干の脳破壊要素が入ります!」なんて書いてしまいましたが、厳密にはこのお話の次になってしまいます!本当に申し訳ございません!




『謎のヒロインごっこ』活動記録~路地裏狂宴編~

 迷路のように入り組む路地のどこへ駆け込もうとも、僅か数秒で追い付かれる。

 『防弾盾(シールド)を置いて身軽になったから』という理由だけでは説明のつかない機動力で、彼女は鎌鼬(かまいたち)のように散弾を撃ち込んでくる。

 

 多種多様なトラップの数々を、たった一手で封殺される。

 『俯瞰視』だけでは飽き足らず...こちらが全速力で移動しながら環境を把握し、察知されないよう細心の注意を払って仕掛けたそれらを____まるで視界を『覗き見(ジャック)』していたかのように先読みされる。

 

 ...たった一撃喰らうだけで、何度も意識を奪われかける。

 『神秘』の質も量も桁違い過ぎて、掠めただけでこちらの『恐怖』がごっそり削がれて霧散していく。

 一時的に剥き出しとなった部位に攻撃が直撃してしまったら...想像を絶する激痛によって、数秒足らずで気を失ってしまうだろう。

 

 撃たれ、殴られ、投げ飛ばされ、避けられ、打ち砕かれ。

 挙句の果てには、断片的な情報からボクの正体にまで踏み込まれ...『神秘解放』から僅か数分で、こちらの優位はいとも容易く覆された。

 

 ......膝をつくこちらを見下ろす、ギラギラとした青と金色の瞳から...俯くように目を逸らす。

 何もかもを見透かしてしまいそうな今の彼女から...ボクの中で膨れ上がる、この感情を悟らせないために。

 

 即ち____『ホシノちゃん(クソ)かっけぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!』という、ボクの魂の咆哮であるっ!!!

 

 待って待って待ってヤバくない!?カッコよ過ぎて限界化しちまいそうなんですが!?

 

 こんなにも...()()()()()()()()()()()()()()()()()()()...っ!ボクが脳みそ焼き切れそうになりながら組み上げた戦略もトラップも攻撃も...上から『力』でぶっ壊すだけじゃ飽き足らず、思考過程の隅々まで看破されましたわ!!

 

 ていうかあの動き何!?一体どれだけの実戦を経験したら、あんな一挙手一投足までムダの無い身体捌きが身に付くのさ!

 

 極めつけに、今現在継続中のこの『構図』だよ『構図』!誓って狙った訳じゃないけれど、ホシノちゃんがボクを攻撃と言葉で追い詰める流れが完璧過ぎるんだが!?

 本気を出した主人公勢力の実力者vs『謎のヒロイン』の戦闘展開...もしコレが漫画だったら、読んでるボクの口角は吊り上がりっぱなしになっていること間違いなしですわ!!

 

 ああっ...でも、だからこそ。

 この後の展開をホシノちゃんの良いようにされるのは...当事者として、()()()()()()()()()()()()()()...!

 

 だってこんな激アツな闘い、もう一度再現出来るなんて思えないじゃんか!

 仮に再戦出来たとして...申し訳ないけど、ホシノちゃんが今のレベルまで闘争心(ほんのう)を剥き出しにしてくれる保証なんてどこにもないんだから!

 

 今、目の前に本気(ガチ)のホシノちゃんが...連邦生徒会の資料室で何度も()()()()を見返した、あの『暁のホルス』が立っている。

 

 映像越しながら、ボクの心に『圧倒的な強さ』に対する憧れと渇望を焼き付けて...理想の『謎のヒロイン』像を形成するキッカケの一つとなった()()()()()が銃を向けてくれているっていうのに、このままあっさり撃ち抜かれて幕引きなんて有り得ないだろう!!

 

 故にこそ...ボクはこの場で、たった5分の大博打に打って出る。

 ヘイロー反転『第四速』____実力の内にカウントしたくなかった、ボクが現状使役可能なリソースを()()()()()()()()()()使()()()()『最終手段』に踏み切ると!

 

 ホシノちゃんに暴かれた通り...ボクの総合的な戦闘能力の内訳は、『出力』と『道具』と『環境』の比率を相手と状況に合わせて調節することで成り立っている。

 大抵の相手には『力』のゴリ押しでいけるパターンが多いけど...彼女達()()()相手だと、『三速』の出力じゃ『勝ち』に届かないことは何度も痛感してるからね。

 

 しかも今のホシノちゃんは『神秘解放』によって、単純な『力』のみでボクの総合力を上回っているんだぜ?

 だったらこっちも腹ぁ括って、無理矢理にでも同じ土俵に立たなきゃ勝ち筋もクソもないよなァ!!

 

 ____ズドンッッッッ!!という銃声が耳を打つコンマ数秒前に、ボクの『四速』が間に合った。

 ショットガンを鷲掴みにして狙いを逸らし、ズタズタになった左手の再生具合を見て...我ながら随分とぶっ飛んだ身体になっちゃったんだなと、仮面の下で笑みを零す。

 

 ...正直な話。

 『四速』に入った今の時点で、どの道ボクは今日のお出掛けを諦めなくてはならないだろう。

 仮にホシノちゃんを5分以内に倒せたとしても、その後数時間も『反転』を維持出来る状態にあるとは思えないからね。

 

 先生とのんびりお出掛けしたい気持ちに変わりは無いし、ぶっちゃけ現在進行形で後ろ髪を引かれまくってるんだけどさ...それと同じくらい、今はホシノちゃんを____どこか不器用で最高にカッコいい姉貴分を、ぶっ倒したくて仕方がないっ!!

 

 圧倒的に強くて、存在そのものが鮮烈で、言動や雰囲気から『ミステリアス』を醸し出す...理想の『謎のヒロイン』像を確かなカタチにするために!

 

 この世界(キヴォトス)でボクだけが、先生にとっての『謎のヒロイン』というポジションで在り続けられるように...!

 

 さあ、()ろうかホシノちゃん。

 そっちもこれで()()じゃ物足りなく感じてたんだよね?『叶うなら、また』って呟いてたの、ボクの耳にはバッチリ聞こえていましてよ!!

 

 ____たった5分のご褒美(ボーナス)タイム、余すことなく味わい尽くそうぜ!!

 

 

-----------------

 

 

 佳境を迎えたボクらの狂宴(ケンカ)は...文字通り、息吐く暇もないレベルで加速し続けていた。

 

 一切の遠慮なく全力を振るい、描いた優位(みらい)を奪い合い...インスピレーションの湧くままに、斬撃を飛ばすなんていう()()()()()()()()()を叩き込む。

 お互いが相手でなきゃ出し切ることの出来ない『戦略(ちえ)』と『能力』のぶつかり合いが...ボク達2人を、次なる『領域』へ押し上げていく。

 

 ...『強い』が『自由』に直結する倒錯的で激アツなセカイが、ボクらの目の前に広がっていた。

 

 ____ゴォッッッッ!!!という衝突に弾かれて、ボクとホシノちゃんは(ようや)く互いの間合いの外へ出る。

 

 ...う〜わ、もう全身ズタボロじゃん。お互いの攻撃が実質全部クリティカルだから、もう『神秘』や『恐怖』による再生が気休め程度にしか追いついてないよね。

 特に両脚...初速で間合いを詰めるために踏み込みまくってるから、筋肉が断裂寸前なのが嫌でも伝わってきますわ。

 

 うん?何さホシノちゃん.........『私が勝っても、いじけて泣いたりしないでよね?』って?うっはは、上等じゃんか!そんな切れかけの蛍光灯みたいなヘイロー晒しておいて、まだそんなに強気でいられるんだねぇ!!

 ...まあ、かく言うボクもとっくに『五分(リミット)』を過ぎて気合いで『反転』を維持してるから、正直何時(いつ)『神秘』に戻るか分かったものじゃないんだけどね?

 

 ...まあつまり____次の激突の先で立っていた方が勝者であり、実質的な『キヴォトス最強の個人』ってわけだ...!

 闘いの終わり方として、最っ高にアツいシチュエーションになっちまったなぁホシノちゃん!!

 

 ...ギラギラな闘争心を剥き出しにしたホシノちゃんに呼応するように、ボクもヘイローの奥底に意識を集中させる。

 

 傲慢に、強気に...奥底に見える『ソレ』にアクセスするその行為は、ある種『リソースの綱引き』と形容するのが適切かもしれない。

 視認し易いようブラックホールみたいなカタチをとってるだけの『力の塊』である()()()()、『何勝手にリソース引き出そうとしてんだテメェ!』とでも言いたげに毎回抵抗してくるものだから...自分のことながら、()()()()()()()()()()()()...!

 

 ...双方共に準備は万端。

 ならば、今こそ決着(ケリ)をつけてやろう...!

 

 示し合わせたように地面を蹴り上げて、ボクらはありったけの『神秘』と『恐怖』を現出させる。

 相反する極限の力同士のぶつかり合いによって、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()...普段のボクとホシノちゃんなら無意識で回せる筈の判断すら、燃え盛るような興奮の熱量で焼き尽くされていた。

 

 胸に滾るはただ一つ____己の出せる全てで()って、目の前の『最強』をぶっ倒したいだけっ!!!

 

 ...視界から色が抜け落ちて、風を切る音も耳に届かなくなって。

 身体の感覚すら後ろへ置き去りにして...!互いの『ありったけ』が真正面から激突する瞬間!____ボクはようやく、その人の存在を知覚した。

 

 それと同時に____バヂィッッッッッッ!!!!と。

 静電気とは比べ物にならない身体の痺れと斥力によって、ボクとホシノちゃんは反対方向へと吹き飛ばされた。

 

 ゴミ袋の山に背中から突っ込んで...ボクは内心の動揺を隠す余裕すらないままに、急いで身体を起こして視界を確保する...!

 

 ...ボクは知っている。この『障壁』の展開元を、ソレの展開を指示出来る唯一の人物を。

 故に驚く...この人の『運命力』は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 舞い上がる砂埃と...タブレット端末から展開された、バチバチと光が(ほとばし)る障壁の先。

 本来一緒にお出掛けする筈だった...今日はもう会えないなと諦めていた相手である『シャーレ』の先生が、ボクらの間に立っていた。

 

 

-----------------

 

 

 ...知ってる筈だった。

 例えどれだけ水面下で進行していようと、状況の変化に気付くような情報を持ち合わせていなくとも。

 先生は()()()()()()()()()()()()()()()()()()』でもって...生徒の危機や、取り返しのつかない事態の直前に必ず駆けつけられる『ヒーロー』みたいな人なのだと。

 

 知ってる筈だったのに、報告書やドローンの映像越しに何度も見て来た筈なのに...うへへ♪何なんだろうね、この感覚は。

 

 ボクのためだけの行動でないことは、言われなくても分かってる。

 途中でホシノちゃんの現状を知ったからこそ...先生はなりふり構わず、()()()()を集める決断をしたのだろうから。

 

 ...それでも、先生は来てくれた。

 息も絶え絶えになりながら、ボクらのケンカに駆け付けてくれた『大人』の姿に...ボクは、仮面の下で頬が緩むのを抑えられなかった。

 

 驚きと、興奮と...()()()()()()()()()()()()()()が、甘やかに全身を駆け抜ける。

 ...みんなが先生に夢中になる理由が、ちょっとだけ理解出来た気がした。

 

 ____おっと、いけないいけない!疲労もあってか、ついうっかりトリップしてしまいましたわ!

 いい加減気を引き締めないと!...なんて思いはするんだけどさ...()()()()()()()()()()()()()()()...?

 

 前から、横合いから、上から、後ろから...数十個単位の銃口がボク一人に向けられている。

 『謎のヒロインごっこ』史上最も絶体絶命な状況下(ばんめん)に、流石のボクも現実逃避に走らざるを得なかった。

 

 油断したぜ...アコちゃんのドロップキックから始まった、めちゃんこ面白い先生との弁明漫才を呑気に眺めてる場合じゃありませんでしたわ。

 

 あれよあれよと事態が転じて、疲労で『恐怖』が霧散し始めたせいで数十人もの接近を見落として...気付いた時には、キヴォトスの名だたる実力者達による強固な包囲網が形成されていたのだ。

 

 でもなぁ...ここに留まっていなかったら、気絶直前のホシノちゃんから激アツな宣戦布告を受けられなかったし、お説教から解放された先生との『いい雰囲気』も味わえなかったし...『選択』そのものに後悔は無いんだから変な話だよね。

 

 それに...アコちゃんやユウカちゃん達の言い分は何も間違ってない。

 路地裏にこれだけの被害を与えた当事者の一人が目の前にいる以上、迷わず取り押さえに動くのはシャーレ部員として当然の判断なのだから。

 

 ...そうこう考えている内に、ヒナちゃんの口から最後の通告が発せられる。

 短期間の内に3人の最強格と渡り合ったボクは相当警戒されてるようで...ここで投降しなければ、容赦なく一斉攻撃を浴びせる決意なのだろう。

 

 替えの弾倉は既に無く、ナイフや鋼線はこの状況下では役に立ちそうにない。

 『恐怖(テラー)』は『二速』程度にまで減衰しており...単純な『力』のゴリ押しでは、ボクを取り囲む面子を蹴散らすことは()()()()不可能に近い。

 

 だけどさ...ぶっちゃけ()()()()()()()、挑戦するための『熱量』として十分過ぎるくらいだよ。

 

 うへへ...どうやらボクの中には、まだホシノちゃんとの闘いの興奮が残っていたらしい。

 圧倒的不利な状況に伴う絶望感、敗北して正体を暴かれるかもしれない緊張感...それらを余すことなく呑み込んで、『恐怖』を引きずり出すための胆力に転化する...!

 

 ...ボクの覚悟を感じ取り、ヒナちゃんがゆっくりと左手を振り上げて。

 ノアちゃんとユウカちゃんの拘束から逃れようとする先生に...仮面越しながら、どうか届くようにと柔らかな笑顔を向けて。

 

 『...戦闘、開始』という言葉と共に、ヒナちゃんの左手が振り下ろされた瞬間____()()()()()()()()()()()()が、するりとボクの両耳を打つ。

 

 ____うえぇぇぇぇぇっ!?まさかと思ったけどマジで黒服さんじゃん!?

 うっそ、いつの間にボクの隣に現れたの?ていうか、今日はドローン追従させてなかったのにどうやってボクの居場所を突き止めたわけ!?ピンポイント過ぎてちょっと怖くなってきたんですけどこんにゃろー!!

 

 内心大パニックになってるボクをよそに...先生と言葉を交わした黒服さんが、(おもむろ)にボクの前で片膝をついて...?

 

 ..........んん!?『()()()()()()()()()()()()()()()()』って何!?『謎のヒロインごっこ』にそんな設定を盛り込んだ覚えはないですことよ!?

 

 仮面の下でお目目グルグルにしながら動揺しまくるボクに向け...黒服さんが身体の影でこちらにだけ見えるハンドサインを送ってきたことで、ようやくこの人の行動の真意を理解する。

 

 ____ふっふ〜ん?なるほどなるほど...そういう寸劇(アドリブ)()()()()()()()()()って魂胆なわけだね?

 全く、こっちはホシノちゃんとの激戦で疲労困憊だっていうのにさ...最後の最後まで、最高にテンションのブチ上がるイベントが舞い込んでくるものだよねぇ!

 

 オーライ、やってやろうぜ黒服さん____一言目(のっけ)からアドリブ全開でいくから、ちゃんとボクに『対応』してみせてよね...!

 

 

 

 




現在の進捗
・色彩ちゃん視点(本話):慌てて今日一日で仕上げて投稿完了
・脳破壊回:9割完了、明日投稿いたします。
・この章のエピローグ;マジで全然書けてない...来週の投稿になる可能性があります

うごごごごごご...!もっとスラスラ書けるようになりてぇですわ...!
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