ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。   作:YEBIS_nora

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連続投稿二話目です!



『謎のヒロインごっこ』活動記録~臨時会議と日常編~

○月✕日

 部員の皆や先生の前で、ボクと黒服さんによる渾身の寸劇を演じてから一夜明け。

 朝の10時を回ったシャーレのオフィスには、リモート参加の子達も含めて殆どの部員が臨時会議の場に出席していた。

 

 うひゃ〜...改めて見ると凄い集まりだなぁ。ゲヘナ風紀委員や正義実現委員会(せいじつ)をはじめとした自治組織の幹部クラスがほぼ全員集結しちゃってるし、あまり頻繁に顔を出すことのないニヤさんやチェリノちゃんまで揃ってシャーレに足を運んでるなんて相当なレアケースだ。

 ...おっ?奥の方の席にしれっと美食研究会の4人も座ってる。昨日もいつもの如く一騒ぎ起こして風紀委員に拘束されたって聞いてたんだけど...まあいっか、今日のランチは騒がしくなりそうですわね!

 

 ...むん。かく言うボクも、昨日の興奮とこれから始まる会議に対する緊張感とで目がバッキバキだよ。

 昨日は演出上、ボクは真っ先にあの場を離脱する必要があったからね。先生がボクらの前で示した決意表明に、部員の皆がどんなスタンスを示して組織(シャーレ)としての最終結論を見出すのか...次なる『謎のヒロインごっこ』の具体的なムーブを纏めるためにも、ボクも気合いを入れて会議に望まないとね...!

 

 ......なんて意気込んでいたわけだけど...意外なことに、会議自体はいつもの定例会議と同じくらいの時間で終了した。

 

 キヴォトスが誇る最強格三人と互角に渡り合える戦闘能力に、『何があっても絶対に関わっちゃいけない危険な存在』と何度も先生から伝え聞いていた『ゲマトリア』との実質的な協力関係...そして、そんな『ゲマトリア』でさえもどこか警戒の姿勢を見せる程の『厄災』という存在の再認識。

 

 あの場を乗り切るための即興トークだったとは言え、いっぺんに無視できないような情報をワッと浴びせたようなものだったからね...正直今日だけじゃ結論を出せない可能性も想定してたんだけど、思ってたよりあっさり『先生の示した意志と調査に協力する』という話で議論が纏まったんだよね。

 

 勿論、真剣な面持ちの先生が皆の前で『力を貸してほしい』と頭を下げたのも大きかったけど...賛否や疑念を含めて多くの意見が飛び交うあの場の流れを変えたのは、十中八九あの一幕。

 

 ネルちゃん先輩とツルギちゃん、そしてホシノちゃん...キヴォトスが誇る最強格の内三人が、『少なくともシキを完全な敵と見なす必要は無い』と口を揃えて発言した場面だろう。

 

 ネルちゃん先輩曰く、『至近距離で何度も撃ち合ったが、アイツからはただの一度も(よこしま)な空気を感じなかった...ありゃ間違いなく、戦う目的に一本筋が通ってるヤツの風格だ』と。

 

 ツルギちゃん曰く、『......乱戦慣れした私でさえ、目の前の相手だけに意識を割かざるを得ない戦闘だった...だが向こうは、ならず者の巣窟であるブラックマーケットの中であっても、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』と。

 

 そしてホシノちゃん曰く、『身勝手に大きく選択を間違えた私を、巻き込まれただけのシキちゃんはそれでも捨て置かずに引き戻してくれた...後顧の憂いも残さないよう、最後まで全力で付き合ってくれた____私たちは机上の理屈よりも、ぶつかり合いながら見て聞いて感じたモノを信じるよ』と。

 ...『それはそれとして黒服(アイツ)は絶対○す』って呟いていたのは全力で聞かなかったことにしようそうしよう...!

 

 んで、最強格の中で唯一ヒナちゃんだけが『ゲマトリアと実質的な協力関係にある事実と危険性』を説いて反論していたわけなんだけど...歩み寄ったホシノちゃんにボソッと何か耳打ちされて目を見開いた途端、それ以上何も言わなくなっちゃったんだよね...ホシノちゃんってば何を吹き込んだんだろ?

 

 まあそれは一旦置いとくとして...うへへ♪中々いい具合に、納得と疑念と決意が入り乱れるカタチでシャーレの動きを本格化させることが出来たみたいだね!

 

 先生は言うまでもなく信じてたけどさ...ホシノちゃん達3人からの印象が意外にも()()()()()()()だったことも相まって、シキの立ち位置は『敵対する可能性が高い潜在脅威』から『未だ謎は多いし支援者(パトロン)の方は危険極まりないが、少女個人だけ見れば若干味方寄りの存在かもしれない』というラインまで変動するに至ったのだ。

 

 いや〜、ホントにあのタイミングで介入してくれた黒服さんには感謝しかないよ...部員の皆にあの寸劇を見てもらえてなかったら、ここまで『謎のヒロイン』的に()()()()()()()()にはならなかっただろうからね。

 

 黒服さんがホシノちゃんで行おうとしていた『恐怖を生きた生徒に適応させる実験』...ソレに成功した生徒がシキなのではないかっていう先生の推測は、ブラフとして大アリ過ぎてボクも素で驚いちゃったよ!...いやホント、今後はその設定で振舞っちゃおうかな?

 

 この会議の結論次第でやろうとしていた『テコ入れ印象操作』は実行する必要も無さそうだ...大立ち回りの直後にシキとしてチラチラ顔を出すのは避けたかったし、これで部員として調査に携わりながら『謎のヒロイン』の次なる登場場面を吟味出来そうだぜ♪

 

 さて。組織としての指針が定まったところで真面目な会議は一旦締められ、次に話し始めたのは『具体的な調査手段と人員の割り振り』についてだった。

 

 この前の定例会議から始動していた、特異現象捜査部主導の『厄災』調査とシキの捜索は人員と予算を増やして続行。

 他にも過去発生した不可解な事件の再検証やパトロールの強化なんかも決まっていったけど...その中で最も期待されているのが、最近正式に部員となったウイちゃんを主導とする『古文書解読と遺跡調査』だ。

 

 恐らく現代(いま)のキヴォトスで、ウイちゃんほど古代語解読と考古学に精通した生徒は一人もいないだろうからね。

 仮に『厄災』が伝承として記録されているタイプの存在だとするなら、これを機に『現在』だけでなく『過去』の事象も本腰入れて調べようっていう先生の判断なんだろう......まあ調べたところで、『厄災』についてドンピシャな記述(モノ)は何も出てこないとは思うけどね?

 

 ...これまでに引き続いて先生や部員の皆を思いっきり騙すカタチにはなってしまうけれど、調査してもらう以上は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 ゲマトリアの皆さんと行動を共にして色々学んだ感じ、キヴォトスには黒服さん達ですら全容を把握出来てない騒乱の種や古代の脅威が隠れていることは確かだからね...()()()()()()()()()()()()()()、例え何が起きてもシャーレが有利に立ち回れるよう、ボクも全力で調査に参加していくつもりだよ...!

 

 ということでっ!ボクは周りからの期待の眼差しを浴びて白目を剥いてるウイちゃんのサポートに入ろうと思う。

 

 フフん、任せい任せい♪古代語の基本的な読み方は以前ウイちゃんから教わったこともあるし、インターン中にマエストロさんから沢山の解読ノウハウを授けて貰っちゃってるからね!ウイちゃんに『どこでそんな知識を...!?』ってツッコまれないギリギリを攻めながら、それとなく彼女の閃きの手助けをしていくことにしますわ!

 

 ...おっとぉ?なんてこと考えてたらウイちゃんがそろそろ限界そうだ...!顔芸が極まり過ぎてなんか顔面の原形を留められなくなってるんだけど!?

 ええい、急いで運び出しますわよヒナタちゃん!搬送先は医務室じゃなくて、とにかく薄暗くて湿り気の少ない場所ですわ!

 

 ...てな感じで最後はバタバタしたけれど...一番重要な議題が済んでいたこともあり、臨時会議は少し砕けた空気で無事終了した。

 

 結局ウイちゃんはどうしたかって?...まあ顔面作画崩壊が著しかったけど、何か運び出した先でボク特製のアイスアメリカーノを飲んだらあっという間に回復したよね。

 流石はボクと黒服さん厳選のゲマトリアブレンドだぜ!ラテにしてもアメリカーノにしても美味しいド安定クオリティ...その内名前を伏せて飲食店に卸すのもアリかもしれないね♪

 

○月△日

 今日はシャーレでの通常業務だったんだけど...なんか振り返ってみると久しぶりに忙しかった気がしますわ。

 

 朝から戦闘訓練に参加して、当番の皆にお菓子を用意して外回りして演習のサポートに入って事務仕事してエトセトラエトセトラ...。

 

 いつもはここまで同じ日に集中しないんだけど...今日はたまたま、部員の皆と協力したり相談を受けたりする機会が多かった感じだよね。まあ悪い気はしないから全然良いんだけどさ。

 

 まあそれに?帰る前に先生とのんびりおしゃべりも出来たから尚更気分ブチ上がりである!

 やっぱ先生とのオタトークは何時間でも続けられそうなくらい楽しいよね!いつも忙しくしてる先生のためにも、コアなネタ収集は引き続きボクに任せといてよね♪

 

 

 




次回は来週の土曜日に投稿予定です!
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