ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。 作:YEBIS_nora
前話でプレイヤー達からあんな風に見られていた当人がどんなことを考えていたのか、そのギャップを含めて楽しんで貰えたら嬉しいです!
○月△日
____うおおおおおおおおおおおお!ダイナミック脳筋エントリィィィィィィッ!!!!!!
ズッドンッッッッッッッ!!!!!!という大気を震わす程の轟音が炸裂し、エリドゥを囲う外壁の一部がガラガラと音を立てて崩れ去る。
瞬間的に『三速』まで引き上げた『
か〜っ、勿体ねー!出し惜しみしたら風穴開けられないと思って一気に『
『四速』の特訓を始めてから他の武器の消耗ペースも早くなってきてるし...流石にそろそろ専用の武器を用意すべきなのかもしれないね...!
...むん。どうして単身『廃墟』へ赴いた筈のボクが、翻って先生やアリスちゃんのいる要塞都市へド派手な
有り体に言えば...『廃墟』で接敵していた一部の『Divi:Sion』達が、
ヘイヘイやってくれたなァ!聞いてねーですよ全ての機体にテレポート機能が搭載されてるなんてよぉ!!せっかく数百機単位で襲いかかってきた『Divi:Sion』の内
背後のドローン越しに見てた黒服さん曰く...『テレポート機能』は『Key』が再び目覚めたことで実行可能になった機能で?案の定転移先はエリドゥで?
おまけに現在エリドゥの都市機能そのものが乗っ取られて、新たな『Divi:Sion』が絶賛現地生産されてるなんてトンデモ情報聞かされたら、そりゃ黒服さんが保有する『門』も利用して全力で駆けつけるし、『謎のヒロイン』っぽいスタイリッシュな登場の仕方とか気にする前に外壁もブチ抜いちまうってもんですわこんにゃろー!!
てかテレポート機能のこと黙ってたのもそうだけど、その辺知ってたならエリドゥの近郊じゃなくて内部に『門』のポータル設定しといても良かったんじゃないの!?
ずっと思ってたけど、ホントにこの一件に関してだけは激渋りですわね黒服さん!別にいいけどさ!!
...うん?いやいや、なーに意外そうな反応してんのさ。話せないのか話すべきタイミングじゃないのか知らないけど...黒服さんが『共有すべきでは無い』って判断したことなら、ボクも無理に追及するつもりはないよ。
『単純な信頼...というわけではなさそうですね』って?フフん、
こと黒服さん達とボクとの間で、青春チックなキラキラした信頼関係を紡ぐなんてお互い
『悪い大人』を自称してるくらいだもん。
叶うならいつまでも一緒にバカやれる関係でいたいけど...どこかのタイミングで皆さんに嵌められたり、最悪敵対することになる可能性も理解してるし、それで恨みや憎しみを抱くつもりもないよ。
あっ、でも別に無抵抗で受け入れるって意味じゃないから!もしボクに何か仕掛ける時は、そこんとこ覚悟しといてよね☆
...むー、黒服さんってばちょっと笑い過ぎじゃない?ボクらにとっての歪で健全な関係性ってやつを、すーぱーインテリジェンスに言語化したってだけでしょー?
『...時が来たら、必ずお話しますよ』って?うへへ、じゃあ気長に待つことにしよっかな。
今日のところは黒服さんのお願い通り、
さてさて...結果として先生達のいるエリドゥへ来てしまった以上、まずやるべきは現状把握だ。
『Key』が目覚めてしまったことだけは知っているけれど、ならば先生達は一体どこまで到達しているのか...。
具体的にはトキちゃんやリオ会長との交渉ないし戦闘はどんな状況なのか確認しておかないと、ボクがとるべきアクションを絞りようがないからね。
うえぇぇぇぇぇっ!?何でネルちゃん先輩こんなとこにいるの!?しかもすっげーボロボロだし...この前『
すぐ隣には比較的傷の浅いアカネちゃん。そして二人の後ろでダウンしてるのは...トキちゃんでいいんだよね?なんか
...いやマジで何なんですの?あのパワードスーツから感じる
黒服さん達のもとで色々な技術や秘技に触れてきたけど...あのパワードスーツから滲み出る
もしかしてアレなの?モノによっては特殊な能力を発現可能な古代の『オーパーツ』...全てを解き明かすのは困難と言われるソレとの
マジかよ凄いなリオ会長...流石は『
そんな具合でパワードスーツの方に何秒か気を取られていると...立ち上がったネルちゃん先輩が、愛銃を持ち上げながらフラフラとこちらへ近付いてくる。
曰く...テメェがアイツを討つためにここへ来たっていうのなら、絶対
オマエをアイツの____天童アリスの所へは、何がなんでも行かせねぇからな...!と。
...なるほどね。確かにネルちゃん先輩の立場からしたら、そう勘違いされても仕方ない。
エリドゥに突然『Divi:Sion』が発生したタイミングで『シキ』が現れたという状況から推察すれば...リオ会長の言葉通り、ボクが『厄災』であるアリスちゃんを討滅しに来たようにしか映らないだろうから。
...なればこそ、ボクがこの場でとるべき
手に持っていた銃をホルスターにしまい、恐怖のギアを『一速』レベルまで一時的に引き下げて。
視界の奥で銃を構えるアカネちゃんに示すよう両手を上げて...一歩、一歩と、こちらからもゆっくり歩み寄って。
____足がもつれて倒れ込んできたネルちゃん先輩を、ふわりと優しく抱き締めた。
...ホントさ、
本来ならリオ会長の側につくべき立場な筈なのに...自分の信念に従って、アリスちゃんを守る決断をしてくれた。
勿論トキちゃんにリベンジする目的もあったとは思うけどさ...こんなボロボロになってでも、ゲーム開発部や先生の____主人公達の
『約束された勝利』を掴み取るための激アツな根性を、ここに至るまで示し続けてくれた。
...だからさ、こっから先はボクに任せてほしい。
今の姿じゃ分かりようがないかもしれないけれど...ボクもずっと前から、ネルちゃん先輩に『根性』のイロハを叩き込んで貰った後輩の一人なんだ。
先輩が
それに安心して♪ボクが狩るのは『Divi:Sion』だけだし、アリスちゃんがイコール『厄災』だとかマジで有り得ないから!
だって『厄災』は、存在自体が盛大な
...ハッタリ云々は兎も角、そんな感じのことをロールプレイ込みでざっくり伝え終わったところで、ネルちゃん先輩は漸く身体の力を抜いてくれた。
意地でも意識を手放そうとしないのは相変わらずだなとマスクの下で微笑みつつ、呆然とするアカネちゃんに現在の状況を問いかける。
ふむふむ...成程、ゲーム開発部と先生は、無事リオ会長とアリスちゃんのいる中央管制室に到着しているらしい。
同行しているアスナちゃんとカリンちゃん曰く...トキちゃんがネルちゃん先輩に倒された時点で、リオ会長は降参の意思を固めていたと。
そのまま先生とリオ会長が問答を繰り広げていた
ありがとね、アカネちゃん____そういう
切っ掛けは『Divi:Sion』との接触だったとはいえ...今回の一件は、『アリスちゃんが自身の存在をどう定義付けるか』で結果が大きく分岐するのだろう。
リオ会長に突き付けられたままに『魔王』を受け入れるのか...それとも別の、『心の底からなりたい存在』を張り続けると決意を固めるのか。
そんな重要な場面に部外者の『謎のヒロイン』が現れても、正直ノイズにしかならないだろうからね。
...その場面に立ち会うのは、彼女と最も濃い時間を共にした『ゲーム開発部』であるべきだ。
まあそれに?
ぶっちゃけあのヒマリちゃんがいつまでも
やれやれとため息をつきながら同行するエイミちゃんの姿が目に浮かびますわ...この件が無事落着したら、冷たいアイスの乗ったパフェでも奢ることにしよう。
____さ〜てと...っ!それじゃあボクも、本命の『Divi:Sion』狩りを再開するとしましょうかね...!
『廃墟』にいた機体の残り三割プラス、現地生産個体(総数不明)...!お生憎様、
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『廃墟』とエリドゥのリソースを贅沢に使った『Divi:Sion』の無限増殖は、それから1時間が経過するあたりで突如収束した。
...どうやら無事に、アリスちゃんは自分の意思で
ボクはボクで、普段特訓に付き合ってくれる『
や〜!『反転』出来るようになってからつくづく感じるけど、『神秘』や『恐怖』ってこんなに拡張性の高い代物だったんだね!
弾丸や刃先に纏わせるだけでも結構いい感じの
エネルギーの塊を飛ばしてぶつけるだけだった銃剣の衝撃波や、強度を底上げしているだけだった鋼線に『鋭い切れ味』という効果を追加で付与させる...ゴルコンダさんは『『爆発』とも『貫通』とも『神秘』とも『振動』とも異なる『斬撃』の
まあとにかく、『斬撃』属性(仮称)の付与によって『Divi:Sion』一機ごとの撃破時間は大幅に短縮。
数百機vsボク一人というパッと見絶望的な状況でも、無双ゲームの主人公よろしく片っ端から薙ぎ払うことに成功したわけなのだ!
うへへへへ...こうして手札が一枚増えるとさ、応用次第で戦術の幅が一気に広がるからワクワクしてくるよね。
『四速』の持続時間を伸ばすことも勿論重要だけど、更に強くなるためのアプローチは何もそれだけじゃない。
常時頭を使うのはすっげー疲れるけどさ...実戦で
...さて。反芻するのはこのくらいにして、そろそろ目の前にいる彼女____
いやね、本当はこんな形で彼女を連れてくるつもりなんて更々無かったんですのよ?
だけどあの時...事態が収束して、先生やアリスちゃん達がタワーから出てくる様子を物陰から見届けようと潜んでいた時。
一緒に出てきた時のリオ会長の表情が____この先具体的にどう動けばいいのか分からない『苦しさ』と、自分は結局何も成せないのだろうという『諦観』が入り混じったその
気付いた時にはもう既に、先生達の目を掻い潜ってリオ会長の手をとってしまっていたのだ。
まあ噛み砕いて言っちゃうと...『背負ってしまった間違いや罪を何一つ結果で清算出来ないまま、アリスちゃん達が笑って過ごすミレニアムに戻るわけにはいかない』とか
...なんてことを若干ロールプレイ込みで正直に話してみたところ、案の定リオ会長には軽く引かれてしまう始末である。
まあボクはヒマリちゃんの愚痴って形でリオ会長の人物像をある程度把握してたけど、当人からすれば実質初対面の相手がめっちゃ解像度の高い性格解説してきたようなものだからね...。
ロールプレイの都合上、口では『面倒くさいんだね』って言っちゃったけど...内心ではめちゃんこ共感していたボクなのであった。
...むん。となればやっぱり、『謎のヒロイン』がリスクを承知で『ミレニアムの生徒会長』を引っ張ってきた
リオ会長は良くも悪くも深読みして考え込んでしまうタイプみたいだからね...『相応の目的があって自分をここに連れて来た』ってことにした方が、却って直ぐに納得してくれるんじゃないかな...!
なぁに任せんしゃい♪こちとら常にアドリブ上等でロールプレイやってる身の上だぜ?『それっぽい話』をでっち上げることに関しちゃ、実績的にそろそろキヴォトスで一番を自称していい頃合いなんじゃないかな!
ということでっ!扉の向こうにご用意いたしましたのは、こちらの『破壊箇所が全て微妙に異なる『Divi:Sion』の残骸』...その数実に数百機以上!
ホントは黒服さんに『可能なら後で回収出来るよう
『今更解析したところで...』って?フフん♪確かに『Divi:Sion』そのものについて
だからこそ...リオ会長にお願いしたいのは、『Divi:Sion』の設計思想を土台にした多次元解釈理論の解析と体系化。
即ち____『名もなき神々の王女』が使用した
うへへへへ...アドリブで思いついた案にしては結構良い線いってるんじゃないのこれ!
あのテレポートをこちらが使えるようになれば、絶体絶命の状況下でも先生や部員の皆を脅威から遠ざけることが出来る...今まで以上に危ない目に遭うかもしれない先生のために、是非とも用意しておきたい緊急退避手段だ。
しかもリオ会長がこの技術を確立して、いつの日か先生達を助けるような場面を迎えられれば尚最高じゃんね。
流石にそうなるよう事態を誘導したりはしないけどさ...どこか不器用なリオ会長が、いつか毅然と前を向いてミレニアムに戻るための足掛かりになってくれたらボクも嬉しいかな。
んー?...フフん、当然当然!リオ会長なら必ず方法論を確立してくれるって、
だってさ!『より多くの命を救うため』なんて口だけでは簡単に言える超絶難度の目的を一切妥協せず、あんなスゲー都市とパワードスーツまで作り上げちゃったんだぜ?
勿論、合理的に考えるあまり『一人の命』と『大多数の命』を実際に天秤にかけてしまったのは
...んん?どうしたのさ、鳩が豆鉄砲喰らったみたいに固まっちゃって。
...『そんな言葉をかけてくれる人がいるなんて思わなかった』って?んもー、そんな寂しいこと言わないでよね〜!どうせならギュッとして頭ナデナデするサービスもお付けしますわよお客さん♪
あらら、また少し引かれちゃった...これがヒマリちゃんだったら『この超天才清楚系病弱美少女を持ち得る限りの語彙で以って褒め讃えつつ全力で撫で回してくださいね!』ってドヤ顔しながら両腕を広げてくるんだけど...やっぱ犬猿の仲って言うくらいだから、この辺の反応も正反対なのかもね。
さて!最後の質問にもボクが
リオ会長にお願いした内容やゲマトリアの皆さんが間接的に関与する部分...研究解析のためのスパコンや各種工具と資材の調達予算なんかは初めにキッチリ相談しておかないと!
あっそうだ、本格的にリオ会長の資産や口座が凍結する前に多少引き出せるよう裏工作もしておかないと...やってることは普通に犯罪なのにスラスラと具体的な
...ちなみにこの後、おふざけ成分百パーセントで黒服さんに『ボクの無垢な心を知らず知らずの内に悪党色に染め上げちゃうなんて...!ちゃんと責任とってよね、黒服さん☆』って言ったらノータイムで『お断りします』と返されたことをここに書き記そうと思う。
『貴女最初からその辺の倫理観ボロボロでしたよ』って酷くない!?確かに多少ぶっ飛んでるアイデアとか思いつきがちだけど、別に生まれながらの『悪党』ってわけじゃないんだから!
う〜わ、今鼻で笑いやがりましたわね!?
いいぜ上等じゃん。今日は久しぶりに黒服さんとアニメ見ようと思ったけど、そーゆー態度とるならマエストロさんやゴルコンダさん達と一緒に見るから!
ボクの次なる謎のヒロインムーブに役立ちそうなシーンやアイデア盛り沢山だけど、黒服さんにだけは教えてあげないんだからね!
......えっ。いやいやいや、そんなガチで凹むことないじゃん...情緒の高低差どうなってんのさ黒服さん。
ほっ、ほらっ!今のはちょっとした冗談だから、一緒にアニメ見よ?黒服さんが最近ハマってるお酒に合うおツマミも作ってあげるからさ...!
...とまあそんな感じで。
直後『まあ演技なんですが』とめちゃんこムカつく表情を浮かべて顔を上げた黒服さんに飛びついて絞め技を
せっかくだし皆でアニメ見ようぜ!という話になり、同じ箇所を何度も再生しながらアイデアを具体的なムーブに落とし込むためにあーでもないこーでもないと議論を重ねたり。
夜も更けてきてるのに、お酒やジュース片手にお互い自分が話したいことをダラダラ話して聞いてあげてを繰り返して。
以前先生が教えてくれた『成人済み大学生が友人とやりがちな宅飲み』に近いような...騒々しくもどこか気が休まる不思議な時間を、自称『悪い大人』の皆さんと過ごしてみるボクなのであった。
ここまでで現状書き溜めてあった分は打ち止めになります...。
予定としては、この後掲示板回で触れた√Sシナリオ部分を経てからエデン条約編に突入しようかと考えております。
中々コンスタントに投稿出来ず申し訳ありませんが、気長にお付き合い頂けると幸いです。