ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。 作:YEBIS_nora
今回のストーリーラインの都合上、色彩ちゃんにはシャーレを離れて別側面から動いてもらう必要があるため下手に削ることが出来ませんでした。
読むの重いなって感じたらざっと読むだけで大丈夫です!
○月✕日
『合同火力演習』とは、連邦生徒会主導で開催される任意参加の演習行事である。
『生徒達の協調性と問題解決能力の向上』というのが実施の目的らしいんだけど...一部の生徒達からは『小遣い稼ぎ』なんて呼ばれていたりもする、ちょっと不思議な恒例行事なんだよね。
というのも、なんとこの合同火力演習...挑戦した際に算出されるスコアに応じて買い物に使えるポイントや景品が貰える代わりに、一体何と戦うことを想定してるんだって突っ込みたくなるレベルのゴキゲンな難易度設定になっているのだ!
各演習種目別にフェーズ1からフェーズ4までステージが設けられるんだけど...大体の生徒はフェーズ1をクリア出来れば十分なくらいで、適性や戦術が上手くハマればフェーズ2もクリア出来るかな〜って感じなんだよね。
フェーズ3は各校で名の知れた実力者がメンバーにいてようやくハイスコアを狙いにいけるって感じだし、フェーズ4に至ってはガチの腕利きを揃えて連携しないとクリアすら出来ないぶっ飛んだレベル設定ときたものだ。
前回だって全クリ出来たのは最強格が率いる三部隊と
だから参加する殆どの生徒のスケジュールとしては、自身のクリア可能な難易度の中でスコアを更新して報酬をゲット。
その後は屋台巡りをしたり非公認で有志が開催するトトカルチョに参加して、フェーズ3やフェーズ4を突破する部隊予想や到達スコア予想なんかで盛り上がるっていうのがお馴染みの光景だったりするのだ。
...まあ傍から見ていた感じ、演習の発案者である連邦生徒会長の狙いは
ソレがこの演習の...
或いは、その辺りのブレイクスルーをも見越して『シャーレ』という組織を設立するに至ったのか...まあ当の本人が絶賛行方不明だし、この辺の話を深掘りするのはよしておこう。
____というわけで、今日は連邦生徒会への出向初日である。
やー、この制服に袖を通すのも随分久しぶりに感じるよ。
...ふと思ったけど、『なんか身体の成長が止まってきたな〜』って感じ始めたのはいつからだっただろう?
あまりに変化が無いものだから、身長体重スリーサイズをチェックする機会も半年に一回で十分だと思うようにすらなっていたくらいだ。
まあボクも一端の女子生徒だし?それでもこまめに測ってはいるんだけどね。
でも待って...そうなると、ボクが地道に続けてる筋トレやら各種特訓の効果が全然身体に出てきてないってことになるんじゃないの?
『伝説のスケバン』と呼ばれてる
けれど戦闘での動きは徐々に良くなってきてるから、内面的にはちゃんと効果が出ているわけで...むん。我ながら奇妙な身体をしてるものである。
しかしアレだね...これで暫くシャーレの動向を直接観察できなくなるっていうのは、『謎のヒロインごっこ』的にちょっと残念だけどさ?
最近はカイザーあたりの怪しい企業連中も大人しいし、ゲマトリアの皆さんもそれぞれ準備期間に入ってる感じだし...まあそうそう大きな事件は起こらないでしょ!
...今のフラグだったかな?いやいやマジで頼むよ、ボクももう少し念を入れて修行とかしておきたいからね。
少し話は逸れたけど、まあ気を取り直して。
久しぶりに古巣でのお仕事!初日から元気にいってみよー!!
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悲報。現在の連邦生徒会、
いやね?出勤してすぐ、リンちゃん先輩に『まずは報告と紹介も兼ねて、私と一緒に室長会議に出席してください』って言われた時から嫌な予感がしてましたわよ?
たかだか元一般生徒会役員だったボク一人が出向してきたくらいで、
精々メールで伝えとけばそれでよくない?って。
そんで会議が始まれば...まあ出てくる出てくる各部署の経過報告とは名ばかりの問題点トラブルその他諸々エトセトラ。
話を聞く中で、当然様々な要因が見えてきたわけだけど...特筆すべきは外的要因。
ゲヘナとトリニティのリーダー達が、演習の最高難易度のレベルを
前回の合同火力演習において、レコードホルダーの称号は三大校とSRTがキレイに一個ずつ獲得するという結果になった。
『四強時代の到来!三大校とSRTの上位戦力の実力は拮抗状態か!?』...みたいな見出しでクロノスが大々的に報じていたのは、今でも記憶に新しいですわね。
だからこそ、ゲヘナ・トリニティの上層部は...世間の認識がガッチリと固まってしまう前に、この横並びの評価を早めに塗り替えておきたいのだろう。
さて...普段からニュースに目を通しているキヴォトスの住人がこの見解を聞いたなら、すぐに一つの疑問が頭に浮かぶと思う。
即ち____『エデン条約』を締結する方向で調整が進んでるって話なのに、何でこのタイミングで遠回しなマウント合戦みたいなことをやろうとしてんの?と。
むん。確かに『エデン条約』の締結は、
『
...だけどまあ、アレだよね。
大方予想はつくだろうけど、ゲヘナは勿論トリニティだって...決して一枚岩ってわけじゃない。
中枢にいる一部の生徒達からすれば、『それはそれとして向こうと同列扱いなのは気に食わねー。実際はこっちの方が強いし!』みたいなことを思っているわけである...ちょっとエミュが
逆に『
やれやれ全く...ツルギちゃんを始め、当代の『最強格』が
これでアレだよ?先生から借りたマンガに出てくるような『異教徒と化け物はそれだけで『殺す』とか言い出す系の神父』とか、『自身や周囲の負の感情を素にした『とある能力』の適性が無い人々を『猿』と呼んで根絶しようとする作中最強キャラの親友』みたいな思想を持ってる実力者が現れたら、マジで洒落にならない事態になる気がするからね?
何事もなく条約が締結されることを願うばかりですわ!
____閑話休題。話を室長会議の場に戻そう。
その後も室長達の話を聞いていく中で、内的要因とも言えるもう一つの懸念点について議論があったりしたけれど...それより遥かにボクを驚愕させたのは、皆から抗議一歩手前みたいな
要約すると____『リン代行だけサポート有りなんてずるい!
待って待って待って!突然場の空気が変わり過ぎて思っくそ置いてけぼり食らったんだが!?
もう長らく別の職場にいて...ましてや
モモカちゃん曰く、言い分としては『サイカは全部の部署で業務経験あるから大丈夫っしょ?』みたいな感じらしいけれど...。
それってアレじゃないの?『基本業務』から『込み入った重要な業務』へのステップアップに軒並み失敗して
その時に何か目ぼしい実績を上げた覚えがまるで無いんだけど!?
咄嗟にそんなことを口にしてしまったところ...先輩含めた室長の面々がピタリと黙り、これまた揃ってやれやれと肩を竦め始めた。
えぇ...何で皆揃いも揃って『コイツ相変わらずだな』とか『いい加減無理矢理にでも分からせてやろうか』みたいな
混乱しているボクをよそに、リンちゃん先輩はサポートスケジュールの修正を提案。
その案に室長達も満場一致で賛成したことで...明日から一日ずつ、各室長の直属として演習準備を軌道に乗せるお手伝いをする形となった。
う〜む...アオイちゃんやカヤちゃんが涼しい顔をしつつも机の下でガッツポーズしていた場面は見なかったことにするべきだろうか?
まあ何より不安なのは、決議直後から一層ご機嫌になった三人の方だよね。
モモカちゃんもハイネちゃんもスモモちゃんも、絶対業務以外の『何か』にボクを付き合わせるつもりじゃありませんこと?ボクに向けてくるそのウインクやらサムズアップやらは何の意思表示なんですの!?
...会議が終わり、仕事に戻るべく続々と部屋を後にする室長達を見送りながらも、ボクは何ともゴキゲンな具合に変貌してしまったスケジュールに乾いた笑いしか出てこない。
リンちゃん先輩よぉ...多少覚悟はしてたけど、これは流石に想定外過ぎじゃありませんこと?
報酬は確かに破格だったけど、正直アレだけじゃこれから投じる予定の労力とレートが釣り合ってないよなぁ!
更なる報酬の上乗せを要求する!今こそこの身に、ミノリちゃんソウルを宿す時ですわ!!
言うまでもなく劇薬だから、用法用量には注意しようね☆
わー、指で眉間押さえながらすっごい渋い
まあ?それを察した所で別に遠慮とかしないけどね!ロクでなしと罵られようが、ボクにとって最大級のメリットがある要求を突きつけてやりますわ!
というとでっ____今日から毎日、必ず
フフん♪と胸を張りながら声高にそう言い放ったボクを見て、呆気にとられたような表情を浮かべるリンちゃん先輩。
えへぇ〜?どうしたのさ。そんな脳裏に宇宙と猫が浮かんでそうな
この状況を乗り切るにあたって、ボク的に最も利があるお願いなんて他に無いでしょ♪
知ってるんですからね〜?リンちゃん先輩は業務が立て込むと、絶対昼休みにこっそり仕事するようになるってこと!
まず始めに昼食がテキトーになって〜、その次に残業時間がジワジワ増えてって〜...最終的には、オフィスに泊まり込んででも業務を片付けようとする。
出向を依頼しに来た時の様子を見れば...今言った多忙
当たってるっしょ?...まあそんなバツの悪そうな顔を見せてくれるんだから、態々聞くまでもなかったかな。
そういう所は先生そっくりだよね〜。ひゅーひゅー、この似た者ツートップめ!
まあそういう訳だからさ...ボクはサポーターという立場を積極的に利用して、先輩の生活リズムを健全な方向へ引き戻すお手伝いをするよ。
ほら、『健全な精神は健全な肉体に宿る』ってよく言うじゃん?
今の先輩は組織の意思決定における最高責任者なんだから、尚更意識的に生活習慣を保っていかなきゃ!
疲労で恒常的に回んなくなった頭で下した判断は、大抵望んだ結果に結びつかないもんだぜ?
『考える』ことについて一家言あるボクが言うんだから間違いないね。
先輩の心身が健全であることは、そのままこのデスマーチの早期終結に繋がるんだってこと...どうか忘れないでくださいね?
まあ任せてくださいって!何せボクには、シャーレに転属してから色んなところで見聞きした『すべらない話』のストックが大量にありますからね!
唐突に『おう何かオモロい話しろや』とか振られても余裕で期待値を超えてやりますよ!
だからさ、先輩____お昼休みの時間くらい手を止めて、ボクと
そんな感じのことを伝えつつ、両手を鉄砲の形にしてキャピッ☆とポーズを決めたところで...本当にようやく。
リンちゃん先輩は『降参ですね』と呟いて、今日初めての笑顔を見せてくれた。
ヘイヘイ!ようやく
ボクの中にある芸人根性はじゃじゃ馬だからなァ!いっぺん『やる』と決めたら、ひと笑い起こすまであの手この手でアプローチを仕掛けちゃうもんね☆
うん?...『まるで私とお昼休みを過ごすこと自体が、貴女にとってメリットだと言わんばかりですね』って?
ふふ〜ん♪勿論そうに決まってんじゃん!やっぱボクってばぁ♡先輩のことしゅきしゅき大
あばばばばばばばばば!!ちょっ、待って!何でいきなり片手アイアンクローお見舞いされてんのボク!!
『顔がムカついたのでつい』じゃないが!?そんな理由で潰されかけるボクの顔面が可哀想だと思わないんですか!?
...足をバタバタさせて悶絶する後輩の醜態を見て満足したのか、リンちゃん先輩は割とすぐにボクの顔面から手を離す。
ぐおおおおおお......目がチカチカし過ぎて、くるくる回る三体のミニペロロ様とお星さまの幻覚まで見える始末だぜ...。
こめかみの丁度ツボみたいな部分を的確に締め上げられていたから、中々視界が回復してこねーですわ。
......あれ?ていうかこんな仕打ちまで受けておいて、結局ボクの
そう思い立って、バッと先輩の方へ顔を向けたけれど...その直後には、別にその必要は無かったんだなと考えを改めた。
だってそうだろう?
床に座り込んだ状態から顔を上げた瞬間...ボクの頭は、ワシャワシャと彼女の両手に撫で回されて。
そのまま頬を優しく包まれて。
『楽しみにしていますよ____私の相棒』なんて...そんな言葉を、悪戯が成功した子供みたいな笑顔で告げるリンちゃん先輩が。
再び像を結んだボクの目に、忘れられない程鮮明に映し出されていたのだから。
本文でもそれとなく触れていますが、この手の色彩ちゃん無自覚ムーブを無駄に出しまくるのはあんま良くないなと自覚しています。
これを解決するには、さっさと本筋を書いて投稿する以外に道は無いってことですね(自戒)。
更新頑張ります!