ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。 作:YEBIS_nora
後々ゲーム本編で新情報が開示されると思いますが、現状はコレで進行させてください。
ちなみに本話も、さほど重要な伏線や情報は無いタイプのエピソードなので流し読みでも大丈夫です!
○月△日
____オイ…
例の如く先生から借りたマンガのセリフを言い放ってやりたい衝動を抑えながら...
出向二日目...部署を巡っての業務サポート一発目にしてボクに任されたのは、連邦生徒会が誇る室長が一人____スモモちゃんが業務中に眠らないよう、ひたすら遊び相手になり続けるというお仕事だった...!!
ンンンンンンン待ってくれ...っ!
なぁんでサポート一発目からこんな変化球ぶつけてきやがるんですかこんにゃろー!!
まあ知ってるよ?スモモちゃんは室長だけあって非常に優秀で、特に短時間集中によるパフォーマンスには目を見張るものがあるって話は。
代わりに滅茶苦茶飽きっぽくてすぐ強烈な睡魔に襲われてしまう体質だから、平時は最大3回まで1時間のお昼寝をしても良いという特例措置が設けられてるってことも。
だけど多忙な現在...室長の確認と承認が必要な書類が膨れ上がったことで、スモモちゃんの集中が途切れてスリープモードに移行する回数が爆増。
書類を持っていったら9割方机に突っ伏しているという事態により、この部署の業務停滞がえらいことになっているらしいのだ!
...むん。これがシャーレなら即座に臨時の承認フローを構築して、先生と担当部員が責任を持って業務を先に進めるという対応がとれるだろう。
だけどここは、キヴォトス全体の運営に関わる事業や業務に携わる行政組織...その決定一つによって動くお金や齎される変化に厳格な責任を持つために、安易に変えられないルールが確かに存在しているのだ。
ちなみにサンクトゥムタワーの機能不全に伴う都市の運営麻痺の一件において、その承認フローやら文書主義やらを思っくそ無視して動いた下っ端役員というのがボクである。
やは〜...今考えるとかなりヤバいよね。処分が懲戒免職とかじゃなくて、お説教と反省文だけで済んだのがマジで奇跡だよ。
...とまあそんな訳で、本日ボクが従事する仕事がコレである。
リンちゃん先輩曰く、『貴女が傍にいればスモモは基本的に眠らないので。後はまあ......お得意の手練手管を弄して、何とか机に向かわせてください』とのオーダー。
そしてスモモちゃん本人曰く、『...サイカは...なんか、見てて飽きないから〜』とのことらしい。
リンちゃん先輩の字面がひっでぇオーダーはこの際置いとくとして...スモモちゃんのその理由になってない理由は何!?もしかしてボクのこと珍獣か何かだと思っていやがりますの!?
ええい、てゆーかさっきから止まらねーですわね!ボクの頬っぺたをツンツンしながらビートを刻んだり、手の平をニギニギして謎の手遊び始めたり、
周りがバリバリ仕事してる中で、自分だけ実質何もしてないのすっごい落ち着かないんだけど!?ボクこんなんで本当にお給料貰っちゃっていいんですの???
まあムシクイーンバトルは喜んで受けて立ちますけど(爆速矛盾)。
うっはっはァ!キヴォトスに住まう
己に問うのは一つだけ____
...その後もムシクイーンバトルで敢えて難しい局面へと誘導し、『今さっき回って来た書類に取り組めば、その分もターンの持ち時間にカウントしてあげちゃうんだけどな〜?』とか何とか言ってどうにかスモモちゃんを机に向かわせたり。
書類を持ってきた役員の子から『室長がずっと起きてるなんて奇跡だよぉ...!』と涙ながらに握手を求められたり。
その後の会議で議題に挙がった問題点の解決策を瞬時に頭の中で組み上げたものの、睡魔も相まって『ここをババっとして〜』やら『こーしてあーして...ずばば〜んすれば......多分大丈夫でしょ〜』などの超感覚派表現で話し始めたスモモちゃんの通訳みたいな役をこなしたり。
残業含めた夜の九時を回るまで、何とも変わった本日のサポート業務をやり切るボクなのだった。
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○月□日
出向三日目。
空いてる応接室でリンちゃん先輩と昼食を摂ってたら、お弁当片手にスモモちゃんがやってきた。
話を聞くと、どうやら自分もここでお昼ご飯を食べたいらしい。
普段は役員食堂を利用するスモモちゃんの珍しい行動に、思わずリンちゃん先輩と顔を見合わせてしまったけれど...特に断る理由も無かったので、そのまま彼女を手招いた。
...当たり前のようにボクの太腿の上に着席されたんだけど...まあいいや、食べる時は上手いこと身体を捻って口に運ぶことにしよう。
応接室でのお昼休みに、新たな仲間が加わった!
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○月○日
出向四日目。
『晄輪大祭』のメイン会場としてもお馴染みのアスレチックスタジアムにて____ボクは怒涛の
新品だった
そんな中...ニコニコ笑いながら軽々と
『戦闘要素を除いた単純な運動能力だけなら最強格に届き得る』と噂の身のこなしで以って、合同火力演習の『試走』____新設したギミックや仮想敵の数々が、全て正常な挙動をしているか確認する実地業務に勤しんでいた。
あの~...もしかしなくてもこれボク要らなくない!?
そりゃボクだって強くなりたいし?ぶっ倒されたら即失格の本番じゃなく、リトライし放題な『試走』に参加出来るのは凄い有難いんだけどさ?
でもハイネちゃんのサポートってことなら、寧ろこの時間にボクが事務仕事を肩代わりした方が部署的にも効率的だと思うんだけど!?
近くにいた
休憩も程々に、新しい防護盾を担いで歩き出す。
思い出すのは...ハイネちゃんが
彼女考案にして、既に一部の初等教育機関に『体育科目の必須カリキュラム』として取り入れられている基礎体力向上トレーニングパッケージ____通称『青春ブートキャンプ』。
当初はあまりに上級者向けの内容で、小学生どころか高校生である役員達も『通し』でやり切れないレベルの代物だったのを今でも覚えている。
加えて彼女自身が極度に感覚派の天才なことも災いし、
そこからボクも死に体になりながら何度も挑戦し...確か80回目あたりでようやく完走。
何度も一緒に試行錯誤を重ね、『運動が苦手な子でも実践しやすく、トレーニング効果を保てるギリギリのライン』を突き詰めていく日々を経て...ボクらは今のように、良い意味で遠慮のない関係になることが出来たのだから。
____おっしゃ!!そうと決まれば競走しよーぜハイネちゃん!!
試走難度はもちろん『新版フェーズ4』!...最強格が挑むことになるだろうフ○ッキン鬼畜ステージを突っ走って、己の限界ってやつをブチ抜いてやろう!
それじゃあいつも通り、勝った方がおにぎり10個奢りってことでハイよーいドンッ!!!
『フライングずる〜い!』って?うはははは!勝負の世界は非常なんですことよ!
この前先生にイカサマ喰らわされた時に言われたぜ____『最終的に...勝てばよかろうなのだァァァァッ!!』ってなぁ!
ほらボクってば勤勉なので!時たま先生から直接授業してもらってるタイプの教え子なので!
...ちなみにその後、ボクはステージ序盤で為す術も無く
何ならハイネちゃんも中盤手前で吹っ飛ばされて、ポニーテール部分を除いて見事なアフロヘアーに大変身する結果である。
むん。『新版フェーズ4』、端的に言ってとんでもねー難易度になってやがりますわ。
これ最強格が部隊にいてもギリギリクリアに漕ぎ着けられるレベルじゃないの?とてもスコアレコードとか気にしてられる代物じゃないって!
...でもまあ、もし仮に。
本気でこのステージを完膚無きまで徹底的に攻略する糸口があるとすれば、それこそ連邦生徒会長が考えていただろう____
......おっと、ハイネちゃんから『もう一回トライしよー!』とのお誘いだ。
相変わらずのフィジカルファンタジスタ...体力の回復ペースが『反転』してないボクとは大違いだね。
なぁに任せんしゃい!事務仕事を気にしなくていいなら、徹底的に挑み尽くさなくっちゃ損ってなもんよ!
ハイネちゃんに付いて行けるだけ付いて行き、『ここまでか』と思ったら即座に『万全じゃない
このありがてぇ経験値獲得チャンスを満喫して____次の訓練の時、成長したボクを見せつけてイチカちゃん達をビックリさせてやらぁ!
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○月☆日
出向五日目
リンちゃん先輩、スモモちゃんとお昼ご飯を食べてたら、でっっっかいタッパーにギッチリとおにぎりを詰めたハイネちゃんがやってきた。
話を聞くと、どうやら自分もここでお昼ご飯を食べたいらしい。
普段は役員食堂を利用するハイネちゃんの珍しい行動に、思わずリンちゃん先輩と顔を見合わせてしまったけれど...特に断る理由も無かったので、そのまま彼女を手招いた。
...なんか一昨日も似たようなやりとりをした気がするけど...まあいいや。
応接室でのお昼休みに、新たな仲間が加わった!
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○月〇△日
お昼ご飯を食べてたら由良木ィ!!...もとい、モモカちゃんがやって来た。
...いかんいかん。昨日交通室で散々こき使われた影響がまだ残っていやがりますわ。
具体的には、地下鉄ホームでの対人トラブル解決のためにモモカちゃんの指示でひたすらあちこち走り回らされたりね。
気を取り直して話を聞くと、どうやら自分もここでお昼ご飯を食べたいらしい。
『でも今腕に抱えてるの全部ポテチじゃん』というツッコミをどうにか堪えつつ...特に断る理由も無かったので、そのまま彼女を手招いた。
応接室でのお昼休みに、新たな仲間が加わった!
○月〇□日
リンちゃん先輩達とお昼ご飯を食べてたら、お弁当箱を抱えてアユムちゃんがやって来た。
特に断る理由も無かったので、そのまま____
○月〇☆日
お昼ご飯を食べてたら、お弁当箱を持ったアオイちゃんがやって来た。
特に断る理由も無かったので(ry___
○月□〇日
お弁当箱を持った文化室長が____
〇月□△日
保健室長が____
○月△☆日
人的資源室長が____
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△月○日
出向十二日目。
今日は防衛室でひたすら事務仕事に励んでいるわけなんだけど...不思議なことに、ボクは三十分置きに業務の中断を余儀なくされていた。
というのも...防衛室で室長の役職に就くカヤちゃんが、まさに三十分間隔でボクに話しかけて来るからである。
むん。まあ個人的に?雑談しながら事務仕事をすることは否定的じゃないし、寧ろシャーレでいつもやってるからバッチコイってな訳だけど...
...いやダメだ、ここシャーレじゃなかったわ。連邦生徒会に社内チャットアプリみたいなモノが導入されてる筈無かったわ。
まあそれは良いとして...どうしてカヤちゃんがそんなムーブを繰り返しているかについてだよね。
カヤちゃん自身の仕事が片付き始めたから、ボクが『困ってるから手伝ってください!』とか『ここ分からないから教えてください!』って言ってくるのを待ってる感じかなと思って声を掛けてみたんだけど、どうやらそれも違ったらしい。
『室長の仕事がまだまだありますから...!』だったり『ちょっとした打ち合わせが...そう!一件一件は短時間で済みますが、それらが数十分おきに何件も入ってて...!』だったり、その都度ボクに予定を伝え、そそくさと室長室に戻っていっちゃうのだ。
ボクもその度に首を傾げつつ業務に戻ってたわけだけど...そのサイクルを何度か繰り返した後、近くに座っていた同期の役員の子が事情を説明してくれた。
その内容をざっくり噛み砕くと...
もっと言うなら、自身が憧れる理想のリーダー____つまりは連邦生徒会長が普段ボクらに
ちなみにカヤちゃんが毎回ボクの所へ来る理由については、単純に『アンタが無駄に高い精度で相手のツボに入る返しばっかりするからでしょ』とジト目で一蹴された。
むぅ゛ん゛、解せぬ。普段はともかく、仕事中の雑談だから殆ど脊髄で喋ってただけなのに...!
____閑話休題、ボクのことなんかよりカヤちゃんや組織のことに話を戻そう。
きっとボクだけじゃなく...連邦生徒会長の人となりを何となくでも知る役員なら、言うまでもなく理解している。
生徒全員のパーソナル情報が記された
不知火カヤという少女は、連邦生徒会長に
それと同時に...連邦生徒会長の異質な働きぶりを知る役員なら、これもまた理解している。
中心地である『D.U.』や、時には都市全体に影響もある幅広い業務を担い、それに伴って多くの人員が所属する組織でありながら...何年にも渡り大した不祥事もトラブルも起こすことなく。
加えて
...だけど現在、その『超人』は行方が知れない。
そこにいるだけで組織を一つの生き物のように動かすことのできる絶対的なリーダーは、今やその席に座っていないのだ。
むん。こうして要素を並べると、一概に誰が悪かったとも言えないよなって感じだね。
自身の放つ影響力やカリスマ性という名の『光』が周囲へ齎す影響を甘く見ていた連邦生徒会長にも非はあるし...『
...だけどコレは連邦生徒会だけじゃなく、あらゆる学校や企業でも普通に起こりえること。
突出したリーダーが長期で不在になってしまったなら、組織が代替わりするのなら...その変化に適応し、以前と同等かそれ以上の成果を出せるようやれるだけの事をやるのも仕事の内だ。
『プロ』という肩書きは、何もスポーツ選手や職人だけに適用されるわけじゃない。
日々の働きにお給料や報酬が出ているのなら...皆誰しも、その仕事における『プロ』なのだから。
まあ長々とした話はこのくらいにするとして...ここからは微力だろうが何だろうが、自分に出来ることはないかと考える。
彼女の中にある『
そのためには是非とも、『
『そっくりそのまま
今のようにチートじみた連邦生徒会長の上っ面を真似して
とりあえずアレだね。リンちゃん先輩に相談して、『お昼休みにボクがカヤちゃんを誘うこと』と『ちょっとだけ仕事の話題も出していいか』の許可だけ取っておかないとね。
以前先生に『よくドラマとかで見る、職場の飲み会やら上司先輩とサシで居酒屋とか行くのって実際どうなの?』って聞いた時、『今の時流には合わなくなってきたかもしれないけど、少なからずいい事だってあるよ』と教わったことを思い出す。
『この飲みや食事の席って、マジで業務と切り離していい無礼講なんだ』って思ってもらえる雰囲気を
誰かがポロっと話したことが自分の糧になることもあるし...自分の返答やふと見せた行動が、知らない内に誰かのためになることだってあるのだと。
フフん♪まあ話しやすい雰囲気作りなら任せて欲しい。
伊達に先生と共に『ネタを挟まないと死んじゃう病』を患っちゃいないのだ。この身を巡る芸人魂を以ってして、先ずは室長同士が今まで以上に気軽に話せる雰囲気を作り上げてやりましょうとも!
とかなんとか考えながら仕事をしていたら、丁度お昼休みを知らせるチャイムが鳴り響く。
速攻でリンちゃん先輩にメッセを送り、ボクはルンルンと足を弾ませて室長室のドアを開け放つ。
____ヘイヘ〜イ!ちょっぴりおサボりな防衛室長ちゃんよォ!これからボクとゴキゲンなランチと洒落こもーぜ!!
............あっ、マジでリモート会議してたんすね...失礼しました〜、出直しま〜す...。
ふぅ...ボクとしたことが想定が甘かったぜ。今後こんなことが無いように千里眼的なモノを身に付けなくては...ブラックマーケットの露店とかで売ってたりしないかな?それか黒服さんあたりにそういうの無いか相談してみようか。
そんなノリで黒服さんにメッセを送ったら、数秒で『片腕に目玉を六個くらい埋め込むタイプの『遺産』ならありますが手術しますか?』なんてバチクソに気味の悪い提案が返ってきた。
もしかして『名もなき神』ってアレなの?超自然的な現象を神格化した存在だと思ってたけど、実はSAN値がピンチになるタイプの存在だったの!?
悍ましい系のビジュを想像して震え上がりながらも...ボクはふと、先程カヤちゃんがでっかいモニター越しに対面していた会議の相手に違和感を覚える。
いやね?部屋に入った瞬間『ヤベッ!』と思うがあまり、しっかり見たわけじゃないから結構半信半疑なんだけどさ?
画面の向こうにいた人達の服やら帽子やらに意匠されてた企業ロゴって____
直後部屋から出てきたカヤちゃんに謝りながら聞いてみると、第一にランチを他の室長達と共にするのは問題ないとのこと。
だけど先程リモートで会議していた相手については、『見間違いではないですか?そもそも合同火力演習を控えたこの時期にそんな企業と会議をする理由が____』と...パッチリと目を開いた笑顔であまりにごもっともな返答を頂戴し、首を傾げながらも『気のせいか』と納得することしか出来ないのだった。
ほんとはこの辺のお話は始めから終わりまで纏めて投稿したいところなんですが、この出向パートの後に控えるエピソードの執筆進捗があんまよくないため抑え気味に投稿しています。
なるべくコンスタントに更新できるよう頑張ります...!