ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。   作:YEBIS_nora

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今回も独自設定がモリモリになってます!
明らかに矛盾はしてないとは思いますが、気楽に読んでいただけると嬉しいです。




『謎のヒロインごっこ』活動記録~スランピアで特訓編~

○月✕日

 

 おうおうおうおう、やってくれましたわね黒服さん!!

 どうしてあんな狙い澄ました場面(タイミング)で『ケセド』の生産兵器が湧いて出てくるんですの!?もしかしなくても裏で手を引いてやがりましたわね!?

 

 ...てな感じで、記念すべき『謎のヒロイン』初登場の任務直後に黒服さんの所へカチコミに行ったわけなんだけど...結果はボクの早とちり。

 今回の乱入は黒服さんの手引きではなく、ケセド自身が学習を進める中で実行した『検証』の一環であったらしい。

 

 その後も黒服さんが『パス』の役割は『命令』ではなく『働きかけ』であるだとか、『デカグラマトンの最終目的』がどうとか説明してくれたんだけど...難しすぎて半分以上理解できなかった。

 

 というか今サラッと言ってたけど......えっ、何。あの後突然()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?じゃあ今あの子達、完全フリーでいつ再起動するか誰も分かんないってことだよね?

 

 ...いや、寧ろ黒服さんがあんまり慌ててないことの方がビックリなんだけど。あの子達との『パス』って、黒服さん達にとって結構大事な研究成果じゃなかったっけ?

 

 そう黒服さんに聞いてみたところ、『想定外が起こってこそ、我々も探求のし甲斐がありますので』って言って大して気にしてもいないご様子。

 

 ...『それに、今は貴女との時間が何より重要と考えていますから』って......なんだよも〜!まあ確かに?ケセドくんの乱入があっても及第点の『謎のヒロインムーブ』をキメてきたボクが魅力的に映るのは分からなくもないけど、そんな面と向かって言われると照れちゃうじゃんかよ〜!ボクを褒めても、夕飯のおかず一品増やしてあげるくらいしかできないんだからね?

 

 ...直後、『もちろん、単なる観察対象としてという意味合いですが』と付け足す黒服さん。

 酷いや黒服さん!お得意の話術(トーク)でボクの純粋な心を弄んだんだね!?

 

 『はて、純粋?』と小馬鹿にしたように笑いながら首を傾げる黒服さんに向かって、ボクは間髪入れずに荒ぶる鷹のポーズで飛び掛かった。

 意図せず黒服さんの顎に膝が直撃しちゃったけど...まあこんな悪い大人には当然の制裁だよね、むん。

 

 よし!じゃあ黒服さんの容疑も晴れたことだし、今回の『謎のヒロイン』初登場シーンで見つかった『課題』について相談していこうと思います!

 

 ...その前に腹部から降りてくれって?ダメですが?黒服さんにはお仕置きとして、暫く床に寝転がったままでいてもらいますからね?ほれほれ、背もたれにするから膝を立ててくださいな♪

 ...むふ〜、かんぺき♪さて、今回の一件で痛感した『課題』...もとい、ボクの『謎のヒロインムーブ』が()()()()()()()()()()理由だけど...明け透けに言えば、『実戦経験がまるで足りてない』ことに帰結するんだよね。

 

 あの時...先生とチナツちゃんの間にゴリアテが現れた時、ボクは驚くだけで動くことすらできなかった。

 『飛び出さなきゃ』と頭が指令を出すことも、反射で飛び出せる程の『経験』も、身体に染み付いていなかった。

 

 ...先生が反射で跳んでいなかったら、ボクの『謎のヒロインごっこ』は始まる前に終わっていただろう。

 このキヴォトスに先生がいないのなら...ボクが『反転』を使う意味なんて一つも有りはしないのだから。

 

 というわけで、シャーレに動向を勘付かれないようにどうにか実戦経験を積みたいんだけど...なんかいい案ないかな、黒服さん。

 

 そうそう!戦闘経験を置き去りにして戦闘能力だけ向上しちゃったからさ、その辺の不良とか傭兵相手だと勝負にならないんだよね。かと言って、他のシャーレ部員みたいに()()()()()()()()()と戦っちゃうと、ウワサが広まって『謎のヒロイン』どころか『戦闘狂』としてイメージが定着しちゃうリスクもあるし...。

 

 そんな感じで2人して暫く腕を組んで唸っていたら、何か思いついた様子で黒服さんの表情が変わった。なんでも、同志である『マエストロ』さんと『ゴルコンダ』さん達に協力してもらえば何とかなるかもしれないらしい。

 

 じゃあ直接お願いしに行ってみるよと言って、居場所を教えて貰おうとしたら手で制されてしまった。同志の根城をゲマトリア以外の誰かに教えるのは憚られるので、黒服さんが代わりに話を通しておいてくれるらしい。

 

 ありがとね、とお礼を言ってボクは立ち上がり、上体を起こした黒服さんに手を伸ばした。

『まだ相談事が?』って...ううん、用っちゃ用だけどそんなんじゃなくてさ。

 

____晩御飯っ!せっかくだし一緒に食べよ、黒服さん♪

 

 

○月✕日

 

 『謎のヒロイン』デビューの翌日。いつも通りシャーレに出勤すると、案の定先生は沢山の女の子達に囲まれていた。

 部員のグループチャットで、昨日の任務で起きた出来事は詳細に報告されていたからね。ユウカちゃんが再三『先生は無事』って文言を入れなかったら、部員(あのこ)達は昨日の内にシャーレへ殺到していたことだろう。

 

 ...ちなみに『謎のヒロイン』についてだけど、狙い通り『謎の少女の乱入』として扱われていた。

 予想外だったのは、『不気味』だとか『禍々しいヘイロー』だとか、結構恐怖の対象みたいに見られていたことだよね。自分で言うのもアレだけど、あのヘイローめっちゃ綺麗だと思うんだけどな。

 

 まあそう思われてるなら?それはそれで今後のムーブの選択肢が拡がるから好都合なのである。イメージに倣ってちょっと悪役(ヒール)色を強めて振る舞うのもいいし、見た目は不気味なのにあえて俗っぽい言動や仕草を見せることでギャップを狙ったりするのもアリかもね...うへへへへ♪妄想が止まらねぇですわ!

 

 なんてことをポケ〜っと考えていたら、なんとビックリ。先生が女の子達をかき分けてボクのところへやって来たのだ。

 どったの先生?って声をかけるやいなや、先生が凄い勢いで頭を下げてきた。ちょっとホントにどうしたの先生...!ついでに周りからの視線も凄いんだけど...!?

 

 詳しく聞いてみると...どうやら先生は、忙しさにかまけてボクとしっかり話せなかったことや、ボクがブラックマーケットで怪我を負った時に頭ごなしに叱ってしまったことをずっと気にしていたらしい。

 ボクは呆気にとられながらも、どちらも怒ったり引きずってたりなんかしてないよと先生に伝えた。

 

 前者については、シャーレ直属の事務員という立場上()()()()()()()()()()()()上に、戦闘任務についていけないボクとの接点が減るのは先生ではなくこちらが原因だし。

 後者についても、先生に内緒で特訓して、強くなった所を見せて驚かせたいと思ってブラックマーケットの射撃場やジムを選んだボクの自業自得というやつだからね。

 

 ...そう、どちらも原因はボクにある。

 何を頑張ってもロクな結果に近付けない...()()()()の能力不足が全てなんだから。

 

 長くなるからそこまでは言わなかったけど...先生は今まで相当重く受け止めていたのか、物凄く安堵したような表情(かお)を見せた。

 もっと言えば、次の瞬間にはボクのことを強めに抱き締めてきた。

 

 おっ...おーおー、やっぱり先生は優しいね。優し過ぎて毎度心配になっちゃうよ全く......でもね、先生?周りからの視線がすっっっごいんだよ先生?皆笑ってるんだけど目が笑ってないんだよ先生...!?

 

 ...始業5分前を告げる予鈴が鳴り、ボクを離した先生は『また今度ね』と笑って自分のオフィスに戻って行く。

 ロビーに残されたのは、ボクとボクの方へにじり寄ってくる数人の女の子達...!

 

 ステイステイステイ!みんな一度落ち着くんだっ!『先生との間接ハグ...』って何!?そんなことしなくてもキミらなら直接いけるでしょ!?

 ...やっべ、ダメだっ!全員が全員...特にカズサちゃんとミドリちゃんとシロコちゃんの目がキマッてらっしゃる!

 

 ...やっ、やめ......くるな...ボクのそばに近寄るなああーッ!!?

 

 

○月✕日

 

 シャーレでの間接ハグ騒動から数日後。『マエストロ』さんと『ゴルコンダ』さん達とのアポが取れたと連絡を受けたボクは、夜のキヴォトスを黒服さんと同じ車で移動していた。

 

 やって来たのは、今やキヴォトスである意味有名になってる廃遊園地。俗称『スランピア』。

 園内を進んでいくと、メリーゴーランドの近くに2人の大人が佇んでいた。

 

 タキシードを着てるマネキン人形みたいな人がマエストロさん。シャーレの報告書に特徴は書いてあったけど、ホントに見たまんまだからすぐに分かった。

 だからもう1人がゴルコンダさんかデカルコマニーさんなんだろうけど...と考えていたら、黒服さんが紹介がてら説明してくれた。どうやら身体の方がデカルコマニーさんで、手に持ってる絵画の人がゴルコンダさんらしい。

 

 お互い挨拶を済ませて軽く雑談してたんだけど...意外に思ったのは、ゲマトリアの皆さんは基本的に凄く話しやすいことだ。よくある悪の組織の幹部にありがちな高圧的な人とか、戦うことしか考えてない凶暴そうな人とかいないのでボクも凄くやりやすい。

 

 特にデカルコマニーさんは、ボクが『そうなんですね!』って言ったら『そういうこった!』って返してくれるからちょっと楽しい。

 あと、なんとなくだけど黒服さんの機嫌がちょっといいようにも感じる。やっぱ『同志』って呼び合ってるだけあって、メンツが揃うとテンションが高くなっちゃうものなんだろうか?

 

 この分なら4人目の...『ベアトリーチェ』さん?その人とも仲良くなれそうだねって呟いたら、3人とも少し黙り込んじゃった。もしかしなくても、ベアトリーチェさんこそがボクの想像してたタイプなのかもしれないね。

 

 『さて、そろそろ始めましょうか』と黒服さんが告げると、頷いたマエストロさんが軋んだ音を立てながら右手を上げる。そうそう、ここに来た目的はボクの戦闘経験値を上げるためだもんね!...既に嫌な予感はしてるんだけど。

 

 ...そんな予感が的中したのか、スランピア全体が途端に騒がしくなる。花火が次々打ち上がり、汽笛の音と共に線路を走るような音がこちらに近付いて____シャーレの報告書で見たことある顔ぶれが集結した。

 

 うんうん。ネズミの『シロ』ちゃんと〜、カラスの『クロ』ちゃんと〜、ネコの『ゴズ』くんですね〜...黒服さん?

 

 ...もしかしなくても、ボクこれからあの子達と戦うの?

 『はい』と答える黒服さん。

 

 シャーレでも基本6人以上で戦ってるんだけど、ボク1人で相手するの?

 『ええ』と答える黒服さん。

 

 いや、でもさ...ほらっ、補給品とか全然用意してきてないし...?

 『ありますよ?』と積んである資材を指さす黒服さん。

 

 ......どうしてこんな鬼畜なこと考えついちゃうの?

 『私達、『悪い大人』ですので』と仰々しくお辞儀をする黒服さん。

 

 ...うん、勝てねぇや。ボクが何言っても『悪い大人だから』で全殺し出来ちゃうの強すぎるよ黒服さん。

 冷や汗ダラダラで引き攣った笑みを浮かべながら、ボクは後ろを振り返る。

 

 ...見た目はキュートな複製(ミメシス)の御三方が、屈託のない笑顔をボクに返してくれていた。

 

 

-----------------

 

 

 うおぉぉぉぉぉあっぶねぇぇぇぇぇぇっっっ!?という絶叫をあげるのも、これで何回目になったか分からない。

 

 複製(ミメシス)達との戦闘が始まって...多分かれこれ3時間位。スランピアを縦横無尽に駆けながらの戦闘は、ギリギリ『攻防』という体を保っていられるレベルで逼迫していた。

 大玉を回避した先でコーヒーカップの置き攻めを食らい、カラスとドール達を捌いているところをゴズくんが狙い撃ちしてくる圧倒的ハードコア仕様。

 

 攻撃を掻い潜って渾身の一撃を浴びせても、少し怯む程度でダメージの蓄積を感じないというまさに無間地獄...!というか根本的に、殴る蹴るや銃弾みたいな物理攻撃があんまり効いてる気がしてこないのだ...!

 戦闘経験になってるかって?...まあ一応なってはいますよ!使用を想定してた武器種は全部試せてるし、小型エネミーを暗器で仕留めたり出来てるからね!めっちゃ疲れますけど!

 

 ...というか、ボクをこんなワクワク鬼畜ランドに放り込んだ張本人達には物申したいことが多すぎますわ!

 なぁんで貴方達、戦場のど真ん中で優雅に紅茶飲んでんの!?ていうかなんでケーキスタンドに高そうなケーキ並べて座ってるわけ!オシャレが過ぎますわよ!!

 

 こっちは戦闘に集中したいのにさぁ!気になっちゃうようなこと視界に映さないでくださいよ...あぁ、ホラ!マエストロさんとデカルコマニーさんがどうやって紅茶飲もうとしてるか見え......ぐわぁぁぁ!カラスが邪魔で見えなかった!

 うん、そうね!目が合ったら3人ともコッチに手を振ってくんのやめて欲しいかな!アトラクションで遊んでる子どもと見守ってる保護者みたいな構図にはとてもじゃないけど見えませんことよ!!

 

 ...あの人達へのツッコミのおかげで正気を保ててる節があるのは癪だけど...そろそろ対抗手段を確立させないとホントにジリ貧になってしまう頃合いだ。

 

 何か取っ掛かりが欲しいところなんだけど...妙に気になっているのは、シロちゃん達が物体やエネミーを展開する時に()()()()()()()()()()()()()()()

 (かろ)うじて直撃は避けてるものの、掠っただけでも結構痛いあれらの攻撃を生み出してるっぽいアレをどうにできないかと考えてはいるんだけど...いい加減自力で調べるのも限界になりそうだ。

 

 そこら中を飛び回りながら『あのオーラみたいなの何ですか!!』ってマエストロさんに聞いてみたものの、黒服さんやゴルコンダさん達と顔を見合わせて首を横に振るばかり。

 とぼけてるんじゃなくてホントに見えてないと仮定して、ボクは熱暴走しそうな頭に対応表を浮かべて考える。

 

 複製(ミメシス)を顕現させたマエストロさんになくて、ボクは持っているようなモノ。

 あるいはシロちゃん達とボクの間で共通するような要素を洗い出そうとした時、戦闘前にマエストロさんが話していた内容を思い出す。

 

____『神秘の別側面として恐怖(テラー)の属性を持った、歓喜のレプリカだ』

 

 ...ボクとシロちゃん達の共通点で、マエストロさんが持ってない要素だとすれば、『恐怖(テラー)』の有無というのが有力だ。

 もしそうなら、シロちゃん達を流れるアレをどうにかして止めることは出来なくても......()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()...!

 

 迫り来るエネミー達を蹴散らし、次の攻撃までの僅かな空白を作ったボクは深呼吸してハンドガンを構える。

 

 某アニメで見たように...へその辺りから力を生み出すイメージで、腕を伝って銃に注いで____撃つ!

 ...あぁっ!ダメだ!普通の銃弾が出るだけで、クロちゃんのカラスみたいに撃ち出せてないっ!

 

 再び来る怒涛の攻撃をギリギリ捌きつつ、今度は心臓から力を流すイメージで引き金を引き絞る!!

 ...これもダメっ!フィクションでありがちな部位でダメなら、あと残ってるのは...っ!

 

____『乱入した謎の少女の特徴として、()()()()()()()()()()()が第一に挙げられ____』

 

 ...っ!そうだ、ヘイロー!

 黒服さんが『ヘイローの反転』という言葉を教えてくれた通り、ボクら生徒の『神秘』や『恐怖』がヘイロー由来の産物なんだとしたら...!

 

 ...手持ちの弾倉はラスト三つ。

 攻撃を避けながら補給して反撃のチャンスをイチから伺い続けていたら、いい加減体力の限界が来てしまうギリッギリの土壇場...!

 

 ジェットコースターのレールを駆けながら、触れられない自身のヘイローに意識を集中し。

 放たれたカラスを踏み台に落下地点を調節し、シロの背後をとった瞬間____ズドンッッッッ!!!と。

 

 ハンドガンの銃声らしからぬ重い轟音と共に、()()()()()()()()がシロの背中に着弾した。

 

 よっし!なんかまともなダメージ入った手応えがビリビリ来た!

 直後、ガタンッ!という音が聞こえて振り向いてみると、椅子に座ってた大人3人が揃って立ち上がっていた。

 

 マエストロさんはこちらを指さしたまま驚いたような挙動をし、黒服さんはしきりに頷きながらスタンディングオベーション。

 デカルコマニーさんに至っては、ゴルコンダさんをプラカードみたいに掲げてその場でぴょんぴょん飛び跳ねていた...なんか可愛い。

 大人達がやたら盛り上がってるのはよく分かんないけど...ボクもなんか嬉しいからまあヨシッ!

 

 うへへへへ...弾丸を食らったシロちゃんも、それを見ていたクロちゃんもゴズくんも、心做しか目の色が変わった気がするよ。どうやら向こうも、ようやく本気でやる気になってくれたらしい。

 いいっすよいいっすよ...ボクもさっきの一発で、めちゃんこ疲れてるけど妙に身体が軽く感じてるとこなんだ...!

 

____たった1人の総力戦!心ゆくまで()り合おうかっ!!

 

 

----------------

 

 

 日付が変わり、時刻が丑の刻を過ぎた頃。

 スランピアは静まり返り、ボクと複製(ミメシス)達との激闘はようやく決着した。

 

 ...結果は、ホントに体力ギリッギリでボクの辛勝。『恐怖(テラー)』を練ったクナイや投げナイフを使って、最後の最後で分身という奥の手を使ってきたゴズくんを倒しきったのだ。

 ...ビナー達もそうだけど、あれだけやってもその内復活するのホント反則だと思うよ。

 

 黒服さん達の所へ戻ると、マエストロさんとデカルコマニーさんがボクの肩を叩きながら頭をワシャワシャと撫でてきた。よく分かんないけど、黒服さんが言うには相当気に入られたらしい。

 

 椅子に立てかけられたゴルコンダさんから『ガスマスクを貸してほしい』と言われたので渡すと、デカルコマニーさんがよく分からない『記号』みたいなモノを刻印してくれた。

 マスク越しのこもった声でも正体がバレる可能性があるので、変声機能を追加してくれたらしい。わーお、気配りが細やかすぎますわ。

 

 ......その後も、『あの時ヘイローの光が増していた』だのなんだの黒服さんが話していたけど...緊張の糸が切れたからか、一気に疲労と眠気が襲ってきていた。

 

 目を開けているのも億劫になり......平衡感覚もあやふやなまま、身体を動かされる。

 ......多分だけど、黒服さんがおぶってくれてるらしい。

 

 ...今はもう気力もないけど......こんなぶっ飛んだ詰め込み学習なんて、もう二度とごめんなんですからね............。

 .......まあとりあえず...ちゃんと責任持って送り届けてくださいよ...こんにゃろー........。

 

 ......『仰せのままに』という芝居がかった黒服さんの声が.........微かに聞こえてきた気がした。

 

 

 




色彩ちゃん は 恐怖の練り方 を おぼえた!
これで特殊装甲相手でも戦えるよ!やったね色彩ちゃん!
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