ヘイローが『反転』できるようになったので、謎のヒロインごっこを楽しみます。 作:YEBIS_nora
このペースを保ったまま完走したいものですね。
今回は長くなったので2話連続投稿です!
○月✕日
スランピアでの詰め込み
今日も今日とて事務仕事をしながら『謎のヒロインごっこ』に適した任務を漁っているボクの生活は、
表の面で言えば、例の間接ハグ騒動以降、先生が毎朝の挨拶がてら雑談を振ってくれるようになったことだろう。
シャーレの廊下で挨拶を交わし、立ち止まってほんの2~3分くだらない話をするだけの些細なやり取り。
『もっと早くこうしていればよかった』とはにかむ先生の表情が珍しかったから、もうすかさずスマホで写真撮ったよね。今度黒服さん達にも共有してあげよう。
部員の皆にも見せたいところではあるんだけど...こういうのをグループチャットで共有すると、『ふ...ふ〜ん...?でも私といる時はこういう
裏の面については、やっぱりマエストロさんやゴルコンダさん達の拠点に遊びに行けるようになったことが一番大きい変化だと思う。
マエストロさんとは
ちょっと難しい単語や言い回しが多いけど、素直にどういう意味か聞いたら教えてくれるし結構勉強になってたりするんだよね。恐怖や
ゴルコンダさん達の拠点に行くと...やっぱついつい
2人に謎のヒロインムーブの良さをプレゼンしてる時も、『デカルコマニーさんもそう思うよね〜?』って言ったら『そういうこった!』って返してくれるからついノリノリで喋り倒しちゃうしね。
3人とも黒服さんと同様、『やりたいことは理解出来たし楽しみにもしてるけど、こちらが『悪い大人』であることはどうか忘れないでね』みたいなスタンスでいてくれるらしいから、これからも
さて、最近なにかと充実した毎日を過ごせてはいるものの...そろそろ『謎のヒロイン』として姿を見せないと、ボクの筋書きに支障が出てくる頃合いだと思う。
何せ先生は立場上、キヴォトスで起こる様々な色濃いドタバタに巻き込まれているわけだからね。フィクション的にはちょっとだけ過剰かな?と思うくらいの登場頻度で印象を残しておかないと、忘れることは無いにしろ重要度が下がってしまう可能性が出てきちゃうのだ。
でも『コレだ!』っていう任務が見つかんないんだよね...と依頼に目を通していた時、ふと目に飛び込んできたのは連邦生徒会からのメールだった。
差出人は交通室のモモカちゃん。件名は____『指名手配犯『カイテンジャー』本拠地への家宅捜索依頼について』。
その本文を読み終えた直後には...ボクの頭に、次の
その名もズバリ____『ちょろっと
連邦生徒会がシャーレへ依頼してきた内容は、件名の通り『カイテンジャー』の本拠地へのガサ入れだ。
最近何か企んでるっぽい彼女たちの計画を、実行される前にぶっ壊してきて♪というなんともモモカちゃんらしい書き方だった。
向こうは巨大兵器の設計図やら特殊金属やらも大量に強奪しているらしいので、シャーレ側もそれなりの戦力を投入することになるだろう。
令状の発行準備はほぼ完了しており、ガサ入れ決行日と時刻も既に決定しているらしい。
...となればボクこと『謎のヒロイン』は、
ガサ入れ直前に『謎のヒロイン』が本拠地に強襲し、近隣に被害を出さない範囲で派手に立ち回ってみせるのだ。
先生がこの依頼を受理すれば、その日からノドカちゃんをはじめとした偵察部隊が本拠地を交代で監視するようになるからね。直前にド派手な戦闘を起こしてしまえば、連絡を受けた先生が即座に現場へ駆けつけることだろう。
そこからは戦況次第になっちゃうけど...カイテンジャーを先に倒しておくか最後の方だけ共闘するとかして、その後はちょろ~っと
この前の任務ではガッツリ味方みたいなムーブをしちゃったからね。『謎のヒロイン』が先に戦っていて、敵か味方か推し量りにくくするパターンも見せておきたいっていうのが1つ目の理由かな。
そしてもう1つは...ボクが対人相手にどこまでやれるかを試せる絶好の機会だから。
カイテンジャーは戦隊ヒーローごっこをしている面白集団に見えるけど...その実、
スランピアでは対人戦闘の特訓はできなかったからね。
うへへへへへ...♪まさかたった一通のメールから、こんな一挙両得なロールプレイ
あらゆる分野で平凡なボクだけど、『謎のヒロインごっこ』については少しだけ才能あるんじゃないかなって自惚れたくなっちゃうよ。
フフん♪そうと決まれば、依頼書を回してボクも準備を整えよう。
ゴルコンダさん達が付けてくれた変声機能もあるし、当日までに『謎のヒロイン』としての演技も仕上げていかなくっちゃね♪
○月✕日
たのも〜!ボク悪党です!!
ほぼ強制みたいな感じで申し訳ないけど、ボクのロールプレイに付き合ってくれると嬉しいな!バトルしようぜ!!
なんて、流石にそこまでフランクな言葉はかけなかったけど...扉をぶち破ったボクの『悪党』という単語を聞いた途端、カイテンジャーの面々はノリノリで臨戦態勢を整えてくれた。
あちこちでドンパチを引き起こして指名手配までされているのに、未だ戦隊ヒーローを名乗れるメンタリティは素直に尊敬しちゃうよね。
さて、そんな幕開けでカイテンジャーとの戦闘を始めたわけなんだけど...やっぱり全員強いね、ゲヘナ風紀委員会や正義実現委員会の幹部クラス以外が手も足も出なかったという噂は本当みたいだ。
特に厄介なのは、隙と呼べるタイミングが誇張抜きでほぼゼロに近いこと。他の4人それぞれのリロードに合わせて、レッドさんが
このままの戦況をズルズルと引きずっていたら、じきに先生と第一部隊が駆けつけてきてしまうだろう。
...だから、
瞬間、淀みなく動いていたカイテンジャー達の動きがピタリと停止する。
ボクから
スランピアでの特訓で習得した『恐怖の練り上げ』に伴って、ボクは『
常に相当量の『
さて、誰から落としていこうかとボクが踏み込んだ瞬間...レッドさんの呼び掛けで、全員が一斉に声を張り上げた。
...マジ?今の口上と、彼女達の背後から聞こえてくる轟音...!もしかしなくても、
直後、ハリボテと大量のブルーシートで覆われていたソレ____戦隊ヒーローお約束の合体ロボが、その全容を
うへっ...うへへへへへっ!!すっご、生の合体ロボだっ!モモカちゃんが言ってた兵器の設計図や特殊金属はアレに使うためだったんだね!
ほへ〜、兵装以外のディテールもめっちゃ拘ってるな〜...先生もコレ見たら、興奮して指揮どころじゃなくなるんじゃないかな。
...だけどゴメンね、先生。この衝動は、
____ボクは今、
ハンドガンをホルスターにしまい、ボクはずっと背負っていたショットガンに手を伸ばす。
ヘイローに意識を集中し、頭と腕を経由して銃身に『
...さあ、やろう。
互いにありったけのリソースを
ボクが演じたい『謎のヒロイン』は、貪欲に強さを求める姿勢の先でしか掴めないモノなのだから____!
次回はシャーレ視点でお送りします!