このすば世界ってどこか狂ってないと普通は死にますよね。紅魔族とかアクシズ教とか。
安全な場所は安全だけど危険な場所ではとことん命が危険に脅かされる鬼畜の世界ってなんか凄いですね。
「エクスプロォォジョッ!!エクスプロォジョォォン!!!
ッハハハハハハ!!!!!」
ウッ、アタマガ………
あー……?
確か、俺は普通に…ベッドで寝てて……
謎の砕いた鉱石を謎の新薬で流し込まれて…
それ………で……うぅ…
「あ〜、んじゃこれの配分逆だった…?」
「そうっぽいわねぇ……」
「まぁ予想はできる効能ではあったか…
確証を得られたからまあいいかな!」
「そうねぇ。とぐぴんには感謝……
あれ、起きた?」
……やっぱあんたらかよ。
…いや、もう諦めたよ。だってこの里の外とか出るの不安すぎるし。一般常識すらほぼ学べてないんやぞ俺。小学生にもなっていない年齢でこれは………
逃げたいのに逃げられないの酷くない?
…もういいけどさ。
……で?
「…今回は何の効果?」
「いやぁ〜、今までのポーションを強化したのがハイポーションでしょ?ならハイポーションの効力をもっと引き上げたらどんな効果を引き起こすのかなーってね☆」
「そしたら配分間違えてハイ"になる"ポーションができちゃったって訳だ。まぁその代わり実験時に飲ませた鉱石の粉末が過剰回復のせいで取り込まれたし肉体もグズグズになってたけど、生きてるから良いよね。」
良くないが????
イカれてんだろあんたら………
いや知ってはいた。イカれ具合は知ってた。
知ってたんだけど……なんだろう。
人の心とかないんか??
というかハイになってた時の記憶が戻ってきた。しんどい。控えめに言って死にたい。
爆破魔法を使ってドッカンドッカンしてるのは楽しかったんだけどそれはそれとしてなんかこう…
………きつい。
なんだよエクスプロージョンって。
声に出して読みたい日本語として上位には入りそうなこのワードもいざ言ってみるときっつい。
案外紅魔族も簡単なんじゃねえかなとか思ってたけど無理だわ。俺は成り切れないと思う。
よろしくまだ顔も合わせてないゆんゆん。
というか鉱石の粉末とか………
何の鉱石なのかとか聞きたいのは沢山あるけどまず息子に試薬をぶっぱする時点で…うん……
……え?鉱石取り込まれたって言ってた?
そうか……体グズグズって言ってた?
そうか………そうかじゃねえよ………
もう…なに…この……何…?
倫理観をぐちゃぐちゃに踏み潰したんか?
あぁ…じわじわともっと思い出してきた。
里の大人陣が寄ってきて
『この若さでここまでの魔法を……ッ!?』
『恐ろしい子供じゃのぉ…!』
『内に眠る悪魔が目覚めてしまった…か。』
とかをニヤつきながら言ってるし。
んでもって容赦なくライトニングセイバーで俺を吹っ飛ばすし。なんなん。まじで。
はぁ………
「無くなっちゃった骨は例の鉱石で代用しといたから安心してね☆!」
はぁ………………………………は?
ふざけ……え……?ふざけんな?
「え??ちょっ…え、は!?!?」
「あぁ、勿論副作用は無いよ?保証はしないけど。」
「いやそこは保証しとけよ!!」
「おお!言葉遣いが荒くなっている!これも薬の副作用なのか…よし、精神性がハイになる効能の副作用がまだ残っている訳だな!興味深いな!ではそれを抑える試薬を…」
「薬薬ってあんたらそれにしか頼れないのか!?」
「何!?父さん怒っちゃうぞ!?」
「母さんも怒っちゃうわよ!?」
「母さんはなんでだよ今悪口言ってないだろ!」
「父さんの不幸は私の不幸で…」
「母さんの不幸は僕の不幸さ…」
「「ねー♡」」
「…………っつー……………ふぅー…………
あー……だぁー……っるぅー………」
………もう、ね………
なんだろ。
つかれた。うん。疲れた。
「…………ねぇ、父さん、母さん。」
「……何かしら。」
「……どうしたんだい。」
疲れたなぁ……うん…疲れたかも。
痛いのも、苦しいのも、
………あぁ、疲れたなぁ。
「……痛みを消す薬って、作れる?」
きっとこの2人の事だから作っているだろうし。しかも副作用が酷いのでしょうね。それでいいよもう。一生痛みが無くなったって、この少年期の痛みの方が嫌だし。
「……………………」
……出してくれない?速く。
…え、なんで喋らないんだよ。
喋ってくれよ。
念願の無痛化にする薬。
俺から、自分から投与してくれって頼んだろ。
嬉しいだろ。
この口で言ったよな、俺?
なんでそんなにこっちを見るの。
どうしてこんなに見つめて来るの。
その目には何の感情が籠もっているの。
実験動物と同じだろ。
投与して、治して、改良した薬をまた投与してさ。
で、それを望んで『やってくれ』って。
利益にしかならない筈。
抵抗しないモルモットなんて、便利。
ねぇ、そうやって今、頼んだでしょ。
………はぁ…………
「ああ、はい。そうでしょうね。
俺の事なんてなんとも…」
なんで?
なぜ今抱き締める?
苦しい。嬉しい。怖い。温かい。狂いそう。
愛が無いなら受け取る願いを消せば何も無い。
問題は無い。そうだろ。
「な、なん」
「悪かった。」
「今さら」
「ごめん。」
なんだお前は。
使って使って使い潰して俺が何か言っても意味を察そうとせず自分のしたい実験をしてただけで。
自分も悪いさ。身の程知らずに愛を望んだから。それを目的にしてなんて産んでないのに。面倒だろうに。
今更?今更。今更かよ。今更言うのか。
「お前が大事なんだ、とぐぴん。」
「あなたが大事なのよ、とぐぴん。」
「あなたが愛しくて。」
「お前が心配で。」
「あなたを助けたくて。」
「お前を後から苦労させたくなくて。」
「あなたを落胆させたくなくて。」
「お前を飽きさせたくなくて。」
「あなたを━━━━━━━━」
「お前を━━━━━━━━」
「━━━━」
「━━━━」
は?重い。重いよ。愛が重いって。
欲しかったさ。うん。
前世の事すら曖昧でさ。
口に出して『愛してる』なんて言葉言われなきゃ満足しなくてさ。でも俺が言わせるのもなんか違くてさ。
で拗らせてこんな感じで拗ねて言うじゃん。
そしたらもっと重く返してくるんだもんな。
ずるいわ本当に。
狂わなきゃやってられなくなるだろ。
方向性が違うのに合ってる気がしてくるだろ。
俺もおかしくなってくるだろ。
ハグするのをやめてくれ。
その手を離してくれ。
自分から突き放せないんだ。
そっちから突き放してほしいんだ。
なんだかんだこの世界は楽しい。
魔法があるのも、魔法ってものを俺のこの体で直接実感できる時が好きだ。
ポーション?あぁ、好きだ。
体の奥底から回復される感じがたまらない。
この世界に来なければ感じなかった感覚。
その楽しいという気持ちをを、
無自覚に俺は抑え込んでいたのかもしれない。
親にありがとうとは言わないけど助かった。
今理解できた。
「この世界って、俺も楽しんで良いんだ。」
要するにポーションってエナドリみたいなもんですよね。徐々に狂ってく感じ出せたでしょうかねぇこれ……
紅魔族に自分がなったら確実に楽しそうですけどいつか死にそうで気が気じゃないです。こっわ。
ちなみに今話でとぐぴん君が放ってた【エクスプロージョン】は普通の爆発魔法です。爆裂魔法ではないです。酔ってただけです。