仮面ライダーAP外伝 Imitated Devil 作:X2愛好家
中国、上海市。
同国最大の規模を誇る都市であり、世界的にも有数の金融都市であるこの場所にもハンドレッドの魔の手が伸びていた。
「だぁー!クッソぉ!しつっけーんだよ狐女!」
はずなのだが、侵略に来ている側であるハンドレッド幹部が逃走していた。彼の少し後ろを走っていた二人の仮面ライダーと思わしき構成員が急制動を掛け、炎上する都市を物ともせず、省みる事も無く迫る追跡者を迎え撃つ構えを取った。
「邪魔です」
禍々しく生い茂った植物のような姿が特徴の戦士───ジャマトライダーが、それなり以上の殺傷力を誇る蔦と茨を伸ばす必殺技で追跡者を討たんとするが、その悉くを回避され流れるような回し蹴りによって雑居ビルに叩き付けられてしまう。文字通り歯牙にも掛けられていないようだ。
「ったくよぉ!オレっちが何したってぇ!?ちょーっとこの世界の雑魚を減らして街壊しただけだろうがよ!」
最後の壁だったジャマトライダーも簡単に無力化され、とうとう後が無くなったハンドレッド幹部。ようやく追い詰め、自らの得物の射程に捉えた事を確認して歩みを緩める追跡者。
その姿は、追跡の途中で聞こえた冷徹ながらも澄んだ女性の物と分かる声には似つかわしくない異形だった。溶岩の噴出と凝固を永遠に繰り返しているかのような、赤と黒が混じった鬼のような、それでいて何処か甲冑を思わせる上半身。そして下半身は上半身と正反対に落ち着いた雅な物。こちらは何処と無く着物などの和装のイメージさせる。
「先程から二つ、間違っていますね」
「あぁ?」
「一つ、これは狐ではなく狼」
「二つ、この世界の人間がどうとか、建物がどうだとか、そういった事に私は微塵も興味が無い」
「おいおい……それでも正義の仮面ライダー様かよ」
「私があなたに対して怒りを抱く理由……それは、あなたがあの御方を二重の意味で愚弄したから」
未だ消えない上海の炎に照らされ、その姿を完全に晒した追跡者。仮面の奥に涙ではなく怒りをたたえた微笑を隠し、持ち得る力の全てを使って目の前の狼藉者を消し去ってやろうとしている女性の名は
またの名を、仮面ライダーディルフ。
◆◇◆
黒いアーマーを纏ったハンドレッド幹部がディルフに追い詰められている一方、少し離れた港湾地区にてまた別の戦闘が発生していた。戦闘と言っても、こちらも逆鱗を逆撫でされた輝夜の猛攻に負けずとも劣らない苛烈な攻撃に曝され、壊滅一歩手前になっているのだが。
「なぜ……そうまでして拒むのです……!」
「あ?分からない?なら理解するまで何度でも言ってやるよ」
「確かに、世界には救いも何もあったもんじゃないさ。人間だってロクな生き物じゃない。だからって、それを勝手な考えで摘み取って良い訳でもないんだよ!」
巨大な棍棒のような物を振りかざし、女性の声を発した赤いアーマードライダーへと迫る影。藤色の鎧が目を引く僧兵のような出で立ちのアーマードライダー、羅漢。本来は全アームズウェポンの中でもトップクラスの破壊力を誇るキャノン砲、アケビ大砲を両手で振り回し近接武器として扱っている。
「退けぇ!」
メキャッ、と嫌な音を響かせ、幹部の女を守る為に飛び出してきた黒い足軽のような量産型アーマードライダーである黒影トルーパーが数体纏めて吹き飛んでいく。
「あの女に届かない……!」
何処から湧いて出てくるのか、護衛の黒影トルーパーが減る気配が無い。羅漢の仮面と鎧に隠された変身者、
輝夜と涼介がここまでキレている理由は、数十分前に遡る。
▲▽▲▽▲▽
「これが上海ねぇ。テーマパークに来たみたいでテンション上がるなぁ、とか言っとけば良さげ?」
エクセリオンをシドニーに降ろし、そのまま別のハンドレッド部隊の反応を追って上海上空へと現れたスペリオルフォートドラン。ハンドレッドの本格的な侵攻はまだ始まっていなかったらしく、ドランの姿を見た一部の現地人がパニックに陥ってしまい、やむを得ず涼介を高層ビルの屋上に降車させて去っていったのがつい数分前。警備員をはじめとするビル内の人間に見付からないよう、どうにか下って大通りに出てきたのがつい数秒前である。
「何か腹に入れておきたい所だけど……」
「なら上海炒麺などいかがです?ポピュラーであなたにはピッタリだと思いますが」
目立ちたくねぇしなぁ……と続けようとした涼介を遮るように口を開いたのが輝夜。そう、隣に目立ちすぎる女が居るから迷っていたのだ。輝夜は自他共に認める絶世の美女。一つ所に留まって食事などしようものなら二分と経たず注目の的、涼介にとっては針の筵である。更に言えば輝夜の性格と地雷がマズい。
(D.R.V.の男に対してアレなら、見ず知らずの野郎には普通に手が出る……目立ちたくないって言ってるじゃんさぁ……)
世界そのものが人間にとって試練の連続であったり、個人的な曰くつきの過去があったりと様々だが、D.R.V.に所属しているライダーは全員壮絶な経験をしている。その過去ゆえに、輝夜は基本的に人間を信用していないらしい。同じD.R.V.のライダー達にも辛辣な物言いをする輝夜が、知り合いですらない好奇心と欲望だけを瞳に宿して近寄ってくる一般人に優しくできるかどうか。答えはもちろん否である。
(これが灰神とか城山ならまだ良かったんだけど)
花より団子のスポーツ女子である灰神 焔と
だが悲しいかな、涼介の隣に居るのはD.R.V.の中でも特に他人を嫌う女である紫苑 輝夜なのだ。
(それだけじゃないけどね……)
涼介が輝夜を苦手としている理由は気疲れする、というだけではない。互いの最も深い所にある、蘇名 涼介を蘇名 涼介たらしめている、紫苑 輝夜を紫苑 輝夜たらしめている根本的な部分が絶対に相容れない。
「そもそもこっちの世界の金どうすんだよ」
「あなたがどうしても、と言うならこのデザグラ謹製どこでも大人のカードで支払ってさしあげますよ?」
「ぜってぇ後でとんでもない対価要求してくるやつじゃん……」
「ご明察、と言いたい所ですが、正直あなたに求める物はありませんね。仲間としての気遣いでしたのに、そこまで勘繰られては悲しいですわ」
「誰に何言われても折れない女がこの程度で悲しむか。……ってか、遅れたけどポピュラーで俺にピッタリってどういう事だ。悪口か」
「そこら辺の獣に紛れてしまいそうな、ごく普通のあなたにはピッタリかと思っただけですが?」
「どうも一般人Bですよ~……」
他愛もない会話を続けられている事に涼介が気付く。大通りに出てきた時点で輝夜の容姿が人目を引く事を覚悟していたのだが、視線の数が想像より遥かに少ない。最初の内こそ周囲がざわついていたが、今はそれらの雑音が全くと言って良いほど無いのだ。
「始まったか……」
「そのようですね」
輝夜と涼介には目もくれず、二人と逆方向へと走っていく人々。既に焔とエクセリオンが体験している事象と同じだ。何かから距離を取る為に、何かから逃げる為に全力疾走を始めた最初の一人に触発され、脅威を視認できない場所の群衆も駆け足になっていく。ドランに遅れる事数分、ついにハンドレッドの侵攻がはじまった。
「事前の予測通り二つ……面白くないですね」
「見せ物じゃないんだからさ」
後に本人の口から出る言葉だが、輝夜は民衆がどうなろうがどうでも良いらしい。群がってくる獣とハンドレッド、どちらが鬱陶しいかと言うと僅差でハンドレッドになるから潰しに来ているだけ。とうとう欠伸までし始めた輝夜にジトッとした目線を送りつつ、オーロラカーテンから降下してきたハンドレッド部隊を睨む涼介。開いた灰色のオーロラは二つだが、涼介の視線を鋭い物に変えた部隊が一つあった。二人が居る大通りから少し外れた港湾地区上空のオーロラだ。
「黒影……あぁそう。そういう事するんだ」
「あなたの世界の量産品ですか。でしたらそちらは任せます。近い方が楽ですし」
色々と因縁のある黒影トルーパー隊を認識し、一気に戦闘用の思考にスイッチした涼介。そんな涼介に背を向け、大通りに近い方の部隊へと歩き始めた輝夜。自らが歩みを進める方向に展開しているのがジャマトライダー部隊である事に気付いているのかいないのか。
◇◆◇
「チッ……」
到着と同時に漏れる舌打ち。涼介の目には、先ほど目撃した時と何ら変わらない状態の黒影トルーパー部隊が映っていた。そしてその奥に控えているのは幹部格と思われる女性。
「安心してください。これは救い、次なる安寧への扉であり一時の試練。新たなる時代へと進む為の……」
和装をイメージさせるハンドレッド制服を纏った女性の周囲には、逃げ遅れたと思われる民間人が複数。黒影トルーパーに囲まれているから、という状況ゆえに渋々従っているようだが、数人は瞳を輝かせてハンドレッド幹部の話に聞き入っている。
「っ!クソッ!」
どう助けるか、と思案を巡らせていた涼介だったが、幹部の女性が民間人たちに何かを手渡し始めたのを目撃し、血相を変えて走り出した。
「何者だ!止まれ!」
「第一陣、構え!」
「うるせぇ!退け!それを捨てろ!」
見慣れた、それ。
忌むべき、それ。
ザクロを模したカバーが特徴のロックシード。アレを起動させる訳にはいかないと、突き出される影松や特殊兵装型の持つ火炎放射も意に介さず走り抜ける。
「ぐっ、うぅっ……!」
「コイツ!正気か!?」
生身で突破するには余りに数が多い。右太腿に影松の刃が突き刺さるが、痛みと衝撃を怒りと殺意で捩じ伏せて進み続ける。その鬼気迫る様に民間人はおろか、黒影トルーパーすら気圧されていた。
だが現実は非情で。
「さぁお行きなさい。その心のままに……」
「よせ……!止めろッ!」
足止めされている間に何人かがロックシードを起動し、魅入られてしまっていた。ふらふらと立ち上がり、涼介の事など見えていないように、その言葉など聞こえていないように。
思い思いに歩き出し、その先で───
爆ぜた。
「っ!」
「ふふっ……」
彼ら彼女らに渡されていたのはザクロロックシード。涼介の出身であるアーマードライダーこと、仮面ライダー鎧武の世界でも使われた自爆テロ用のロックシードである。あろうことか、ハンドレッドはそれをそのままコピー、量産して幹部に使わせていたのだ。
涼介の脳裏にフラッシュバックする光景。国や知り合いかどうかの違いこそあれど、その悲惨な末路には何も違いなど無かった。
「お、まえ……らぁぁぁぁッ!」
激昂と共に裏拳を繰り出し背後の黒影トルーパーを殴り倒す。右腰のホルダーから自身の変身用デバイスである戦極ドライバーを抜き、前面に当てる。ベルトの自動装着も待たずに自前のロックシードを取り出し、その果実に命を吹き込んだ。
【アケビ!】
「パパ……?ママ?」
アケビロックシードを起動した所で涼介の耳が捉えた子供の声。両親らしき男女に手を引かれ、遠くへ歩き出している女の子。それぞれ右手と左手で娘の手を引いて歩く両親のもう片方の手、そこにはザクロロックシードが握られていた。どこか恍惚とした表情の両親を見上げる子供の顔には、明確な不安が浮かんでいた。
ザクロロックシードの影響を受けていない。
「間に合え……!」
【ブラッドトマト!】
起動していたアケビロックシードをドライバーのホルダーに戻し、別のロックシードを叩き起こした涼介。影松を手に襲い掛かってくる黒影トルーパーを押し退け、ブラッドトマトロックシードを装填。
【ロックオン!】
「変身!」
【ブラッドトマトアームズ!】
親の持つザクロロックシードが光を放ち始めたのと、涼介の頭上に出現した巨大なトマトが鎧に変形したのはほぼ同時だった。
「んっ……!えっ?」
「……」
【ミスターヴァンパイア!】
トマトのヘタを模したような鋭利な刃が付いたガントレットで両親の手首を斬り落とし、その勢いのまま子供を抱きかかえながら加速して離脱。ザクロロックシードの爆発までに、それらを一連の動作として完遂していた。
「かめん、ライダー?」
「恨んでくれていい。今は逃げろ」
何が何やら理解できていない子供を他の避難者たちの方向へ強引に押し出し、混乱から立ち直り陣形の再構築を済ませた黒影トルーパー隊へと振り向く。
その姿は変身音が示したように吸血鬼を思わせる物だった。はためくマントが異形を表す、改造ロックシードで変身したアーマードライダー。
「ブラッド……まさか、わたしの知らないロックシードがあるとは……」
「それ以上余計な口開くなら容赦しないぞ。今、全身の血が沸騰してどうにかなりそうでね……!」
羅漢ブラッドトマトアームズ。
世を厭う無気力な青年が、無慈悲な吸血鬼にその姿を変えた瞬間である。
◆◇◆
「はぁ……何かと思えば雑草のライダー擬きですか」
一方、涼介と別れ市街地中心のハンドレッド部隊の降下ポイントへと辿り着いた輝夜。逃げる民間人の向こうに見えるのは、輝夜が溜め息混じりに呟いた通り、有機物に植物が絡み付いたような姿が特徴の仮面ライダー。
ジャマトライダーである。
「ついに人間を使う事すら止めましたか。まぁ、遅かれ早かれこうなるとは思いましたが」
今まで何度かハンドレッドと戦闘を行ってきたD.R.V.のライダー達。その中で、ハンドレッドの主戦力として投入されるカッシーンは鎧・外装であり、人間かそれに近しい人型の生命体が入っているという事は判明している。また、今回の侵攻で初めて確認されたライオトルーパーやアバドン達も「装着者」が居る事は確実な動きや反応を示していた。もっとも、この情報はまだ輝夜の知る所ではないのだが。
「同じ世界のモノ同士引かれ合っている、という事でしょうか。だとしたら───」
「非常に不愉快ですわ」
【SET】
「変身」
【OGRE】
今際の際の欲望か、はたまた火事場のスリか、本当に助けを求めたのか。輝夜に抱き着く勢いで殺到していた民間人たちが一斉に距離を取りながら逃げ出した。一瞬にして放出された輝夜の殺気に当てられたのだ。絶対零度の魂まで凍らせるような冷たい視線をジャマトライダー達に向け、既に腰に巻いていたデザイアドライバーにオーガレイズバックルを装着。底冷えするような、ドスの効いた低い変身の掛け声と共にオーガバックルを操作。
【READY FIGHT】
無機物に言われずとも、とレイズバックルによる追加アーマーの装着と同時に駆け出す赤と黒の狼。
仮面ライダーディルフ オーガフォーム。
ジャマトライダー達の安否が、限りなく否の方向に傾き始めた瞬間だった。
▽▲▽▲▽▲
「あぁ……何故、何故そうまでして救いを否定するのです……?」
「ザクロロックシード使った自爆テロが救いだって?本気で言ってるなら心療内科と精神病棟をオススメするよエセ巫女モドキが……!」
「オレっちの見た事ないバックルだぁ!?オイオイ、それレア物じゃねぇの?ちょっと貸して見してくれよ!」
「お断りです。そして口を開くな獣」
黒影トルーパーとジャマトライダーを蹴散らし、それぞれのリーダーに迫る羅漢とディルフ。巫女のような女幹部は「死が救いとなり、次の世界へ行く為の試練」と本気で考え、レザースタイルが目立つ男の幹部はコレクターもやっている愉快犯と言った所らしい。どちらも身勝手な思考で涼介と輝夜の精神を逆撫でしているが、ライダー迎撃の為に取り出したアイテムが更に二人を苛立たせる事になるとは思いもよらなかったようだ。
「わたしの手で直接救いに導きましょう……」
【ザクロ!】
【ブラッドオレンジ!】
【ロックオン!】【ロックオン!】
「っ!どこまで……俺をムカつかせれば気が済むんだお前は!」
「変身……」
【ハッ!】
【ブラッドザクロアームズ!狂い咲きサクリファイス!】
【ブラッドオレンジアームズ!邪ノ道オンステージ!】
深紅の左右非対称の鎧、赤く染まった大橙丸、鋭いエッジが付いた弓型の武器セイヴァーアロー。
深紅の救世主、仮面ライダーセイヴァーとなった女幹部がやむを得ずといった緩やかな動作で武器を羅漢へと向けた。
「レア度ならオレっちも負けてねぇよ?」
【X GEATS】
【BLACK OUT】
「……は?」
「ビビっちゃった?でももう遅いぜ!」
「変身ッ!」
【REVOLVE ON】
【DARKNESS BOOST】
ビビった、というより唖然とした輝夜だったが、そんな事はお構い無しに分割したバックルを装着して一つに戻しドライバーを反転させる男。騒々しく禍々しい音を響かせながら暗闇に包まれ、黒霧が晴れた時には漆黒の鎧を纏った姿となっていた。
【X GEATS】
【READY FIGHT】
「レイズバックルの中でも超超超超絶レアな神殺しのクロスギーツ!どうよ、勝てそう?勝てそう?勝てないよなぁ!無理無理!無理すぎてカタツムリだぜ!」
「よりによって……」
「お、やっぱ怖くなってきたぁ?ガクブル?だよなぁ、楽に勝てる相手かと思ったらよりによってクロスギーツだもんなぁ!」
「私の前でソレになるだなんて」
二人の幹部は未だに気付いていなかった。涼介と輝夜の地雷の上でタップダンスをしていた事に、二人の逆鱗に幾度となく触れている事に。
「お前は───」
「あなたは───」
「潰す!」
「消します」
▲▽▲▽▲▽
「シッ!」
「ぐあっ!?」
「ぬうっ、ぐはぁっ!」
「があっ!」
トマトガントレットの先端には、先の子供を救出した際に見せた鋭利なエッジが備わっている。それを見様見真似のボクシングスタイルで打ち出し、包囲網を狭めてくる黒影トルーパーを切り刻み、打ち倒していく羅漢。
「邪魔なんだよ……!っ、くっ!」
既に五人は戦闘不能にしているが、後詰めが直ぐに迫り来る。更には、涼介が狙っている女幹部ことセイヴァーが黒影の隙間を縫ってアローによる狙撃を敢行してきている。黒影トルーパーが使うマツボックリロックシードよりもランクの高いブラッドトマトロックシードだが、さすがに敵の物量を一瞬でどうにかできる程に破格の性能をしている訳でもない。
(落ち着け……冷静になれ……!そろそろ変えないとマズいだろ涼介!)
おまけにブラッドトマトには欠陥もある。使用時間が五分を超過すると「血に餓える」ようになってしまうのだ。それこそ伝承に語られる本当の吸血鬼のように。そのデメリットを回避する為にもう一つのロックシードを持ち歩いていると言っても過言ではない。
「仕方ない……!」
想定よりも減らせていないが、ブラッドインセインするよりはマシだと割り切り戦極ドライバーのカッティングブレードを二回連続操作して押し下げる。
【ブラッドトマトオーレ!】
背中から生えるように備わる蝙蝠の翼状のマント、ヴァンパイアウイングを広げ、セイヴァーアローの一撃を飛翔して回避。そのまま翼を閉じ、螺旋状にして身体に纏わせ、足裏から真っ赤な果汁を噴出させながら回転。地面に叩き付けると同時に果汁とエネルギーを暴発させ、黒影トルーパーをまとめて吹き飛ばして見せた。更に追撃の手を緩めず、カッティングブレードを今度は一回だけ押し下げ別の必殺技を発動した。
【ブラッドトマトスカッシュ!】
足技の次は拳技だとばかりに体勢を整えられていない黒影トルーパーに飛び掛かる羅漢。ガントレットのエッジから果汁を分泌し、さながらウォーターカッターのようになったトマトガントレットで次々と黒影トルーパーを切り刻んでいく。
「くっ……!はぁっ、はぁっ!」
【アケビ!】
【ロックオン!】
【ソイヤッ!】
【アケビアームズ!爆砕インパクト!】
渇きが回り切る前にブラッドトマトロックシードを戦極ドライバーから外し、突撃前に構えていたアケビロックシードを装填。僧兵のような重厚な出で立ちのアケビアームズへとチェンジし、どうにかブラッドインセインを回避した。
「なぜ……そうまでして拒むのです……!」
「あ?分からない?なら理解するまで何度でも言ってやるよ」
「確かに、世界には救いも何もあったもんじゃないさ。人間だってロクな生き物じゃない。だからって、それを勝手な考えで摘み取って良い訳でもないんだよ!」
◆◇◆
「……うそーん」
「踏まれるしか能の無い雑草が……私の道を、私の愛の道に生えた事を後悔しながら逝け」
都市部で繰り広げられるディルフvsハンドレッドクロスギーツ&ジャマトライダー隊の戦闘。涼介が黒影トルーパー隊の物量にやや圧され気味だったのに対し、輝夜はその戦闘能力と憤怒を遺憾なく発揮してジャマトライダーたちを文字通り蹴散らしていた。
異界の物とはいえ、植物と溶岩では相性が悪いのだ。ジャマトライダーが繰り出す茨や蔦は、ディルフのオーガバックルに備わった「溶岩を操る能力」によって悉く燃やされ消し炭にされる。加えて輝夜は、デザイアグランプリを「とある存在へのとある感情」でもって勝ち抜き優勝した天性の才を持つライダー。数しか勝っている要素の無いジャマトライダーでは話にならないのだ。
「もしかしてオレっちもヤバい系?じゃあジャマトライダーくんちゃん達に任せて、そろりそろーり抜き足差し足ニンジャストライク───」
「何処へ行こうと?売った喧嘩くらい覚えておきなさい獣」
回し蹴りでジャマトライダーを壁に叩き付け、その勢いのまま左手に保持していたオーガバックルの専用武器、オーガクラッシャーをキャノンモードにして向ける。数秒と経たずに火炎弾が吐き出され、ディルフに背中を向けていたクロスギーツへ迫るが掠めただけで躱されてしまった。
「あっぶねぇ!こんなヤベェ女とヤッてられるか!オレっちは家に帰らせてもらう!」
「チッ……運が良いだけの獣は口が軽い……!」
スタコラサッサと逃げ出すクロスギーツ。どうやら自身が出てきたオーロラカーテンに向かう最短ルートを使うつもりらしく、軽い口調に似合わずその動きは機敏だ。
【OGRE STRIKE】
最後の悪足掻きとしてディルフに組み付こうとしてくるジャマトライダー。三体ものジャマトライダーに絡まれてはクロスギーツを追えないと判断した輝夜は、オーガバックルを操作して必殺技を発動。オーガクラッシャーを地面に叩き付け、三体のジャマトライダーの足下からマグマの柱を噴出させ溶解させ撃破。そのまま走り出しつつ、オーガとは異なる別のレイズバックルを空いているスロットに装填。
【SET】
「逃がしはしませんよ」
【DUAL ON】
【OGRE ONMYOU】
【READY FIGHT】
呪いや神通力の如き力を扱えるようになるオンミョウレイズバックル。それを下半身のアーマーとして追加、デュアルオンして空中を浮遊、クロスギーツを追い掛ける輝夜。護衛なのか新たにジャマトライダーが二体現れディルフに攻撃を仕掛けてくるが、その末路は回し蹴りで雑居ビルに叩き付けられるという、先のジャマトライダーと同じものだった。
「邪魔です」
「ったくよぉ!オレっちが何したってぇ!?ちょーっとこの世界の雑魚を減らして街壊しただけだろうがよ!」
「先程から二つ、間違っていますね」
「あぁ?」
「一つ、これは狐ではなく狼」
「二つ、この世界の人間がどうとか、建物がどうだとか、そういった事に私は微塵も興味が無い」
「おいおい……それでも正義の仮面ライダー様かよ」
「私があなたに対して怒りを抱く理由……それは、あなたがあの御方を二重の意味で愚弄したから」
「その命で償いなさい、獣にも劣る害獣が」
◇◆◇
(決め手に欠ける……!)
羅漢vsセイヴァーの戦況は膠着状態に陥っていた。アケビアームズの防御力は非常に高く、セイヴァーアローの連続射撃を正面から受けても大したダメージにはならない。また、アケビ大砲の頑強さとそこから撃ち出される砲弾の威力は、直撃さえできれば明確に格上の相手でも瀕死にさせる事が可能な程だ。
当たりさえすれば。
「無意味です……」
「チッ……!」
そう、アケビアームズは一撃の火力と本体の防御力に物を言わせたタフネス型。群がる黒影トルーパーを一掃するだけならともかく、手数と運動性に優れたセイヴァー単体を相手にするには「鈍重すぎる」のだ。かといって、同じくスピードに優れたブラッドトマトはデメリットの消化中。数分の無理なら通せるが、トドメのリーサルまで持っていけるか怪しい現状ではリスキーな択だ。
(あの女の弱体化でも出来れば……やるしかない、手札を温存して勝てる戦いじゃない!)
【アケビスカッシュ!】
「何を……なっ!?」
意を決してカッティングブレードを押し込む涼介。必殺技発動の隙を狙って影松が複数突き出され、火炎放射機によって全身が炎に包まれる羅漢。だがその程度で動きが止まる程度の防御力ではない。集中攻撃を無視してアケビ大砲の砲口を地面に向け、本来ならば分裂弾として放たれるはずだった砲撃を自らの足元に撃ち込んだのだ。それがどういう結果をもたらすか。
爆炎と粉塵で視界が遮られ、近接型の黒影は離脱が間に合わず吹き飛ばされる。
「な、何という事を……血迷って自害を……?」
「んな訳───」
「っ!?」
「ないだろうがぁッ!」
ダイナミックな自殺か、粉塵に紛れての離脱かと考えていた女幹部だったが、正面から突っ込んでくる涼介の姿をうっすらと捉え驚愕に目を見開いた。咄嗟にセイヴァーアローのエッジ部先端を突き出せたのは、決して低くない戦闘能力と磨いた感覚故か。突きのスピードが緩んだ事を認識し、受け止められたと判断した女幹部は再び驚愕する事になる。
「なぜ、変身を……解いて!?」
「アケビじゃ重いんでね……」
あまりにも危険な博打である。
アケビアームズは重過ぎる、ブラッドトマトアームズはクールタイム。そんな状況で敵に素早く近付くにはどうすべきか?変身を解除して自身の脚力をもってして走れば良い。思案するだけなら簡単、されど行動に移すには相当な勇気が必要になる。蛮勇とすら言って良いだろう。現に、ブラッドトマトアームズに変身する前に貫かれた右太腿の穴は空いたまま、致命傷を避ける為にセイヴァーアローのエッジを掴んで止めた左掌は深く切り裂かれている。
それでも、涼介は賭けに勝った。
「くっ!」
「っとぉ!」
すかさずセイヴァーが蹴りを繰り出し涼介を遠ざける。無理な体勢で放った蹴りは、生身の人間の体を破損させる程の威力は出せず、仕切り直しとなる───
「そろそろ気付かない?」
「何が……はっ!?」
「手癖、悪くてね」
はずだった。
涼介が蹴りを防御した右手を開いて見せるのと、セイヴァーのアームズに異変が起きたのは同時。涼介の右手には、セイヴァーが変身に使っていたブラッドオレンジロックシードと、それを装着していたゲネシスコアが握られていたのだ。二つのアームズをミックスしていたゲネシスコアごと抜き取られた事でセイヴァーは弱体化、ザクロ単体での変身となり鎧が変化しブラッド大橙丸も消失してしまった。
「……使ってみるか。何処まで耐えられるかね」
「や、止めなさい!ミックスまで解放して、人間に戻ってこられると───」
「知らねぇよ。お前を倒してから考えるわ」
羅漢のフェイスプレートを外し、強奪したゲネシスコアをセット。ブラッドオレンジロックシードはホルダーに留め、右手でアケビを、傷付いた左手でブラッドトマトを起動させる。人としての力と、理を外れた力を解放するように。命を懸け、血を吸わせるように。
【アケビ!】
【ブラッドトマト!】
【ロックオン!】【ロックオン!】
「すぅ……はぁ……変身ッ!」
【ソイヤッ!】
【ブラッドアケビアームズ!鮮血パニッシュメント!】
【ブラッドトマトアームズ!ミスターヴァンパイア!】
変形したアームズが鎧となるのではなく、ライドウェアを纏い、その上に直接変形済みのアームズを纏うセイヴァーと同じ方式で変身を完了した涼介。
そこに立っていたのは、アケビの装甲を一部省略し、代わりにブラッドトマトの赤い鎧を装飾品のように追加した羅漢の新たな姿。砲口付近に三又の鋭い爪を生やしたブラッドアケビ大砲を肩に背負い、黒が滲んだ血濡れの刃を備える羅漢豪血弓を手に持った強化アーマードライダー。
羅漢 ブラッドアケビアームズ。
「っ……!ヴゥッ……!ハァッ!ハァッ!……二分で、片付け、る……!」
「血に餓えた獣……あぁ、あなたに救いは似合わない!ここで朽ち果てる以外に道は残されていない!」
ブラッドトマト単体でも五分が限度だった暴走のタイムリミット。ロックシードの同時使用による強化などすれば、それが短くなるのは自明の理。更に言えば単体変身の時のインセインも残っているのだ、口にした二分すら自我を保てるか怪しい所。
故に選ぶのは速攻、そして短期決戦。
【ソイヤッ!】
【アケビスカッシュ!】【ブラッドトマトスカッシュ!】
「そら、よ……!」
四方から影松を構えて殺到していた黒影たちへの一閃。その場で回転し、羅漢豪血弓のブラッドエッジを振るう回転斬り。エッジが通った軌跡にも斬撃が残り続ける禍々しい攻撃によって黒影トルーパー隊は壊滅。弓を手放し、ブラッドアケビ大砲を構え次はお前だと暗に告げる。
「くっ……まだ、わたしは!」
羅漢の運動性は低い。
既にそう見切っていた故の慢心だった。
「ぐっ……!?うぇ、あっ……!?」
距離が離れていたはずなのに、腹部に鈍い衝撃が走ったと思った瞬間には地面に押し倒されていたセイヴァー。どういう訳か、一瞬にして距離をゼロにしてきた羅漢が腹にブラッドアケビ大砲を押し付けている。次に何が起こるかなど、子供にも分かるだろう。
「ひっ……まっ、待っ───」
「死は救済なんだろ?」
【ソイヤッ!】
【アケビスパーキング!】【ブラッドトマトスパーキング!】
「先に逝ってろ」
一瞬の静寂。そして爆音。
狂った救済の果ての勝者は涼介だった。
◆◇◆
「ぐおっ!?くっ、クソがッ!」
「この程度で神殺しを騙ろう等と……」
ディルフvsクロスギーツも終盤へ突入していた。クロスギーツは両手に持っていたはずの武器をどちらも取り落とし徒手。更に全身が煤で汚れ、何度も何度も地面を転がり障害物に叩き付けられた事が見て取れる。対してディルフには目立った傷が無く、オーガクラッシャーも健在。優勢なのはどちらか、誰の目にも明らかとなっていた。
「何でだ!神殺しの力だろ!?何でこんな女に勝てないんだよ!さっさと力を寄越せ!このままじゃあ───」
「死ぬ、と。えぇ、死にますよ」
「ふざけんなぁ!」
クロスギーツの大振りな右ストレートに完璧なクロスカウンターを決めるディルフ。何度目とも知れない溜め息を吐き出し、戦闘開始直後よりも更に温度の下がった冷たい視線を向ける。その瞳には、もはや哀れみすら浮かんでいた。
「なぜ、と。そんな事も分かりませんか。その模造品には何の特殊性も無いからです」
「なん……だ、とぉ……!」
「メラ、とか言いましたか?あの生ゴミ以下の畜生が持つ神殺しの概念も、その畜生があの御方から盗み出した創生の力も。その模造品には
「なら……!それでもクロスギーツはクロスギーツだろうが!レイズバックルの中でも最強クラスの性能だ!それがただのデュアルオンに負ける訳ねぇだろうがよ!」
はぁ……と留まる事を知らない溜め息がまたも漏れる。しまいにはオーガクラッシャーでコツコツと額をつつき、「私呆れてます」のポーズを大仰に取り出す輝夜。隙を晒したディルフに蹴りを繰り出すクロスギーツだったが、その振り上げた右足は見事に空を切り、反撃の回し蹴りを背中で味わう結果となった。
「お前に無くて私にあるもの。それは───」
「愛です」
【OGRE ONMYOU VICTORY】
興味は尽きた、と言わんばかりにバックルを操作する輝夜。必殺技発動の音声と同時にディルフの姿が一瞬だけブレる。よろけながらも警戒するクロスギーツに襲い掛かる背後からの衝撃。いつの間にやら後ろを取っていたディルフが、足首辺りに装着されているオンミョウセンを使って蹴りと斬撃を同時に繰り出したのだ。目の前のディルフに向かって攻撃を行うクロスギーツだったが、その拳はディルフをすり抜け、勢い余ってつんのめってしまった。オンミョウレイズバックルによる幻術だ。
「クソッ!クソォッ!何が───」
「失せろ……私とあの方の世界から……!」
「何が愛だぁぁぁぁぁぁっ!!!」
多数出現した幻影に闇雲な攻撃を繰り返すクロスギーツ。本体は上空に飛び上がっている事に気付くも遅く、ディルフの右足が胸部に突き刺さっていた。一撃、二撃で済ませる程に生ぬるい怒りではないのか、クロスギーツを蹴り飛ばした勢いで宙返り。オンミョウセンをブーメランのように射出して切り刻み、オンミョウレイズバックルの力で浮遊。今度はオーガクラッシャーを真上から叩き付け、クロスギーツと地面を砕きながら地に降りたったのであった。
「へっ……へへっ……お前の、大好きな神様も……千年、経てば……」
「千年だろうが一万年だろうが、私の愛に老いも朽ちるもありません」
紛い物の黒狐は、狼の尾を踏んだ事には気付けたが、その尾の上で踊るという蛮行に出た事でその生涯に幕を降ろす事となってしまった。
▽▲▽▲▽▲
「何がカミサマだ、くだらねぇ……」
「あぁ、見ていましたか?私の神様……」
「神なんざクソくらえだ」
「神たる貴方様に捧げます……」
死は救済!ならお前が死ぬがいい!
エースの愛だ!なぜそこで愛!
【蘇名 涼介】(原案:気分は形而上 様)
アケビロックシードとブラッドトマトロックシードの二つを持つ、アーマードライダーこと仮面ライダー鎧武の世界出身の青年。年齢は21。
黒の菩提樹信者だった両親に愛想を尽かし、この世界よりマシな事を願ってD.R.V.に参画した経緯を持つ。
戦闘能力は決して高いとは言えないが、使える物は使うという形振り構わないスタイルと、土壇場でリスクの高い賭けに一瞬で出れる強靭なメンタルで修羅場を潜ってきた戦士。
普段は厭世的で無気力気味だが、ハンドレッドをはじめとする理不尽に弄ばれる命を放っておけない気質。
元の世界における経験から「救い」や「神」といった概念を嫌悪しており、神=ギーツを心から愛している輝夜の事は内心苦手としている。
【アーマードライダー羅漢】
一撃の威力が高く、堅牢な防御力を特色とするアケビアームズと、暴走の危険性を孕む代わりにスピードを筆頭とした全能力が高いブラッドトマトアームズの二形態を持つ鎧武世界の仮面ライダー。
今回の戦いでセイヴァーからゲネシスコアとブラッドオレンジロックシードを強奪。アケビとブラッドトマトをミックスしたブラッドアケビアームズを新たに獲得したが、強化相応に暴走しやすくなっている。
アケビアームズのアームズウェポンは巨大な砲、アケビ大砲。
ブラッドトマトアームズではトマトの櫛切りのようなガントレットがアームズウェポンとして現れ、三又のエッジによる拳撃と斬撃を同時に行う。
ブラッドアケビアームズは既存のアケビ大砲が強化され、ブラッド強化専用のウェポンとしてセイヴァーアローのような血濡れの弓、羅漢豪血弓を新たに装備する。
【紫苑 輝夜】(原案:Rerere 様)
デザイアグランプリが開催されている世界、仮面ライダーギーツの世界出身の美少女。年齢は18。
誰もが振り向く美貌を持っていたが故に、悪意と汚らわしい欲望に曝されてしまった過去を持つ。創生の神となっていたギーツ=浮世英寿と出会い、あろうことか一目惚れ。愛の為にデザイアグランプリを勝ち抜き、愛の為に優勝し、愛の為に今を生きている。
D.R.V.参加経緯は、神と人ではという事でやんわり断られたプロポーズを「神の隣に立てるくらい強くなれば良い」と解釈した輝夜が武者修行の一環として選んだというだけ。
【仮面ライダーディルフ】
輝夜の変身するデザイアライダー。
ダイアウルフがモチーフとなっている頭部とIDコアが特徴。
オーガとオンミョウのレイズバックルを主に使用する。タフネスと破壊力に長けたオーガ、幻術や空中浮遊などのトリッキーな戦法を得意とするオンミョウを戦況に応じて適宜デュアルオン・リボルブオンして使い分けている。
他にもう一つ、愛しのエース神から餞別として授けられた「切り札」のレイズバックルがあるらしいが……?