前回、自身の動力源がソウルドライブに驚いたコマンドガンダム。謎が残るものの、不自由が無いので保留にし、武器密輸のテロリスト群を制圧してから数ヵ月間が経過する。
‐喫茶リコリコ‐
喫茶リコリコ。錦糸町駅北口から少し歩いた墨田区内の下町に所在する表向きは和洋折衷をコンセプトとした普通のカフェとして営業しているDAの支部の1つでは大きく賑わっていた。主に子供達がッ!
子供A
「コマンド!肩車して!」
フレームガンダム
「応、いいぞ!」
子供B
「抱っこして~。」
フレームガンダム
「腕2本しかないからちょっと待っててッ!」
子供達の目当てであるコマンドガンダム、現在は装甲を外している為、フレームガンダムと戯れていた。その結果、子連れのお客が多く来店する。最初は知ってるヒーローのロボットじゃないとギャン泣きされた時期もあったがBGMや発光等で子供達の好感度は爆上がり。その結果子供達に揉みくちゃにされる。
千束
「いや~人気者だね、コマンド。」
ミカ
「あぁ、彼が来てくれたお陰で大分賑やかになったよ。」
フレームガンダム
「千束!見てないで助けてくれッ!(子供達の)数が、数が多過ぎるッ!!!」
2人が話している間にとうとう物量で子供達の下敷きにされたフレームガンダムは千束に救援を求める。それを見た千束は小さく笑ってから「はーい!ここからは千束お姉ちゃんも相手になるよー!」っと手を上げでそう言うと子供達の半数が群がり、フレームガンダムと同様に千束も揉みくちゃにされるのであった。
‐翌日‐
いつも通り子供達の相手をしたフレームガンダムは千束にミカと店仕舞いを行っていた時、電話機が鳴る。丁度レジの前で売り上げの確認で苦戦していたミカは作業を止めて電話機に手を伸ばして電話に出る。
ミカ
「もしもし。あぁ、私だ・・・・・・分かった。すぐに伝える。」
フレームガンダム
「楠木司令からか?」
ミカ
「そうだ。国外からロシアのT-80系戦車を5両所持したテロ組織が京都の舞鶴港から離れた海岸に上陸。現在は潜伏先の廃倉庫に1個小隊程のリコリスが対処に向かったが、保険を掛けてバックアップとして出動してくれとな。」
フレームガンダム
「了解。3分で支度する。」
電話の内容をミカから聞いたフレームガンダムはリコリコの地下施設へ向かう。
千束
「行ってらっしゃい!コマンド!」
フレームガンダム
「あぁ、行って来る。」
千束にそう答えたフレームガンダムは地下施設に入り、自身の装甲が格納された換装装置の中央に立つ。するとセンサーが反応して床から装甲を保持したアームが現れてフレームガンダムに装着されていき、最後にヘルメットが装着されてコマンドガンダムへとなる。
コマンドガンダム
「システムを戦闘モードへ移行。コマンドライザーとのドッキングを開始。」
地下格納庫から黒色の支援メカ、コマンドライザー*1が換装装置へ移動し、コマンドガンダムの背面に装着される。
コマンドガンダム
「コマンドライザーの接続を確認。発進シークエンスへ移行。」
『Force Gate Open!Force Gate Open!』
コマンドガンダムは換装装置から発射台に移り、コマンドガンダムを乗せたままカタパルトデッキへ移動。その間にリコリコから5キロ離れた無人倉庫の天井と床が開くと同時にカタパルトが展開される。
『進路クリア、コマンドガンダム出撃どうぞ。』
コマンドガンダム
「コマンドガンダム、出撃するッ!」
管制AIの情報を確認したコマンドガンダムの叫びと同時に発射台は加速し、カタパルトデッキからコマンドガンダムを射出。コマンドガンダムはその勢いでブースターを始動して飛んでいく。
‐京都‐
一方、舞鶴港から15キロ離れた廃倉庫では京都支部所属のリコリス1個小隊はそれぞれのチームに別れて廃倉庫内のテロリストを殲滅していく。だがテロリストもただではやられまいと数で応戦。激しい銃撃戦となるがDAが優勢であり、このまま決着が付くと思われたその時!
『クソガキ共がッ!調子に乗ってんじゃねえぞッ!!!』
その言葉と同時にシャッターや壁等の障害物を突き破って来た5両のT-80戦車が姿を現す。そして砲塔がリコリスへ向けられる。
セカンドリコリス
「退避ッ!!!」
紺の制服を着た隊長各のセカンドリコリスの声に同期や薄いベージュの制服を着た部下のサードリコリス達は身を隠していた場所から退避すると同時に5両のT-80から放たれた榴弾が着弾する。奇跡的に戦死者は出ずに済んだが、セカンド、サードの大半が重軽傷を負う。
セカンドリコリス
「本部ッ!さっきの砲撃で負傷者多数、撤退許可をッ!!!」
DA京都支部
『確認しました。負傷者を連れて撤退してくださいッ!以後はバックアップのコマンドが対処に当たりますッ!』
セカンドリコリス
「了解!負傷者を連れて撤退するッ!たきな、手伝ってッ!」
たきな
「はいッ!」
セカンドリコリスの指示にサードの井ノ上たきなは従ってまだ動ける者達と負傷者を担いで撤退する。しかしそれをテロリストが見逃す訳が無く、追撃する。
テロリストA
「逃がすなッ!捕まえろ!無理なら殺せッ!!」
テロリストB
「ただで死ねると思うなよッ!」
彼女達を捕らえて凌辱しようとする者、同志の仇を討とうとする者達が銃撃を加える。更に2両のT-80が彼女達の退路を断とうと先回りする。
たきな
「ッ!この子を頼みますッ!!」
サードリコリス
「え!?ちょッ!?」
セカンドリコリス
「たきなッ!何をッ!?」
負傷者を同期に預けて駆け出し、愛銃のS&W M&P99Lで先回りする2両のT-80の頭上にあるコンテナを保持したままのクレーンを狙い撃つ。弾丸がアームの関節に直撃すると保持力が弱まり、コンテナが落下。2両のT-80は巻き込まれて潰れる。
テロリストA
「あのアマッ!」
テロリストB
「くたばりやがれッ!」
貴重な戦車と仲間が更にやられた事に怒り狂うテロリストは標的をたきなに移し、猛烈な銃撃を加える。それをたきなはギリギリ避けて障害物へと隠れる。その間に他のリコリスは負傷者を連れて離脱した。
T-80A
『お前らは逃げた奴らを追え!こっちは俺が殺るッ!』
T-80B
『了解ッ!!』
T-80C
『引き殺してやるぜッ!』
残り3両の内2両のT-80は指示に従ってリコリス達の追撃を始める。それを見たたきなはもう一度コンテナを落とそうと行動するが、テロリスト達の弾幕で阻止される。
T-80A
『よォお嬢ちゃん、よくも俺の仲間と戦車をヤッてくれたな。何の組織か知らねぇが、仲間の仇だ。死んでもらうぜッ!』
たきなが身を隠す障害物にT-80の主砲が向けられる。たきなは退避しようとするが既に包囲されて狙われており、不可能であった。そして砲弾が撃ち放たれる瞬間!
たきな
「ッ!?」
T-80A
『な、何だッ!?』
突然外から爆発音が響き渡りる。これにたきなとテロリスト達の動きが一瞬だけ止まった時、天井を突き破ってT-80の真上へに駆け付けたコマンドガンダムが着地。その衝撃と重量でT-80は大きく歪んで鉄屑となり、砂埃が周囲を舞う。
テロリストA
「な、何だアレはッ!?」
テロリストB
「ロボットッ!?」
コマンドガンダム
「残敵50と味方1名の生存を確認。敵を制圧する。」
センサーでテロリスト達とたきなを確認したコマンドガンダムは両腕に装備されたプラズマガトリングを掃射。棒立ちで唖然としたテロリスト達を薙ぎ払う。テロリスト側も反撃を試みるも、圧倒的弾幕の前に制圧された。
コマンドガンダム
「制圧及び無力化完了。大丈夫か、お嬢ちゃん。」
たきな
「え、あっはいッ!」
コマンドガンダム
「仲間は全員無事だ。外の連中も無力化したからな。仲間の所に顔を見せて来な。」
たきな
「は、はい。あ・・・ッ!」
たきなは仲間の元へ行こうと立ち上がった時、足に力が入らず転びそうになる。それをコマンドガンダムがそっと支える。
コマンドガンダム
「大丈夫か?」
たきな
「はい、大丈夫です。足に力が入らなくて・・・」
コマンドガンダム
「だろうな。まぁ死んでも可笑しくない状況だったんだ、無理もない。俺が送ってやる。」
たきな
「え?ちょっ!?」
するとコマンドガンダムはたきなをお姫様抱っこして移動する。この状況にたきなは困惑と恥ずかしい気持ちで顔が赤くなる。
コマンドガンダム
「・・・すまない。」
たきな
「え?」
コマンドガンダム
「お前達のバックアップで呼ばれて駆け付けて来たが、重軽傷者やお嬢ちゃんに怖い思いをさせてしまった。本当にすまない。」
たきな
「・・・そんな事ないです。貴方が来てくれなければ、私や仲間もこうして助かったんですから。」
コマンドガンダム
「そうか、その言葉を聞いて心が楽になったよ。」
それの言葉を聞いたコマンドガンダムは少し笑みを浮かべて礼を言い、たきなと一緒に廃倉庫から立ち去る。
第3話END
次回「10年後の世界」