ガンプラオリジナルストーリー 【制作設定小説】 作:LUCIOLE
コポコポと泡と吐き出しながら青い巨人はゆっくりと海底を目指していた。
大きな音を立てず、海流を乱さず・・・。
「慎重に頼むよ」
老齢だが覇気の有る声がスピーカーから聞こえる。
「特に海底の砂は出来るだけ巻き上げない様に」
「分っています!」
クルス軍曹は慎重に機体を操作していた。普段あまり使わない繊細な技術を求められて少し緊張し、イラついてもいる。
いや、それだけじゃない。ここが嘗て自分の祖父が暮らしていた場所であり、両親の故郷でもあった場所だからだ。戦争の爪あとと言うにはあまりにも大き過ぎる場所。そこは嘗てシドニーと呼ばれていた。
10年以上経ったその場所の自然環境調査の手伝いが今回の任務だった。
(なんで俺がこんな・・・)
クルスは連邦軍、トリントン基地所属のMSパイロットである。しかし、今は何処かの有名な大学の海洋調査に政府の命令で出向しているのだ。
『MS-06Mマリン・ハイザック』
水中用のこの機体は勿論戦闘用の機体なのだが、汎用性の高さからこの様な調査や救難救助から建設まで使われていた。
確かに高性能とはいえ、マニピュレーターが爪のゴッグやズゴックでは細かな作業は難しいと言うか無理な話である。
その為、最初ジオン公国から摂取した水中用ザクをそのまま使っていたが、途中からハイザックに搭載予定だったジェネレーターを水冷式化して搭載した。その為見た目と形式番号は水中用ザクのままなのにマリンハイザックの名を与えられた。
それから数年、その機体達もガタが来た為ジオン共和国に売る程余っていたハイザックをベースに少数が生産されたのだ。
深度83m。海底まで残り10mの所で上手く浮力を調整して機体を安定させた。
「予定通り深度83mに到着。指示を!」
「あっ!?はい!えっと・・・そのままの状態でライトを付けて海底の映像を送って下さっ!?」
ドン!ガラガラガシャーン・・・・・・。
クルスは呆気に取られた。
「ずびばぜん・・・」
「あ、いや・・・」
「サミー君、大丈夫かね?」
教授の声が後ろから聞こえる。
「はい、ちょっと鼻を打ちましたが大丈夫です」
そんな遣り取りが開きっ放しの回線から聞こえてくる。
「あの、大丈夫ですか?」
「はいっ!?あっすみません!すみませ、」
ドカ!
また不穏な音が・・・頭を下げた時に何処かにぶつけたのかとその状況を思い浮かべ、クルスの口元に笑みが浮かぶ。
「はう~」
可哀想にと思いつつもクスリと笑ってしまう。
「落ち着いて、今から映像を送りますね」
そうクルスが言った時、音響センサーから聞きなれない音がした。
「これは・・・?」
モニターやセンサーで状況を確認しているクルスに先程の女性が声を掛けてきた。
「クルス軍曹、上を、海面の方を見て下さい。あっ!映像もお願いしますね」
クルスは画像の録画と転送を始めてからメインパネルに後方の映像を映した。
「これは・・・」
其処にはMSより遥かに大きなシロナガスクジラがキラキラとした光の中、まるで空を飛ぶ様に泳いでいた、しかもその隣には小さな子供の姿も。
「凄いですね・・・初めて見ました」
素直な驚きと感想が漏れる・・・。
「はい、素晴らしいです」と彼女も答えたのだった。
最期まで読んでくれてありがとうございます。
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