ガンプラオリジナルストーリー 【制作設定小説】   作:LUCIOLE

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旧キット、トロピカルテストタイプドムです。

結構切ったり貼ったりしました。

南国っぽい名前なのに、砂漠用のアイツです。


【挿絵表示】



他の写真はこちらで見れます。
https://gumpla.jp/old/325709


第10話 【トロピカルテストタイプ・ドム】

 

 「隊長!西側からも新手が!?」

 

 「ちっ!後退するぞ、遅れるなよ!」

 

 第5地上機動歩兵師団第1MS大隊第一小隊。通称カラカル隊のMS部隊は連邦軍の策略により誘い出され、遂に投入された連邦軍のMS部隊に劣勢を強いられていた。

 

 隊長ほか歴戦の戦士達の部隊だが、さしものカラカル隊も自陣から遠く誘い出され、物量に物を言わせた波状攻撃に疲弊し、またそのタイミングで現れたMS部隊に後退を余儀なくされたのだ。

 

 現在カラカル隊は大きな岩山に身を隠して束の間の休息と今後の対策に頭を悩ませていた。

 

 「隊長、やはり増援が来るまでには時間が掛かりそうです」

 

 MSのコックピットから顔を出したパイロットが首を振り、苦々しく基地からの通信内容を伝えた。

 

 「そうか・・・回線は開けたままにしておけ」と返し、一口水筒の水を飲んだ。

 

 そして、MSのセンサーが短い休息の終わりを告げるのだった。

 

 「隊長!敵のMS部隊が来ました。南西方向、距離4000!」

 

 隊長は自身の愛機を見上げると、戦闘準備を告げた。

 

【挿絵表示】

 

 

 岩陰から覗くカメラがMSの部隊を捕らえると、其処には陽炎に揺らめきながら歩を進める8機の巨大な人影と10台程の戦車の姿が有った。返すこちらの戦力はと言うとデザートザク2機とザクⅡが1機、マゼラアタックが4機である。しかもデザートザクの1機は片足を失っている。

 デザートザクを置いてここから急いで逃げ出すか、それとも地の利のあるこの岩山で篭城戦をするか。ここならば敵の戦車は自由に動けない、だがこちらのマゼラアタックはマゼラトップを分離させて空中から砲撃する事も出来る。

 

 迷っている時間は無く覚悟を決めた時、開きっ放しの無線から雑音混じりに声がした。

 

 「ガ、ガガ・・・聞こえているなカラカル隊」

 

 答えようとした隊長を無線の男が静止した。

 

 「答えなくていい、位置を察知されるからな」

 

 連邦軍はこちらを探す為にミノフスキー粒子を散布していない。こちらもまた位置を特定されない為に散布していなかった。

 

 「敵が岩山を登り始めたらこちらは敵後方より攻撃を開始する。MSを4機は責任を持って落としてやる」

 

 「後は其方で決めてくれ」そう告げると無線は切れてしまった。

 

 「其方で決めてくれ、か・・・」

 

 そして、間も無く61式戦車の無差別な砲撃が始まり敵MS、GMが斜面を登りだした時、敵後方より砂煙を上げて突進してくる2つの影が有った。

 

 「2機だけか?」

 

 隊長が援軍の戦力を測る為、最大望遠でその姿を確認しようとした。「あの砂の巻き上げ方1機はドムだな。しかしもう1機は・・・」

 

 「ドムの動きに着いて来れる機体か」と目を凝らした瞬間モニターの中を閃光が走った!

 

 「ビーム兵器!?」

 

 そのビームはGMを背中から貫いた!

 

 爆散するGM!

 

 突然の後ろからの攻撃に動揺する敵MS部隊。不安定な斜面で回避行動を取る事も儘ならず、その間に更にもう1機がビームによって貫かれた。

 

 この混乱を隊長は逃さなかった。

 

 後方から高速で接近する2機のMSに注意が集中した敵に対して、山頂側から突撃を開始したのだ。

 

 カラカル隊の2機が斜面を滑り降りながらマシンガンで牽制、左腕のラッツリバー3連装ミサイルポッドで止めを刺した。更にマシンガンを撃ちながら斜面を下る勢いを生かしてすれ違い様、ヒートホークでGMの右腕と胴体を半分切り裂いた。

 

 4機のGMを葬り、最後のGMに照準を合わせた時そのGMが突然爆発して戦闘は呆気無く終了した。

 

 「4機は責任を持つと言ったろう」

 

 無線に入って来た楽しげな声に「そうだったな」と返す隊長。

 

 岩山を降りた隊長はそこで待つ2機のMSに驚いた。4機のGMを落しながら61式戦車の部隊も壊滅させていたのだ。

 

 「救援に駆け付けてくれて助かった、ありがとう」

 

 コクピットから出て、MSの手の平に立ち敬礼をする隊長に、同じ様にコクピットから出てきた男が返礼をする。

 

 「なに、偶然無線が聞こえただけだ、気にするな」

 

 そう言うと、その2機は西の方角へと帰って行くのだった。

 

 「トロピカルドム。配備されてるのは我が第5地上機動歩兵師団だけかと思ったが。それにあのザクタンク・・・」

 

 夕日に消える2機に隻眼を細めながら、もう一度敬礼をする隊長だった。

 




最期まで読んでくれてありがとうございます。

砂漠部隊のお話も現時点で残り1話となりました。

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