ガンプラオリジナルストーリー 【制作設定小説】 作:LUCIOLE
「タイヨウ、マナカ、作戦通り頼むぞ」
レシーバーから響くヒロシの声。
「ああ、任せとけ!」
「そっちこそしくじらないでね」
「ああ、善処するよ」
冷静に、しかし楽しそうに素っ気無いセリフを返す。
「そこは『任せとけ!』っでしょ!」
何時も通りなマナカの元気っぷりに思わず頬が緩む。
「わかった、任せとけ」
「よしっ行くぞ!バルバトス・フリーダム!」
「じゃあ行って来る」
「ああ、気を付けてな」
「分かってる。アカツキ・シルバリオン行きます!」
2人の機体が宇宙を駆ける!
ヒロシの駆るGMキャノンパワードは最小限の軌道で別方向へと身を翻した。
県予選準決勝。この試合に勝てばついに決勝戦だ。競合が犇き合う都道府県に比べればレベルが低いとはいえ、1年生だけで良く此処までこれたものだ。と、思いながら予定位置に着いて準備に入る。
程無くビームの閃光が遠くに見えた。
「2人共上手くやってくれてる様だな」
デブリの多い暗礁宙域。そのデブリの中を戦いの閃光が徐々に此方に近付いてくる。
「流石だな」
長距離射撃用スコープを覗いてタイミングを計る。
「あれ、1機少ない・・・倒したのか?」
2人は左右に分かれて白と赤のキュベレイを包囲する様に距離を取った。
背中合わせとなり、応戦するキュベレイ。
ファンネルは残っているが、使う余裕が無い。
「機体の相性が最悪だ!」
相手の1人が咆えた!
NT専用機とはいえ、ビーム兵器しかないキュベレイに対してバルバトスとアカツキである。
そして、タイヨウとマナカは機体の相性の良さも有って無事、指定ポイントに敵を誘導した。
このタイミングをヒロシは待っていた。
これまで1人隠れてエネルギーをチャージしていたビームキャノンは、剥き出しのライフリングシリンダーが溢れるエネルギーを押さえきれずバチバチと放電させながら回転していた。
「行け!」
限界まで蓄積したエネルギーを一気に開放したビームキャノンがデブリと化したコロンブスの装甲を貫き、そのまま2機のキュベレイをそのビームの波に飲み込んだ。
「なに!?」
「ばかなー!?」
極太のビームが宇宙を貫き、沈黙が訪れる。
「これはダメだな、たった1発でエネルギーが残り2割を切ったよ」
「しかも、私達の負担が酷い!」
「1発はデカイけど、それまでは2体3で不利だからな」
「うん、やっぱりダメだな、分かってたけどw」
本人はやりきって満足と云った感じだが、付き合わされた2人はゲンナリしてる。
「兎に角終った、終った」とタイヨウが機体をヒロシの方に向けたがヒロシは「まだだよ」と、振り返った。
「そんな所に隠れてたのかーーー!」
デブリの間を隠れる様に動いて回りこんでいた黒いキュベレイが偶然にもGMキャノンパワードの後ろに飛び出したのだ。
「せめて、貴様だけでも!」
残り少ないファンネルを吐き出し、迫るキュベレイ。そのキュベレイとファンネルを右胸の拡散メガ粒子砲で迎撃する。
「ダクトじゃないのか!?小賢しい!」
残ったファンネルの攻撃を前面に展開したシールドで防ぐ。
「そこだ!」
シールドが目隠しになって此方が見えない筈だと判断したマサはシールド共切り裂いた。
やった!と思ったマサの目の前に真っ二つになったシールドの隙間からビームサーベルを振るGMキャノンパワードが見えた。
「しまった!?」
全力でスラスターを吹かし、後退したキュベレイだったがそれも間に合わなかった。通常の倍程あるサーベルが頭上から振り下ろされ、本体を庇った両腕を切断、何も出来なくなった所をビームライフルで撃ち抜かれてこの戦いは終った。
「いや~危なかったなw」
ヒロシはやりたい事をやりきった事で満足気だったが、残り二人は不貞腐れてた。
「何が危なかったな~よ!」
「まったくだぜ、ヒロシお前ももっと強い機体をベースに作ったらどうだ?」
県大会準決勝を無事勝ち上がり祝勝会の場で2人はヒロシに詰め寄った。
「そうよ、キャノンが好きならダブルエックスとかフラウロスとかあるじゃない!」
「いや、いや、俺はGMキャノンが好きなんだよ~」
シールドが真っ二つになったGMキャノンパワードを手に緩んだ表情だ。
「確かに拘りは大事だと思うけどさ。折角の大会なんだし、やっぱり勝ちたいじゃん」
「そうよ、私は3人で優勝したいの!」
立ち上がって、ヒロシを説得する2人。
タイヨウの言う事はもっともだ。マナカの気持ちも尊重したい。しかし、信念は曲げられない。
ヒロシはキャノン系ではなく『GMキャノン』が好きなのだ。
「確かにタイヨウやマナカの言う事も分かるけどさ、俺はGMキャノンが好きだし、そのGMキャノンでガンダムや元から強い設定の機体に勝つのが楽しいんだよ」
楽しそうに微笑むヒロシに2人は何も言えない。自分達だって好きな機体で勝つ楽しさは知っている。実際マナカはアカツキが好きだから使ってるし、タイヨウも本当は非人型が好きなのだ。
「だからさ、今年だけは俺の我儘に付き合ってくれないか?」
愛おしく見ていたGMキャノンパワードをケースに戻す。
「ヒロシ・・・」
「来年は、ちゃんと強い機体で出るからさ」
そう微笑んで言われると何も言えなくなった。2人はいろいろ諦め椅子に座ると分かったと納得した。
「今年だけは、好きにしろ!ただし負ける気はねぇからな!」
「そうよ、今年も全力で優勝狙うんだから!」
「分かってるって」
軽く返すヒロシに少しだけ腹が立ったマナカは「来年、新入生が入ったらヒロシはメンバーから外されるかもしれないしね」と、少しだけ、嫌みっぽさを含んだ笑顔で持ってたコテでヒロシを指した。
ふふん!と不敵に笑うマナカを見つめるヒロシ。
その視線に照れて目線を外したマナカにヒロシはフッと笑った。
「その時は部長権限で2人を外して新入生と出るよ」とのたまった。
「なっ俺は何も言ってないだろう!?」
「私を外すなんて横暴よ!」
ギャーギャー言う2人を置いて、ヒロシは次のGMキャノンのコンセプトを考えつつ、おいしくお好み焼きを食べるのだった。
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