ガンプラオリジナルストーリー 【制作設定小説】 作:LUCIOLE
「おい、ノイマンもう時間が無いぞ!」
「分っている!分っているが、こうも連中の抵抗が激しいとはな」
ノイマン曹長とアルド曹長の2機が残骸に隠れて迎撃をするも効果が上がらない。
北米のネバダ州に有る連邦軍のミサイル基地。大気圏外、衛星軌道上の敵を迎撃する能力を持つこの基地を強襲して叩くのが今回の任務だった。
宇宙ではネオジオン総帥シャア・アズナブル大佐自ら先陣を切って5tsルナを落す作戦を指揮している。その作戦の一環として各地の迎撃ミサイル基地を襲撃して作戦を確固足る物にする為に地上に残っているジオン残党に作戦参加の要請が来たのがたったの一週間前。
だが、1年戦争以降久々の大きな作戦だ。デラーズの紛争の時も、ハマーン・カーンの起こした第一次ネオジオン戦争も大きく参加する事は無かった。
13年。コロニーに帰らず地上で燻っていた彼らにとってこの要請は心躍るものだった。しかも総帥があの赤い彗星であり、ダイクンの忘れ形見なのだ。
ネオジオン総帥の直々の要請に応えて、近隣に居た2つの部隊のMSを整えて2機のファットアンクルと1機の鹵獲したミデア輸送機で部隊を輸送、ミサイル基地を強襲したのだが、事前に情報が漏れていたのか激しい抵抗に見舞われていた。
既に落されたミデアを盾にジリ貧の迎撃を行なう2機。
「他の奴らはどうした?」
「2機やられたのは見たが他は分らん!まぁ、向こうで頑張ってるだろうよ!」
「そうだな!」
ファットアンクルに乗っていた連中も同じ様な状況で、北と西から基地に迫った計9機のMSは其々善戦しているらしい。
「もう少しの我慢だ!」
「分っちゃいるがな、コイツもガタガタだ!」
ノイマンのデザートザクもアルドのハイザックも少ない補給と資材で整備を続けた機体なのだ。装備もバラバラである。
タイミングを見計らって瓦礫の陰から体を出しバズーカを放つ!
直撃を受けたGMⅢが上半身を吹き飛ばされ後ろへと倒れていった。
「連邦製のバズーカも悪くないなw」
ノイマンが喜ぶ暇も無く、攻撃が集中する。
「クソッ!」
慌てて機体を瓦礫に隠して悪態を吐いた。
「そろそろヤバイな」
マシンガンを連射して直ぐに隠れるアルドのハイザック。
「ああ、他の奴らもまだ基地に辿り着いてないみたいだしな」
腕のラッツリバー3連装ミサイルを撃つ。
「あいつ等は何やってんだ!」
ミサイルに怯んだGMⅢをマシンガンで撃とうとした時、基地の方からサイレンが鳴り響いた。
敵機発見のサイレン、その報告に注意が反れたGMⅢを2人は同時に撃破した。残りは3機だ。
「やっと来た様だな」
「ああ、あのサイレンは俺達には騎兵隊のラッパに聞こえるぜ」
ジオン残党軍が攻める北と西の反対側、南東に3つの光を見付けたのは管制塔に居た職員だ。
ミノフスキー粒子が散布されてない中なら、レーダーはその性能を十二分に発揮する。だが今迫っている3機は地面スレスレレーダー網の下を高速で飛んで来たのだ。
MSN-03ヤクト・ドーガ。その陸戦強襲型と地上での強襲飛行用ユニットを背負った2機のズサだ。
管制塔が3機を視認してサイレンを鳴らしたその直後管制塔がビームで貫かれた。
基地の各所から放たれる対空砲火。だがその時遂に基地の迎撃ミサイルが轟音を放ち打ち上げられた。
1発が地下のサイロから這い上がり、300m程上昇した所で更に加速して目標に向かって軌道を変えていく。その頃に2発目が同じ様に打ち上げられ、同じ様に300m程で軌道を変えると3発目が撃ち上がる。お互いのロケット噴射の影響を受けない様に順番に撃ち上がる迎撃ミサイル。
ミサイルの打ち上げを苦々しく見上げるヤクト・ドーガ達3機は急上昇する事で基地からの対空砲火を躱すとまだ打ち出され続けているミサイルサイト目掛け上空から有りったけのミサイルをばら撒いた。
ヤクト・ドーガはビームスマートガンで初速の遅いミサイルを打ち落としている。
MSのミサイル攻撃で破壊された迎撃ミサイルの一部が落下して地下の施設で誘爆を始めた。
その爆発を背に上空の3機を迎撃しようと2機のネモが急上昇を掛けてきた。
「その機体で良くやる!」
「作戦は終了した。ズサは後退しろ!」
ヤクトは翼で有り、スタビライザーでも有るウイングシールドを翻し急反転、急降下をしながらビームを回避しつつ手前の1機を落した。
「機動性が違う!」
もう1機の攻撃をスラスターを吹かして加速しつつ旋回して後ろに回ると、ネモのバックパックを蹴り飛ばし、姿勢を崩して落ちる所を撃ち抜いた。
その間にも基地の爆発は広がり、ミサイルの打ち上げも止まっている。
回りを確認すると、協力してくれたジオン地上部隊も撤退を初めていた。
と、その時一際大きな爆発が起こり、基地を守るMS部隊をも呑み込んだ。
爆発から逃れてたGMⅢが撤退する友軍を狙っていた所を上空から狙撃して、ヤクト・ドーガも撤退した。
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集結地点に急ぐジオン残党軍の面々は作戦成功に沸いていた。
数名の戦友を亡くしてしまったが、倍以上の敵を倒し基地も破壊。十数発のミサイルは打ち出されてしまったがあの程度では5thルナは破壊されないだろう。
10年以上共に戦った戦友の死に涙しながらもこの勝利に歓喜の声を上げた。先に空に帰った戦友に聞こえる様に。
そんなノイマンのザクに接触して来たのはあのヤクト・ドーガだ。
「こちらネオジオンのカイル中尉です。ご協力感謝します」
接触回線で通信してくる。
「こちらこそ助かりました中尉。それとこちらの方が階級は下なので敬語は不要です」
「いえ、皆さんに比べれば私は若輩者ですので」
「若輩者か・・・」
ノイマンの胸に過ぎるかつての仲間達。
「何か?」
「いえ、この作戦で平和になってくれればと・・・」
敢えて言葉を濁す。
「連邦の独裁と弾圧もこれまでですよ。総帥が必ず連邦軍を打ち倒してくれます!」
若いな・・・。
「ではまた平和になった宇宙(そら)で会いましょう」
「はい、また」
互いに敬礼をして、機体を離した。
ホバー走行で並走していたヤクト・ドーガはスラスターを噴かして翼を広げると地面スレスレを飛び去るのだった。
「また会える事を楽しみにしているよ、中尉」
ノイマンはせめてあの若者がこの戦争を生き残る事を願わずにはいられなかった。
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