ガンプラオリジナルストーリー 【制作設定小説】 作:LUCIOLE
「ジョン、聞こえるか!?」
「はい、ノイズも無く良好です」
ジョン・カークス軍曹はMSで空を飛ぶ感動に声を微かに震わせながら答えた。
6000・・・6500・・・7000・・・。
アフリカの熱く、青い空を貫く様に1機のMSが上昇を続けていた。
『MS-07H8B』はグフフライトの改装機である。単独飛行能力を有したMSとして一応の完成をみたH8タイプを更に独自改良し、空戦能力をより高めたのがこのグフフライトタイプBである。
その改良機を昨日受領した隊長は早速機体のテストを開始していた。現在は全力での上昇能力のテストを行なっている。
「隊長、グフフライト1万mに到達しました」
「よし、ジョン次だ」
隊長の言葉に対して少し間が開いて答える。
「・・・隊長、本当に大丈夫なんですか?」
先程までとは打って変わって不安気な声。
「マニュアル通りにやればな。もしダメなら脱出しろ」
その言葉に少し安堵した瞬間「が、出来るだけするな!俺の連れが手を回して調達してくれた新型だぞ、お前もテストパイロットならぶっ壊すなよ」と釘を刺された。
「うぐ・・・」と唸ったが、諦めて覚悟を決めた。
テストパイロットに不測の事態は日常茶飯事である。勿論こんなやり取りもだ。が、ジョンは地上で戦闘機を操縦した経験が無い。
上昇テストの時は上だけを見て、自由に空を飛ぶ事に感動していたが重力の有る地球での急降下は別である。
「ではジョン軍曹、『プログラム2』急降下を開始して下さい」
「伍長~」何事も無かった様に指示を出す通信士のクレア伍長の言葉で試験は再開される。
「うう・・・ジョン・カークス急降下試験開始します!」
急降下を開始したグフフライト。高度計は上昇の時とは比べ物にならない速度で回転していく。
6000、5000、4000、3000・・・。
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
突然アラームが鳴り出し、ジョンは慌てる事無く状況を判断して、無理せずゆっくりと機体を持ち上げ水平に戻しながら速度を落とした。
「ジョン軍曹、大丈夫ですか?」
クレア伍長の少し焦った声がヘッドホンに響く。
「オレは大丈夫」と答えるとすかさず「機体はどうだ?」と隊長が聞いて来た。
「少しはオレの心配もして下さいよ~」と泣きつく軍曹に「それは伍長がしたろ」と軽くあしらった。
そして、このやり取りで深刻な事態では無い事も確認している。
「機体にガタが来る前に表面温度が上がり過ぎてアラームが鳴った様です」
「そうか、問題無いならこのまま続けるが、いけるか?」
ビーッ!ビー・・・。止まるアラーム。
「問題無い様です、行けます」
各部のチェックを素早く終えて、続行可能を告げる。
「そうか、ならポイント3でバネッサ伍長がターゲットを設置して待っているから向かってくれ。射撃テストをやるぞ」
「了解です!」
砲撃が好きで得意な軍曹は、喜び勇んでポイント3へと進路を変更した。
「その後はドップとのドッグファイトだ」
「え~・・・」とジョン軍曹は上昇した気分が急降下していった。
最期まで読んでくれてありがとうございます。
次回はミッターナハト・アウルの隊長機です。
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