ガンプラオリジナルストーリー 【制作設定小説】   作:LUCIOLE

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GMエインセル(Ainsel)です。

順番を入れ替えて、少し長く、戦闘シーンのあるこの話を3話に持ってきました。


【挿絵表示】


こちらで、ほかの写真も見れます。
https://gumpla.jp/hg/1157161


第3話 【GMエインセル(Ainsel)】

 ここは嘗て巨万の富を求めて多くの人間が夢を夢想し、散華させ、極一部がその夢を掴んだ幻想と欲望の街ラスンベガス。

 

 荒野を包む暗闇を排除しようと、煌々と照らされたネオンも今は時代に涙して沈黙して、闇をより一層暗くしている気がする。

 

 そんな、嘗ての地上の楽園に1人、尚も静寂を求める女性が居た。

 

 「グランド・ソナーに感無し、エコーロケーションを使います」

 

 彼女の独り言は、ワイヤーで繋がった僚機に伝わっている筈だが返事は無い。そして、それは肯定を意味している。

 

 ピコーーーン!

 

 ピンが打たれ、跳ね返ってくる振動で周囲を確認したが、やはり敵の存在は確認出来なかった。

 

 この場所に陣を引いて2日。この辺りを根城にしているジオン残党の噂を聞いてやって来たのだが・・・。

 

 「ハズレだったかな?」

 

 「さぁな、隊長はどう思います?」

 

 「取り敢えず、朝まで沈黙して待つだけだ」

 

 その言葉にやっぱりな、と2人は項垂れた。

 

 「3時間交代で休憩する。最初はバッツだ」

 

 「こんな時間から寝るのか・・・」

 

 「寝れなくても体は休めておけ」

 

 了解、とバッツは返事をした後は、また沈黙が世界を制した。

 

 聞こえるのは微かな機械音だけ。

 

 隊長は持ち込んだ本でも読んでいるのだろう。ソナーを装備したGMエインセルを駆るアリエルはただ静かに周囲の音を聴いていた。

 

 バッツの番が終わりアリエル、そして最後の隊長と交代して、10分程経った頃だった。

 

 ズン・・・。

 

 遠くの音をグランド・ソナーが捉えた。

 

 一定の間隔で響く重い足音が2つと、車の走行音が3つ。情報通りだ。

 

 「まったく、運の悪い」

 

 うとうとしだしたタイミングで起こされた隊長はヘルメットを被り直しながら、状況を求めた。

 

 「4時の方向、MSが2機と・・・トラックが3台だと思われます」

 

 「500まで近付いたら、行動開始だ。バッツはトラックを押さえろ。俺が後ろ、アリエルは前だ」

 

 (私は雑魚か・・・)

 

 「拗ねるなよ。あとは何時も通りだ油断はするな」

 

 これで、通信は終った。  

 

 (何故、あの隊長は私の考えが分かるのか・・・)

 

 ソナーの音と過去の音紋から、ザクⅡのJ型が2機、普通の軍事用トラックが3台近付いてくる。

 

 先頭のザクが500mまで来た時、バッツのGM改とアリエルのGMエインセルが飛び出した。

 

 MS戦では目の前と言って良い距離からの奇襲で、相手の動揺がモニター越しに伝わってくる。

 

 ドン!

 

 隊長のGMキャノンの砲撃が、後方のザクの上半身を吹き飛ばし、その動揺は恐怖に一変した。

 

 だが、もう遅い。動揺と恐怖で初動の遅れた敵に活路は無かった。

 

 アリエルのエインセルはスラスター全開で飛び出し、ザクが此方に振り向くより早く左腕のビームダガーがザクの手を切り落とし、右腕のビームダガーで、コックピットを貫いてた。

 

 その間、僅か3秒。

 

 今更ながらに逃げ出そうとしている、トラック2台をバッツが牽制し、残り1台の目の前に超硬ブレードを突き刺して逃走を止めたのだった。

 

 「よし、運転手以外のジオン兵を拘束してトラックに乗せろ。そのまま近くの基地まで連行する」

 

 隊長がそう指示を出した時、爆発が起こった。

 

 「隊長!?」

 

 隊長のGMキャノンが左腕を吹き飛ばされ倒れていく。

 

 「大丈夫だ!攻撃は何処からだ!?」

 

 アリエルは発射角から、遠くの空を見上げた。そこにバーナーの青白い炎が見ええる。   

 

 バッツは目を細めてモニターを睨みつけた。

 

 「ドダイです、上に載ってるのはグフか?」

 

 バッツは隊長がやられて熱くなっている。

 

 「1機だけか!?」

 

 隊長はGMキャノンを動かすがどうにも動きが悪い。

 

 「くそっ!?俺の機体はまともに動けない、アリエル先行しろ、バッツはバックアップだ!」

 

 「「了解!」」

 

 「俺は精々、射線に入ったら撃つくらいしか出来ない。頼んだぞ」

 

 隊長は相手にまだ動ける事を悟られない様に姿勢を少しづつ動かした。

 

 

 ドダイの上からマシンガンを撃つグフにマシンガンで応戦するアリエル、その後ろから同じ様にマシンガンの射線が見えた。

 

 アリエルの射撃を躱す為に軌道を変えたその先に攻撃をされ、急旋回をしたドダイからバランスを崩したグフが落下した。

 

 「よし!」

 

 そう叫んだバッツだったが、逆さまに落下したグフはそのままの姿勢でバッツのGMの右腕と頭部を撃ち抜いたのだった。

 

 「バッツ!?」

 

 グフはドダイから落ちる様な間抜けではなかった。そう見せかけたのだ。

 

 「大丈夫だ!其れより気を付けろ!奴は強い!」

 

 「分かってる!そして、後であんたを殴ってやる!」

 

 「なんでだよ!」

 

 「アレの何処がグフよ!あれはイフリートよ!」

 

 だが、アリエルは恐れてはいなかった。それどころか地上に落した事で自分に有利になったとさえ思っていた。

 

 GMエインセル。地上戦専用に作られた幻のガンダムと同じコンセプトで作られた機体だ。地上での高速戦闘に特化しているこの機体で、旧式の機体に負ける気は無かった。

 

 ただ、相手も改良を施しているかもしれない。しかもベースとなっているのは此方も幻の機体、イフリートだ。交戦記録の少ない、向こうも地上戦の専用機。油断は出来ない。

 

 アリエルは各所のスラスターを使って、右に左にとステップを踏む様に機体を動かし建物を盾にしつつ間をすり抜け、マシンガンを連射させる。

 

 向こうは向こうで同じく建物を盾に大きく円を描く様に回避してアリエルの右側後ろを取る様に移動しながらマシンガンを撃ってきた。  

 

 「いやらしい!」

 

 アリエルは突然右後ろに機体を捻ると大通りをフルブーストでイフリートに迫る!

 

 マシンガンをイフリートに投げ付け、左手で超硬ブレードを抜いた。

 

 投げ付けられたマシンガンをヒートサーベルで薙ぎ払う!その先にGMエインセルが肉薄する!

 

 「速い!?」

 

 イフリートのパイロットの経験測を遥かに上回る速度でエインセルが迫り、擦れ違い様に超硬ブレードを薙ぎ払った!

 

 辛うじて反応し、コンマ何秒の差でどうにか致命傷を回避したイフリートは切り裂かれた脇から異音を立てながら全開で距離を取りつつ、後方のエインセルにミサイルをばら撒き、マシンガンを乱射した。

 

 それは、エインセルにダメージを与える物ではなく、近づけさせない為の弾幕でしかなかったが、其れすらも無意味だった。

 

 エインセルはヘッドバルカンでミサイルを撃ち落し、その爆煙をも利用してまたビルの陰に入り、他のミサイルを回避しつつイフリートに肉薄する。

 

 高速移動中、ビルとビルの隙間から超硬ブレードを投げ付け、マシンガンを破壊するとその爆発で怯んだイフリートを背中から引き抜いた2振りのビームダガーで斬り付け、その場から急速離脱した。

 

 ギギギ、と錆び付いた機械の様な動きで振り返ろうとしたイフリートが爆散して戦闘は終った。

 

 「隊長」

 

 アリエルが戦闘終了を告げようとして、通信を繋いだ時頭上で爆発が起こった!

 

 「きゃ!?」

 

 戦闘中とはかけ離れた、かわいい声がレシーバーをくすぐる。

 

 「気を付けろ」

 

 呆れた様な隊長の声がして、顔を赤くしてアリエルは落ちていくドダイを見た。

 

 悲鳴を上げたのは、失敗したが赤面した顔を見られていないのは不幸中の幸いだと言い聞かせ、アリエルは自分の頬を叩いた。

 

 エインセルとイフリートの動きに着いて行けず、何も出来なかったバッツと違い、隊長は碌に動けないGMキャノンで、イフリートを倒して動きを止めていたエインセルを狙ったドダイを撃ち墜したのだ。  

 

 「アリエル、周辺警戒!ソナーとエコーを使え!」

 

 「バッツ!こっちに来い」

 

 隊長は壊れたGMキャノンをバッツに担がせると、自身はジオンのトラックに乗って運転を始めたのだった。

 




最期まで読んでくれてありがとうございます。

こんな感じで、短いお話を書いてます。



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作者が喜びます。拡散も勿論喜びます。

よろしくお願いします。


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