ガンプラオリジナルストーリー 【制作設定小説】 作:LUCIOLE
乾燥と灼熱の大地アフリカ砂漠。この大地にも人々は糧を求めて足を踏み入れ開拓をしていた。
宇宙に拠点を置くコロニー国家ジオン公国。地球侵攻作戦を行なった理由の1つは地球連邦軍の本拠地を叩く事。そして資源の調達である。
このアフリカ戦線では勢力圏の拡大と資源奪い合いが常に行なわれていた。
そんな砂漠の戦場に今、3体の巨人が永遠と思える砂の大地に影を落す。
「少尉!新型の乗り心地はどうでありますか?」
左後方を歩くデザート・ザクのパイロットがなんの変わり映えの無い風景に遂に我慢ならず、そんな軽口を吐いた。
「軍曹、貴様分って言っているだろう?」
先頭を行く新型機。正確には試作1号機のデザート・グフのパイロット、グライム少尉が苦い顔をして見えない軍曹の顔を睨む。
戦闘中に高速で動いてる分には気にならないのだが、こうやって他のMSに合わせて低速で走ってるとその振動は決して快適なものではなかった。
こっそり厚手のクッションを尻に敷いてるのだがまだ足りない。
(ここの改善は最初に言ってたのだがな・・・)
試作型砂漠用MS、MS-07D『デザート・グフ』
まだ仮称のこのMSの実戦テストの為、デザート・ザクを2機従えてグライム少尉はこのMSの脹脛に追加されたキャタピラユニットからの振動に耐えていた。
「少尉、そろそろ作戦ポイントです」
もう1人の伍長がモニターに表示された地点に近付いたことを知らせた。
「ああ、」
周りを見回して、グライムは指示を出す。
「よし、ではここに潜伏して敵を待つ。潜伏後は通信は切れ」
「「了解!」」
デザート・グフはキャタピラユニットから下りるとそのユニットを地面に突き刺した。
そのままキャタピラを回転させて地面の砂を掘り始める。さらに脚部スラスターを使って砂を吹き飛ばして徐々にデザート・グフは砂の中に消えていった。
デザート・ザクもスラスター等を使って潜っていくが、グフより時間が掛かっている。
完全に砂の中に潜ったデザート・グフは頭部に装備したグランド・ソナーをONにして、静かにその時を待った。
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同時刻:キャルフォルニアベース
「大尉、どうかされたのですか?」
ジオン公国の地球前線基地、キャルフォルニアベースの第三兵器開発部、第三課を預かる技術大尉は複雑な表情で1枚の指令書を見ていた。
「ん?いやなに、やっと完成したと思ったのにお蔵入りとはなんとも言えんでな」
机の上に放り出された書類を見た秘書がその内容を見て少し悲しそうに表情を曇らせた。
「上の指示ですから仕方ありません。本国で完成した・・・ドムでしたか?」
「ああ、陸戦MSとしては画期的だな。」
熱核ジェットホバーを装備した重MSドムが次期量産型MSとして決定した事により、キャタピラで走るデザート・グフの開発凍結が決定したのだ。
「全く、ツィマッドの執念を感じるね」
「何処が作ろうが、良い物が出来れば良いではないですか。それだけ戦死者が減って、戦争も早く終る訳ですし・・・」
「それだけ沢山、相手が死ぬんだがな・・・」
「・・・」
更に顔色を曇らせ顔を背けた秘書の態度にハッとなった。
「すまない・・・そんなつもりは無かったのだが・・・」
「いえ、私も軍事に関わってる以上理解はしてますから・・・」
主任室に沈黙が流れる。
「所で大尉、この事はグライム少尉や開発主任には?」
今度は大尉が複雑な顔をして天井を見上げて「それもまた気の重い話だよ・・・」と嘆いた。
温くなったコーヒーを飲み干すと大尉は立ち上がり背伸びをする。
「大尉どちらへ?」
「嫌な事はさっさと済ませてくるよ」
そう言いながら軍帽を被ると擦れ違い様に秘書の御尻を叩いた。
「きゃっ!?」
持っていたファイルで御尻を隠し、恥ずかしそうに大尉を睨む。
「大尉、一体何を・・・」
「お前もそんな顔をするくらいならさっさと男でも見付けて軍人なんて辞めてしまえ!」
セクハラ発言にキツイ表情をしたが大尉は意に介せず「若い娘が戦争なんてするもんじゃない」と呟いて部屋を後にした。
1人残された秘書官は頬を紅くしながら「馬鹿親父・・・」と口にするのだった。
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北アフリカ
待つ事、小一時間。
デザート・グフの振動センサーに反応が有った。モニターに赤いマーカーが2つ表示される。
「第13地上機動歩兵師団だったか?良い仕事をする」
2つのマーカーは真っ直ぐこちらへと近付く。残り約1㎞、500m、100m・・・。
マーカーがほぼ真上に来た時グライムは攻撃を仕掛けた。
突然盛り上がる地面、その砂の中から飛び出した何かが目の前のGMの持つビームスプレーガンを叩き落した。
驚くGMのパイロット、見ればMSの右手が切断されている。更にもう一度伸びてきたそれが左腕に巻きついた。
「ヒートロッドか!?」
機体を下げ、引き千切ろうともがくGM。
「改良されたヒートロッドは優秀だな!」
グライムはヒートロッドに電流を流して、動きを止め、左腕に装備されたヒートサーベルを1段階展開して切り裂いた。
「グフか!?」
もう1機のGMが爆発して巻き上がった砂目掛けて銃を撃ちながら後ろへとジャンプして回避行動をとる。
手応えを感じず苛立ちが跳ね上がる。
敵部隊から逃げた先に得体の知らないMSと遭遇して最後の僚機がやられたのだ。
「くそったれが!」
叫んだ時、爆発の左側から砂煙を上げて砂漠迷彩のグフが滑り出て来た。
まるでスケートでも履いてる様に、足を揃えたまま砂上を滑るグフ。
GMの着地を狙ってマシンガンを放つ!
シールドで防ぐが機動力が違いすぎた。
一気に距離を詰めたグフが目の前に迫る、ヘッドバルカンとビームスプレーガンで応戦するがまるで当たらない。
「機動力が違う!」
右へ左へと躱しながら迫るグフ。擦れ違い様にヒートサーベルを薙ぎ払ったがこれはギリギリ躱された。
「な!?」
なんとか回避したが喜ぶ暇は一瞬も無かった。GMの腕にヒートロッドが巻き付いていたのだ。
「これで終わりだ!」
ヒートロッドを引いてGMの体勢が崩れた所にヒートサーベルで斬り掛かる!
「くそ!」
GMのパイロットは機体を捻って紙一重で回避した。
(躱した!)と思った刹那、機体に衝撃が走りGMの胴体は逆袈裟で斬られていた。
グライムはヒートサーベルをもう一段階伸ばしVの字を書く様に振り下ろした剣を斬り上げたのだ。
巻き付けていたヒートロッドを解いて、後方に大きくジャンプして距離を取った所でGMは大爆発を起こした。
「やりましたね、少尉!」
「お見事です」
グフから遅れて砂中から出て来て周囲を警戒していた2機のデザート・ザクが近寄って賛辞を送る。
「ありがとう。これでこいつの量産も近いな」
「自分にも配備されるのが楽しみです」
「その時迄に乗り心地が改善されるのを祈ってますよ」
「そこはしっかり上に伝えておくさ」
無事生き残り、テストも終了した3人は、GMを追い立てた『第13地上機動歩兵師団』と合流後、帰路に着いた。
この後、デザート・グフの開発凍結を聞いたグライムはそのままアフリカ戦線に残り、受領したデザート・グフで多くの戦果を上げ無事1年戦争を生き抜いたのだった。
最期まで読んでくれてありがとうございます。
こんな感じで、短いお話を書いてます。
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