ガンプラオリジナルストーリー 【制作設定小説】 作:LUCIOLE
そこはジオン地上軍のアフリカ戦線の基地の1つだった。
中規模の鉱山基地でMS2個小隊と戦車中隊からなっている。
採掘の為に刳り貫いた岩山の中に基地を作り自然の要塞と化していた。勿論採掘はジオンの手で続けられ、資源の少ないジオン本国へと送られている。
そんな基地の外の施設へと呼び出しを受けたMSパイロット、ヴァイス曹長の気分は落ち込んでいた。
前の戦闘で初めてザクキャノンで出撃したものの、行き成り片足を破壊され、大切なMSを中破させてしまったのだ。本人も左腕を負傷し、2日間の安静の後、全治2週間を言い渡されたのだ。
そして、2日間の病室生活が開けた今日、MS整備班長から早速呼び出しを受け指定された場所へとやって来た。
MSハンガーを抜け基地の外側へと重い足を動かす。唯一配備された最新のザクキャノンを砲撃の腕を見込まれて任されたのに、この体たらくである。基地司令や整備班長の心中は想像もしたくなかった。
そうこうしている内にも歩は進み、短い滑走路のわきにその異様な物体が姿を現した。
その姿に、驚いたヴァイス曹長はその物体の側で大声で指示を出している整備班長に声を掛けた。
「おやっさん、あれ!?あれは何なんだよ・・・」
「ああ?・・・あれって、あれはザクタンクだろ」
「ザクタンクって、上半身は俺のキャノンじゃないか」
「おう、お前が完治する頃には改造も終わってるだろうよ」
「改造って・・・」
折角の新型MSが、戦車モドキになった様を見てなんとも情け無い表情になるヴァイス。
「じゃあ頼んだぜ」
「え!?何がだよ?」
「何がって、お前が乗るんだよ。司令官にそう言われて来たんだろ?」
「ここに行けって言われただけで・・・、そもそも俺は・・・」と三角巾に吊られた左腕を見る。
「んなこた~知ってるよ。完治したらって話だ」
「それにMSには・・・」
「それも知ってる。お前さんMSだと滅茶苦茶酔うんだってな。マゼラアタックでの戦果が認められて折角与えられたザクキャノンを初陣で行き成り左足を大破させやがって」
ぐ・・・その迫力にたじろぐヴァイス。何か言い返そうとしたが何も言い返せず、自分の情けなさに項垂れてしまう。
宇宙での訓練ではそこそこの数値を出していた。特に射撃の精度は良く、地球に下りてからは戦車の砲手としてかなりのスコアを叩き出していた。マゼラアタックを与えられてからは尚更だった。
そして、やっと追加配備されたMSのパイロットに選ばれた初戦でヴァイスはMSの歩行に酔った。戦車をどれだけ走り回しても平気だったのに・・・。
そして、その隙を突かれてMSの弱点である足を破壊されたのだ。
宇宙なら兎も角、こと地上に於いては足は生命線である。胴体の様に爆発、大破とはならないが自力で動く事が出来ない。更に最高機密であるMSを放置する事も出来ず、その大きさと重さで回収する為にまたMSが必要となる始末である。当然回収作業中に敵に襲われたら堪った物ではない。
自分はそれだけの損害を出し、仲間に危険を強いたのだ。しかも自分はその間病室でのうのうと寝ていたのである。悔しさで泣きたくなり、負傷した左手を握り閉めた。
そんなヴァイスの右肩を班長はバン!と叩いた。
「だがこいつを見ろ!こいつの足回りは戦車だ!無限軌道だ!キャタピラだ!」
その言葉にヴァイスはハッとなって、班長の顔を見た。
「班長・・・」
「まぁ、単に新型のザクキャノンの交換パーツが無かっただけとも言うがな!はーはっはっはっはっ!」と、笑いながらまたヴァイスの肩を叩いた。
「それにな、足をやられた状態で戦車4両、戦闘機3機、MS1機を落としたお前の射撃の技量を隊長も高く買っての事だ。でなきゃ司令官もこんな改造許可しないって」
ぐっと親指を立てて、にっと笑う班長。
「そうか・・・隊長、司令官・・・」
皆の心遣いに目頭が厚くなるヴァイスに「完治する迄にはこいつも完成しているさ。まぁ、其れまでは基地内全てのトイレ掃除と資料整理だそうだし、がんばれや♪」
と、最後に思いっきり背中を叩かれ、渇いた大地にヴァイスの悲鳴が響いた。
最期まで読んでくれてありがとうございます。
ザクキャノン・タンクは三話構成です。
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