IS~蒼の天使と紅の騎士外伝「ミーアの物語」 作:武御雷参型
コロッセオの中にネオが駆るアカツキが降り立つ。
『大丈夫か、坊主ども』
「遅いです。ムウさん」
コックピット内でネオは、また名前を間違えられたと思ったが、事態は悠長なことをしていられる状況ではないとネオは理解し、訂正することなくアカツキを操作してラクスたちを迎え入れる準備をしていた。
『ほら、お姫様』
ラクスがアカツキの掌に乗ると、キラがミーアの方を振り返る。
「さぁ、君も」
キラに差し出された手を、ミーアは一瞬取ろうとしたが躊躇ってしまう。本当に自分までも一緒に行っても良いのだろうかと。自問自答しているとき陰で動く姿が目に映った。
自分の付き人だったサラが銃をラクスに向けていたのである。ミーアは躊躇いもなくラクスに向かった。
「危ない‼︎」
その瞬間、銃声が鳴り響いた。
ミーアは身を挺してラクスを守ったのである。だが、代償として己の命と引き換えに。
「ミーアさん! ミーアさん!」
自分が憧れていたラクスの命を守ることが出来たミーアは満足をしていた。だからこそ、ラクス達に本当の自分を見せようと、ポシェットの中から整形する前の自分の写真を取り出し、ラクスに渡した。
「アタシ……アタシの歌……命………どうか、忘れない………で」
「明るい、優しいお顔ですわ。これがあなた?」
ラクスの問いかけに、ミーアは頷いた。
「ミーア‼︎」
恋焦がれていたアスランが側によると、ミーアは顔をアスランの方へと向ける。
「もっと……ちゃんと……お会いしたかった……みんな………」
ミーアはもっと早くラクス達と会って、こんな形ではない出会い方をしたかったと思うと、涙が溢れ出した。そして、ミーアはもう一度、ラクスの方へと顔を向ける。これだけはちゃんと言わないといけないと思ったから。
「ごめん………なさい………」
ミーアはその言葉を最後に事切れてしまった。もう、自分は満足だ。憧れのラクスやアスランに出会えた。本当であれば、出会うことのない、混じることも決してないような体験をさせてもらった。
「ここ………は………」
ミーアが目を覚ましたのは、色鮮やかな空間だった。すると、光の粒が集まって一人の少女の姿が浮かび上がった。
「私……ステラ。貴女に新しい命を渡しに来たの」
「どういうこと……ですか………?」
ミーアは理解が出来なかった。この少女は誰なのか。そして、新しい命とはなんなのか。
「貴女は希望の光。あっちの世界でも会えるよ。きっと」
「どういうことですか?」
「心配しないで、きっと、きっと出会えるから」
その言葉を最後にステラという少女は、光の粒となって消え去った。それと同時に、眩い光がミーアを包み込んだのである。
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