虹の男と星の娘   作:丸亀導師

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今話の時間はだいたい2013年くらいです。


第十二話

「皆〜コンッニッチわ〜、」

 

「いつも応援ありがとう〜」

 

「今日は、私達の初の野外ライブ」

 

「皆で盛り上がっていこ〜」

 

オォーっと言う声が聴こえる。野外ライブ、天気は上場で晴天。秋だからか、非常に過ごしやすい。

結局俺が造ったハロは、まあ色々あって髪飾りとして彼女達を彩っている。

 

じゃあ、造った本体はといえば。彼女達一人一人がペットが飼えないからという理由で、家や職場に持ち込んでいる。

内部機構に関しては、俺が特許出願をして日本を始めとした36カ国に既に、打診してあるから万が一でも盗まれて勝手に売られないようにしている。

 

皆のライブへの熱もかなり上がってきていて、最近ではネット上での彼女達の評判はかなりのものになっている。

たった半年でここまで行ったのだ、凄いことだよ。

もっともまだまだ劇場のような数千単位の場所ですら出来ていないのだが、それはおいおい付いてくるだろう。

 

ライブをこうして見ることが出来るのも、今年はこれで最後だろう。俺の仕事も年末に向けて、加速し始めている。

恐らく科学特番が大きく影響を及ぼしているのは、確実だろう。

 

あの、つまらないクイズ番組ではなくもっとお硬い、そうだなこの国での連邦の国営放送みたいなテレビ局、そこで対談をしてほしいとの七帝大側からオファーがあったと。

社長から聞いた時は何の話かと思ったが、どうやらオフレコから拡がったそうだ。

 

特に年末はそのせいで事務所にいられないのが、辛いところだな。俺が売れているっていう証拠でもあるわけだし。そこは、複雑だ。

 

彼女達のサポートをしながら、自分の仕事を淡々と片付ける日々は実に充実している。

が、少し物足りない。こういう仕事をしていると、刺激を求めている自分がいることに気が付く。

歳を重ねるごとに、それが強烈に感じ始めているから俺はきっとおかしい?いや、適当な言葉が思いつかない。

 

っと、どうやらライブは好調のまま終幕したようだ。

 

「さて、お仕事と行きますか。」

 

B小町の面々に握手をしに来るファンたち。その中には、得体のしれないものを持ってくる奴等が、必ずいる。

俺は、彼らから見えない位置に陣どりそんな存在がいないか目を見張る。

 

『アイにこれ渡したら喜ぶかな?』

 

本当に平和な時代だ、呑気なものだ。腐ってしまいそうだ。

だが、彼女達のように自分のやりたいように生きるということが、そういう当たり前こそが普通なのだと否定したくはない。

見知った気配を感じた方を向けば

 

「神木ヒカル?こんなところで何をしている?」

 

アイ達のライブに見惚れていたのか、彼女達の方をじっと見つめ続けている。あれじゃ不審者だな、一応声でも掛けておくか?

 

「久しぶり、確か神木ヒカル君だったかな?B小町のライブに来てくれたんだね?」

 

「あ、安室さん?ですか?どうしてここに?」

 

心にもないことを、また一段とドス黒くなったものだな。前にあったときよりも遥かに、何かに意味を見出した?

 

「言ってしまえば、彼女達の保護者替わりだよ。流石に中学生だけでここに来るわけにも行かないし、誰か会社の上のやつがいた方が色々と融通が効くからね。」  

 

「へぇ、アムロさんは皆が心配なんですね。もしものことが無いように?わかりました、では僕はこれで失礼します。」

 

嘘じゃないが、本当の疑問を言っているのが嫌に不気味だな。

 

「君は握手会に行かなくても?」

 

「僕には、まだ早いですからね。フフ」

 

 

〜sideアイ〜

 

「えぇー、アムロ年末仕事行っちゃうの?加藤さん、アムロの仕事キャンセルしてよ〜。」

 

「だから!俺の名前は斎藤だ!ったく、無理無理。一介の事務所が天下のN○K様のお言葉を断るなんて、それこそ何処からの仕事もなくなるわ。」

 

む~、チラッとアムロを横目で見ると私から目をそらした、なんでよ。年末は一緒に炬燵で蕎麦食べようって約束したじゃん、なんでキャンセルしてくれないの?

 

「なんと詫びれば良いかな、年末に忙しいからなんとか年始は、休日が取れたから。それで勘弁してくれないか?何処か行きたいところとか、あれば一緒に行くし。」

 

「私もさ、ウィンターアイドルフェス?っていうのがあって12月ちょっと忙しいけど、年末のそれを楽しみにしてたのに。」

 

残念がって見せるだけじゃ駄目だ、アムロは優しいから押して押して押すー!そうすれば絶対に折れてくれる!そうじゃなきゃ、約束守ってくれるって言ったから。

 

「アイさー、安室さんそんなに困らせちゃ駄目だっての。良い?この事務所で売れてるのなんて、何人もいないでしょ?その中でも大黒柱になってくれてるんだから、ありがたく思わないと。」

 

「だってニノちゃん!約束したのにそれを守ってくれないんだよ!私だってそりゃ邪魔したくないけどさ、嫌だもん。」

 

ナベちゃんも、ミネちゃんも言ってやってよ!

 

「う~ん、残念なんだけど私はもう買収されちゃってるから、ちょっと無理かな〜。水焼き本焼き包丁貰っちゃったから、これで美味しいものいっぱい創れるから、ハハ。」

 

「私もさ、冬用の服。考えたのを採用してくれたから、ちょっと協力出来ないかなぁ」

 

既に買収されている、嘘。私の味方は?こういうのって外堀を埋めるっとか言う。賀東さん助けて!

 

「いつも名前呼ばれてないし、何より嶺にはお前を甘やかすなって言われてるからな。」

 

くっ、こんな時は私の持ち得る権力を使って!ミヤコさん!

 

「私もちょっと言う事聞けないですね、社長命令ですし。」

 

スタッフの皆!

 

{無理です。はい。}

 

「う、うわ~ん皆が私を虐めるよ〜。」チラッ

 

冷めた目で見られてる。なんなのかな。

 

「ちぇっー。解ったよ、じゃあアムロ交換条件。私との約束破ったから、ペナルティー!」

 

「何だい?僕が出来ることなら何でもするよ?」

 

良いよね?アムロが悪いんだから。そうだなぁ、家族になるっていうのは前したからね、じゃあもっと現実的に。

 

「お詫びに、私とキスして?」

 

今の私に出来る、ファンの皆に見せる嘘の笑顔じゃない、全力の笑顔でそういった。

 

「あぁ、解った。」

 

「いや待てよ、嶺。お前来年成人だぞ!何より、所属タレントどうしでそういう事以前にだ、六年も歳下の相手にそんな事したら。」

 

スッゴイ血相描いて加藤さんが、鬼の形相だ。

 

「大丈夫。それ以上は進まないようにするから。」

 

「そういう事じゃなくてだな、まったく。家のタレントはこんなのばっかか?」

 

「まぁまぁ、良いじゃないですか。ここにいる人達の、秘密って事で。」

 

「社長、俺なんかに構っているよりも。早いとこミヤコさんとの結婚したほうが良いんじゃないか?もう40も目前だろ?」

 

空気が、一気に冷えた気がした。

 

「なんで知ってんだ。」

 

「俺に嘘は通じないって昔良く言っただろ?」

 

私も大概壊れてるんだろなぁって自覚あるけど、こういう事ズケズケいえる程壊れてはないと思うなぁ。

 

「年末の仕事が終わったら早速キスしてね!ア・ム・ロ」

 

もしかしたら、ニノちゃんも狙ってるかもしれないから。こうやってマーキングしとかないとね!

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