虹の男と星の娘   作:丸亀導師

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第二十話

〜sideアイ〜

私の初めてから幾日もの日々が流れた。私とアムロは、休日が来ればお互いを求めあった。

皆からは私が少し変わったように見られた、昔の人が歌った歌で、大人の階段を登るという物があるけれど、きっとこれがそういうことなんだってそう思う。

 

私は今日もライブに行く、最近だと集客人数が多くなりすぎてライブハウスじゃ物足りないかと、野外ライブも多くなってきた。

移動時間とかそんなのがあって、休日もゆっくりできないし平日だってそうだ。

 

私は高校に進学しなかったけど、皆はきちんと高校に行ってる。私には、そんな余裕もないしそれに。私にはアムロがいるから、もうこれ以上望むものなんて、子供位なものなんだなぁってそう思うんだ。

 

今日もステージに立とうと、歩き出した時不意に立ち眩みがした。

 

「ちょっとちょっと、アイ大丈夫?貧血なんてアンタらしくもない、今朝ちゃんと食べてきたんでしょうね。」

 

「えへへ、いや〜ちゃんと食べてきたけど、なんかちょっと気持ち悪いなぁ〜なんてね。テヘッ」

 

皆忙しいのに、私の事心配してくれるんだって幸せだなぁ〜。

 

「ね、無理しちゃ駄目だからね?今日くらい休んでも良いんだよ?ライブならさ私達だけでも出来るから。」

 

「でも、センターがいなきゃスッゴイ違和感あると思うんだ〜、それにファンの人達も心配しちゃうだろうしさ〜、だから大丈夫だよ?」

 

「そうやって自分の身体を大切にしないやつは、過労死しちゃうぞ?それと、最近トイレで戻してたでしょ、病院で診てもらったほうが良いよ?医者志望の私がいうんだからさ。」

 

そうなんだけどさぁ、なんか気が引けるというかね何故か皆と離れたくないような、そんな気がする。

 

「とりあえず、今日はライブするから。明日病院に行ってみるね。」

 

「あんま無理すんなよ?」

 

アハハ…皆に心配掛けちゃったなぁ。

でも、なんなんだろうなぁ。この気持ち悪いの、何か悪いものでも食べちゃったのかなぁ?

 

 

……

 

ただいま〜っていないか。そうだよねぇ〜アムロがいるわけ無いじゃん。

 

「おかえり、こんなに早くどうしたんだい?」

 

え?

ふと顔をあげると、アムロがいた。なんでいるんだろ〜、私今日は帰ってこないって聞いてたんだけどなぁ〜

 

「アムロもおかえり〜、京都の方に行ってたんじゃないの?お仕事は?」

 

「それなんだが、映画の原作者が逮捕されて見事にお流れになった。駅に到着したら連絡が入ってね、行ってまた帰ってきたってところだよ。君こそどうしたんだい?何処か具合でも悪いのかい?」

 

どうせ、解っちゃうから正直に言お〜

 

「ちょっとね、最近貧血とか吐き気があってさ〜それで病院行けって言われちゃったんだよね〜。それに、苦手なものが美味しいんだ〜」

 

「それは…そうか。少し薬局に行ってくる、君の症状に心当たりがあるからね。」

 

スッゴイ、やっぱ頭のいいお婿さんってステキ☆、薬局の薬で治るんだったらキシちゃんの心配しすぎ〜。

 

さ〜て、アムロが帰ってくるまでに〜ちょッ〜とご飯を作りましょ〜。今日はアムロもいるから、な〜に作ろうかな〜。

あんまり甘いものは食べたくないし〜

 

そうだ、牡蠣の寄せ鍋にしよ〜っと。

ちょうど水菜もかってあるし、白菜と人参はあるけどキノコがないな〜、アムロに買ってきてもらお〜

 

「もしもしアムロ〜、ちょっとねついでに買ってきてほしいものがあるんだけど良い?ごめんね〜

それでさ、シメジとエノキ。後、鶏もも肉のつみれもお願い。」

 

ふふふ、ちょっとアレだったけど。お出汁の取り方も様になってきたし、私も結構お嫁さん出来てるかな?

デザートはう~ん、酸っぱいのが良いかぁ。

良し、準備完了したからちょっとシャワー浴びてこよ〜。

 

にしても、

「外行くときのアムロの顔、あんな険しい顔見たこと無いなぁ」

あの夢の続きを見てるみたい、あの人殺しを厭わないような

殺気?のある目。あの世界の目になって欲しくないなぁ、アムロには幸せになって欲しいなぁ。

 

「うん、私がアムロを幸せにすれば良いんだよね!」

 

よ〜し、頑張るぞ〜…うぇっ、本当これなんなんだろう。

 

 

 

 

〜sideアムロ〜

 

彼女を護らなければならない、そう決意するにはやつの存在は充分だった。

あの存在は、俺のせいで世界がおかしな方向に進んでいると言っていた。俺最も大きい影響、ミノフスキー粒子のことか?それとも全く違う、機械工学部門か。

定期的な論文の発表と査読を繰り返し、俺はもう後戻り出来ないところまできている。

 

ヤツからの接触はあの後、まったくと言っていいほどに無い。己の手の内を明かしたくないのか、それとも俺と接触せずとも俺を監視出来るのか。

 

殺気を意識して探すなんていつ以来だろうな、パパラッチ連中のような生ぬるいものじゃない、あの時のヤツからは戦場の殺し殺される者達の感触があった。

この20年で鈍ったこの感覚を、取り戻さなきゃならないか。トレーニングするなら、何処が良いか?悩ましいな。

 

「ただいま、頼まれたもの買ってきたよ。」

 

「ありがとう〜。」

 

また、すごい格好だな。下着にエプロンか、俺を誘っているのか?

 

「厶、な〜に〜?すごい格好とか思ってるでしょ、フフそうで〜す。誘ってます☆!」

 

「今日はお預けだよ、ちょっと良いかな?」

 

そんな残念そうな顔をしても駄目だ、チャーミングだけど今日は駄目だ。

ご飯を食べながら話すのが良いだろうか?

 

 

……

 

 

「美味しかったよ。」

 

二人で片付けをして一緒にソファーに座る。

 

「さて、君の病気なんだけどね。これ何か解るかな?」

 

「見たこと無い、にんしん検査薬?妊娠検査薬!えっ、この症状が悪阻とかいうやつなの?」

 

義務教育の敗北?か、解るわけ無いよな、経験したことがあるわけでもない。俺も何となく、彼女の胎内に命の輝きがあるように見えるだけだからな。

 

「それを確かめるためのものだよ。」

 

「ふーん、ねえ。アムロ、私に隠してること無い?それ教えてくれたら、使ってあげる。」

 

卑怯だな。

 

「例えば?どんな事だ?」

 

「そうだな〜、何か事件とかに巻き込まれてるんじゃないの?

だってさ、アムロすごい険しい顔してるもん。私、そんな顔見たこと無いから。」

 

ふと言われて初めて顔を気にした、眉間に触れると確かに力が加わっている。だが、それ程までにわかるものか?

 

「ず〜と貴方を見てきたからわかるよ。ねぇ、私には言えないことなの?私が力不足だから?そんなに信用ない?それとも、私の事の嫌い?」

 

潤んだ瞳で俺を見る、辞めてくれそんな目をしないでくれよ。

 

「いや、寧ろ君が、君達が大切だから言えないんだ。危険過ぎる。」

 

「それってさ、警察でもだめなの?」

 

「駄目さ、アレに特定の身体があるとは限らない。俺は、始めてだよ。こんなにも喪うことを恐れたのは。」

 

彼女が俺の頭に手を伸ばし頭を包む。

 

「私ね、良く夢に見る人がいてね?その人さ、誰よりも強くて、勇敢で優しい人でね。

どんなに傷付いても前に進んでいっちゃう、そんな人なんだけど。

見たことない顔なんだけど、それでも他人に見えなくて、なんかその人を見てるとさ、その人が本当のアムロなんじゃないかなって。

そう思えるようになったんだ。

ねぇ、アムロはさずっとそれを隠してたんだよね?一人で抱え込んで、孤独ででも大丈夫私は貴方の事を知ってるから。

だから、話してほしいんだ本当の貴方のこと。」

 

俺の顔を開放して、彼女は徐ろに立つ

 

「馬鹿みたいな話だよね?忘れて。

さってっと、じゃあ検査してみるね〜」

 

「いや、信じるよ。寧ろ、ありがとう。本当の俺の話をしてくれて。」

 

彼女の目には少し動揺が見られる、信じたくはなかったのかもな。

 

「俺は、今から何年後かは解らないが、人類が宇宙に住み始めて50年以上経った後の世界から来た。」

 

「信じたくなかったけど、やっぱりそうなんだね。

じゃあさ、私が検査終わったら話してよ。貴方の過去、それと私達家族の未来の話しをさ。」

 

彼女には適わないな。

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