虹の男と星の娘   作:丸亀導師

23 / 123
第二十三話

〜sideアイ〜

 

ふふ〜ん、可愛いなぁ。私の赤ちゃん

 

「ほ〜ら高い高〜い。」

きゃっきゃって愛久愛海は本当に高い高いが好きなんだなぁ、あぁ瑠美衣が泣き出しちゃった。えっと何が欲しいのなぁ

 

「瑠美衣、お腹空いたのかな?ほ〜らママのおっぱいでちゅよ〜。」

 

あぁ、幸せ。こんな日が永遠と続けば良いのになぁ〜。

でも、そんな日々が永遠に続くわけもなくピンポーンという音がが鳴り響き、彼がやって来た。

 

「あっ佐藤さん、どうしたの?」

 

「あ?あぁ、後一週間もすれば復帰の予定だからな、練習はしてると思うがB小町の皆から、合同練習のお誘いだ。」

 

皆〜私の事忘れてなかったんだ〜。病院にいた頃は、誰も観に来てくれなかったし忘れられちゃったのかと思ったよ〜。

 

「そう言えば、安室どうした。」

 

「何言ってんの?まさかもう呆けが始まっちゃったの!?アムロ社長と仕事の話があるから出掛けてくるって、そう言って出掛けていったけど。」

 

え?解んない顔してるけど、本当に?私に隠してどこに行ってるの?どうしたんだろう、

あぁ今度は愛久愛海が泣き出しちゃった、あオシメか。

 

「今取り替えるから、待っててくだちゃいね〜。」

 

「すっかり母親気分かよ」

 

む、ちょっと今の発言は頭にくるなぁ〜

 

「未だにミヤコさんを幸せにできない男に、言われたく無いよね〜瑠美衣〜」

 

青筋立ててる〜、言い返せなくて悔しいだろうな〜。

 

「ねぇ、ウチの会社のプライベートスタジオにさ一緒に行っても良い?この娘達連れてきたいんだ〜、それで自慢したい!」

 

「駄目に決まってるだろ!良いか?嶺は年相応だし、有名俳優だから、連出しても[やっぱり子供とかいるな]で済むけどな、お前は今絶賛売出し中のアイドルで、尚且つまだ16の餓鬼だぞ?

そんなのがベビーカー押して、スタジオに行ってみろ。俺達は終わりだぞ!?」

 

そんな事は解ってるけどさ〜、皆には私がいない間のB小町を支えてくれたっていう、恩もあるし。う〜んこまったこまった。

こんな時に電話?あっ、ニノちゃんだ

 

「もしもし〜ニノちゃん?久し振り〜、うん元気にしてるよ〜。今さ、社長が来てさ家の娘をね皆に合わせたいって言ったら、駄目だって言ったんだよ〜。私悲しくてさ、え?皆で家に来てくれるの?ありがと〜じゃあ一緒にレッスンにも行こう?そうしたら、家の娘も行けるかもしれないし。うん、またね〜。」

 

ふふ〜ん、社長。持つものは友達、親友だよ!皆で一緒に行けば誰の娘か解んないし、事務所の社長が一緒に行けば社長の子供だと思われること間違いなし!

木を隠すには木の中、人を隠すには人の中、赤ちゃんを隠すならB小町の中〜ってね。

 

 

「あぁもう勝手にしてくれ。」

 

後は、アムロも一緒に来てくれたら嬉しいんだけどなぁ。どこ行ったんだろう?心配だな。

 

 

 

〜sideアムロ〜

 

約束の日にちに約束の場所か…ここがそうか。

 

「おい、来たぞ?」

 

身体を上手く隠して入るが、軽く見積もっても20人はいるな。完全に囲まれている。

 

「待っていたよ。書いてあった日付とは違うはずだが、どうして今日だと解った?」

 

「連邦政府の諜報員達は、日付よりも6日早く日にちを指定する、だから今日だ。」

 

パチパチと拍手が聞こえた後、黒ずくめの男たちが現れる。声の主はまだ出て来ないか。

 

「君には申し訳ないが、場所を移動する。袋を被ってくれ。」

 

手錠もかけられた。ヤツの組織力が把握できない以上、俺は従うしか無いか。

 

「では行こうか?」

 

数分歩かされた後、乗り物に載せられて20分くらいか。椅子に座らされたあと袋を外され、手錠を外される。

正面には同じく椅子に座っている

薄い青色のYシャツにブラウンスーツに青色ネクタイをして、赤紫のモールに、菊花模様をしたバッジを左胸につけている。アイから聞いていたが、そうかコイツが。

 

「やあ、安室嶺君。始めましてかな?私は大君清一郎。アイ君のファンをやっているものだ。」

 

「アイに聞いた時はまさかと思ったが、衆議院議員のあの大君か。噂は兼ね兼ね、25で野党支持基盤の土地から支持を奪い、初当選を果たした与党議員。その後、たった一年で、政権与党内で第二位の勢力を作り上げた、傑物。そうか、お前がシャアか?」

 

自慢気な顔だな、そんなに褒められるのが嬉しいのか?

 

「こちらこそ、若き芸能界のホープ。最高の俳優。物理学会の革命家、最年少でノーベル物理学賞に輝いた天才。

全く、君らしいといえば君らしいか。アムロ」

 

「それで、何故俺に接触した。シラトリとお前の関係はなんだ!」

 

俺は思わず殺気立ちながら奴に散らす、にも関わらず奴は涼しい顔で余裕たっぷりだ。確かに俺の周りには奴の下僕ばかり、だがもしアイ達に何かをしようとするなら、刺し違えてでも…

 

「そう焦るな。急いては事を仕損ずるぞ、ゆっくりと話をしたいと思ってね。こうやって、人目が付かないところに君を招待したわけだ。

大丈夫、アイ君には手を出さんよ。私もファンだ、推しを傷付けるような事はしない、君が不穏な動きをしない限りは。」

 

「変わったな、昔のお前なら人質など取らずに、俺と正面切って話そうとするだろ?」

 

「今の段階では結果的にそうなってしまうだけだよ、ここは我々のいた宇宙世紀の世界ではないからな。だから、今の私は小局に興味はない。この国の国民……何よりこの地球の未来の事を考えて動いてるのでね。」

 

じゃあ、余計に俺達いち市民とは関係ないだろうに。

 

「そうもいかない自体でね、あのシラトリとか言うやつは、私のやろうとすることの邪魔となっている。いや、邪魔をする可能性が、高いからね。それに君が関わっているから、協力しようと善意で言っているつもりなんだがな。」

 

「交換条件はなんだ。お前が言うんだ、ただじゃ無いんだろ?」

 

顎に手を当てて、奴の考えることだ俺の知識が目当てだろ。

 

「その通りだ、私はパイロット及び指導者をやっていたが、モノを作り出せる理論を知っている訳ではないのでね、我々の生きた世界での愚行がこちらの世界でも繰り返されることを防ぐ為にも、まずはこの国を変えるための知識が必要なのだ。そんな時に君が現れた、協力しあっても良いのではないか?」

 

「俺の知識を使って、融合炉をこの国で建造して何をするつもりだ。」

 

『そこまで解っているならば、聞かなくとも解るだろ。』

 

「世界の大局をひっくり返すつもりか、そうすればこの国が依存している石油資源の輸入量を一気に減らすことが出来る。それどころか、生産技術に至ってもか。」

 

「そうだな、私はこの国の置かれている現状を憂いている。数十年前の敗戦から立ち直り、牙を折られたこの国は今衰退の一途を辿っている。

このまま、我々の子供達、そして孫達の世代へと苦労を残したくないと、そう思っただけだよ。何より、今のままではこの世界の人類も我々の世界の人類と同じ悪しき道筋を辿ることになることが分かってきたのだ。

現在の所、私が知る歴史知識と照らし合わせても現代の西暦の地球はそっくりそのまま宇宙世紀へと繋がる同じ出来事が起きている。

そうなれば2045年には第1号スペースコロニーの建造開始され、宇宙世紀へと移行が始まるのと同時に地球連邦が設立される。それまでに歴史を変える布石を整えておかねばならない、その為には…」

 

「他国のことを厭わずに、全てを進めると?この日本を歴史改変の為の橋頭保する為に」

 

ニコニコと、解っているさ。俺もこの国のこと、そして地球のことだって……子供達が心配だということも。だけれど、それはやり過ぎだ。一歩間違えば、宇宙世紀へと移行する前に第三次世界大戦が起きかねないぞ。

 

「どちらにせよ、君は私の口車に乗せられるしか無い。シラトリ、奴の事知りたくて仕方が無いからな。アイ君達を守るためにも。」

 

否定できない、外堀も内堀も完全に埋められている、完敗だ。

 

「どうだ?助けたいだろ?ここに、署名がある、君の名と拇印を押してくれればそれで契約成立だ。シラトリのことも教えよう。」

 

屈するしか無いか。俺は、渡されたペンを取り署名と拇印を押した。

 

「さて、ではシラトリのことについて話を始めようか。」

 

 

奴は語りだした、シラトリとの初接触と奴の行動パターン。出現する条件、そして特定の人物に対する執着を。

 

「つまり、アイの周辺人物。もしくは、何らかの形でアイに関わりがある人物に憑依する。だが、近すぎる人には付かないと?どうやって調べた。」

 

「簡単な事だ、彼女の周辺人物は意外にも少ない。その人物の動きが不自然となった時に、マークが適応される。」

 

だとしても、何故このような結論が?

 

「アイの生死に執着している?なぜだ」

 

「それは私にもわからん、ただ言えることは。奴はアイ君の死を望んでいる、そして君もターゲットの1人だろう。

やつの趣向は、復讐劇を見ることただその一点に置かれている。君の命が失われば、それもまた復讐劇の始まりを意味するからな。」

 

厄介だな。確かに俺の方が殺されても、その場合アイが復讐の道に走りかねない。ならばどうすればいいんだ……

 

「それを考えるのが私の仕事だよ。護衛の者たちは私に忠誠を誓っている、そうそう奴に喰われはしない。」

 

コイツにしか頼れないとは情けない。

 

「お前の後ろに控えている彼女も含めてか?」

 

「彼女は私の妻だよ。娘もいる、気の強そうな人だろ?だから、君に協力するのだよ。同じ、人の親として。妻には私の事情は既に話してあるから心配しなくていい……それとシラトリのこともそうだが、この世界の異物である我々がこれからのどう動くべきかも話し合っておかねばなるまい。互いに現在に至るまでの経緯も話しておこうか。

私がこの世界に転生する際、それと引き換えに担うべきある役割が与えられている、それは君も同じはずだ」

 

確かに、それは話の整理するのにも必要だな。でないと今後の計画も立てようもない……それにコイツを転生させた存在についても情報が欲しいからな。

 

 

 

 

〜side瑠美衣〜

こんにちは!私、瑠美衣ちゃん!病院で息を引き取ったら、何故かまた赤ちゃんになってて、しかも何と。前世に推してたアイドルの子供になってるんです!

 

なんかスッゴイ複雑な気持ちだよねえ〜、だってさ私が推してた時は純粋な感じだったのに、目を覚ましたらさ2児の母親になってるなんてさ、ファンなら正直複雑っていうか?当たり前だよね!?

 

私には双子のお姉ちゃんがいる、私以上に泣かない手間の掛からない赤ん坊なんだけど、年相応におしめとかは変えられてるみたい。というか、ママのおっぱい美味しいんだけど、いや〜赤ちゃん様々だね。

 

「B小町の皆に囲まれて幸せだったなぁ〜、もう気分は天国だよ〜。私がいない間に、人数増えてたみたいだけどそれでも皆光り輝いてたなあ〜」

 

ママが寝てるうちに深夜にこうしてB小町を見てるけど、本当に憧れちゃうな〜

 

「こんな夜更けに何をしている。赤ん坊は寝る時間だぞ。」

 

「こんな幸せなのに、寝ていられるわけ無いじゃ〜ん、ん?」

 

目と目が合う、汗が流れてくる。

 

「赤ちゃんが喋ってる〜嘘、もしかしてお姉ちゃんも誰かの生まれ変わりなの!」

 

「煩い、黙れ。お母様が起きてしまう、もう少し静かに出来ないのか。」

 

なんか大人びてるんですけど、寧ろ私よりも大人?

 

「煩いってなんでよ!ママをB小町を推さないなんて、人生損してる!」

 

「お前の人生観など知るか!だいたい、赤ん坊なら寝ないと発達が遅れるぞ。そうなったら、お母様を悲しませる事になるが、それでも良いのか?推しが、悲しむのだぞ?」 

 

う、それはそうだけど。う〜もう解ったよ、寝れば良いんでしょ寝れば。

 

「そうだ、寝れば良い。そうすればお母様の為になるのだからな。」

 

凄い嫌な奴、でも頼りになりそうではあるな〜。

 

 

 

 

……

 

パパが帰ってきた、なんかTVで見たことある安室?っていう俳優さん。というか、22歳と16歳とか犯罪的なんですけど。顔は凄いイケメンだけど、何?私を見て複雑な顔してる、なんかむかつくんですけど。ママの事を孕ませておいて、何そんな顔してみてくるの!

 

それと、お姉ちゃんは何そんな無表情で演技してるの!それじゃあ赤ちゃんみたいじゃん!もう、ムカつく。絶対に許してやんないから!

 

 

 

 

 

 




本気を出したシャアに、アムロは勝てないっていうのはこういう事を言うんです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。