虹の男と星の娘   作:丸亀導師

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明日から投稿一日一話になります


第二十六話

〜sideアイ〜 

 

アムロがレンタカーを運転して、私が助手席。アクアとルビーがチャイルドシート。ルビーは、私が一緒に乗らないからちょっとグズっちゃったけど、物分り良い子だから。きちんと言う事聞いてくれて良かった〜。

 

「パパ、ママ!あそこの木がいっぱい生えてるところが荒魂じんじゃ?」

 

「はは〜何かなぁ?パパなら解るんじゃないかなぁ。」

 

いや〜、神社とか全然解んないや〜。ここで、ママも解んないな〜って言うとちょっと恥ずかしいかもしれないし。

 

「いや、あれは高千穂神社だよ。そんなに大きくはないけど、中に夫婦杉ってものがあって、夫婦で手を繋いで3周すると夫婦円満・家内安全・子孫繁栄の願いが叶うらしい。本当かどうか解んないけどね。」

 

さっすがアムロ、ナイスファインプレー。

 

「二軒目の神社は、ママに答えてもらおう。結構俺達に関係あるからね。」

 

うっ、そんなキラーパスみたいなの投げないでよ。

 

「これが、神社…始めて見る。なんか、おもっているより貧乏?」

 

「そんなこと言っちゃ駄目でしょ。こういうのは、何ていうんだっけ。」

 

「こういうのは、ワザとこういう作りにしてあるんだよ、言うんなら〘慎ましい〙っていうんだよ。」

 

おぉ、そういうのか〜私も覚えたぞ〜。

でも、なんか落ち着くなぁ。都会の喧騒とか、そういうのと無縁な感じがして私、こういう所好きかも。

 

ガランガランと鈴を鳴らしてお参りして、荒魂神社って場所に次は言った。

 

「さあ、俺からアイに問題だ。ここはどんな神様が奉られているか、答えなさい。勿論、ルビーとアクアも答えて良いんだよ?正解者には、1つ欲しい物を買ってあげよう。」

 

あっずるーい。汚いぞ〜、私だってお母さんらしいことしないとなのに〜、なんで私はいつもこう勉強不足かな。中学の時も、アムロいなかったらヤバかったし。

 

「皆解んないか…正解は芸能の神様。アイ、ライブに来たときに紹介したはずなんだが、忘れたのか?」

 

え?マジで、そんな事言ってたかなぁ。

 

「じゃあ、御守買ってく?メンバー分。」

 

「そうだね、後お神札も貰おうか。事務所の繁栄を願ってね。」

 

そいで、またまたガランガランして次たるはえっと、天岩戸神社と。

 

「天岩戸ってさ、日本神話?っていうのかな?に出てくるんだヨね、じゃあさ神話って言うけど事実とか?」

 

「当たらずとも遠からずさ、神話なんてのは何かの教訓とか、恐ろしいものとかを忘れないように、昔の人が工夫した結果生れたものだ。

この天岩戸だって、日蝕に例えられる現象と言われているけど。俺は、火山の煤煙や粉塵の事だったんじゃないかって思ってる。」

 

ふぅん、そういうのってやっぱ学者とかやってる人は、理屈で考えたりするんだろうな。

 

「ん?アムロどうしたの?」

 

「……いや、なんでもない」

 

ねぇ、神様。いるなら願いを聞いてください。どうか、アムロが無事に家に帰ることが出来るように、私達の前に帰ってこれるように、シラトリとか言うのをやっつけて下さい。

 

『善処しよう』

 

何かが聞こえたような気がした。

 

 

 

 

〜sideアムロ〜

 

時が止まっている。アイもルビーもアクアも認識出来ていない、俺だけが、この止まった時の中で意識を覚醒させている?いや、アクアも辛うじてか?

誰の仕業だ?

 

「お兄さんが、アイツが連れてきた人なんだ。運命を捻じ曲げようとする、異物。」

 

お前たちは本当に何何だ?

 

「私?私は▲●□▶◀っていうんだ。言語化出来ないから、烏って呼んでね?ま、もう会うこと無いと思うけど、一応自己紹介。」

 

お前たちの目的は何だ、俺をこの世界に連れてきたのは誰だ。

 

「あなたを連れてきたのは、シラトリでも私でもない。

〘観測者〙、貴方の運命を見届けたもの。目的とかは解らないけどね、とにかく頑張ってね?運命に抗えば、ご褒美が待ってるから。」

 

まて、〘ご褒美〙?だと、それは何を意味している。

……気配が消えた、アクアにはさっきの会話聞こえていないようだ、だがこの空間が怖いのだろう。

 

「ん?アムロどうしたの?」

 

「……いや、なんでもない」

 

奴等は一枚岩じゃない、だがやはりシャアの仮説が正しいか。アイの周囲、俺の家族が目的か…。

 

「アクア〜どうしたの?あ、お漏らししちゃったの。もう、オシッコしたい時は言わなきゃ〜、アムロちょっと車に戻ろう?アクアを着替えさせないと。」

 

「あぁ、行こうか。次は、二人とも関係が深い場所だからな。」

 

 

……

 

病院の駐車場で俺たちを待っていたのは、アイの娘達の主治医。

 

「吾郎先生お久しぶりです、急なお電話と訪問申し訳ない。」

 

「いやいや、もう今日は家に帰るくらいだったので、安室さんからお電話が来るとは思いもしませんでしたが。その娘達が?」

 

「ほら、私が抱っこしてるのがルビーでアムロが抱っこしてるのがアクアです。二人共、疲れて寝ちゃったんですけどね。」

 

アクア達に近付いていく先生は、まるで親戚の叔父さんのようだった。

 

「二人共大きくなりましたね、もう離乳食を?」

 

「ええ、ただアクアは結構食わず嫌いで、肉も魚も嫌いなんて思わなかったですよ。」

 

「ちゃんと食べなきゃ駄目だよ〜って言っても残すんです。もう、私もミヤコさんも困っちゃって。」

 

まあ、医者だから解決方法が有るんだろ。俺は、専門外だし。

 

「マンマァ、どうしたの?え?」

 

「あ、ルビー起きたの。このおじさんはね、ゴロー先生って言ってね二人を産んだ時におせわになった先生なんだよ。」

 

ルビー?どうしたんだ?懐かしんでいる?悲しみと喜びと嬉しさと悔しさ?

 

「ああああ、ルビーちゃん泣かないで、おじさん怖いよね〜。」

 

「父様、怖いです。」

 

「アクアもそんな事いっちゃだめだよ、先生ごめんなさい。せっかくご足労頂いたのに。」

 

アクアには何かが見えてるのか?怖いものが。解らないな、四方に気を向けてみても、奴等はいないようだが。

 

 

 

 

〜sideアクア〜

 

三泊四日宮崎旅行から帰ってから幾日かがたった、父様はまた仕事でいなくなって、いつものようにミヤコさんに色々とお世話になっている。

 

ルビーは先生とあって以来、なんか色々と決意表明してた、絶対にアイドルになって、先生の一番の推しになるんだって。そんなに気に入ったのなら、何であの時泣いてたんだろう。

 

あの旅行に行ってから父様は益々、何処からか鋭利な雰囲気を出すようになり、私は正直それにビクついている。

あの、時の止まった空間で父様が何かに対して殺気を垂流し、私はその殺気に当てられて、漏らしてしまった。

前世の私はそんなにも、か弱かったのだろうか、何処かのお嬢様だったのだろうか。

 

私達と接するときのようなとても柔らかで、温和で包み込んでくれるような、そんな父様とはまるで別人のように…あんな父様見たくない。お母様に相談しようかな、何か変なのを感じるって。これは嘘じゃないし。父様の事を知ってる母様なら、きっと解ってくれるって、そう思うの。

 

………

 

皆が寝静まった頃、母様のお布団へと一人歩いていく。

だって、こうしないとルビーが付いてくるから。結構駄々っ子な所があるから、こうして何も伝えてない時に行かないと、付いてくるから。きっと前世の反動なんだろうなぁ。

 

「ねぇねぇ、母様。起きて。」

 

「うぅうん?な〜にアクア」

 

こういう時は嘘と真実を混ぜるのが肝心だ。

 

「怖い夢見ちゃったから、トイレに付いてきて?」

 

「そうなの?わかった、一緒に行こっか。ルビーは?」

 

「ルビーちゃんはぐっすり寝てる。」

 

トテトテと廊下を歩いてトイレに到着、一緒にトイレに入る。

 

「ねぇ、母様。アクア最近ね、父様が怖いの。」

 

「え?アムロが怖い…なんで?」

 

なんか母様の反応も怖い…なんで? 母様が私の顔の前に膝を抱えて、目を見せてくる。

 

「実はね、旅行に行った時変な事があったの。何かから見られてるみたいで、それで父様がそれに凄い怒ったみたいになって、それから父様。ずっと、私達の外に対してそんなのを出してるの。」

 

「それって…、ねぇアクアにはなんか変な記憶…体験したこと無い思い出とかない?」

 

どうしてそんな事聞くんだろ?誰かそんな人がいるのかな。

 

「えっと、良くわかんないけど赤い人が良くいるの、その人が私を道具みたいに捨てるの。私、その人が嫌いなの。」

 

「そう…なんだ。アクアはさ、誰かの心の声聞こえたりする?」

 

本当の事を言ったほうが良いのかな。母様は、私を心配してるみたいだから。

 

「ううん、声は聞こえない。でも、なんか人の纏う感情とか?なのかな、は解ると思う。」

 

「そっか、それはルビーも?」

 

ルビーはそんな感じじゃないかな、前世はあるっていってたけど。

 

「ううん、ルビーは解らないみたい。でも、ルビーは母様の事大好きなんだって、言ってた。だから、父様が母様と一緒にいないと嫌だって。」

 

「そっか、そうなんだ。アクア、ありがと。

怖かったよね、苦しかったよね、教えてくれてありがとう。

ママ、二人の事ちょっと誤解してた。勝手にアムロの事、嫌いになっちゃったのかなって。

アクアは感じてたんだね。

ルビーもパパがいなくなるのが、怖かっただけだったんだね。

やっぱり、二人は私達の子供だよ。

だって、人の心を感じるのも、失うのを怖がるのも、私達にそっくりだから。」

 

母様の、トゲトゲした感情が消えていく。母様、泣いてる。私はギュッと母様の頭を抱きしめて、一緒に泣いた。

 

翌日、何も知らないルビーと母様と一緒に、母様の仕事場。ダンススタジオに行った。

 

 

 




シラトリ≠烏≠観測者
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