虹の男と星の娘   作:丸亀導師

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今日は息抜きに閑話

アクア君マリンちゃん共にブレイド篇後くらいかな?


閑話休題 鏡写しのその2人

〜side愛久愛海〜

 

真っ白な世界だ……なんだこの世界。見たこともない景色に、ここはいったい何のためにあるのか良くわからない。

だけれど一つ解ることは、ここは夢の中ではないということだ。だってそうだろ?抓った手の甲が痛いのだから。

 

床はまるでコンクリートのように硬そうで、殴ってみたが手には傷すら付かないし痛くも痒くもない。あまりにも不可思議な世界は、俺の知識の中では2001年宇宙の旅のモノリスの中のようで、それはそれは遠近感が狂う。

それにだ、寝る前に寝巻きに着替えた筈なのに何故か制服姿だ。

 

「あっ!お兄ちゃん!どうしてここにいるのよ、夢の中にまで入ってきて私を助けに来てくれるなんて、本当にブラコンだね。」

 

「はぁ、お前なあここが本当に夢だと思うのか?痛みはあるし疲れるしおまけにこうやって会話が成立してる時点で、ここが夢だとは到底思えない。

俺たちが転生した現象と同じで、こんな意味不明な空間に入れられてるだけなのかもしれないんだぞ?」

 

またルビーと一緒か………またってなんだ。まるで同じ様な事を一回経験したことがあるみたいに。何なんだよ。

 

「ねぇお兄ちゃん、あれなんだと思う?」

 

暫く一緒に歩いてみるとルビーが何かを発見した、発見したというかなんというかあった。

不自然に俺たちを反射させて、鏡だろうなどう考えてもこんなところにあるなんて、常識的にはあり得ないが〘距離感〙をバグらせる為か?

 

ルビーが少し駆け足でそれに行くのを、後を追っていくと次第にその鏡に映る人物が少しおかしいことに気が付いた。

 

「ルビーは女なのに、なんで俺だけ女になってるんだよ。」

 

もしかして今の俺はこんな姿なのか?そう思って下を向き、ズボンを確認する。

うん、キチンとスボンだスカートじゃない。それに逸物もキチンと定位置に固定されている。

 

「「ねぇねぇ、貴方達誰?はぁ?ちょっと真似しないでくれる?ちょっと、お兄ちゃん(お姉ちゃん)!なんとかしてよ!」」

 

 

「「なんとかしろと言われても、俺(私)に頼るよりもだこの空間から脱出を……さっきから同じ声が聞こえるな。 」奇遇だな私もだ。」

 

 

目の前にいた女の俺が俺とは違う口上で話しかけてきた…いやいやなんだよ女の俺って。

 

「なんだよとはなんだ!貴様、私が貴様の同一存在だからといって、そう言われるのは心外だな少し心が痛いよ。」

 

は?今俺口に出して喋ったか?いやいや喋ってなんて

 

「喋ってなんていないぞ?少し心を覗かせてもらっているだけにすぎない。」

 

「エスパーかよ…」

 

「フンッ!エスパーとか言う非科学的な存在などでは断じて「まあエスパーみたいなものだよ」ルビー貴様!」

 

ギャイギャイと勝手に口論を始める向こうのルビーと、俺?顔を掴んでやんわりと顔を引っ張りあったりしている、仲が良いんだな。

兎も角そんな事よりも早くここを抜け出さなければならない、あかねが待っているから…。

 

「おい、いい加減話をしたいんだが。」

 

「この空間が!にゃんにゃのかちょか、しょうゆうきょとを聞きちゃいのちゃろう?しゅまないぎゃ、わちゃしも解らない。

こんなところに来たこともないのだからな、私の心理世界とはまた違う自由に何かが出来るとかもないからな。」

 

口を引っ張り合いながらそういう彼女の顔は、やはりというかアイのそれに少し似ている気がする……身長は遥かに違うけれど。

 

「はぁ、解ったありがとう……じゃあ。」

 

「「お兄ちゃんちょっと待ってよ……真似しないで!アレは私のお兄ちゃんなんだよ!……」」

 

「おい、私の妹のルビー変な遊びを始めるな、今夜のおかずに激苦瓜入れるぞ」

 

「あっ…それは嫌だから。」

 

また笑えもしないコントをしている。それにしても出口はどこだ?

 

「探してもしょうがないと思うぞ?たぶんだけれど、私達の意思じゃどうする事もできないと思うからね。それと、さっきからやけに自分の順応性が高いと思わないか?」

 

「何を言いたいんだ」

 

「一回同じ様な事経験でもしてるんだろ、その時どんな方法で戻ったんだよ。」

 

一回……そうだどうしてそれに気が付かなかった。相手の話にあまりにも順応し過ぎだ。何処かで会ったことがある、それも同じ様な状況で……そうあの時も起きて直ぐに妄想と切り捨てた時もだ。

 

「寝たら……戻ったと思う。」

 

「どうやって寝てたんだ?場合によっては一肌脱ぐのも…致し方ないが」

 

「お姉ちゃん不潔、そうやって直ぐ開こうとするのは良く無いよ。」

 

「え!こんな真面目そうな顔して、非処女なの!うわぁ~、ちょっと憧れ抱きそうだったけどやめとくね。」

 

そっちの世界の俺、ビッチなのか。

 

「ビッチじゃない!!私は一途なの!!だから証を刻みつけておきたかったんだ、身体に…」

 

顔を紅くしてその身体を脚を窄ませて、恥ずかしそうに言う姿からは到底想像できないな。

 

「うっ…!ほらさっさと寝るぞ、お前たちこの床に川の字になって……おい、あんな所にベッドあったか?」

 

彼女の指をさす方向に、キングサイズベッドが2つポツンとあった。嘘だろ、あんな所には何もなかったのに…。

 

「ちょうど良い、同名ずつに別れて寝れば解決するかもしれないな!」

 

何なんだよこの行動力。

 

「ま〜た暴走してる、気を付けてねお兄ちゃん。」

 

このルビーは向こうのか、殆どルビーと見分けがつかないから困るな。

 

「あっ、じゃあ私はリボンを左側につけま〜す。はい、こっちが女アクアの妹の方で〜す。ホラホラわたし、右側に寄せて寄せて。」

 

「名案だね、はい。こっちがお兄ちゃんの愛しの妹のルビーちゃんで〜す。」

 

「はぁ、仲いいなお前等。短時間で何があったんだよ。」

 

「ふふ〜ん、みなみちゃんのおっぱいの話をしていたんだよ。やっぱりあの魅惑のおっぱいは、全世界共通なんだね!」

 

こいつは揃いも揃ってなんて話をしているんだかってうわぁっ!

 

「そらそら、ベッドに横になれ!うふふふさぁ~裸にっ!な〜んてするわけ無いよ。」

 

冗談に聞こえなかったんだが

 

「積もる話もあるでしょう?お互い少し話さない?」

 

彼女は俺の正面に立ってさっきまでと違い、まるで別人のように彼女は俺に接してきた。

 

 

 

 

〜side瑠美衣〜

 

私達は向かい合ってベッドの上に座っている、ちょっと解った事があるんだけどこのベッドに行くと、向こうの二人の声が全く聞こえなくなるみたい。だから私は本音で話す、この私と同じでまったく違う私と。

 

「ねぇ、そっちの私はさ。センセに逢えた?」

 

「……逢えたよ、でもね私のことを〘さりな〙ってことは、未だに伝えられてない。それどころか、センセの中にあるさりなを…殺しちゃったかもしれない。」

 

そっか逢えたんだ、羨ましいね妬ましいねどうして私の方は、ママも死んじゃってセンセにも逢えないんだろう。

 

「瑠美衣、それは解らないよ。たぶん、私は運が良かっただけなのかもしれない。私のパパは言っちゃ悪いけど、化け物みたいな人だから。瑠美衣も見たでしょ?あのまとめサイト。殆ど事実なんだよ。」

 

「ふぅん、じゃあさ私はセンセに私の事を伝えるよ私が〘さりな〙だって教えるから、ルビーが伝えられないこと隠し通したいんでしょ?」

 

「うん、私は〘さりな〙としてじゃなくて、〘星野瑠美衣〙として愛してもらいたいもん。」

 

そっちもそっちで複雑だね。でも、私は絶対にセンセに私の事を推して貰えるようになるんだ。

その為にはどんな努力だってしてみせるよ、ママみたいに。

 

「ねぇ、そう言えばさこの前はそっちの〘お姉ちゃん〙に会えなかったけど…そのなんて言えば良いのかな身長も、お胸の方もビッグだね。特にみなみ以外であんな胸がバカでかい人、同い年では始めて見た」

 

「みなみって呼び捨てってことは私以上にそっちのみなみちゃんとは仲が良いんだね……でも、そうだよね、遺伝って怖いなって思った。お姉ちゃんアレでいて結構臆病なんだよ?そのくせ、純潔とか気にしないから凄い性格なんだ。」

 

清楚系に見えて、そうじゃないんだ。うわぁ、世の中って解らないものだな〜。

 

「でしょ?最初に知った時は不潔と思ったけど。それでいて一途だものだから、たぶん好きな人死んじゃったら自殺するタイプだよアレ。」

 

激重だ私はそうならないように気をつけよ。

 

「そうだ!またこの世界とかさ私達の事忘れないように、これあげる。」

 

ルビーの方から、緑のまん丸いキャラクターのキーホルダーを貰った、これなんだろう?

 

「たぶん瑠美衣の世界には無いものだと思うから、大事にしてね?それが()になってくれると思うから。」

 

そう告げられた瞬間、後ろに引っ張られるように暗闇に落とされた。

 

目を覚ましたら、自分のベッドに寝ていて私の左手にはキーホルダーがあった。

 

 

〜sideアクア〜

 

「それで、そっちの母様が死んでから仇討ちをしようと今まで努力してたと……虚しい人生だね。」

 

「お前に何が解る、眼の前で大切な人を亡くしたその感覚が、ヌクヌクとした温室で育ったお前に。」

 

相当精神に負荷がかかってるのが解る、コイツの母親。私達の母様は、コイツの眼の前で無惨にも刺殺されコイツは自ら医者という過去がその自らの力の過信が、母親の死に繋がったと思っているんだろう。

 

(さあどうだろうな、ただ一つだけ言えることは後悔というものは苦しい狂しいものだ。私達とは違い殺し合い等を知らずに育つことの出来たお前には解らんだろうがな)

 

今は黙ってて貴女の意見は…

 

「お前が最初に話そうと言ったのに、黙ってろとはね。」

 

「あっ…いや貴方に言ったわけじゃなくて、そうだな…前世の私に?言ったの。」

 

やっぱり前世あるんだ、なんて顔してるよ。そりゃあるでしょ、無かったらこんな空間に放置されて普通じゃいられないって。

 

「雨宮五郎先生何でしょ?良く知ってるよ、貴方の感覚。どうしてって顔してるけど、心は誤魔化せないから。」

 

「俺が五郎だとして、じゃあお前は誰なんだ?」

 

「私はこの世界に産まれた私。ただ、同じ魂を別の前世の人と共有してる。ただ、吾郎先生…貴方との違いは前世が過去の人間に対し、私の方は100年以上先の未来の人間なんだ。不思議だよね、別の人間として生まれ変わるなんて。

そうだ、これあげるよ。」

 

私は懐から布切れを手渡した、ハンカチ薄い桃色のAquamarineの刺繍が入ったハンカチを。

 

「なんだよ、これに何の意味が。」

 

彼がそう呟いた時、互いに闇へと引きずり込まれた。

次に目を覚ましたとき、私のお気に入りのハンカチは私の私物の中から姿を消していた。

次にあったら可愛い小鳥さんシリーズのモフモフカワセミをプレゼントしようと思う。もし私達が三つ子として生まれていれば、あの人は私の兄様になってたかもしれないんだからな。

 

 

 

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