HUNTER幻想曲   作:akiko

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ピトー目線。
私の描くピトーは「両性具有」設定となります。
分裂した「シー」は雌、ピトーは雄。そういう目線の話であることに、理解を示して頂ければ助かります。






ねぇ、シー。

繭の中で、君を切り離したのは、他ならない、ボク自身なんだよ?

 

 

君は知らない。

知らなくていい。

それは、ボクだけの秘密で、ボクだけが知っていればいいことなんだニャ。

 

 

ボクらの…唯一、絶対の主とでさえ知ることはないだろう。

ボクだけが抱える秘密。

 

君はボクと同じ個体として生まれたかったんだよね。

君を吸収して産まれていれば…ボクは他の側近二人より、はるかに強い力を持ち、その絶対的な力で、きっと生物的にもっと優れた個体になれて、僕はあの方に一番近い立場に在ることがゆるされただろう。

 

 

でも、あえて切り離したのは、本能的な、直感のようなものが、

働いたかからだ。

単なる「勘」というやつだが、それを無視できない気がしたんだ

ニャ。

 

何故って…

多分、見つけられない。悔しいけど、ボクや他の二人では…

見つけられないんだ。

 

あの方が…ボクらの「王」が本気で欲しているものを。

鍵を握るのは「シー」だ。

その鍵を使えるのは、「王」だけなのだ。

 

その「鍵」で扉を開けた時に、「王」はきっとご自身の本当の望みを叶えられるのだ。

 

それは、王ご自身が真の「王」であり続ける為に必要なことで、その「鍵」に総てがかかっているといっても過言ではない。

 

「鍵」を開き、望むものを手中におさめ、絶対的なお姿で世の頂点に君臨するあの方のお姿をどうしても、この目で確かめてみたい。

「覚醒」

それは、ボクらの王の、真の力を引き出すのに、必須の引き金。

トリガーだ。

「覚醒」により、王はこの世界の真の支配者となられる。

 

 

ああ、本当はボクが…

ボクがそのお役目を果たせたら…どんなによかっただろう。

そうしたら、ボクの命なんて、力なんて全て、あの方に捧げて無に還ることすら、栄誉なのに!

 

ボクも、他の二人の側近も、きっと「鍵」すら見つけれない。

もどかしいし、悔しいけど…

だから、ボクは半身にその役目を委ねることにした。

 

繭の中で、自分を構築している一部を切り離す。

細く、弱い泣き声をきいた気がした。

痛みはない。

けれども、どうしてこんなにも…

離しがたいのだろうか。

空虚なのだろうか。

 

離れた半身の生命力はとても弱く、何度も繭の中で消えてしまいそうになった。

そのたびに、ボクは彼女を包み、ひき止めた。

一緒に、うまれたい。

共にお仕えしよう。

 

産まれる瞬間のことは、正直、よく覚えていない。

ただ、繭から出た時に、最初に目にしたのは、シーだった。

 

小柄で丸い体。

どこか眠たそうな瞳。

「戦・護・医」の力はほとんどボクにある。

シーにあるのは、「視」と、もう1つ、よくわからない能力みたいだった。

 

とにかく生物としては、とてつもなく弱い生命体なんだニャ。

 

でも、きっと「視」の力は、鍵となるだろう。

やはり、見つけるのは彼女だ。

ボクは、キュっと唇をかたく結んで、彼女を護ることを決めた。

 

それにしても、もう1つの、全く未知な力はなんなのかニャ?

 

ボクたちは、1つの個体だったはずなのに…わからないことが多い。それも、また、愉しいからシーと一緒に産まれてくることができて、本当に良かった。

 

 

 

 

 

 




冨樫先生の展示会に行ってきました。原画の美しさ、迫力凄かったです。
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