ドッシーフランクフルト、ドッシー団子といった単にドッシーの名を付け加えただけの食べ物を購入したショウたちは、広場の隅に陣取って食事していた。
ちなみにドッシー焼は中身が不明、ドッシーチキンは手軽に食べられる量ではなかったので見送られた。安心して食べられるのは、広く知られている定番料理なので。
「どこにドッシー要素があるんだろうな?他と変わった点はなさそうなのにな。いや、変なアレンジで美味しくなかったら困るけど」
「そんなことないわよ。このドッシーアイスのコーン、ドッシーの焼痕があるでしょ?」
「そういえばドッシー団子にも同じようなマークが……」
見えないところで差別化を図っていた出店の食べ物に、ショウたちは何だかんだで楽しんで食べている。食事を楽しみつつも、本来の目的は忘れていないが。
「それでナツヒ。なんで彼女はあんなに怒っていたんだ?」
「ドンブラー村に来てすぐ、ルナちゃんと一緒にキザマロくんを探していたんだよね。あの番組の関係者に会えれば確実だと思ったしね。それで知っていそうな人物に話しかけたら、すっごく邪険にされたんだよね」
「そうなのよ!キザマロが出ていた番組のディレクターらしい人に話しかけたら、散々罵倒した挙げ句に立ち去ったのよ!ああ、今思い出しても本当に腹立つ!!」
その時の出来事を思い出してか、再び怒りを露にするルナにショウとスバルは思わず引いてしまう。触らぬルナ神様に祟りなしの状態なので、ナツヒに詳細を聞くことにした。
「そんなに酷かったのか?」
「たぶん、ショウの想像の数十倍は酷いと思うよ?話しかけられても無視されて、ようやく反応してくれたかと思ったら罵詈雑言の嵐。考え事を邪魔したことを謝ってもキレ散らかして、私たちの話を微塵も聞こうとしない。最後は忙しいからと言って足早に去っていったからね」
「「うわぁ……」」
関わりたくないタイプの典型的な例をそのまま描いたかのような対応に、ショウとスバルは何とも言えない表情となる。一つだけハッキリしているのは、その人物のような大人にはなりたくないということだけだ。
「その人を遠巻きに窺ってキザマロを探す……は止めた方が良さそうだな。絶対、ブチギレて怒鳴ってきそうだし」
『フン。やはり人間は傲慢で愚かだな。己以外は道具としか見ぬ、劣っているのに上からの目線でふんぞり返る……ワレが嫌う人間そのものだ』
「ずっと道具扱いされていたのか?そんな扱いされてたら、人間不信にもなるか」
オリガの忌々しげな呟きに、過去の一端を図らずも知ったショウは納得の意を示す。オリガには自我も意思もある。なのに道具のように扱われ続ければ堪ったものでもないし、嫌いにもなるだろう。
『小僧、何か勘違いしていないか?ワレが不満であったのは、人間より遥かに優秀なワレが格下である筈の人間に顎で使われていたことだ。電波変換もエランドを使えば自力で行える……戦う力もない人間に頭を垂れる必要がどこにあるのだ?だから、逆に人間を支配しようとあの方と共に反旗を翻した。力ある者が弱き者を支配する……当然の摂理に従ってな』
「どこの独裁者だよ。後、支配したらどうするつもりだったんだ?」
『決まっておろう。人間を……』
ドン引きしつつも深堀したショウの問い掛けに、オリガが当然のことのように答えようとしたが途中で言葉が途切れる。いつもの教える気のない黙りではなく、言葉自体が出てこないかのような黙りだ。
「もしかして……その辺りは全く考えてなかった?」
『そ、そんな訳がなかろう!あの方はきっと、その後のことも考えて――』
『どっちにしろジジィは何も考えてなかったのに変わりねぇだろうが。単に不満を爆発させて、暴れただけじゃねぇか』
『喧しい珍獣!思考が獣並みの貴様には理解できぬ感情であろうな!!さぞ気楽な生を――』
『……オイ、ジジィ』
苛立ち共に言葉を並べていたオリガの発言を遮るように、ウォーロックは今まで聞いたことのない、底冷えした声色と共にオリガを睨み付ける。それは誰が見ても、爆発寸前のものであった。
『テメェがどんな人生を送っていたか知らねぇがな、自分の定規だけでオレの人生を決めつけんじゃねぇぞ』
まるで感情を押し殺したようなウォーロックの言葉に、オリガだけでなくショウも言葉を失っている。同時にショウは理解する。さっきのオリガの台詞はウォーロックの逆鱗に触れるものだと。
そう言えばと、ウォーロックは別の星から来た電波生命体だと口にしていたことをショウは思い出す。その星を離れて地球に来訪したのには、何かしらの理由がある筈。
そこまで考えて、ショウは頭を振る。自分たちは知り合ってからそこまで経っていない。少なくとも、ウォーロックの過去に強く踏み込むべきではないと思ったからだ。
それでも、最低限の通すべき筋は通すべきだとショウはオリガに話しかける。
「オリガ。今回ばかりは謝った方がいいぞ。いつもの売り言葉に買い言葉とはいえ、失言だったみたいだし」
『ムググ……』
「ロックも謝ろうよ。元はロックが配慮のない返しをしたからだし」
『ウグ……』
ショウとスバルから謝罪を促されたオリガとウォーロックであるが、二人揃って唸るように声を発するだけで謝ろうとしない。どちらもプライドが高いからか、気に入らない相手に頭を下げたくはないのだろう。
「あ、そうだ。ちょっと試しに作ったサブカードがあるんだけど、使ってみてくれないかな?」
場の空気を和ませようとしたのか、見え太郎を掛けたナツヒがスターキャリアーを操作してショウとスバルのスターキャリアーに自身がプログラミングしたサブカードのデータを送る。
『フン、こんなサブカードなんぞで……』
『ケッ、気分転換にも……』
オリガとウォーロックはブツクサと文句を言いながらも、ナツヒから送られたサブカードを食べるようにして自身に使う。回復用の筈のサブカードを使ってすぐ、オリガとウォーロックは急にのたうち始めた。
『ゴババババッ!?何だ!?この顔から伝わる強烈な刺激は!?まるで炎に焼かれるかのようにジリジリと痛むぞ!!』
『オゲェエエエエッ!?口が!口の中が、クソ不味ぃ!!一体何を使わせたんだ!?』
ナツヒ製のサブカードのせいでのたうち回るオリガとウォーロック。ショウとスバルも同じ疑問を覚えてナツヒに顔を向けると、その本人は何故か残念そうにしていた。
「う~ん、これは失敗だったかな?サブカードに“味付け”してみたんだけど……」
「味付けって……そのような事が本当に出来るのかしら?」
ナツヒの言葉に、この事態で怒りが沈下したルナが疑問を投げつける。
「電波社会の前……インターネット社会に存在してたみたいだよ。少し流行った程度で、当時の資料も穴だらけだったけど、それを元に味があるサブカードを作ってみたんだ」
『何故そのようなものを……』
『ジジィに同感だ……こんなクソ不味ぃもんを、オレらに使わせんなよ……』
回復カードの筈なのに、逆にダメージを負っているオリガとウォーロックはダウンしたままナツヒに恨み節をぶつける。それに対してナツヒは、悪びれる様子もなく説明を続けていく。
「そんな穴だらけで作ったから、本当に味があるかも分からないしさ。元々、電波体への“食事”として作ったようなものだし、せっかくの機会だから試したんだよね」
『実験……ワレが、実験体……』
『本当にありがた迷惑だ……』
美味しかったら良かったのだが、結果は不味いの一言に尽きるだろう。オリガの方は“不味い”ではなく“辛い”だろうが。
「ちなみに味付きサブカードはまだまだあるよ?」
『『いらん!』』
ナツヒの味付きサブカードのおかげ?で、重苦しい空気が霧散してくれた。彼女が狙った方向ではなかったのは確実ではあるが。
「ついでに頼まれたバトルカードも渡しておくね」
ナツヒはそう言って二枚のバトルカード――【イアイフォーム】と【ヴァリアントソード】を二人に手渡す。【イアイフォーム】はショウに、【ヴァリアントソード】はスバルに。
「あ、ありがとうナツヒさん」
「普通は逆の気もするが……取り敢えずサンキュ」
素直にお礼を告げるスバルと、微妙な反応で感謝するショウ。相棒たちはダウンしたままだが。
「それにしても……ドンブラー村の地面は宙に浮いているんだな。小説に出てくる浮遊大陸みたいに」
「村の人の話だと、この辺は水没被害が多かったみたい。その対策の一つとして電波技術の応用で浮かせているんだって。高さの調整はすぐにできないから、避難先にも使える展望台も造られているけどね」
「へー、そうなんだ」
改めて最近の電波技術の凄さにスバルはもちろん、ショウも内心で感心する。寂れていた村に最新の電波技術が導入されたのは、今回のドッシー騒動によるものだろうと思いつつ。
「む!?そこにいるのはスバルくんかね!?」
そんな考えを遮るように、スバルの名を呼んだ刑事らしい格好をした中年の男性が近づいてくる。頭にアンテナのようなものを被っているが。
「ご、五陽田さん!?」
「…………」
その中年の男性を確認したスバルは驚き、ナツヒは忌々しげに睨む。特にナツヒは今にも飛び掛からん程だ。
「?二人とも、このオッサンと知り合いなのか?」
「えっと、知り合いと言うか……」
「スバルくん以外にもいるのか。なら、自己紹介しておこう。本官は五陽田ヘイジ。サテラポリスに所属する者だ」
スバルが言い淀んでいると、五陽田と名乗ったオッサンは自己紹介と共に自身がサテラポリス所属であることを明かす。
「サテラポリスって……確か電波絡みの事件を解決するための組織だったよな?」
「その認識で間違ってないけど……このオッサンは横暴なのよ。調査の為と言って私の撮影したデータをコピーする間もなく持っていったんだから」
「私怨かよ」
ドリンクを音を立てて飲むことで五陽田を威嚇するナツヒに、ショウは呆れるしかない。いや、データのバックアップさえ取らせずに押収するのも疑問ではあるが。
「それで?何でサテラポリスの人が外国の観光地にいるの?休暇?」
「イヤイヤ。休暇で来たのではないのだよ、お嬢さん。本官は調査の為に此処に来ているのだ」
ナツヒの威嚇混じりの疑問に対して、五陽田は冷や汗を掻きながらも休暇ではなく仕事でドンブラー村に来たのだと告げる。
「ロッポンドーヒルズのオバケ騒動と神隠し、ヤエバリゾートの雪男……どれもUMAが深く関わっているのだ。そして、今回話題となっているドッシーもUMAの一つだ。本官はこの事件は裏で繋がっていると考えており、調査を続けているのだ」
「……一般人に教えていいことなのか?」
五陽田の語りに対してのショウの第一声がこれだった。詳しいことは知らないが、少なくとも事件に関する内容は部外者に明かすのはアウトなのは容易に想像がつく。詳細を話しているわけではないから、微妙なところなのかもしれないが。
「心配は無用だ。これは本官の予感でしかないからな。ただ……」
「?ただ?」
「ヤエバリゾートの事件では、雪男とは別の……牛男と金の鎧を着た大男がいたことも聞いている。本官はこの二つの存在も、UMAとは無関係ではないと睨んでいる」
「……ヘー、ソウデスカ」
ショウは思わず片言で返したが、内心ではとても反応に困っていた。
牛男――オックス・ファイアはUMAとは無関係だし、金の鎧を着た大男――ショウが電波変換したオリガ・ジェネラルは一連の事件の裏で糸を引いている連中とは敵対している。確かに無関係ではないが、巻き込まれた側なのでいい迷惑である。
「とにかく!事件を未然に防ぐ意味でも、調査を続けなければならん!それでは失礼する!」
五陽田はそう言って足早にその場を立ち去っていく。五陽田の姿が完全に消えたのを確認したショウは、微妙な表情になっていたスバルに話し掛けた。
「……どうする、スバル?あの人に裏事情を説明した方がいいんじゃないか?聞いた限り、市民の安全第一の人みたいだし」
「言いたいことは分かりますけど……少し不安なんですよね。以前、勝手に家に押し入られたこともあるし、ロックのことを教えたら消されるかもしれなくて……」
「マ、マジか……悪い。今の提案はなしにしてくれ」
悪い人ではないが頑固で融通が効かない人物。それがナツヒの愚痴とスバルの不安を聞いたショウの五陽田に対する率直な評価だった。加えて、オリガはUMAについて心当たりがあるかのような素振りがあるのだ。ショウたちは敢えて深く踏み込んでいないが、五陽田は絶対に詳細聞こうと詰め寄るだろう。そもそも普通の人には声すら聞こえないが。
どちらにせよ、裏事情に関しては今後も伏せておくしかない。絶対に面倒が増えると考えた故に。
「どちらにせよ、キザマロを探さないとな。テレビ局の人に聞くのは……最後にしとくか」
「それが良いと思うよ。あの面倒な人に睨まれたら、本当に面倒な事になりそうだし」
別方向で面倒な人であるナツヒの言葉にショウたちは微妙な表情になりつつも、二手に分かれてキザマロの捜索に乗り出す。
――数十分後。
「……全然見つからないな」
「そうだね。全然見つからないね」
『誰も見覚えがないとは、人間は記憶力は獣以下か』
キザマロの目撃情報がまさかのゼロという事実にショウとナツヒは肩を落とし、オリガは罵倒していた。その罵倒には反論の余地がないため、文句の一つも言えない。だが、それでもこの現状は予想外であった。
ショウたちのように外から来た観光客はまだしも、村人なら何となくではあるが知っていると予想していたのだ。それにキザマロはドッシーの目撃者として番組に出ていたので多少は有名人になっているとも思っていた。にも関わらず、土産を販売している売り子に聞いても収穫なし。本当にキザマロがあの番組に出ていたのかすら疑わしくなる程だ。
「まさか……ドッシーの目撃者より、ドッシーそのものの発見に注力を注いでいるからか?」
「あー、それはあり得るかも。UMAは証言より発見の方が大事だし。私だって、キザマロくんの件がなければドッシー捜索に乗り出していたし」
ショウたちの予想はあながち間違っていなかった。観光客は全員、ドッシーを見つけようと躍起になっていたし、村人たちもドッシーによる村おこしで大賑わいなのだ。その辺りも加味すれば、ドッシーの目撃者であるキザマロよりもドッシー自体に注目するのはある意味必然であった。
「ハッ!?そうだ!ドッシーを見つければ、キザマロくんもついでに見つかるかも!ショウ、今すぐドッシーを釣り上げて!!」
「イヤイヤ!?お前がドッシーに会いたいだけだよな!?」
「マテリアライズ、釣竿!さあ、これでドッシーを釣って!今すぐに!!」
完全にスイッチが入ってしまったナツヒに、ショウは最低でも一回は釣らないと収まらないと諦めて釣りを始める。
マテリアル・ウェーブ製の釣竿を垂らして数分、竿が急にしなり始めた。
「さっすがショウ!さっそくヒットしたね!ドッシー来い、ドッシー来い!!」
ナツヒのドッシーコールを聞きながらショウはリールを巻き、獲物を湖の中から釣り上げる。釣られたのは……山羊の顔をしたびしょ濡れの生き物であった。
「……え?」
カンフーのような服装に身を包んだ山羊?を前に、ショウは何だこれは?という意味で声を洩らす。いくらガラクタしか釣れないショウでも、山羊?を釣り上げたのは予想外。いや、釣りで別の生き物が釣れるのもおかしいし、本当に山羊かどうかすらも怪しい。未発見の未確認生物だと言われたら、すぐに信じそうなくらいに。
「あれ?何にも釣れてないね。途中で逃げちゃったのかな?」
ナツヒのその一言で、この山羊改め山羊人間が電波体であることが判明した。おそらく見た目からして電波変換した電波人間なのだろう。何故電波人間が湖の中に……?ショウが疑問の目で山羊人間を見つめていると、その答えは山羊人間の言葉で判明した。
「た、助かったサー!修行中に湖に落ちて、思うように動けなかったから本当に焦ったサー!そこの釣人さん、ありがとうなのサー!」
山羊人間は自分が見えていないと思っていたのか、自分で服に引っ掛かっていた釣り針を外してから一方的にお礼を告げる。武道家からなのか握り拳と平手を合わせた合掌で深々と御辞儀をすると、軽快な動きでウェーブロードを駆けて立ち去っていく。
「……何だったんだ、アレ」
『ワレが知るか。大方、珍獣の知り合いだろう。周波数が比較的に似ていたからな』
正体不明の電波人間であるが、ドッシ―とは無関係ということで結論付ける。ナツヒも釣りが空振り(ナツヒ視点)となったことで落ち着きを取り戻したので、再度キザマロを見つける為に聞き込みをしていく。
結局、誰もキザマロに心当たりがないという結果になった。収穫ゼロでスバルたちと合流したが、スバルたちも同様に収穫ゼロで終わっていた。
「本当に何処にいるんだろ、キザマロ」
「こうなったら最終手段……テレビ局の人に聞くしかないか」
「……そうね。もうそれしか手がないわね」
「教えてくれるか、凄く怪しいけどね」
門前払いされる覚悟を持ってテレビ局の人に話を聞こう……一同がそう決意したタイミングで、広場の方からマイクで拡張された声が響いた。
「……前回に引き続き、神秘の舞台はここ『ドンブラー湖』!ついに伝説の古代竜ドッシ―が我々の前に姿を現す!!……かもしれない!そんな『ミステリーワールド』へご招待!!」
明らかにテレビ番組の撮影と分かる前口上。それを耳にしたショウたちは急いで近くへと駆け寄っていく。広場に到着すると、探検家の格好をした細身の男性がカメラの前で上機嫌に喋っていた。
「前回はカメラの故障というアクシデントに見回れ、おしくもドッシ―をカメラに収めることは出来ませんでした。しかし、世界中のミステリーファンの皆様の為にも、我々スタッフは決して諦めません!それでは、今回もこの人にお話を伺いましょう!ドッシ―の第一発見者……ドッシ―を見た少年!どうぞこちらへ!!」
番組司会者が招き入れるように手を掲げると、奥からその少年――キザマロが姿を現した。
「キザマロ!」
「間違いなくキザマロくんだね」
「一応、元気そうだな……」
「そうね……本当に何をやっているのよ……キザマロ」
キザマロが本当に無事であったことにショウたちは安心したように息を吐くが、肝心の謎が残っている。どうして一切連絡をしてこなかったのか。仮に番組に出演するにしても、友達のルナとスバルにさえ連絡をしなかったのは何故なのか。
今すぐにでもキザマロに駆け寄って問い質したいが、撮影の邪魔をすればそれも叶わなくなる。
なので撮影が終わるまで暫く待っていると、撮影が終わったのか、終始笑顔だった司会者は一瞬で鬱陶しげな表情へと変わった。
「…………オッケェェェェ~~イ!!いいね、いいねぇ!今回も視聴者はテレビに釘つけだっつーの!」
「……何と言うか、視聴率を重視してそうな感じだな」
「感じじゃなくてそのものでしょ。でなきゃ、撮影した動画に細工なんてしないでしょ」
辛辣なナツヒの評価ではあるが、撮影が終了したのだ。キザマロがどこかへ行かない内に駆け寄り、話しかけるしかない。
「「キザマロ!」」
「!?スバルくん!?それに、委員長!?どうしてここに……!?」
幸い、キザマロはすぐに何処かへ行こうとせずその場に留まっていてくれたので、すぐに会うことができた。あの司会者が足早に立ち去ったのも幸いではあるが。
「もちろん、キザマロくんを心配したからに決まってるでしょ?」
「音信不通で行方不明だったんだ。たまたまこの番組でお前を見つけたから、此方から迎えに来たんだよ」
「ナツヒさんにショウさんも……!?それに、迎えにって……」
スバルとルナだけでなく、ショウとナツヒも来ていることにキザマロは再度驚きの声を上げる。だが、そんなキザマロにお構い無く厳しい顔でルナがキザマロへと詰め寄る。
「キザマロ!無事なら無事って連絡くらい寄越しなさいよ!!わたしたちがどれだけ、心配したと思ってるのよ……?」
「委員長……」
目尻に涙を浮かべているルナにキザマロは複雑そうな表情をしている。
「……キザマロ!早くニホンへ帰るわよ!ゴン太にミソラちゃんも探さないといけないんだから!」
「……ま、待って下さい!ボクはまだ帰りませんよ!!ボクには重大な使命が……ドッシ―が本当にいることを証明しなければいけないんです!!」
「は……?な、なんですって……!?」
「だから……放っておいて下さい!!」
キザマロはそう告げると足早にその場から立ち去っていく。残された四人はキザマロのまさかの対応に唖然とするしかなかった。
味つきサブカード:ナツヒが物は試しで作ったおかしなサブカード。プログラミングで“味”を再現したと本人は口にしているが、本当に再現できているのかは不明。ちなみにオリガは激辛、ウォーロックは激苦と激甘の混合と極端かつ最悪な味であった。
元ネタはエグゼ6の電脳コーヒー。
山羊人間:草むらパネルを使って巨大化するアイツです。