ヘビー級電波人間の凸凹記   作:厄介な猫さん

17 / 19
てな訳でどうぞ。


ダブルトライブ

スバルは現在、出間崎に劣勢を強いられていた。

 

「バトルカード!【ブツゾウサン】!【プリズム】!」

 

出間崎はバトルカードで仏像と、半透明な結晶の巨大な塊を召喚する。スバルは新たに召喚された設置物を無視してシノビシュリケンで出間崎に攻撃を仕掛けるも、出間崎は避けて結晶の塊へと身を隠す。

 

「どうした、どうしたぁ?そんな単調な攻撃が当たると、本気で思ってんのか?いや、単調にしないとバチが当たるからか!ちなみに今攻撃したらコイツに当たって、ここら一帯にダメージが入るぞ!シッシッシ!!」

『本当にウゼェ!!』

 

完全な挑発にウォーロックはぶちギレ寸前であるが、挑発に乗って攻撃しては相手の思う壺だ。下手をすれば、先のテンバツによる大ダメージが待っているのだから。

【ブツゾウサン】のテンバツによるダメージは【リカバリー120】で軽減したが、ダメージは完全に抜けきっていない。その厄介な【ブツゾウサン】は今召喚したのも含めて、この場には二つある。そして出間崎は常に【ブツゾウサン】の近くにいて、攻撃しづらいように動いている。

下手に広範囲の攻撃を放てば、【ブツゾウサン】のテンバツを受けてしまう。更に【プリズム】のせいで更に戦いづらくなったスバルにとって、このフィールドは明らかに不利だ。

無論、スバルの懸念事項はそれだけではない。

 

「ショウさんたち、大丈夫かな……?」

『今アイツらを心配する余裕はねぇだろ。どっちにしろコイツをどうにかしなけりゃ、迎えにも行けねぇぞ』

 

そう。ショウがオリガ・ジェネラルの姿でドンブラー湖の底へと沈んでいく姿を、スバルはバッチリ見てしまっていた。【アイスステージ】で氷の足場を作って加勢しようとしたみたいだが、その足場が想定よりも脆かったからか、乗った瞬間に割れて沈没したのだ。その光景は出間崎も目撃しており、そのマヌケさに大笑いしていたが。

 

「雑談とは余裕だねぇ!?ゲキリュウ―――」

 

出間崎は自身の大技《ゲキリュウウェーブ》を放とうと、前ヒレを上げて溜めの態勢となる。スバルはバトルカード【インビジブル】を使ってやり過ごそうと―――

 

「どっせーーーーっい!!」

「オゲェエエエエエッ!?」

 

した直前で、装甲が緑色となったオリガ・ジェネラルが水面から飛び出て出間崎を吹き飛ばした。

 

 

――――――

 

 

【アイスステージ】による足場作りが失敗したショウは現在、湖の底で頭を悩ませていた。

 

「……腕かきしても全然浮かねぇ」

『まさかワレの身体にこのような弱点があろうとは……!』

 

電波人間のおかげで呼吸の心配はないものの、下半身が戦車という水の中での移動に圧倒的に向いていない身体のせいで腕だけでしか泳げないという致命的な弱点で脱出が困難となっている。腕を必死に掻き分けるように動かしても、自身の体重もあって数センチ浮いてすぐに沈んでしまっている。

仮に電波変換を解いてしまえば、息が出来なくなる上に水面までかなりの距離がある。まず間違いなく、溺死になるだろう。

 

「【アイスステージ】で湖の水を凍らせて、その浮力に便乗するのも失敗だったし……」

『フォルダをリロードしたら消えてしまったからな』

 

本当にどうすればいいのかと、ショウは自身の迂闊さを呪いながら再度頭を悩ませる。このままエネルギー切れとなって電波変換が解ければ溺死。湖の縁を目指そうにも、広大なため間に合うかどうかも分からない。

 

「ハァ……スバルのシノビみたいに、水の上に立てれていたら問題なかったのに……」

『シノビみたいに……』

 

無い物ねだりをしても今の状況を解決できるわけではないと理解しつつも、愚痴らずにはいられないほど参っている。そんなショウの情けない呟きに、オリガは何故か反芻していたが。

 

『……小僧。確か、珍獣と手を組んでいる人間のブラザーカードとやらを持っていたな?』

「え?確かにスバルのブラザーカードは持っているけど……」

 

オリガの問い掛けに、ショウは首を傾げながらも頷きつつスバルのブラザーカードを取り出す。仮にスバルのブラザーカードを使ってもオーパーツ《ベルセルク》の力が解放されるだけ……そう考えるショウに、オリガは自身の提案を告げる。

 

『其奴のブラザーカードを使い、奴のオーパーツの力を借りることが出来るのではないか?貴様らの言う“絆の力”とやらで』

「…………」

 

オリガのその突拍子もない提案にショウは無言となる。さすがに無理がある……からではなく、目から鱗であったからだ。

コダマタウンでの神隠し騒動―――そこでショウとスバルがオーパーツの力を解放したあの時、まるで呼応するようにソロからも《ダイナソー》のものであろうオーパーツの力が溢れていた。

オーパーツ同士の共鳴。それを意図的に起こせば、スバルの《シノビ》の力を使えるようになるのではないか。ブラザーバンド―――“絆の力”で引き出し、繋ぎ合わせることができれば。

 

「……本当にナイスアイディアだ、オリガ!!ブラザーカード、トライブオン!!」

 

ショウはオリガを褒め称えるように告げると、ナツヒのブラザーカードを使い自身のオーパーツの力を解放。ベルセルクの姿となる。

 

「さらに、ブラザーカード!!」

 

ショウは本命であるスバルのブラザーカードを、オーパーツの力を解放する時と同じ感覚で使用する。すると、スバルのブラザーカードから強大な電波の力の上澄みが、ショウの身体へと流れ込む。

 

「ぉおおおおおお……!」

『ワレが睨んだ通りだ!さぁ、新たな力を解放するが良い!!』

 

オリガの宣言を皮切りに、ベルセルクの銀色の装甲が緑色へと変色していく。下半身の戦車も稲妻を連想させる造形から、十字手裏剣を連想させる造形へと形を変える。その姿はベルセルクにシノビの要素を加えた、新たな姿となっている。

 

「―――ダブルトライブ!シノビ!!」

 

ショウは自然と浮かんだ言葉で力強く新たな形態名を宣言する。ベルセルク×シノビ―――二つのオーパーツの力をその身に宿した新たな力の形態を。

 

「《ミズグモ》!」

 

ショウは早速シノビの力の一つである《ミズグモ》を使う。車輪に特定の電波が流れると同時に車輪を豪快に回転させると、水中を一気に()()()()()()()()

 

「スゲェ!さっきまでの苦戦が嘘のようだ!!」

『ガッハッハッハッ!!どうだ小僧!?ワレの優秀さに感服したであろう!!』

「ああ!マジで大手柄だ!これで水の上でも戦える!!」

 

オリガの自画自賛の言葉に同意しながら、ショウは水中を傾斜で爆走していく。その向かう先には、ブラキオの腹が無防備に浮かんでいる。

 

「どっせーーーーいっ!!」

「オゲェエエエエエッ!?」

 

オーパーツ二つの力による《ジェネラル・ダッシュ》―――《エレメンタル・ダッシュ》でブラキオの腹に体当たりをぶちかましたショウは、ブラキオを宙へと吹き飛ばしながら派手に湖から飛び上がる。

完全な不意討ちを喰らったブラキオは水飛沫を上げながら湖へと沈む中、飛び上がったショウは《ミズグモ》で水の上に立つと、ドリフトターンを決めながらロックマンの隣に並び立った。

 

「ショウさん!?自力で上がって来れたんですか!?」

「応よ!厳密にはお前の力を借りたんだけどな!」

『貴様のブラザーカードでダブルトライブし、珍獣の腹の中にあるオーパーツの力を拝借したのだ!実に豪快で、見事であろう!?』

『珍獣だけが余計だジジィ!だが、それが本当なら……!』

 

オリガに珍獣呼ばわりされたウォーロックは怒りを露に噛み付くが、すぐに怒りを引っ込めてロックマン―――スバルに話し掛ける。

 

『スバル!オレたちもやるぞ!コイツらが出来たなら、オレたちにも出来る筈だ!』

「うん!ブラザーカード!!」

 

ウォーロックの言葉にスバルは頷くと、ショウのブラザーカードを掲げる。ショウのブラザーカードから発生した雷に全身を包まれると、シノビの緑色だった装甲が一瞬で銀色へと変化する。左腕のウォーロックも、マスクと頭巾を被った顔から銀色の兜を被った顔へと変わっている。

 

「―――ダブルトライブ!ベルセルク!!」

 

スバルもダブルトライブを成功させ、シノビにベルセルクの要素が加わった姿《シノビ×ベルセルク》となる。新たな姿となったスバルは起き上がりかけているブラキオに顔を向けると、まるで稲妻の如き速さで距離を詰めていく。

 

「ライマシュリケン!!」

 

スバルは窪み部分が緑から黄色となった手裏剣をブラキオに向かって放つ。距離が短いこともあり、電気属性を宿した手裏剣はブラキオの身体へと突き刺さる。

 

「イデデッ!ビリビリして痛ぇっつーの!サンダーブレス!!」

 

ブラキオは痛いと口にしながらも、雷のブレスをスバルに向かって放つ。しかし、ベルセルクとのダブルトライブでスピードが上がっているスバルは瞬間移動するかのように軽々と躱す。

 

『小僧!ジェネラルキャノンで豪快に決めようぞ!!』

「【ブツゾウサン】がいるから無理だ!バトルカード、【イアイフォーム】!!」

 

オリガの要求をショウは真っ当な意見で返しつつ、バトルカードを使う。右腕を刀の形状をしたエネルギー刃へと変えると、居合の構えを取ってその場で静止する。

 

「隙だらけだっつーの!バトルカード、【マッドバルカン2】!!」

 

ブラキオは嘲笑と共にバトルカードを使い、口からバルカン砲を出現させるとショウに向かって撃ち始める。放たれた弾丸がショウに当たった瞬間、遠当ての一閃がブラキオを切り裂いた。

 

「ホゲゲッ!?」

 

距離があるにも関わらず、首の半ば辺りに激痛が走ったブラキオは思わず仰け反ってしまう。その隙を狙っていたかのように、左腕の巨大な斧を上段に構えたスバルが上空から仕掛ける。

 

「スターアドバンス、【グランドアックス】!!」

「ウギャアアアアアアアッ!!」

 

敢えて垂直に振り下ろすことで範囲を絞った斧撃。その一撃を上空から受けたブラキオは悲鳴を上げる。連続で大きなダメージを受けたブラキオであるが、電波変換が解けるほどの致命傷には至っていない。寸前にまで陥っているかもしれないが。

 

「テテッ……よくもやってくれたなっつーの!バトルカード、【リカバリー200】!【オブジェクトリターン】!」

 

ブラキオは【リカバリー200】で痛みを緩和しつつ、特殊なバトルカードを使う。すると、【ブツゾウサン】と【プリズム】、自身の能力で召喚した岩場が追加されるように水上へと次々と現れる。

 

「またナツヒが作ったバトルカードを……」

「コイツで吹き飛べっつーの!!バトルカード、【ボムライザー】!!」

 

ブラキオはバトルカードを使うと同時に潜水する。使われたバトルカードは【ボムライザー】―――設置物を全て爆発させる威力の高いバトルカードだ。事実、【ブツゾウサン】に【プリズム】、自前の能力で設置した岩場が臨界寸前の如く輝き始めたのだから。

 

「「バトルカード、【インビジブル】!!」」

 

ショウとスバルは【インビジブル】を使い、【ボムライザー】が起こした爆発をやり過ごそうとする。直後、一斉に設置物が爆発し、その衝撃波がショウとスバルに迫ろうとする。

 

テンバツ。

 

その瞬間、五つの雷が湖の中へ向かって落ちた。

 

「ボゲェエエエエエエエエエエエエッ!?」

 

五つの雷の直撃を受けたからか、ブラキオは悲鳴を上げながら姿を現す。あまりのダメージで意識を失ったのか、仰向けとなって痙攣しているが動こうとしない。その上、姿が大きくぶれ始めている。

 

【インビジブル】によって爆発を回避したスバルは困惑し、同じく【インビジブル】で回避したショウは呆れていた。

「い、今のって……」

「……【ブツゾウサン】のテンバツだな。【ボムライザー】はカードの特性上は攻撃扱いだし、普通に使い手が攻撃対象になるからな」

『……この人間は馬鹿なのか?』

『最後は自滅かよ』

 

【ブツゾウサン】のテンバツを失念していたのか、それとも自分には来ないと思っていたのか。おそらく後者であろうが、迂闊にも程があるだろう。

テンバツの雷を五回同時に食らい、弱点で倍のダメージを受けてしまったブラキオは、霧散するかのように電波変換が解ける。電波変換が解け、水面で仰向けで気絶していた人物は、ショウたちが予想通り『ミステリーワールド』のディレクターであった。

 

「……取り敢えず、すぐにキザマロを助けに行こうか」

『お?コイツは放っておくんだな?お前もやるようになったじゃねぇか』

「…………」

 

決着がついたことでスバルは直ぐにキザマロの救出に向かおうとしたが、ウォーロックがディレクターを放置することに笑みを浮かべると動きを止めて沈黙する。さすがに気絶して湖に浮いているディレクターを放置するのはやり過ぎだと思ったのであろう。

 

「……あのディレクターはオレが運んでおくから、キザマロを助けに行ってこい」

「……お願いします」

 

何ともスッキリしない決着であったが、『ドッシー騒動』は解決へと向かうのであった。

 

 

――――――

 

 

「うわぁあああああああんっ!委員長、すごく怖かったですぅうううううううっ!!」

 

ブラキオを撃破してすぐ、キザマロを閉じ込めていた潜水艦のマテリアルウェーブはスバルによって引き上げられた。ロックの方はナツヒが解除したことですぐに開放され、助かったキザマロは安堵からルナに泣きついている。

ちなみにブラキオと電波変換していたディレクターの出間崎は、村人と観光客、同じ番組スタッフから厳しい質問責めにあっている。特にカメラマンは証拠として撮影している始末だ。

大勢の目の前で電波変換が解けたこと、ドッシーに似ている潜水艦のマテリアルウェーブの存在、そのマテリアルウェーブの持ち主が出間崎であったこと。これらによってドッシーが出間崎のヤラセであると気付かれてしまい、目を覚ました出間崎は必死に言い訳する羽目となったのである。

 

「まさかとは思うが……あの津波もあなたの仕業なのかね?」

「いや!えっと……それは……!」

 

さらに出間崎にとって不幸なことに、サテラポリスの五陽田もいるのだ。間違いなく、この先の人生はお先真っ暗だろう。

そんな出間崎の転落に、ショウたちは見向きもしなかったが。

 

「全くもう、何時までも泣かないの!けど……頑固なところがあったのね、キザマロ。長い付き合いだったけど、全然知らなかったわ」

「えっと……それは……」

 

ルナの呆れ混じりにあやしながら、始めて見たキザマロの頑固な一面に触れる。ルナとしては友達の知らない一面を知れたという程度の認識であったが、当のキザマロ本人はバツが悪そうに顔を背けている。

 

「委員長、実は……」

 

そこでスバルは、今回のキザマロの行動の動機を明かした。キザマロはみんなの友達として何か誇れるものが欲しかったから、帰国を頑なに拒んでいたのだと。それを知ったルナは、たちまち眉間にシワを寄せていく。

 

「誇れるものが欲しかった?本当に下らないわね」

「…………」

「だって……わたしは今のアンタを、大事な大事な友達だと思ってる。それだけじゃ不満かしら?」

「い、委員長……」

 

誇れるものがなくても、大事な友達であることに変わりはないと告げるルナに、その言葉の裏に隠された優しさに気付いたキザマロは目尻に涙を溜めていく。

 

「ごめんなさい!ごめんなさいですぅ~~~!!」

 

再び大声でルナに泣きつくキザマロ。そんなキザマロをショウたちは優しげな目で見守っていく。

 

「これで無事に解決かな?」

「だろうな。後、これ」

 

ショウはそう言ってナツヒに数枚のバトルカードを投げ渡す。【リフレクトメット】、【ブツゾウサン】……出間崎が持っていたナツヒ製のバトルカードだ。出間崎を展望台に運ぶ際に、ショウがきっちりと回収していた。

 

「【アイスストーン】に【クイックアロー】、【サークルボール】に【バンブータワー】も持っていたのね」

「これをハイドが手渡したんだよな……絶対、向こうは利用する気満々だろ」

 

今回のように手引きを受けた人物か、盗んだ張本人が使うかは分からない。だが、どちらにしても厄介なことには違いはない。

 

「オバケ、雪男、ツノウサギ、ドッシー……これ以上は出てこないよな?」

「……可能性で言えば、《監視者》が現れるだろう。さらに数こそ少ないが、《剣》と《杖》の二体もおる」

「まだいるのか。後、《剣》と《杖》って……UMAじゃなくて武器じゃん。いや、オリガはUMAじゃなくて星座由来みたいだし、そこまで不思議じゃないのか?」

 

どちらにせよ、面倒ごとは続きそうだとショウは空を見上げるのであった。

 

 

――――――

 

 

―――とある場所にて。

 

「……ハイド。此度もしてやられたみたいだな。随分と手こずっておるではないか?」

「も、申し訳ございません!!」

 

口調こそ柔らかいが遠回しに失態を責められていることに、ハイドは主であるオリヒメに対して挺身低位で謝罪する。

今回のハイドの行動は完全な独断専行。それも決して多くない手札を勝手に使ってまで動いたのだから、怯える態度になるのも不思議ではない。

そんなハイドに対し、隣にいるソロは興味がないと言わんばかりに無視。オリヒメの傍に控えているエンプティーは一瞥すると、オリヒメに向かって語りかける。

 

「オリヒメ様……あの者たちはオーパーツの力を完全に自分のモノとしています。それだけではなく、互いのオーパーツの力を借り受け、己が力として振るっています。最早、我々にとって脅威の存在かと……」

 

今回のハイドの独断は誉められるものではないものの、十分な収穫はあったとエンプティーは言外に告げる。ダブルトライブ……二つのオーパーツの力を同時に扱うなど、普通ではあり得ないからだ。“鍵”としてならまだしも、“武器”として使うにはオーパーツの力はあまりに強大。それを“絆の力”で完全に使いこなしているのだから。

そんなエンプティーのロックマンとオリガ・ジェネラルへの評価に、ソロは鼻で笑った。

 

「……フン。情けない奴らだ」

「奴らを侮るナ、ソロ……警告の為に敢えてハッキリと言っておくが、今のあの者たちは、お前でも勝つことは難しいだろう……」

「エンプティー……!このオレが、アイツらより劣ると言うのか!!」

 

ソロは激昂してエンプティーに詰め寄るが、エンプティーは否定するようにゆっくりと頭を振る。これは優劣の問題ではないと言いたげに。

 

「これは劣ると言う話ではナい……単純な力の問題だ。こちらのオーパーツは一つに対し、あちらは二つ……こちらに至っては、力でどうにか侵食を抑えているのが現状だ。それは、お前が一番理解しているだろう?」

 

エンプティーの真っ当な意見に、ソロは悔しげに口を歪めるしかできない。事実、ソロが未だに持っている《ダイナソー》のオーパーツの力は、上澄みを利用するくらいしかできないのだから。

 

「ソロよ。そなたが確実に勝ちたいのであれば、《孤高の証》を受け入れることだ」

「……何度も言わせるな。オレはお前たちの助けなど借りない。絶対にな!!」

 

ソロは明確な拒絶の意思を示すと、足早にその場を立ち去ってしまう。勝手に立ち去ったソロにハイドは苛立ちを露にしていたが、オリヒメは然程気にした様子がない。

 

「……実に惜しいことよ。あれを使いこなせる可能性があるのは、妾が知る限りソロだけだと言うのに」

「どうなされますか、オリヒメ様。《支援者》から送られた情報……その裏付けを取る調査は?」

「でしたらこのハイドにお任せを!!」

「いや、次にソロが来た時に伝えれば良かろう。ハイド、そなたは一度休むがよい。適度な休息も、優秀な者には必要だからな」

「……オリヒメ様の、仰せのままに」

 

ハイドは感情を圧し殺したように一礼すると、その場から立ち去っていく。残っているのはオリヒメとエンプティーの二人だけだ。

 

「オリヒメ様。例の《支援者》についてですが……未だに尻尾を掴めていません」

「……優秀な者であることは確かだが、正体を隠しているのが気に食わぬな」

「……申し訳、ありません」

「そなたが謝る程のことではない。《支援者》の正体は、妾の目的を果たした後でも探れるからな」

 

 




オリ設定。

【プリズム】
半透明の巨大な結晶の塊を設置するバトルカード。結晶はダメージを受けると周囲に拡散して同じダメージを与える。
元ネタはエグゼ2の【プリズム】。プリズムコンボにはお世話になりました。

【オブジェクトリターン】
自身が召喚した設置物を追加で設置するバトルカード。ゲーム性能では設置系のバトルカードが再使用可能となる。
元ネタはエグゼ3の【フォルダリターン】。元ネタの方が凶悪。

《ライマシュリケン》
シノビ×ベルセルクフォーム時のチャージショット。シュリケンを投げるのは変わらないが、属性は木属性から電気属性となっている。
チャージショットのサンダースラッシュ?二次創作ならオリジナル攻撃があってもいいでしょ?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。