一ヶ月後。
「TKタワーに幽霊が出現、か……絶対興奮してるな」
今朝のニュース番組で取り上げれた内容をソファに座っているショウは何とも言えない気分で呟く。
その理由は物騒とか不安からではない。この後の面倒極まりない展開に対してである。
そのショウの考えを肯定するように、テーブルの上に置かれていた外装が金色のスターキャリアーから着信音が鳴り響いていく。
「噂をすればか……ブラウズ」
ショウは半ば諦めたようにスターキャリアーを手に取ると、通話機能をONにして《エア・ディスプレイ》画面を展開する。通話映像画面として表示されたエア・ディスプレイには、予想通りの人物が写っていた。
『ショウ!今朝のニュース見た!?ロッポンドーヒルズのTKタワーにオバケが出たんだって!!』
「知ってる知ってる。今ニュースで見てたところだし」
『作り物のオバケには興味ないけど、本物のオバケは別よ!本物のオバケに会えるなら意地でも行ってたのに!!』
そう言って画面の向こうにいるナツヒは悔しそうな表情となる。おそらく、地団駄を踏んでいるだろう。
『こうなったら、今度の夏休みで未確認生物を見つけ出してやる!ショウとオリガも付き合ってよね!』
ナツヒはショウの返答も聞かずに一方的にそう告げると、通話を切る。通話が切れたことでエア・ディスプレイも音を立てて閉じられる。
「……ワレは行かぬぞ」
そんな中、ショウの隣にいたオリガが心底嫌そうに呟く。
なぜ電波体かつ人間嫌いのオリガがショウの家にいるのか。一言で表すなら居候である。
今のオリガには行く宛もなく、帰る場所もないため、ショウがしばらく一緒に暮らさないかと提案したのだ。オリガは当然、人間の施しは受けないと拒否しようとしたが……
『じゃあ、私が連れて帰るね。新種の未確認生物をこのままどこかに行かせるわけないでしょ?』
ナツヒが非常に怖く、危ない表情でオリガに滲み寄って来た為、不覚にも身の危険を感じたオリガはナツヒに捕まるくらいならショウの提案に乗った方が百倍マシと、ショウのやっかいになるとその場で決めたのである。
ナツヒもショウの居候になるなら慌てる必要はないとすんなり引き下がった為、オリガとしては不本意ではあるがショウの家で暮らすこととなったのである。
そんな同行拒否したオリガに、ショウは苦笑いしながら話しかける。
「別に留守番しててもいいけど……その場合、ナツヒがオレの家に突撃するぞ」
「ムグゥ……」
その光景がありありと浮かんだのか、オリガは苦悶の声を洩らし、白いチョビヒゲも若干垂れさせる。
「それにナツヒは科学者の娘だし。今度はお前を自由に触れるマテリアルウェーブを作ってるだろうし」
「……否定、できん。先日のゴーグルの件があるからな」
一週間ほど前、電波の周波数の捕捉や調整、マテリアルウェーブを利用して、電波体や電波の道を視認可能となるマテリアルウェーブを作り上げ、二人の前で御披露目したのである。
その結果、周波数を変えてナツヒから逃げていたオリガが見事に見つかり、電波体にも関わらず身の危険をひしひしと感じる羽目となったのである。
「あの小娘は一体何者なのだ、小僧」
「オカルトや未確認生物が大好きな、親が科学者の娘」
オリガの疲れたような呟きに、ショウは何度目かも分からない同じ返しをするのであった。
――――――
TKタワーの幽霊騒動から幾ばくか落ち着きが戻ってきた頃。
ショウとオリガ、ナツヒは夏休みを利用してメガリゾート地であるヤエバリゾートに来ていた。
「とうちゃーく!!」
「見事な雪景色だな。ヤシの木と雪という珍しい組み合わせだけどな」
旅行バック片手にテンション高めのナツヒを横目に、本来ではあり得ない組み合わせの光景を前にショウは沁々といった感じで呟く。
「ヤエバリゾートは山全体をマテリアルウェーブで覆っているからね。常に温度を一定に保てるからこそ可能な芸当なのよ」
「相変わらず詳しいな」
「モチのロンよ!私のお父さんはマテリアルウェーブの開発に関わっているからね」
そんなやり取りをしながら、二人はホテルに向かって歩いていく。
「フッフッフッ……このヤエバリゾートでは、雪男の目撃情報があるのよ。未確認生物の一種である雪男が拝めるチャンスを逃す手はないわ」
「やっぱりそれが一番の目的か」
怪しい笑みを浮かべているナツヒの言葉にショウは半目で呆れたように呟く。そんなショウに構わず、ナツヒは雪男に関する情報を話し続けていく。
「その雪男の目撃情報は、落雪事故が頻繁に起きるようになってからなのよ。同時にとある会社がこのヤエバリゾートを買い取ろうとしているみたいだし」
「その会社は?」
「悪どい乗っ取り商法で大評判。噂じゃ犯罪に手を染めているんじゃないかって囁かれているほどよ」
「この分だと、その雪男はその会社の裏工作か何かじゃないか?」
「その可能性は高いけど……この前のオバケ騒動の二の舞はゴメンよ!」
またガセやでっち上げの可能性にナツヒは一瞬落ち込みかけるも、TKタワーの幽霊騒動の件からそれでもと言いたげに言葉を返す。
そうして二人はホテルのフロントでチェックインを済ませ、予約したホテルの部屋に荷物を置きに入ろうとするも……
「あれ?扉が開かない?ロックは解除されている筈なのに……」
ナツヒは疑問に思いながらも、もう一度ルームキーを使って扉を開けようとする。しかし、ロック解除の音が鳴り響いたにも関わらず扉は開かない。
「どうしよ?ホテルのフロントに報告する?」
「それしか方法が……あ、そうだ」
ショウは何か思い付いたのか、懐のスターキャリアーを取り出す。そして、ショウはそのままスターキャリアーへと話しかけた。
「オリガ、オレと電波変換してくれないか?電波変換したらこの扉を素通りできるだろ?」
『……できなくはないが、そんな面倒なことをワレがやる義理はない』
ショウの頼みに対し、スターキャリアーの中にいるオリガは不可能ではないと答えつつも面倒だからという理由で断ってくる。そんなオリガにショウはコメカミをひくつかせながらも、食い下がっていく。
「後でウイルスバトルに付き合うからさ。少しくらい協力してくれよ」
『……電波変換だけだ。部屋にはウェーブロードを介して入れ』
少し遠回りではあるがオリガの協力が得られたので、ショウは扉の前でウンウン唸っているナツヒに話しかける。
「ナツヒ、オレが中に入って確認してくる」
「どうやって中に……ああ、なるほどね」
ナツヒはショウの言葉に一瞬首を傾げるも、すぐに意図を察して納得したかのように頷く。
ショウは周りにナツヒしかいないことを確認すると、その場でスターキャリアーを掲げる。
「電波変換!車田ショウ、オン・エア!!」
その言葉と共にショウの身体は光に包まれ、電波人間『オリガ・ジェネラル』へと姿を変える。
「部屋へのウェーブロードは……あれか」
オリガ・ジェネラルとなったショウは自分達が泊まる部屋へと続くウェーブロードを見つけると、安全運転するように移動していく。
『なぜ豪快に走らぬのだ!?』
「こんなところで走ったら、周りがぶっ壊れるだろ」
オリガの文句にショウはそう返しつつ、ウェーブロードを介して部屋の中へと入る。
「扉に変な細工がされてたのかよ。誰がこんな迷惑なことを……」
扉に施された細工にショウは呆れつつも、普段の何十倍ものパワーでその扉を軽く小突くようにして扉を開ける。普段の感覚で開ければ扉がぶっ壊れるからだ。
部屋の扉が開くと、マテリアルウェーブで構成されたゴーグルを掛けたナツヒがすぐに部屋に入ってきた。
「ありがとね、ショウにオリガ。おかげで雪男調査の出鼻を挫かれずに済んだよ」
「どういたしまして」
『貴様の為ではない。小僧、早くワレとの約束を果たせ』
「ハイハイ。そんなわけでナツヒ、オレはこのまま野良電波ウイルスと戦ってくる」
「オッケー。雪男の調査はこっちで進めておくからお構い無く~」
ナツヒからも許可をもらったショウは、そのまま寝泊まりする部屋を出ると、ヤエバリゾートのグルメタウンのウェーブロード上でウイルスバトルを繰り広げていった。
「ジェネラル・ダッシュ!!」
ショウはオリガ・ジェネラルの手持ちの技―――豪快な体当たりである『ジェネラル・ダッシュ』を繰り出し、進行上にいたラビジェットやメットリオ、モジャヘイにアイズ達を吹き飛ばし、一撃でデリートしていく。
「相変わらず凄い体当たりだな。お、アビリティ発見」
『【HP+50】か……キズナリョクとやらがなければ、組み込めないのが腹立たしいな』
オリガは不満げに手に入れたアビリティ対して呟く。オリガ本人曰く、こんなものに頼る必要がないほど強力な電波体だそうだが、どういうわけかアーミーズを呼び出せない程に弱体化しているとのこと。
「そうこうしている内にまたウイルスが来たな。バトルカード、【プラズマガン1】【ロングソード】!」
ショウはこちらに突撃してくるラビジェットに気が付くと、豆電球のような形をしたバスターに変形した左腕から動きを少しの間止める攻撃を放ち、麻痺して動けなくなったラビジェットに空かさず右腕の黄色い剣で切り裂いてデリートする。
「……ん?ナツヒから連絡?ブラウズ!」
ショウは取り出したスターキャリアーからの連絡がナツヒであり、連絡がきたことに首を傾げつつもすぐに応答する。すると、通話に応じて早々に興奮気味のナツヒが画面に写った。
『ショウ!この足跡を見て!!これは間違いなく雪男の足跡だよ!!』
ナツヒは大声でそう叫ぶと、スターキャリアー越しで降り積もった雪にくっきりと残っている大きな足跡を見せつけてくる。
その見せつけられた足跡は人間にしては明らかに大きく、大柄な生き物がそこにいた存在だと証明するものだ。
『それも大きいだけじゃなく、実際にその存在が歩いたと証明する自然な足取り!!これは期待できそうよ!!』
「マジか……」
今回もデマかガセ、勘違いかと思っていただけに、リアルな大きな足跡を目にしたショウは毒気を抜かれたような気分となる。
『落雪事故のせいで今日はゲレンデエリアに行けないけど、この周辺を徹底的に調べ尽くしてやるわ!!』
「ほどほどになー」
ショウが慣れた感じでそう返すと、ナツヒは用事は終わったと言わんばかりに通話を切る。
「じゃ、オレたちはウイルスとのバトルを……」
「それでは只今より、『大食い大会』を始めます!!」
ナツヒとの通話を終えたショウは再びウイルス達と戦おうとした矢先、下の方にあるグルメタウンからのマイクによって拡張された声が耳に届いたことで意識がそちらへと向いた。
『オオグイタイカイ?小僧、一体どういう意味だ?』
「大食い大会は文字通り、食い物を沢山食べて、その食べた量で勝ち負けを決める大会のことだ」
『食事の摂取量で勝敗を決めるだと?人間の考えることは分からんな』
「食事の概念がないから理解できないかもなー」
『ワレを馬鹿にしているのか?』
「だから曲解するなって」
相変わらず人の言葉を曲解するオリガに、ショウはやれやれといった感じで肩を竦める。さすがに一月も共に暮らせば、ナツヒに振り回されることが多いショウの方が少々慣れたのである。大抵は口喧嘩に突入するが。
そんなやり取りをする二人の眼下で大食い大会は開催され、白熱した戦いは徐々にヒートアップしていく。
「さぁ、ゴン太選手!さらにスピードアップ!!それに続いて
実況している男性の言葉通り、大食い用のマテリアルウェーブを使っている大柄な少年と少し体格が小さい少女は大量のハンバーガーを一口二口で次々と頬張っていっている。眼鏡を掛けている少年は既に限界らしく、食のスピードが二人と比べて明らかに遅い。
「……ん?」
そんな大食い大会が白熱する中で、大柄な少年の背中からモヤモヤとした何かが浮かび上がってくる。最初は煙の如く不安定だったそれは、徐々に牛の形を取り始めていく。
「お、おい!?あれは一体なんだ!?新手の電波ウイルスか!?」
『あれはウイルスではない!ワレと同じ電波体だ!』
「なんだって!?」
素直に答えたオリガの言葉に、ショウは驚いたように声を上げる。
「何でアイツの身体から電波体が出てくるんだよ!?」
『ワレが知るか!』
「電波体ならお前の方が詳しい筈だろ!?」
『電波体だからといって、何でも知っていると思うな!やはり人間は傲慢だな!!』
「この程度で傲慢扱いするな!ポンコツ!!」
『ポンコツと呼ぶな!!』
ショウとオリガが口喧嘩に突入する中、状況は最悪な方へと流れていく。
「ブル!ブル!!ブルルォォォーーーー!!!」
大柄な少年の雄叫びと共に、顔が牛となっている赤い電波体は吸い込まれるように大柄な少年と重なり合って光に包まれる。光が収まると、そこには赤い装甲に身を包んだ、両肘から炎を噴き出させる牛の電波人間がいた。
「電波変換しやがった!?」
大勢の人がいる前で電波変換し、正気を失っているかのように雄叫びを上げながら暴れている牛の電波人間に対してショウは焦った声を上げる。
「オリガ!あれ、お前の仲間じゃないのか!?」
『あのような電波体なんぞワレは知らん!そもそも周波数が違う!!』
「じゃあ、あの電波体は何だったんだ!?」
『だからワレは知らん!!』
ギャイギャイとショウとオリガは口喧嘩を広げていたが、今はその場合ではないとショウの方から切り上げる。
「とにかくあの牛男を止めるぞ!」
『良かろう!ウイルスばかりを相手にするのも飽きていたからな!!』
ショウは足が車輪にも関わらず、器用に跳ねてウェーブロードから飛び降りると牛男が暴れる広場へと着地する。
着地の衝撃で周りの雪が豪快に飛び散り、それによって周りの意識がショウ達の方へと向く。
「今度は何!?」
「また怪物なのか!?」
突撃現れたオリガ・ジェネラル姿のショウに周りの観客達が不安に駆られる中、ショウは周りに構わずに同じく意識を向けていた牛男に対して告げる。
「牛男!オレが相手になってやる!!」
「ブルルルルッ!!」
ショウの挑発に牛男はすぐに乗って突撃し、ショウもそれに合わせるように突撃していく。そのまま互いに両手を突き出して掴み合い、取っ組み合いを始めていく。
「力比べなら負けないぞ!!」
「ブル!ブル!ブルルォォーーーー!!」
ショウは車輪を猛回転、牛男は両肘の炎を強め、力と力の激突を繰り広げていく。
『コヤツ、中々パワーがありよる!だが、ワレの敵ではない!!』
オリガが高らかに告げる通り、取っ組み合いは徐々にショウの方へと傾いていっている。牛男がどれ程重量があるか不明だが、オリガ・ジェネラルの重量は1500キロもあるのだ。並大抵ではビクともしないのである。
「ブルルォォーーーー!!!」
「いい加減に大人しくしろ、牛男!周りに迷惑だろうが!!」
押し合いは不利と察して暴れ始めた牛男は、力づくで抑え込むショウの言葉に苛立ったのか、唐突に口にあたる部分から炎をブレスのごとく吹き出した。
「アチチッ!コイツ、火を吹きやがった!?」
『取っ組み合いではワレが不利か!小僧、一度離れるぞ!!』
「そうしたら、火が他に移るだろうが!!」
オリガはすぐに距離を取るように言ってくるも、ショウは他に火が燃え移る危険性からそれは出来ないと返す。牛男が吹く炎はちょうどショウが壁となっているおかげで他に燃え移らず、塞き止められている形だ。周りにまだ大勢の人がいる中で下手に下がれば、人的被害が出る恐れがある。
『ならどうすると言うのだ!?このまま焼かれるつもりか!?』
「そんなわけないだろ!バトルカード、【バリア】!【リカバリー30】!」
ショウは二枚のバトルカードを使うと、自身に防御膜を張りつつ痛みを和らげる。【リカバリー】系のカードは電波体の傷を癒すことができるが、電波人間には痛みを和らげるくらいしか効果がない。
『なぜ【インビジブル】を使わん!?』
「使ったら火が素通りするだろうが!!」
ショウの言葉通り、【インビジブル】は少しの間、相手の攻撃が効かなくなるバトルカードだが、その代償に攻撃を受け止めることが出来なくなってしまうのだ。被害の拡大を抑える為に攻撃を受け止めているのだから、そんなことをすれば本末転倒も良いところである。
「バトルカード、【マッドバルカン1】【アタック+10】【マヒプラス】!」
その直後、何者かがバトルカードを使って牛男を攻撃してきた。麻痺を加えられたことで牛男の動きが止まり、口から吹いていた火も小さくなる。
「!どおりゃああああああっ!!」
ショウは今がチャンスとばかりに牛男を持ち上げ、車輪を巧みに動かしてその場で回転して豪快に投げ飛ばす。背中から投げ飛ばされた牛男は、逆さまとなった状態で斜面となっている雪へと激突する。
「トドメだ!ダブルバトルカード、【グランドウェーブ1】!」
そこへだめ押しとばかりにショウは二つの衝撃波を同時に飛ばし、命中と同時に雪煙を巻き起こす。衝撃で巻き上がった雪煙が晴れると、そこには牛男ではなく大柄な少年が目を回して気絶していた。
「元の姿に戻ったか。さっきの援護は……」
ショウは誰がバトルカードを使って助けたのかと思い周囲を見渡すと、左腕に三門のバルカン砲を構えた青色の装甲を纏った少年が佇んでいた。
「……へ?」
明らかに普通ではない少年にショウは目を白黒させつつも、確認の為に言葉を投げ掛けていく。
「さっきの攻撃はお前がしたのか?」
「え?う、うん……」
ショウの言葉に左手が青い猫?の顔となった青い少年は素直に頷く。ショウは青い少年が何者なのかと言葉を続けようとしたところで周りの人達が再び騒いでいく。
「そこの青い少年、早く逃げろ!!」
「そうよ、危ないわよ!!」
「……やっぱり見えてるんだね」
周りの反応に対する青い少年の呟きからして、彼もやはり電波人間のようだ。体格からの対応の違いには少々複雑であったが。
「みなさん、大丈夫ですよ!あの青いヒーローはロックマンです!」
「ロックマン?」
大食い大会に参加していたメガネの少年の宣言に、ショウが疑問を露に呟く。そんなショウに構わず、メガネの少年は周りの疑問に答えるように言葉を続けていく。
「ヒーロー?」
「はい!一見するとただの少年ですが、実は凄いヒーローなんですよ!」
「キ、キザマロ!」
どうやら知り合いらしいキザマロと呼ばれたメガネの少年の言葉に、ロックマンと呼ばれた青い少年は慌てふためいていく。
「ヒーローなら、あの怪物も倒せるのか!?」
「不安だが、彼に懸けるしかない!!」
「頑張って!ロックマーン!!」
キザマロの言葉によって周りの人達がロックマンを応援し、オリガ・ジェネラルの打倒を託していく。その当の本人達は複雑かつ、微妙な気分になっていたが。
「その、ゴメン……君が先に助けに入ったのに……」
「あー、うん。こんな見た目なんだ。さすがに仕方ないだろ。あの少年もペコペコしてるし」
ショウがそう言って指差すと、この事態を招いてしまったキザマロは申し訳なさそうに手を合わせている。ロックマンを紹介した本人もこの展開は予想外だったようである。
『クク……どうやらやるしかないみたいだぜ?スバル』
「ロックは何で嬉しそうにしているのさ!?」
『少々不完全燃焼だったからな。実に丁度いい流れであるぞ』
「お前も乗り気になるな!」
お互いの電波体が戦う気満々であることに両者はツッコミを入れつつも、仕方なしと言わんばかりに構える。
「……お互い、苦労してそうだな」
「あはは……もう慣れたけどね」
周りの熱気も相まって互いに苦笑し合うと、表情を引き締めて臨戦態勢となる。
「じゃあ……いざ尋常に、勝負!!」
「ウェーブバトル、ライド・オン!!」
斜め上の方向へと進んでしまった騒動を良い形で着地させるべく、『オリガ・ジェネラル』と『ロックマン』はウェーブバトルを始めるのであった。
《電波人間》:電波なので床や壁のすり抜けは可能であるが、電波体が調整しなければ抜けられないし、体力をそれなりに使う。
アニメとゲームの中間ですが、何か?
《リカバリー》:電波体の傷を治すカード。電波人間では痛みの緩和程度の効果となる。
出番がないカード?ちゃんとあるよ。