てな訳でどうぞ。
「ロックバスター!」
開幕早々、ロックマンは獣の顔―――ウォーロックの顔となっている左腕からバスター攻撃を放つ。放たれたバスターはオリガ・ジェネラルに命中するも、大したダメージにならない。
「この程度の威力なら、突っ切れる!ジェネラル・ダッシュ!!」
オリガ・ジェネラルは受け止めきれると判断し、ロックマンに向かって体当たりを仕掛けようと直進していく。猛烈な勢いで迫ってくるオリガ・ジェネラルを前にしてもロックマンは怯む様子はなく、どっしりとした構えを取っていく。
「バトルカード、【ジェットスキー1】!!」
ロックマンはバトルカードを使うと、左腕をラビジェットの顔へと変えて突撃していく。
互いに激突し交錯すると、オリガ・ジェネラルはそのまま一直線に進み、【ジェットスキー1】を使ったロックマンはバランスを崩して宙を舞っていく。
『チッ!パワーはやっぱりヤツの方が上か。だが……』
「うおわっ!?」
体当たりではロックマンに勝ったオリガ・ジェネラルであったが、【ジェットスキー1】の効果で氷結した地面に車輪を取られ、見事にスリップしてしまう。
『バトルの経験はオレらの方が上みたいだな。やれ、スバル!』
「うん!バトルカード、【キャノン】!」
ロックマンはバランスを整えながら着地すると、バトルカードを使って左腕をキャノン砲へと変える。そのまま間髪入れず、バランスを崩したままのオリガ・ジェネラルへと砲撃を撃ち込む。
「何のこれしきぃッ!」
『【スーパーアーマー】持ちかよ!オックス並みの典型的なパワータイプだな!』
【キャノン】の一撃を受けたオリガ・ジェネラルがダメージを受けながらも対して怯まずに立て直したことから、ウォーロックはオリガ・ジェネラルの特性にある程度の当たりを付ける。
『アヤツ、戦い慣れておるな。経験の差が如実に出ているぞ』
「全くもってその通りだな……バトルカード、【レーダーミサイル1】!!」
オリガ・ジェネラルはオリガの言葉に頷きつつ、上空にミサイルを召喚する。召喚されたミサイルはロックマンに狙いを定めて飛来するも、ロックマンはそれをギリギリまで引き付けて躱してしまう。
【レーダーミサイル】系のバトルカードは誘導性のあるバトルカードだ。普通に避けるのでは追尾してくると知っていたからこそ、直前まで引き付けた上で躱したのである。
『あの野郎、お前のようにバトルカードを躊躇いなく使ってくるな。大抵の奴は自前の攻撃に頼るのにな』
ウォーロックの呟きにロックマンは同意するように頷く。今まで戦った電波変換した者達は、自身の能力の高さもあってバトルカードをほぼ使わずに戦っていた。ロックマンの最初の友達もその例外に洩れていない。
しかし、オリガ・ジェネラルは自身の持つ攻撃手段だけでなく、バトルカードも躊躇いなく使う。満足に使えないバトルカードもあるだろうが、使う使わないだけでも脅威度は大きく変わるのである。
『スバル。以前オックスやリブラに使った戦法を使うぞ!!』
「麻痺による足止めだね!バトルカード、【プラズマガン1】!!」
ウォーロックの助言にロックマンは頷くと、すぐさまバトルカード【プラズマガン1】を使う。電球のような銃身を展開したロックマンは、その鋭く尖った先端をオリガ・ジェネラルに向ける。
「バトルカード、【インビジブル】!」
麻痺弾が放たれる直前、オリガ・ジェネラルは数秒間攻撃が素通りするバトルカードを使い、ロックマンの【プラズマガン1】の麻痺弾から難なく逃れる。
『ガッハッハッ!甘い、実に甘いぞ!!その程度の攻撃なんぞ―――』
『スバル、やれ!!』
「バトルカード、【ボルティックアイ1】【マヒプラス】!!」
オリガの高らかに告げる言葉を無視し、ウォーロックの指示を受けたロックマンは二枚のバトルカードを使用する。ランダムに動くロックオンマークがオリガ・ジェネラルを捉えた瞬間、ロックマンは目に力を込めて攻撃を放った。
『ナヌッ!?』
「しまった!!」
インビジ状態でも攻撃が通せるバトルカードをマトモに受けてしまい、【マヒプラス】のプラス効果も相まってオリガ・ジェネラルはその動きを止められてしまう。
「ぐぅぅ……【ボルティックアイ1】を持っていたとは……」
『麻痺の足止め手段が一つなわけねぇだろ、脳筋ヤロー共!!』
『誰が脳筋だ!ポンコツ扱いするこの小僧といい、ワレを侮辱せねば気が済まぬのか!?』
『一体何の話だ!?とにかく追い打ちだ、スバル!!』
「分かってる!バトルカード、【マッドバルカン1】【プラズマガン1】【オロロンハット1】!!」
脳筋扱いに怒りを露にするオリガを無視し、ロックマンはここぞとばかりにバトルカードを使い、オリガ・ジェネラルにダメージを刻み込んでいく。
「やっと麻痺が解けた!バトルカード、【アイスステージ】!【ネバーレイン1】!!」
ブーメランの如く飛んできた魔女帽子の一撃を受けて漸く麻痺が解けたオリガ・ジェネラルは、ロックマンの足下の表面を凍らせ、間髪入れずに攻撃性のある雨を降らせる。
「シールドッ!!」
攻撃を続けた直後とあって、ロックマンは咄嗟に左腕から光のシールドを展開して雨を防いでいく。しかし、それが失敗であったことをすぐに思い知らされることとなる。
「あ、足が凍って動けない!」
『さっきのはこれが狙いか!』
【アイスステージ】の特性である水属性攻撃の氷結効果によってその場から動けなくなったロックマンに、オリガ・ジェネラルは手持ちの大技を発動させる。
『ガッハッハッ!これぞ、好機ッ!』
「これで潰れろ!ヘル・ローラー!!」
その叫びと共に、オリガ・ジェネラルの正面に棘付きの凶悪な巨大ローラーが召喚される。そして、オリガ・ジェネラルはその巨大ローラーと共に鈍い音を放ちながらゆっくりと前進を始めていった。
『スバル!あれをマトモに受けたらタダじゃすまねぇぞ!』
「分かってるよ!ロックバスター!!」
見た目からして只では済まない巨大ローラーを前に、ウォーロックの警告を受けたロックマンはバスターを次々と放っていく。
バスターは巨大ローラーに命中するも、中央の赤く光る箇所以外は弾かれてしまい、徐々に距離が縮まっていく。
『チィ、バスターじゃ威力不足か!なら、バトルカードだ!』
「うん!バトルカード、【モエリング1】【モジャランス1】!!」
バスターでは破壊仕切れないと悟り、ロックマンはすぐさま炎の車輪を放ちつつ構えた槍を巨大ローラーの赤く光る箇所へと突き出す。車輪と槍の二連撃を受けた巨大ローラーの中央部分にヒビが入るも、破壊には至らず目と鼻の先となる。
『急げスバル!もう時間がねぇ!』
「ダブルバトルカード、【グランドウェーブ1】!!」
ウォーロックの焦りの声と共に、ロックマンは二つの衝撃波をヒビが入っている中央部分へと放つ。二つの【グランドウェーブ1】によって耐久値が限界に来たのか、巨大ローラーは爆発して消えていった。
「うおわっ!」
その爆発の衝撃によってオリガ・ジェネラルは吹き飛ばされ、姿勢を大きく崩して地面に手を付いてしまう。『ヘル・ローラー』は防御不可能の高威力の技であるが、今回のように破壊されると大きな隙を生み出してしまう諸刃の剣でもあるのだ。
そもそも『ヘル・ローラー』は本来、オリガの手足たる電波体《アーミーズ》で足止めして食らわせる必殺技だ。そのアーミーズを呼べない今、今回のようにバトルカードで足止めしないと当てられなくなっているのである。
その捨て駒戦法のような運用方法で、口喧嘩が繰り広げられたのは言うまでもないだろう。
『へっ、致命的な隙が出来たな。ここで一気に決めるぞ、スバル!』
「もちろんだよ!バトルカード―――」
「トリプルバトルカード、【エアスプレッド1】!!」
無論、その隙を埋める対策をオリガ・ジェネラルが怠っているわけがない。
ロックマンが勝負を決めるべくバトルカードを使おうとした矢先、それを遮るようにオリガ・ジェネラルが三枚の【エアスプレッド1】を同時に発動する。
『あ?【エアスプレッド1】を三枚同時にだと?そんな事をして何に―――』
ウォーロックがその行動に意味が分からずに訝しんでいると、オリガ・ジェネラルが突き出した右腕が【エアスプレッド1】の砲身―――ではなく、その倍の長さはあるであろう長身の砲身へと形を変えた。
「えっ!?」
『何だとっ!?』
「スター・アドバンス、【バーストスプレッド1】!!!」
【エアスプレッド1】のバトルカードを使ったにも関わらず、明らかにそのバトルカードのものではない砲身が展開されたことにロックマンとウォーロックは意表を突かれ、驚愕から思わず動きを止めてしまう。
そんな隙だらけとなってしまったロックマンにオリガ・ジェネラルは銃口を向け―――ロックマンの頭上を素通りするようにその一撃を放った。
「……え?」
『外した、だと?』
格好のチャンスだったにも関わらず外れたことに、ロックマンとウォーロックは疑問に思いながらその一撃が飛んでいった方向に目を向けると―――
「……あ!!」
そこでは、斜面を転がってくる大量の雪玉―――電波ウイルスのスノーゴロンの大群が次々と着弾の衝撃を受けて倒れていく光景が広がっていた。
『このタイミングで電波ウイルスだと!?さっき片付けた筈だろうが!!』
「それより今は早く倒さないと!下手したら周りの人達に被害が出ちゃうよ!!」
落雪事故の原因である電波ウイルス達が再び現れたことに驚きつつも、ロックマンはすぐに思考を切り替えてロックバスターで反撃していく。
バスター攻撃を受けたスノーゴロン達は被弾中と相まって次々とデリートされるも、その数が減った様子が見られない。今はオリガ・ジェネラルが放った炸裂弾で足止め出来ているが、これがいつまで続くか分からない以上安心はできない。
「くっ!さすがに数が多い!バトルカード、【シンクロフック1】!!」
『カーソルロック!』
ロックマンはスノーゴロンの数の多さに苦い表情になりつつも、ウォーロックのサポートで瞬時に接近してボクサーグローブと化した右腕をスノーゴロンの一体に叩き込む。バトルカードの効果で連鎖的にスノーゴロン達にダメージを与えるも、範囲が狭いこともあって決定打にはならなかった。
「このままじゃじり貧だよ。どうしたら……」
『なら、あのオッサンの真似だ!【エアスプレッド1】はフォルダに三枚入ってるだろ!』
再び【シンクロフック1】を使ってスノーゴロンをデリートしたロックマンの弱音に対し、ウォーロックが打開策と言わんばかりに提案してくる。その提案にロックマンは難しげな表情で返した。
「確かに入っているけど、あんな機能はスターキャリアーには……」
『物の試しだ!このままじゃ、お前が言った様にじり貧だろうが!!バトルカードのリロードが出来ねぇ今、有効なカードが少ねぇだろ!』
ウォーロックが指摘する通り、一度使用したバトルカードはリロードを掛けないと再使用ができない。【シンクロフック1】もさっきので打ち切りな今、有効な手段が少ないのは事実であった。
そんなウォーロックからの厳しい指摘を受け、ロックマンは一か八かで三枚のバトルカードを発動する。
「トリプルバトルカード、【エアスプレッド1】!!」
先ほどオリガ・ジェネラルが使った同じバトルカードを使うも、発動したのは二枚だけの上に両腕が【エアスプレッド1】の砲身に変化しただけ。ウォーロックとロックマンの試みは失敗に終わった。
『何で変化しねぇんだよ!オレとアイツらで何が違うんだ!?』
「嘆いても仕方ないよ!とにかくこれで何とかしないと!!」
ロックマンはウォーロックの叫びにそう返すと、両腕の砲身から拡散する銃撃を放ってスノーゴロンの群れにダメージを与える。
当然ながら全滅には程遠い上に、オリガ・ジェネラルが
『小僧。ジェネラル・キャノンで全てを吹き飛ばすぞ!!』
「あれブッパすると、下手したら雪崩が起きるだろうが!!」
『ではどうするつもりだ!?ヘル・ローラーはしばらく出せんぞ!!』
「あれで全部ぶった斬るんだよ!けど、その前に……」
ようやく体勢を整えたオリガ・ジェネラルは前に出てロックマンの隣に並び立つと、そのままロックマンの方へと身体を向けて矢継ぎ早に質問した。
「ロックマン!バトルカード【ソード】、【ワイドソード】、【ロングソード】は残ってるか!?」
「え?う、うん、まだ残ってるけど……」
「なら、キズナリョクは30以上あるか!?」
「あ、あるけど……」
「よし!なら、予備のコイツをお前にやる!それをすぐに装備するんだ!!」
矢継ぎ早の質問に困惑しながらも肯定で返したロックマンに、オリガ・ジェネラルは一つのアビリティを手渡す。
「このアビリティは……?」
「説明している暇はねぇ!それを装備したら、【ソード】、【ワイドソード】、【ロングソード】の順番で使用するんだ!いいか、絶対に間違うんじゃないぞ!!」
「は、はい!」
オリガ・ジェネラルの気迫に圧されたロックマンは吃りながらも敬語で頷くと、手渡されたアビリティをすぐに装備する。
「バトルカード、【ソード】【ワイドソード】【ロングソード】!!」
アビリティを装備したロックマンは、オリガ・ジェネラルに指示された通りにバトルカードを使用する。すると、バトルカードが三枚同時に発動し、左腕から展開されたのはバトルカードに描かれている剣ではなかった。剣の代わりに展開されたのは、身の丈を越えそうなほどの巨大な斧であった。
「うわっ!剣じゃなくて巨大な斧になったよ!」
『ガッハッハッ!驚いたか?これが
(そのアビリティを作ったのはナツヒの親だけどな)
驚きの声を上げるロックマンに自慢気に告げるオリガに対し、オリガ・ジェネラルは内心でツッコミを入れる。
そのアビリティ自体、元はスターキャリアーに続く後継機に組み込まれる予定のプログラムなのだ。それをナツヒがデータ収集の為と拝借し、打算ありきでオリガに説明して予備込みで渡したのが真相だ。
『
「バトルカード、【ソード】【ワイドソード】【ロングソード】!」
ウォーロックが不敵に笑う中、オリガ・ジェネラルも三枚のバトルカードを使い、ロックマン同様、左腕に巨大な斧を展開する。
その光景にロックマンはようやくオリガ・ジェネラルの意図を察し、共に巨大な斧を構えて迫り来るスノーゴロンの群れを見据える。
ロックマンとオリガ・ジェネラルはギリギリまでスノーゴロンの群れを引き付け―――
「「スター・アドバンス、【グランドアックス】!!!」」
ほぼ同時に、巨大な斧を振り抜いた。
通常のソード系のバトルカードの範囲と威力を越える攻撃を二つも受け、スノーゴロンの群れは全て捉えられたこともあり、意図も容易くデリートされたのであった。
「これが
『悪くねぇな。こいつはとんだ掘り出し物だぜ』
ロックマンは先程のアビリティに対して感慨深げな感じで呟き、ウォーロックは上機嫌な笑みを浮かべていく。落雪の危機を無事に退けたロックマンは、一番の功労者であるオリガ・ジェネラルに右手を差し伸ばした。
「ありがとう。君のおかげで助かったよ」
「ん?ああ……」
オリガ・ジェネラルは少し瞬きはしたものの、すぐに差し伸ばされた手を握り返した。
「お前の正しき心に感化されたのだ。もう、悪さはしないと約束しよう」
「え?何を言って……」
少し棒読みのように改心したと告げるオリガ・ジェネラルに、ロックマンは意味が分からずに首を傾げようとする。だが、すぐにその意図に気付くこととなる。
「あの怪物の心を動かしたのか……?」
「あの落雪から私達を守っただけじゃなく、改心させるだなんて……!」
「本当にあの青い少年、いや、ロックマンは凄いヒーローだ!!」
周りから次々とロックマンを称賛する声が上がったことで、ロックマンは自分が解決の為に持ち上げられたことを理解したが、時すでに遅しである。
「それではサラバだ。次会う時は、また共に戦おう」
オリガ・ジェネラルはそう告げると、ウェーブアウトしてその場から立ち去った。
「行っちゃったね……」
『色々気になるところだが、オレたちもそろそろズラかろうぜ』
「そうだね……ゴン太のことも心配だしね」
オリガ・ジェネラルの事を気にしつつも、ゴン太の安否を確かめる為にもロックマンはウェーブアウトしてその場から立ち去るのであった。
――――――
『小僧!なぜワレが悪役なのだ!!』
「ああでもしないと、またロックマンと戦う羽目になっていただろ。さすがに疲れたし、アレの後で再戦は白けるだろ」
『それは、その通りであるが……』
ウェーブアウトして早々に悪役ムーヴしたショウにオリガが詰め寄る中、その張本人のショウは疲れた表情で言葉を返していく。
電波人間同士のバトルに加え、大量の電波ウイルスを相手にしたのだ。さすがに疲労が溜まると言うもので、オリガ自身も否定できずに悔しげに唸る。
「一応、グルメタウンに行ってあの少年の安否を確認しておくか。もしかしたら、ロックマンに接触できるかもしれないしな」
『あの者の波長はしっかりと覚えておる。近くに居ればすぐに見つかるであろう』
牛男となって暴れた少年の安否を第一とし、ショウは生身の状態でグルメタウンへと赴いていく。
再度訪れたグルメタウンは騒動から幾ばくか落ち着いたようであり、人々も帰路に着いたり屋台の食事を堪能したりと様々だった。
「あの大柄な少年は……あそこか」
ショウは大柄な少年を探して周囲を見渡していると、広場から少し離れた近場のベンチに座っている姿を発見した。
発見、したのだが……
「ええー……」
『……あの小娘、一体何をやっているのだ?』
その大柄な少年に、雪男の捜索をしていた筈のナツヒが詰め寄っているのだ。その二人をキザマロと呼ばれた少年と赤い服を着た少年が狼狽えたように見守っている状態でだ。
「……たぶん、先の騒動を聞いて詰問してるんだろうな。牛男は普通に怪異だし」
『本当に迷惑極まりない小娘だ。有能なのは認めるが』
絶対に困っているであろう彼らを助けるべく、ショウは溜め息を吐くと急いで駆け寄っていく。
「さあさあ答えて!あなたと牛男はどういう関係なの!?」
「あ、えーと、その……」
二人の会話が耳に届くと、やっぱりと言うべきか予想通りと言うべきか、ナツヒが大柄な少年を質問攻めにしていた。
そんなナツヒに、ショウは大声で呼び掛ける。
「ナツヒ!!」
「ん?あ、ショウ!」
ショウの声にナツヒがすぐに気付いて振り返るも、ショウは構わずにナツヒに詰め寄り大柄な少年から強引に引き剥がした。
「あ、ショウ!じゃないだろ!!お前のせいで、そこの少年が困ってるだろうが!!その暴走癖は控えろと、以前言ったよな!?」
「暴走なんてしてないよ!!雪男だけじゃなく、牛男の発見にも必要なことよ!」
「それが暴走してるって言うんだよ!」
「あ、あの―……」
ギャイギャイとショウとナツヒが口論に突入しようとしたところで、赤い服の少年が躊躇いがちに話しかける。その声にショウは我に返り、少年たちの方へと向き直る。
「あ、悪い。ナツヒの質問攻めに困っていただろ?幼馴染みとして謝らせてくれ」
ショウはそう言って深々と頭を下げる。その行為に謝られた三人は慌てふためいたように話しかけた。
「あ、いえ!そこまでしなくて大丈夫です!!」
「そ、そうだぜ!お兄さんが謝るほどのことじゃないぜ!!」
「だから頭を上げてください!!」
三人のその言葉を受け、ショウは少し安堵したように顔を上げる。だが、当の本人は反省ゼロだった。
「それじゃ、牛男に関しての質問を……」
「お前は少し反省しろ!」
「あいたっ!」
ナツヒが懲りずに質問しようとしたことで、ショウはその頭をバシ!と叩き込んだ。頭を叩かれたナツヒは頭を押さえながら涙目でショウに顔を向けた。
「ちょっとショウ!年頃の女の子を叩くのはさすがにアウトだよ!!」
「お前がまた同じことを繰り返そうとしたからだろうが!!」
「あっ!そういえば、牛男だけじゃなく、下半身が車になっている怪物も現れたって聞いたわよ!その怪物って―――」
「バカ!その話はここでするな!」
さすがにこれ以上はマズイと判断し、ショウは慌ててナツヒの腕を掴んでその場から逃げるように立ち去っていく。
「ちょっ、ショウ!彼らから牛男についてまだ何も聞けてないのに!!」
「悪かったな三人とも!出来れば忘れてくれ!!」
暴れるナツヒの文句を無視しつつ、ショウは慌てるようにグルメタウンを後にするのであった。
設定と解釈です。
《バトルカードのリロード》:フォルダ内のバトルカードは一度使用すると、リロードしなければ再使用できないという独自設定。フォルダに入れなければスムーズな読み込みが出来ない為と、勝手な解釈の下で作り上げた。
そうしないと使い放題になるからネ!
《バトルカードの使用頻度》:これはバトルカードの有効性を感じない、もしくは知らない上での対応。加えて“相性”も存在する為、すべてのバトルカードに適応できるロックマンや有効性を知ったハープ・ノート、弱体化しているオリガ・ジェネラル以外は積極的に使用してこない。
孤高の男?使えるが例のスタンスから使おうとしないのはお約束。
《【S.Aコード】》:本作の先取り設定。かつての特定の組み合わせの強力な攻撃を復活させるべく、その試作プログラムとして開発されたアビリティパッチ。
かつてはコードによって発動していたが、コードが存在しないバトルカードの普及等の様々な要因から廃れてしまった。
しかし、周波数をコード代わりにするという発想に至り、バトルカードの微弱な電波の周波数を読み取ってコードに変換することで、
当然、様々な課題が多くあり、電波体の周波数もS.A成立に大きく影響するとのこと。つまり、同じ組み合わせを別の電波体が使っても同じ効果が出るとは限らないのである。
そこ、いい加減と言わない。
《スター・アドバンス》:特定のバトルカードの組み合わせで発動する強力な一撃。現時点で判明しているのはお約束のソード御三家で発動する【グランドアックス】と同系統のスプレッドカード三枚で発動する【バーストスプレッド】系である。
元ネタは流星3のジャイアントアックスとエグゼのハイパーバースト。
エグゼのP.Aと流星3のG.Aはやっぱり良いよね。