ヘビー級電波人間の凸凹記   作:厄介な猫さん

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てな訳でどうぞ。


重騎士と青きヒーロー、見参

ヤエバリゾートのスウィートルームにて。

 

「今日はソファの上かぁ……」

「嫌ならゴン太とキザマロのどっちかに代わってもらうか?」

「それはそれで、後で委員長が怒りそうなんだよね……」

 

外に出ているウォーロックの提案に対してスバルは苦笑いしながら返すと、スターキャリアーを取り出す。

 

「この【S.Aコード】、どうしよう?」

「別に貰ったままでいいだろ。装備して困るものでもないし」

「それは確かにそうだけどさ……」

 

スバルは改めて、あの電波人間から手渡されたアビリティを確認しながらウォーロックに話しかけていく。

 

「ロック、S.A(スター・アドバンス)を使った時、何も異常はなかった?」

「強いて言うなら、普段よりエネルギーを多く使ったくらいだな。調子に乗って使いまくると、途中で電波変換が解けるかもしれねぇな」

「そうなんだ……」

 

ウォーロックが告げたS.A(スター・アドバンス)のデメリットに、スバルは考え込むように呟く。S.A(スター・アドバンス)が成立したバトルカードは確かに強力であったが、エネルギーの消耗が激しいのなら多用するのは危険と感じたからだ。

 

「それに、どのバトルカードの組み合わせで成立するかも分からねぇしな。二つしか分からないのも少し心元ないし、明日になったら色々試してみようぜ」

「明日はみんなとスキーするんだけど……」

 

新しい力を試したくてウズウズしているウォーロックの言葉に、スバルは深い溜め息を吐くのであった。

 

 

――――――

 

 

その頃、ホテルの一室にて。

 

「やっぱり車の怪物はショウのことだったんだね。それと、牛男の正体が電波変換した人間だったなんてね……」

 

ショウからグルメタウンで起きた牛男騒動の実情を聞いたナツヒは、落胆した表情で呟く。しかし、すぐに咎めるようにショウを見つめた。

 

「それよりもショウ。何でわざわざ危険な事に自分から首を突っ込んだの?」

「あれを無視するだなんて、できるわけないだろ。誰かが怪我を負ったら、それこそ目覚めが悪くなるし」

「それはそうだけどさ……幼馴染みとして心配なのよ」

 

人伝で騒動を把握していたナツヒの言葉に、ショウは困ったように肩を竦めた。

 

「心配してくれてありがとな。でも、誰かが困っているところを見てみぬフリは出来ないからな」

「それもお祖父ちゃんの影響?ショウのお祖父ちゃん、本当に素敵な人だったからね」

「……ああ。今も尊敬できるジイちゃんだよ」

 

ナツヒの優しげな笑みに対し、ショウは少し遠くを眺める目となる。

ショウの祖父『車田連ノ介』は二年前に病気で他界している。連ノ介は教師を勤めていたこともあって多くの人に慕われていて、別れの葬儀の時も多くの人が参列してくれたのだ。

 

「“人は良くも悪くも一人では生きていけない。だからこそ繋がりを大切にする”……ジイちゃんが難しい話と共に言っていた言葉は、今もオレの中にあるからな」

「……深く考えさせられる言葉よね。さーて、この話は終わり!」

 

ナツヒは少々暗い話題はここまでだと切り上げると、この旅行の目的である未確認生物探しへと話題を変えていく。

 

「今日の調査で、見つかった雪男の足跡は全部ゲレンデエリアに向かってたわ!つまり、雪男はゲレンデエリアの向こうにいる可能性が高いのよ!!」

「へー、そうなのかー」

「だから、明日は解禁となるゲレンデエリアを徹底的に捜索して雪男を見つけるわよ!!」

「おー」

「それじゃ今日はお休み……の前に【S.Aコード】を予備も含めて異常がないか確認しないとね。データもちゃんと集めて、お父さんに渡さないとダメだし」

「……あ」

 

ナツヒのその言葉に、ショウは失態を思い出したように声を上げる。そんなショウの反応にナツヒは怪しい者を見るような視線を向けた。

 

「ショウ?今の反応は何?まさか壊したとか……」

「いや違うって!壊したんじゃなくて、あげてしまったというか……」

「あげた!?一体誰になの!?」

 

ナツヒの詰問にショウは少々冷や汗を流しながらも、予備で持っていた【S.Aコード】をロックマンと呼ばれた青い電波人間に渡したことを説明していく。

 

「……つまり、突然襲ってきた大量の電波ウイルスを倒す為に、そのロックマンに【S.Aコード】を渡しちゃったってこと?」

「あ、ああ……」

「あれ、お父さんに無理言って三つ貰ってたんだよ?それを初対面の相手に渡すなんて……」

「……ごめん」

 

ナツヒの厳しい苦言を前に、ショウは申し訳なさそうに謝る。それに対し、ナツヒは優しげな笑みで首を振った。

 

「ま、別にいいよ。お父さんへの言い訳はちゃんと考えておくから、明日の雪男探しに付き合ってね」

「おう」

 

それでイーブンだと暗に告げるナツヒに、この件では逆らえないショウは素直に頷くのであった。

ちなみにオリガはスターキャリアーの中で真っ先に寝ていて蚊帳の外であった。

 

 

――――――

 

 

「……さんよ、あの電……間共は何者な……よ?俺はこ……っちも聞いて……ぜ」

「……あれは私でも……脚本だった。だが、…………なら、常に筋書は二、三本持って……ものだろう?」

「ケハ!その……だぜ!あの……が防がれた以上、とびきりの……で決着をつけ……るさ」

「その……の筋書とは?期待でき……かね?」

「見くびって……困るぜ。その作戦は…………だ」

「……ほど。それは……白い筋書だ。……然を舞台…………が見られるの……ね。ンフフ」

「……の見物を決め……つもりか。……構わねぇが、さっそく……掛かるぜ。アンタ……った、……のスターキャリアー……ってな」

 

 

――――――

 

 

翌朝のグルメタウンにて。

 

「オニギリよし。マテリアルスキーよし。カメラよし。準備万端、全部オーケー!!」

 

スキーのマテリアルウェーブを展開して登山の準備万端だと告げるナツヒに、まだスキーのマテリアルウェーブを展開していないショウは思わず苦笑してしまう。

 

「オニギリとカメラは分かるけど……何でスキーも必要なんだ?」

「甘いよショウ。雪の上を効率良く動くにはスキー板は必需品なんだよ」

「そうなのか。詳しいな」

「もちろんよ……あ!」

 

ショウの言葉に頷きかけたナツヒだったが、途中で何かに気付いたのか器用に滑って向かっていく。

そんなナツヒを視線で負うショウであったが、その行先に気付いて顔を引き攣らせた。

 

「昨日の子たちだよね!早速昨日の牛男の話を聞かせて頂戴!!」

「おおーいっ!?」

 

牛男の騒動の顛末は聞かせた筈なのに、またしても昨日詰め寄った少年たちに詰め寄ったことで、ショウは焦りを露に急いで駆け寄っていく。

 

「牛男のことは昨日オレが聞かせただろ!?何でまたこの子たちに詰め寄っているんだよ!?」

「こういうのは多方面な視点が必要なのよ!一人だけの詳しい話は客観性に欠けるというものよ!!」

 

まさかのナツヒの返しに、ショウは思わずその場にしゃがんで頭を抱えてしまう。いくら未確認生物やオカルトが好きだとはいえ、年下の少年たちに二度も詰め寄るのは度が過ぎると言うものである。

 

「えーと……」

「昨日も感じましたがこの人、苦労していそうですね……」

「そうだね。ええと……」

 

三人の少年は同情するようにショウに視線を向けるも、どこか困ったように言い淀む。その態度から、ショウは互いに名前を知らなかったと思い名乗ることにした。

 

「そういえば名乗ってなかったな。オレの名前は車田ショウだ。で、こっちの迷惑女は宇津木ナツヒ」

「宇津木ナツヒです。改めてよろしくね~」

「ショウさんにナツヒさんですね……ボクは星河スバルです」

「お、オレは牛島ゴン太だ!」

「最小院キザマロです」

 

ショウとナツヒの自己紹介に、少年たちも快く自己紹介していく。本当に良い子たちだなとショウが思っていると、スターキャリアーの中にいるオリガが唐突に話しかけた。

 

『小僧。あの赤い服の人間……昨日のあの青い電波人間と同じ波長だぞ』

「「へ……ええ!?」」

 

オリガからもたらされた情報にショウは思わず声を上げてしまい、スバルと名乗った青い電波人間と同一人物らしき少年と声がハモってしまう。

互いにハモってしまったことで、ショウとスバルは漠然と察し合ったのか、それぞれの連れに話しかけた。

 

「悪いナツヒ。先にゲレンデエリアに向かっててくれ。オレはこのスバルと少し話したいことがある」

「ごめん、ゴン太にキザマロ。ボクは少しこの人と話してから向かうよ」

 

二人揃ってお願いされたことで、ナツヒにゴン太、キザマロの三人は互いに顔を見合わせるも、ナツヒが一足先にショウとスバルに顔を向けた。

 

「ショウを借りる対価に、この二人はもらっていくね。昨日の牛男について詳しく聞かせてもらうわよ」

「まあ……そのくらいでしたら……」

「先に行ってるぜ、スバル!」

 

ゴン太とキザマロが了承したことで、ナツヒは二人の首に腕を回してそのままリフトに向かって器用に歩いていく。それを見守ったショウとスバルは揃ってその場から移動し、少し人気がない場所へと落ち着く。

 

「ここなら誰かに聞かれる心配はないな」

「そうですね……」

「じゃあ単刀直入に聞くぞ。お前が昨日、オレが【S.Aコード】を渡したロックマンか?」

「……やっぱりショウさんが、昨日真っ先に止めに入った電波人間なんですね」

 

当人にしか知らない単語を交えて確認したことで、ショウとスバルは互いに目の前の存在があの時の電波人間であると確信する。

 

「正解。証明になるか分からないが……オリガ、出てきてくれ」

『貴様の言葉を聞く義理はないが、特別に応じてやろう』

 

ショウの頼みにオリガは不遜な態度で返すと、スターキャリアーから飛び出てショウの隣で漂っていく。オリガの姿を見たスバルは少し驚きつつも、オリガをまじまじと見つめていく。

 

「これがショウさんの電波体……」

「一応言っておくが、オリガは物じゃないぞ。スバルの傍にいる電波体も、そうなんだろ?」

「あ……ごめんなさい。そんなつもりじゃ……」

 

ショウの指摘にスバルはすぐに申し訳なさそうに謝罪するも、腕を組んで仁王立ちのような姿勢となっているオリガは厳しげな雰囲気を発していく。

 

「言葉には気を付けるがよい、人間。ワレは貴様ら人間が嫌いであるからな」

『ハッ。人間嫌いの電波体様が、その人間と電波変換する時点で底が知れてるな』

 

そんな嫌味で挑発するような声と共に、スバルの隣に猫?の顔をした青い電波体が姿を現す。如何にも好戦的な性格を表している見た目である。

そんな挑発をした青い電波体に、オリガは白いチョビ髭をヒクつかせながらも言葉を発した。

 

「コヤツがロックマンの元となる電波体か……犬か猫か分からん見た目であるな。珍獣か?」

 

誰が聞いても見事な挑発。当然挑発された青い電波体はすぐにオリガへと噛み付いた。

 

「ああ!?誰が珍獣だコノヤロー!!テメェこそ、下半身が車だったくせに人型じゃねぇかよ!!」

「車ではなく戦車だ!!第一、ワレには配下となる電波体が多数いるのだ!どういうわけか呼び出せないがな!!」

「ヘッ!出来ねぇことを出来ると豪語するジジィか!ジジィだから頭の中がボケてんじゃねぇのか!?」

「そんなわけがなかろう!!貴様こそ、見た目通りの知能の低さではないのか!?」

「このウォーロック様を馬鹿にすんじゃねぇぞ!大ボケジジィ!!!」

「喧しい!種別不明の珍獣風情が!!!」

 

ギャーギャー!!と互いに喧嘩腰で口汚く罵り合うオリガとウォーロックと名乗った電波体。そんな二体の電波体の言い争いに、ショウとスバルは互いに苦笑いしてしまう。

 

「もう我慢ならねぇ!!どっちが上か今すぐ証明してやらぁ!!」

「望むところだ!!ワレの偉大さを、その身体に刻んでくれようぞ!!」

 

互いにヒートアップして頭が沸騰したのか、オリガとウォーロックはついに口だけではなく手を出してしまう。互いに手を掴んで押し合いをする辺り、まだ分別はついているだろうが。

 

「もう、ロックったら……」

「ハハハ……」

 

そんな二体の電波体の取っ組み合いにショウとスバルは何とも言えない表情で眺めつつ、お互いのことを知る為に話し合いを再開していく。

 

「ショウさんは彼……オリガと何処で出会ったんですか?」

「港で釣りをしている時に、だな。そこで釣り上げたスターキャリアーモドキから飛び出てきたんだ」

「スターキャリアーモドキ?」

「ああ。形はスターキャリアーそっくりだけど、劣化や破損が年単位で激しかったんだ……その反応からして、スバルは違うのか?」

 

ショウのその質問に、スバルはコクリと頷く。

 

「はい。ロックは空から来た宇宙人なので……」

「リアルで宇宙からの来訪者なのか。ナツヒが知ったら飛び付きそうだ」

 

宇宙人もある意味未確認生物の一種なので、ショウの言葉は間違いではないだろう。その横では、オリガとウォーロックは一進一退の取っ組み合いを続けていた。

 

「そもそもテメェらは何者なんだよ!?得体の知れない周波数を放ちやがって!!」

「それはワレのセリフであるぞ!!貴様こそ、ワレと全く異なる周波数であろうが!!」

「オレはFM星育ちのAM星人だ!!あのファントムとかいう電波体同様、一体何処から来やがったんだ!?」

「……ファントム、だと?」

 

ファントムと言う単語を聞いたオリガはウォーロックとの取っ組み合いを止め、反芻するように呟く。そんなオリガの態度に、周波数から嫌疑をかけていたウォーロックは厳しく詰め寄っていく。

 

「その反応……やはりテメェはあのオバケヤローと同類だな?奴らのことを知っているなら、今ここで全部吐きやがれ!!」

「……貴様に話すことなぞ、何一つない」

 

ウォーロックに対してオリガはそう言葉を返すと、ショウのスターキャリアーの中へと戻ってしまった。

 

「おいこら!逃げるな!!」

「お、落ち着いてロック!」

 

今にもショウのスターキャリアーに飛びかかりそうなウォーロックをスバルが宥めていると、ショウは疑問を露に言葉を投げ掛けてた。

 

「オバケヤローと同類?一体どういうこと何だ?」

「とぼけんじゃねぇぞ!!この前のロッポンドーヒルズのオバケ騒動で、ハイドとかいうヤローがクソジジィとよく似た周波数を放つ電波体と一緒だったんだよ!!」

「ハイド?誰だそれ?しかもロッポンドーヒルズのオバケ騒動は電波体が絡んでいたのか?」

 

本気で誰のことなのか分からずにショウは首を傾げるしかない。そんなショウの態度に、スバルとウォーロックはショウがハイドとは無関係だと察して落ち着いていく。

 

「……本当に何も知らねぇのか?」

「少なくともオレは何も知らないな。オリガなら心当たりがあるかもしれないけど、聞いても話してくれないんだよ」

「そんな怪しい奴とよく一緒に居られるな」

「行く宛も帰る場所もなかったみたいだからな。それで暫く居候しないかと提案して、今に至っているんだよ」

「ケッ……コイツ、結構なお人好しだぜ」

 

ショウの言葉にウォーロックは毒気を抜かれたのか、心底呆れた表情をする。そんなウォーロックの反応にショウは肩を竦めて返した。

 

「お人好しで結構。人は良くも悪くも一人じゃ生きていけないからな」

「良くも悪くも……ですか?」

「ああ。だからこそ、人は繋がりを大切にしていくんだよ。……っつっても、受け売りだから説得力はないかもしれないけどな」

「いえ……ボクもそう思います。その繋がりを……絆の大切さを、みんなが教えてくれましたから」

「そうか……」

 

そうして話が脱線しかける中、突如上空から強い風が吹き抜けていった。

 

「な、何!?」

「上の方で雪が降りだしたのか!?何で急に!?」

 

これが冬などの季節やただの山なら不思議ではなかったかもしれないが、今の季節は夏の上のにヤエバリゾート周辺の気候は電波システムによって管理・制御されている。

つまり、電波システムに何かしらの異常が起きない限り、この悪天候はあり得ないのである。

そして、それを裏付けするようにホテルからアナウンスが響き渡った。

 

『ホテルより、スキーをお楽しみの皆様にご案内します。ただいま、リゾート全体の天気を制御している電波システムに、原因不明の異常が発生しています。その為、リゾート内で吹雪が発生し、ゲレンデ方面、特にプロコースの方は猛吹雪になっています。大変危険ですので―――』

「「!!」」

 

ゲレンデ方面に吹雪が発生したとアナウンスされた直後、スバルとショウは口に出すまでもなく急いでリフトがある方向へと走り出していく。

 

何せゲレンデ方面には、ナツヒとゴン太、キザマロの三人がいる筈だからだ。ショウは知らないが、スバル達は天才プロスキーヤーのアイと一緒に滑ると約束していたのだ。ゆえに、四人の安否を心配するのは当然である。

 

ショウとスバルは息を切らせながらもリフト前に到着すると、その出入口のすぐ側でキザマロがアワアワと慌てふためいている姿が視界に入った。

 

「キザマロ!無事だったんだね!」

「その声……スバルくんですか!?まだここにいたんですね!」

 

キザマロの安堵の言葉に、スバルもキザマロの無事を確認できたことで安堵したように頷く。

 

「うん!だけど、ゴン太とアイちゃんは……?」

「それにナツヒの姿も見えねぇ。まさか、まだゲレンデエリアの方にいるのか!?」

 

ショウのその言葉に、キザマロは少し圧されつつも肯定するように頷いた。

 

「お、おそらく……ナツヒさんはあの後、雪男を探すからとプロコースの方へ行きましたし……ゴン太くんもリフトが止まる前に、プロコースで練習していたアイちゃんを心配して……」

 

キザマロの憶測が混じった説明を聞いたショウは、すぐにスターキャリアーを取り出すと中にいるオリガに向かって話しかける。

 

「オリガ、頼めるか!?」

『……有能な小娘がいなくなるのも、それはそれで面倒であるからな。特別に手を貸してやる』

「サンキュ!」

 

オリガが了承したことで、ショウは素直にお礼を告げる。そして、まだ話しを続けているスバルとキザマロへと向き直った。

 

「今からオレはナツヒ達を助けに行ってくる!二人はここで待っててくれ!!」

「どうやってですか!?リフトはもう止められているんですよ!!」

 

ショウの言葉にキザマロが至極当然の言葉を投げ掛けるも、既に秘密を知っているスバルは真剣な表情でその方法を口にした。

 

「……電波変換、ですね?」

「え?」

 

スバルのその言葉にキザマロが驚きの表情を浮かべる中、ショウはスバルの言葉を肯定するようにコクリと頷いた。

 

「ああ。だから二人は―――」

「なら、ボクも行きます!ゴン太とアイちゃんのことも心配ですし、ナツヒさんのことも放っておけませんから!!」

「……分かった。なら、一緒に行くぞ」

「はい!!」

 

議論している時間すら惜しかったことから、スバルの申し出をショウは突っぱねることなく受け入れ、スバルもすぐに頷く。

そのまま善は急げと言わんばかりに、二人はスターキャリアーを空に向かって掲げた。

 

「電波変換!星河スバル、オン・エア!!」

「電波変換!車田ショウ、オン・エア!!」

 

その言葉とほぼ同時に、ショウとスバルは光に包まれる。そして、電波変換体であるオリガ・ジェネラルとロックマンの姿へと変身した。

 

「ほ、本当にショウさんもスバルくんと同じ力を……」

 

電波変換したことでその場から消えたように見えたキザマロは、寒さに震えながらも意を決したように告げる。

 

「スバルくんにショウさん……ゴン太くん達を頼みましたよ……」

「うん!絶対に助けるよ!!」

「もちろんだ!だから安心して待っててくれ!!」

 

声が届く届かないに関係なくショウとスバルはキザマロの声に力強く返すと、ウェーブロードを経由して猛吹雪が発生しているゲレンデエリアへと向かうのであった。

 

 

 




早朝のやり取り。

「あれ?フォルダの中身が昨日と変わってる?同じカードが三枚もあるし……」
『オレが昨日の内に変えておいたぜ。組み合わせを早く試してみたいからな』
「ちょっとロック!?なんで勝手なことをしてるんだよ!」
『心配するなって。ちゃんと属性付きのカードも入れてるからよ』
「【モエリング1】に【プラズマガン1】、【ジェットスキー1】と【モジャランス1】が三枚も入ってる……後で直しておかないと……」
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