キャストリアに転生したが原作を壊してしまった 作:霧ケ峰リョク
この先の展開の事を考えるとどうしても書いておかなければいけない描写があったから仕方ないんですが、もう少しテンポを速めたいところ。
「――――懐かしい、本当に懐かしい面々」
晴の守護者戦に敗北し翌日行われたのは雷の守護者戦。
ヴァリアー側の守護者、レヴィ・ア・タンに対し綱吉側の守護者はなんと5歳児のランボ。
素質そのものはあるのだろうがこのままでは勝敗は誰の目からしても明らか。
しかし、ランボには10年後の自分と5分間だけ入れ替わる事が出来る10年バズーカという武器があり、それを使用した事で10年後のランボと交代した。
しかし、10年後のランボでさえレヴィ・ア・タンには通じず、傷付けられたランボは子どものように泣きながら再び10年バズーカを自身に使用。
凄まじい威圧感と共に現れたのは20年後のランボであった。
しかし――――、
「ツナ…………」
20年後のランボが綱吉の顔を見た瞬間、雰囲気が変化した。
今にも泣きそうな、怒りそうな、だけれど何を言っても無意味だと言わんばかりの悲しげなものに変わったのだ。
「貴方は、この時点で何処まで?」
問いかけられた綱吉は酷く困ったような表情をする。
だがその表情は20年後のランボの言葉の意図が分からなかったリボーン達とは異なり、綱吉は彼が何の事を言っているのか理解しているようだった。
「細かいところは知らないし、かなり大雑把だけど…………末路は分かっている」
「…………そうですか」
「で、でも今は、少しでも変えようと頑張ってるから!」
憂いを帯びた表情に変わるランボに対し、綱吉は弁解するように言葉を放つ。
しかし、その弁解を聞いてもランボの顔が晴れる事は無く、むしろその逆で曇っているようにも見えた。
「オレが言いたいのはそう言う事じゃないんですが…………もう良いです。貴方は昔から変わらないんですね」
「その、ごめん」
「…………今も昔も変わらない貴方に何を言っても無駄か」
ランボは諦めたように溜め息を吐き、転がっているハーフボンゴレリングとエデンリングを手に持つ。
「オレが言った程度で考えを変えるようなら
「…………本当にごめん」
「さっきも言いましたがもう良いです。貴方がその気ならオレ達だって自由にやらせていただきます――――これも貴方の思惑の内なのかもしれないですけど」
本当に困った人だ、最後にそう呟きながらエデンリングに視線を向ける。
エデンリングが一瞬だけ淡く輝く。そしてどこか満足そうな顔をして視線をリングからレヴィに変える。
「さて、あんたを倒させてもらう」
「出来ると思うか?」
互いに睨み合う二人の雷の守護者。
二十年前、十年前のこの男は相手にすらならなかった。しかし、眼前の男は違う。纏う雰囲気は歴戦の戦士そのもの。
油断すれば負ける。そう判断したレヴィは背中に背負っていた8本の
「死ね! レヴィボルタ!!」
空中に展開した8本の電気傘から莫大な雷が迸りランボに直撃する。
雷はフィールドにあるエレットゥリコサーキットによって更に増幅され、より強力になってランボの身体に雷撃を浴びせる。
しかし、レヴィはそれだけで満足する事は無く、手に持っていた電気傘で貫こうと駆け出す。
「
常人であれば即死する攻撃、雷に対する耐性を持っている
だがそれは10年後時点での話。20年の月日が流れたランボには全く通じない。
「楽園への鍵、エデンリングよ。その秘めたる力を解放せよ――――」
指に着けたエデンリングは雷属性の死ぬ気の炎を灯すと同時に周囲にある雷、そして雷属性の死ぬ気の炎を吸収する。
「なにっ!? オレの雷が――――」
「エテットゥリコ・リバース!!」
驚愕するレヴィを無視してランボは床に手を付ける。
瞬間、吸収した雷がランボの死ぬ気の炎と共に放出される。
地面に流れた雷はエレットゥリコサーキットを破壊し校舎に、ついでにレヴィの身体にも流れる。
「ぐわぁぁああああああああああ!!」
「悪いがオレのエデンリングはガルバニズムっていうシステムが採用されていてな。疑似的な第二種永久機関でもあるんだ。オレの体質もあって電気、雷属性の死ぬ気の炎は子猫ちゃんみたいなもんなんだよ」
「あ、が…………」
プスプスと焦げたような音を立てながら膝をつくレヴィ。
「まあ、許容量以上の雷は吸収する事は出来ないしオレに還元する事も出来ないから使いどころは限られてるがな」
「ぐっ…………そんな機能があったとは」
「あんたらだって警戒はしてたんだろうけどな。こいつは通常のリングとは違って特殊なんだ。なにせアルビ――――」
「ランボッ!!」
傷付いているレヴィに対しエデンリングの詳細を明かそうとする。
しかし、寸前で綱吉が大声を上げてランボの行いを静止させる。
「…………そうでしたね。ツナにとってあまり知られたくない秘密でしたもんね」
「ランボ、もしかして怒ってる?」
「ハハハ。怒ってませんよ――――もうそんな段階は通り過ぎてますから」
「20年後のオレ何したのー!?」
「戯言ほざくんですね。分かってるくせに」
言葉の節々からチクチクと突き刺さるような言葉の棘に綱吉は涙を流すがランボは意に介せずレヴィの方に視線を向ける。
そしてリングを剣に――――ジュルと呼ばれる変わった形状の剣に変え、それをレヴィに突き付ける。
「ぐっ…………おのれ…………!」
武器を突き付けられたレヴィはボロボロの状態でありながらも雷属性の炎を再び電気傘に灯して斬りかかる。
「流石はヴァリアーだな。ここまでされたら普通は動けない筈なんだが」
それでも負傷に加えて実力の差や死ぬ気の炎の練度を埋める事は出来ず、再び地に沈められる。
「…………申し訳ありません、ボス」
最早これまで、自身の敗北を悟ったレヴィは瞳を閉じる。
それに対し、レヴィのボスであるXANXUSは酷くつまらなそうな顔をして彼を見ていた。
「…………オレもそうだが、あんたもボスも困った人だな」
ランボはレヴィに対し同情しながら手に持っていた剣を振るおうとする。
この武器の真の力を使う必要も無い。そう判断しての事だった。
が、その判断を間違えたと悟ったのはランボが元の時代に戻った時だった。
「ぐぴゃ?」
10年バズーカの効果時間が終了し、元の5歳児の姿のランボが現れる。
突然のピンチに綱吉達は唖然とし、10年バズーカの制限時間は最初に撃たれた時から変化しない事を理解する。
「――――っ!」
予期せぬ勝機に一瞬困惑するレヴィだが、咄嗟に現れた勝機を掴む為に電気傘を振るう。
――――死ぬ気の炎はもう必要無い。このまま振り抜けば殺せる。
一瞬の内にそう判断したレヴィだったが、その攻撃は突然崩れた地面によって強制的に中断される事となった。
「何っ!?」
「足場が、校舎が壊れ…………!?」
突然の校舎の崩壊に綱吉陣営、ヴァリアー陣営双方共に困惑の声を上げる。
ヴァリアー・クオリティと呼ばれる程能力の高さを有するヴァリアーならば足場となる校舎の崩壊程度なんら問題無く潜り抜けられる。
しかし、この場に居る全員が知らない事だがランボの有する雷のエデンリングは磁力を付与するという特性も持っている。その効果によってこの場に居る全員の身体には磁力が付与されており、身体能力だけでこの状況から抜け出す事は不可能である。
「お、おい。これ、不味いんじゃね?」
物理法則を逆らって自身に向かって来る瓦礫の山にベルフェゴールは冷や汗を流し、現状の不味さを理解する。
こうなってはリング争奪戦どころの話ではない。最悪双方全滅する可能性の方が高い。
唯一この可能性を打破出来る可能性があるとするならばそれは一つだけ――――。
「っ、リング!!」
宙に舞っている雷のハーフボンゴレリングを見てレヴィは狙いをランボの命からリングに変更し、残された力で掴み取る。
それと同時に綱吉の固有結界が展開され、この場に居る全員が綱吉の世界に飲み込まれる。
「っと、助かったぜツナ」
「こ、これが10代目の心象風景…………」
固有結界に取り込まれた事で校舎の崩壊から逃れた武、隼人の二人は綱吉に感謝する。
「っと、マジか…………」
「事前情報があったとはいえ、こうして見せられると幻覚にしか見えないわね」
ヴァリアー側も固有結界という事象に対し興味深そうな顔をしてこの世界を眺めている。
だが二人だけ、この世界で二人だけ全く別の顔をしている者が居た。
一人はこの世界の展開者である沢田綱吉。もう一人がヴァリアーのボスであるXANXUS。
綱吉は傷つき意識を失ったランボを抱えてXANXUSを睨み付けており、一方のXANXUSは笑みを浮かべていた。
見る者全てを威圧しそうな程の凄絶な笑みを。
「――――よくやったレヴィ」
展開されていた固有結界が消失し、元の世界に戻る。
残されたのは完全に瓦解した並中の校舎と互いの陣営の守護者達。
「雷の守護者戦、勝者レヴィ・ア・タン!!」
第二の試合の勝者を宣言するチェルベッロ機関の少女の声が響き渡る。
それと同時に何者かが校庭内に足を踏み入れる。
「ねぇ、これは一体全体どういうこと? 沢田綱吉」
沢田綱吉の雲の守護者、雲雀恭弥が崩れた校舎の残骸を見て額に青筋を浮かべていた。