キャストリアに転生したが原作を壊してしまった 作:霧ケ峰リョク
多分原作通りに話が進んでいたらこうなってたことでしょう
リング争奪戦で第三魔法を獲得しなければこのルートになります
シモンファミリー。
ボンゴレファミリー黎明期より同盟だったファミリーは控え目に言って弱小マフィアと呼ばれる存在である。マフィアに弱小というのがあるのか不思議ではあるが、ボンゴレファミリーとは比較にならないくらいには弱小だったのである。
いや、流石に子ども数人でマフィアを名乗るには無理があると思う。他に大人のファミリーの構成員が居るのなら話は違うのかもしれないが。全てが終わった今だからこそ分かったけど、当時はまさか本当に子ども達だけで運営しているとは思わなかった。
まあ、兎も角シモンファミリーの連中は色々とやり過ぎた。
ボンゴレファミリー10代目の雨の守護者に奇襲を仕掛け、更には継承式にてクーデターを起こしたのである。そこからなんやかんやあってシモンの連中が騙されていたという事を知り、全ての元凶を討伐した事でひと段落。
山本の怪我も無事に全快し、誤解も解けた事で全てが丸く収まった――――なんて事はありえない。
誤解していた、騙されていた、成る程納得できる理由だ。
同情の余地だってあるし、そもそも陰謀で親しい大人や家族を殺された子ども達が正常な判断が出来るわけがないのだから。
それでもツナに危害を加えたという事実は変わらない。
要するに私はシモンファミリーは嫌いだ。
「古里炎真、ここに埃が残ってますよ」
「ご、ごめんなさい」
「口を動かす前に手を動かしなさい」
窓の縁に溜まった埃を指でなぞりながら古里炎真を冷たく突き放す。
現在私達が居るのは日本にある風紀委員会の部屋、別名応接室の掃除をしていた。まあ散々迷惑をかけたわけだから雲雀さん本人にかみ殺されないだけマシだろう。
むしろ掃除で許されるのだから有情な方だ。
それはそれとして私の気が晴れないから厳しくするけど。
「あ、アルトリア…………そこまで厳しくする必要はないんじゃないかな?」
「まるで姑みたいだぞ。てかなんだその黒いドレス」
「ああ、あれは冬の女王って名前の礼装で悪役っぽく振る舞いたい時に着るやつだよ」
「コスプレじゃないんだな」
「コスプレじゃないけどコスプレみたいなものだよ。悪ぶりたい時とかちょっとグレたい時とかに着るやつだし」
「そこの二人シャラップ!」
余計な事を話すツナとリボーンの二人を黙らせる。
後ツナ、私の礼装の事をさらりと明かすんじゃない。
そう思っているとシモンファミリーの砂漠の守護者、加藤ジュリーが声を上げた。
「えっと、アルトリアちゃんだっけ? やらかしたのは炎真だけじゃない、オレ達もなんだ。だからオレ達も――――」
「残念ですがこれは古里炎真に対する罰、他のシモンファミリーの方々は別の所で掃除をしてもらってます。ですが貴方に罪は無いので掃除をやらせるわけにはいかないんです」
シモンファミリーの中で唯一、加藤ジュリーだけは純粋な被害者だ。
それに――――。
「っていうかちゃんと罰しないと貴方達の為にならないんですよ。貴方達はツナの友達ですが、同時にボンゴレファミリーの同盟であるシモンファミリーなんですよ。そんなマフィアが騙されていたとはいえ継承式で大暴れして何のお咎めも無しで済むなんて事になったら、どう思います?」
「…………周りから良く無い目で見られる?」
「それどころか騙されていたという事実を免罪符にしてツナから温情を引き出した恥知らずと見られてもおかしくありません。あの手この手で消そうとするに決まってます」
私がツナ、もしくは9代目の立ち位置だったら面子の為にも襲撃に関わったメンバーに罰を与えなくちゃいけない。
騙されていた被害者やD・スペードの件があってもだ。
だって、シモンファミリーはボンゴレ以外の同盟ファミリーの人間を手に掛けてるわけなのだから。ボンゴレの初代守護者が暗躍していた事実もあるけど、それを差し引いてもやりすぎだ。
「じゃあもしかして炎真に対して辛く当たってるのって」
「単に私が嫌いなだけです」
勘違い、というよりD・スペードに徹底的に利用されて、骨の髄までしゃぶられて、挙句の果てに使い潰されそうになる。
全くの常識外の力である大地の七属性と罪を受けたシモンリングという最初の奇襲で調子に乗った挙句、能力がある程度分かった時点の勝負でボロ負けする。
そんな連中に対する私からの評価はゼロに等しい。
過酷な環境の中鍛えてきたのかもしれないが、それはこっちも同じだ。
むしろこっちの方が酷いだろう。未来での出来事は私達にとっても滅茶苦茶な地獄としか言いようのない環境だ。
同条件になった時点で向こう側がボロ負けしたのもそれだけ差があったからだ。引き分けた笹川先輩も普通に戦ってれば勝っていただろう。
正直な評価をするとシモンファミリーはツナとその守護者に比べればワンランク格下だ。
評価がマイナスになってないのは過酷な幼少期を過ごしたのと、元凶のD・スペードに利用された被害者だからでしかない。
「お、おう…………いや、やらかした事を考えると当然なんだけどよ」
ジトっとした視線を受けてたじろぐ加藤ジュリーから申し訳なさそうにしている小里炎真に視線を戻す。
正直な話、ボンゴレファミリーがきちんと罰を与えてくれればこっちも溜飲が下がったのに。
D・スペードというボンゴレ創世記の人間による被害者という事もあるし、事情を知った9代目は優しい人だから裁けないだろう。そしてツナも友達を裁く事は出来ない。山本の傷が治り、騙されていた事が分かったのであるなら許さない理由はない。
だから、私だけは絶対に許してはいけない。
世の中にはなあなあにしてはいけない事もあるのだ。
「アルトリア、オレは気にしてないからそんなに怒らなくても良いって。山本だって無事に治ったし、その山本も気にしてないんだから」
「ちなみに山本が無事で済まなかったらどうしてました?」
「許さなかったと思う。でも、白蘭程怒らなかったし、多分骸と同じくらいだと思う」
「…………それ怒りよりも憐れみの方が強いって事じゃないですか」
まあ骸みたいに
そんな良く言えば優しい、悪く言えば甘いツナがそれらを一切排除して怒りと敵意のみで排除したのが白蘭だ。
あそこまで怒り狂ってバーサーカーになったツナを見たのは初めてだった。
怒り狂って白蘭の身体を縦に二分割して血と内臓が飛び散り、間近に居たユニがそれを全身で浴びて大騒ぎ。ついでにブルーベルの絶叫も加えて阿鼻叫喚の地獄絵図になったのは今でも思い出せる出来事だ。
「はぁ、なんか全く気にしてないツナを見てると私のやってる事が空回りしてる気がしますよ…………」
「今頃気付いたのか?」
「そこのリボーンは黙ってて下さい」
言われなくても私のやってる事がネチネチとした醜い感情から来てるものだってのは理解している。
でも、私はツナの味方なんだ。
大切な人を勘違いとは言え傷付けた人間を、謝罪したからと言ってすぐに許せる程優しくなれないんだ。そんな私の思いを理解してるのか、ツナは気にしてないとは言いつつも私を止めるような事はしない。
ああもう、敵の時に顔を思いっきり殴り飛ばしておくべきだった!!
「な、なんか、本当にごめんね」
「気にしなくて良いよ。アルトリアも炎真達が申し訳なく思わないようにああ振舞ってるわけだから。罪には罰が必要なのを分かってるから」
「禊ってわけか。そこまで分かってるならお前がやれよ」
「オレはボンゴレ10代目じゃないからやだよ」
シモンファミリーとの戦いが終わった後の一幕。
この後、やって来た雲雀さんに掃除が遅すぎることでかみ殺された炎真を見て、もう少し優しくしてやろうと思ったのはここだけの話である。
シモン編があったらこんな感じで炎真に辛くあたってたりしました。
ちなみにこの世界線の場合でも未来編が終了した10年後の世界はORTがやって来てオルタに近いルートを歩みます
現代に戻っても代理戦争終了後にORTが襲来しますが、流石に時間が無いので全員でORTと戦う感じになりますね
ツナとキャストリアの二人に厳しすぎる
一体誰がこんな酷い世界にしたんだ!!