キャストリアに転生したが原作を壊してしまった   作:霧ケ峰リョク

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今回は色々とネタ晴らし回です。
キャストリアが何故この世界に産まれたのか、その理由を明かします。


製造理由と使命

 ツナと決裂してから一週間が経過し、私とユニはこの時代のボンゴレファミリーのアジトに到着した。

 道中、魔術で大気中に散布された非7³(ノン・トゥリニセッテ)とやらのせいでユニの体調が悪くなるのを抑えたり、ミルフィオーレファミリーの連中から逃げ隠れしていた事もあり、時間が掛かってしまったが何とか無事に着くことが出来た。

 そして現在、この時代のツナが作ったアジトの中で自分と同じように10年前から来た人達、そしてこの時代の人達に囲まれていた。

 10年前から来た人の中にはこの場に居ない人も居るが、多分事情を話せない一般の人も居る。

 ミルフィオーレファミリーの晴れの守護者である入江正一も居るけど、多分ツナが仕組んだスパイだったのかもしれない。

 ただ彼の様子を見るにこんな有様は想定外だったみたいだが。

 

「それで、何があったか説明してくれるか?」

 

 カメレオンのような奇妙なスーツに身を包んだリボーンが私達の目を見る。

 

「私が語る前にある程度、この時代に来たツナが何をやったのかを教えて。私は別のところに居たから説明出来ない」

「分かりました。では、沢田綱吉さんがこの時代にやって来た時の事を話しましょう――――」

 

 そう言ってユニは語り始める。

 語られた内容はこの時代に現れたツナがミルフィオーレファミリーを真の守護者諸共叩き潰し、命を奪う一歩手前までいった事。

 そして現れた復讐者(ヴィンディチェ)とオルタと呼ばれた謎の剣士との乱戦が始まり、逃げ出したツナに乗じて同じく逃げ出した事。

 最後に私が居た謎の場所でツナが人類を滅ぼすと宣言し、なんとか逃げ出した事。

 その全てを聞いて誰も彼もが顔を俯き、一番最初に隼人が立ち上がった。

 

「そんな嘘吐くんじゃねぇ! 10代目がそんなふざけた事を言う筈がねぇだろ!!」

 

 怒りの感情を滲ませながら獄寺隼人は言い放つ。

 しかし、妖精眼を持つ私にはそれが嘘である事がすぐに分かった。

 

「嘘ですよね。全くの嘘とも思ってない」

「っ――――くそっ」

 

 全員、この場に居る獄寺隼人と山本武の二人は明らかに違った表情を見せていた。

 多分だけど、いつかこうなる事も薄々察していたかのような感じだ。

 

「言っとくけど人類滅亡を望んでいるところはまだ信じられねぇけどな。けど、20年後のランボがツナと話した時、オレ達が止めるような事をやるんじゃねぇかって薄々気付いてたんだ」

「あの時の、リング争奪戦の時か…………」

 

 思えばあの頃からツナは不穏な行動をしていた。

 第三法を会得したり、悪竜現象を自発的に引き起こしていたり。

 多分、ずっと前から何かを企んでいたんだろう。そしてその事を皆気づいていたんだ。

 

「ツナが間違えた時はオレ達が止めれば良い、そう考えてたんだけどな」

 

 山本は後悔を隠す事なくそう言った。

 

「それは…………仕方ないかと…………」

 

 流石の私も予想出来なかったのだから、そう口にする事が出来なかった。

 今の皆に言ったところで意味は無いし現実は変わらない。

 10年後の未来がここまで酷い事になっている上に、ここまで敵が酷い事になってるとは思わないだろう。

 ボンゴレファミリーは壊滅状態でミルフィオーレファミリーのボンゴレ狩りが横行しているのだから。まあこの前ツナが暗殺を返り討ちにし敵地で大暴れした結果、調子に乗ったミルフィオーレは鼻っ柱をへし折られたという扱いらしいが。

 

「それで、話してくれるんだよな?」

「はい。ただ、これから話す事は心して聞いてください。特に、ユニ…………貴女の先祖が関わる話です」

 

 先祖が犯した罪が子に受け継がれるとは思っていない。

 だけど何も知らないというのは罪になってしまう時があるように、知る事で罪になってしまう時もある。

 そしてその事を彼女に告げるのがどれだけ酷な事なのかも理解している。

 

「貴女にはこの話を聞かないという権利があります。いえ、聞くべきではありません。むしろ聞かない方がずっと楽だし…………むしろ私のせいにしてしまえば」

「教えてください」

 

 私の言葉を遮ってユニはそう言った。

 

「私は、貴方の事を詳しく知っているわけではありません。10年後の貴女と一度しか話してないです」

「それなら聞かなくても良いんじゃないかなー?」

「でも、たった一度だけ会った時にこう言ってくれたんです…………『我慢せず好き勝手に生きたって良いんだ』って」

「うわぁ…………10年後の私御節介過ぎんでしょ」

「そう言うって事は、知ってるんですね。私の事も」

「うん。大空のアルコバレーノが短命だって事も…………」

 

 本当に酷い事をすると思う。

 普通に赤ん坊の姿のままでいさせてやれなかったのかって思うし、彼女の母親が産まれるまで待てなかったのかって怒ってやりたいくらいだ。

 私の存在も人の心が無いと思うけどそれは人じゃないからだ。

 だけどこれをやったのは人間で、数少ない同族だ。にも関わらずこんな酷い事をやった人は絶対に許せない。

 

「私は知りたいんです。アルトリアさんの事を」

「…………分かった。そこまで言うなら私ももう何も言わない。でも聞いてもつまらない女だって失望するよ。ツナ以外嫌いだし、面倒臭いしどん臭いし」

「嫌いって言う割には人をしっかりと見てるんですね。それに申し訳なさそうにしてますし」

 

 そう言ってユニはくすりと笑う。

 あーもう、この娘と話していると調子が狂う。

 でも、ユニなら私が居なくなった後の世界でツナを任せられる。本当、残念。この娘に好きな人が居なければ良かったのになぁ。

 そう思いながらリボーンの方に視線を向ける。

 

「リボーンは私の素性、ある程度は分かってますよね。調べてたみたいですから」

「ああ。イギリスの海辺でキャスター夫妻に拾われ養子になった、魔術師だっていうのはな」

「疑問があるのなら言ってください」

「…………キャスター夫妻は裏社会に関りを持たない、死ぬその時まで一般人だった。お前はどこで誰から魔術を習った?」

 

 リボーンのその言葉を聞いて周囲から向けられる視線が強くなる。

 

「それを話す前にちょっとした昔話をしましょう」

「おい。話す流れだったろ」

「その理由を話すにはこの昔話をしなければいけないんですよ。本当に面倒臭いなぁ…………我ながら理由が複雑すぎでしょ…………ごめん、独り言言っちゃってた」

 

 正直自分の事を話すのは苦手だし、この後間違いなく空気が重くなると分かっているから話す気も失せる。

 でもツナがビーストになった以上、無策で挑んでも勝ち目は無い。

 いや、策があっても勝ち目なんか無いかもしれない。ビーストはその性質上対人類、現行人類でどうにかなる存在じゃない。だけど、その事を話したところで彼等が納得するわけない。私だって納得していないんだから当然だ。

 だから、私も全部話してちゃんと聞いてもらわないといけない。

 

「では、改めて…………昔々、十数人の男女がこの地球という星に産まれました。彼等はこの地球という奇跡の星を守るという使命を持っていて七つの石を作り出しました。この石というのが地球上の生命のバランスを補正し、正しい進化を促す為の装置でもあったんです。彼等はこの石に生命の色に染まった真エーテル、後の死ぬ気の炎と呼ばれるエネルギーを注ぎ込み星を見守っていたんです」

「真エーテル?」

「私が扱っている魔力の事です。死ぬ気の炎と魔力は異なるエネルギーではあるんですが、大本は同じなんです。その十数人の男女は無色のエネルギーである真エーテルを無色のまま抽出出来なかったんですよ。まあその分、エネルギーとしての性能は真エーテルよりも凄まじいですが」

 

 本来ならばそれは彼等一代で終わる筈の特性だった。

 そうならなかったのは七つの石が、聖槍の役割も担っていたせいだろう。

 そのせいで人類全体が出力に差があるものの彼等のような特性を手に入れたのだ。

 

「まあその七つの石も彼等の人数が減った事で維持できなくなり、分割して今の人類に受け継がせたんです。アルコバレーノのおしゃぶり、ボンゴレリング、マーレリングという形に変えて」

「…………何だと?」

「Ⅰ世は知ってますよね。アルコバレーノやマーレリングは兎も角、ボンゴレリングを直接受け取った本人なんですから」

 

 姿を隠しているⅠ世に語り掛ける。

 するとⅠ世は姿を現し、私の言葉に頷く。

 

『確かに私はセピラからボンゴレリングを授かった。だがまさか彼女にそんな来歴があったとは…………』

「私も初耳です」

「多分ですがユニ達子孫に伝えなかったのは自分達を特別な存在と思わせないようにしたんだと思いますよ。アルコバレーノという着脱不可能な呪いを背負わせ、用が済んだら次代に交代させて殺すっていう悪辣なシステムですから。呪いを解くことも出来る筈なのに」

 

 人のことは言えないが本当に悪辣だ。

 そもそも呪いを解いてから次代に受け継がせるという方法だって出来る筈なのに。

 

「そうか。オレ達は死ぬのか」

「っ、リボーン…………」

「心配すんな。この身体になった時から覚悟はしてた事だ」

 

 いつも通りのニヒルな笑みを浮かべながら自分の死を受け入れる。

 

「現在その十数人の男女も貴方達アルコバレーノの産みの親であるチェッカーフェイス、そしてその末裔であるユニしか生きておりません。ですが今の人類の手によって七つの石に炎は灯され続けており、世界は彼等の言う正しい進化へと進んでいました。ただ一人、それをあまり喜んでいない存在が居る事を除けば、それで大団円だったでしょう」

「話の流れから察するにそれがお前か?」

「違います。私はそこまで歳は取ってませんよ。その存在は彼等が守ると決めたこの星です」

「…………ガイア理論か」

「はい。星の意思をガイア、人の集合意識をアラヤと呼びます。まあこれは関係無いので流しますが、地球は彼等の行いに嬉しくは思いつつも自分の事なんか守らなくても良いとも思ってました。何故なら、生命の目的は宙へと旅立つ事。大切にしてくれるのは嬉しい事ですが、子は親下から巣立たなければいけませんから」

 

 私個人の意思としてはそもそもトゥリニセッテなんてものを作ってしまったのが全ての間違いだと思っているが。

 

「とはいえ、本来なら問題は無かったんですよ。星の寿命は尽きていましたが延命されてましたから…………外敵が現れるまでは」

「外敵?」

「端的に言うと地球外生命体です。オールトの雲より飛来する星喰いの怪物。極限の単独種、生物分類ワン・ラディアンス・シング(究極の一)

 

 私の話を聞いていた数名が訝し気な顔をする。

 まあうん、ガイア理論から急に宇宙人の話をしたらそうなるのは本当に分かる。

 でも私の身の上を話すにはこれが前提に無いと始まらない。

 

「星は困り果てました。遊星を乗り超えた彼等もこればかりはどうしようもない。だから星は対抗する為の兵器を作る事を決意しました」

「兵器だと?」

「星の聖剣、外敵に対し特攻を発揮する武装です。そしてそれを作る為に星の内海で製造されたのが楽園の妖精」

 

 並行世界を司るマーレリングの機能によって観測し、別の世界から来た知識のある魂を素材として生み出された存在。

 

「アルトリア・アヴァロン。それが私の本当の名前です」

「…………とてもじゃねぇが信じられねぇな」

「信じて貰わないと困ります。まあ、ユニやⅠ世、リボーンは信じてくれてるみたいですが」

 

 前者二人は星の内海を見たりしているし、リボーンも今までのあれこれがあるから本当だと確信しているのだろう。

 

「…………色々と腑に落ちない事があるけどよ。その聖剣ってやつ造ってるのか?」

「いえ、造るにはどうしても邪魔なものがあって出来ないんです。私の使命は聖剣を造る事、そしてそれを邪魔しているものを破壊する事」

 

 山本の疑問に私は自分の使命を織り交ぜて答える。

 勘の良い者はもう既に気付いている。と、いうかリボーンに至っては顔を俯かせている。

 当然だ。だってここまでの話を聞いていれば私が何者なのか、大体は察するだろう。

 

「アルコバレーノのおしゃぶり、マーレリング、そしてボンゴレリング。その全てを破壊する事こそ私が産まれた製造理由の一つです。例え、その結果多くの命が失われたとしても」

 

 破壊した場合、間違いなくテクスチャは失われる。

 それでも私は聖剣を作らなくちゃいけないんだ。




キャストリアに転生したが原作を壊してしまった


冠位時間天体アヴァロン・ロスト

【星の終わりを告げる鐘】

Lostbelt No.EX
B.C.5000000?
異聞深度E-
汎人類史残存数値 EX
場所:世界全土

と、いうわけでこれこそがこの物語の本当のタイトルです。

本編では語らない設定+まとめ
・地球は7³のおかげで延命出来ていますが実は寿命が残っていない。
・地球の意思としては古代地球人達の行いは嬉しくはあるが自分なんか捨てて外に旅立ってほしい。
・星が死んでも100年くらいは余力があるので生存は出来る。それ以降? 不死じゃない限り死ぬよ。
・7³が無くなればテクスチャは失われる。それは聖剣を造る事で達成される。
・ORT君が来るのは死ぬ気の炎のせい、かつ白蘭が並行世界を一つ潰したせいで早まった。
・原作のようにユニが過去を改変した場合、アルコバレーノの交代が早まったようにORT君の襲来も10年前に早まります。
・ツナは全部知ってます。彼は一人で頑張りました。
・ORT「何か美味しそうな物が熟してるなぁ。腐る前に食べなきゃ」ツナ「こっち来るなクソ蜘蛛」

こんな感じです。実は色々と詰んでます。
次回はツナが動きます。

















「調子はどう? ボンゴレ」

 星の内海にてスパナは綱吉に話し掛けていた。
 その手にはノートパソコンが握られており、ついさっきまで作業をしていたのか顔には疲労の色が見える。

「ありがと。大丈夫、悪くない」

 綱吉はスパナにそう言って目を見開く。
 その目にはコンタクトレンズのようなものが付いており、耳にはヘッドホンが付いている。

「おかげで存分に戦えるよ」

 額と頭部から生えた二本の角に死ぬ気の炎を灯し、背中から生えた一対の竜翼を羽ばたかせる。

「じゃあ、行こうか。ボンゴレ(ボックス)と罰を取りに」

 綱吉はそう言うとゆっくりと歩き始める。
 その後ろをついて歩く、三人の少女を伴って。
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