キャストリアに転生したが原作を壊してしまった   作:霧ケ峰リョク

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リハビリ作品です。
よろしくお願いします。


現代波乱篇
意図してない原作崩壊


 自分ことアルトリア・キャスターはその名前の通り、キャストリア――――正式名称アルトリア・キャスター、またはアルトリア・アヴァロンになってしまった転生者と呼ばれる存在である。

 しかし私はあの一部の妖精を除いて悪名高い妖精國ではなく、21世紀の現代社会で人間の夫婦に拾われていた。

 転生した当初、何故と疑問に思った。

 いや、妖精国で足の指が凍傷でもげる様な事になったりとか自分勝手かつ残酷な妖精達に育てられるような事になったりするような事にならないのは嬉しいが、それはそれとして疑問を覚えるのも当然の話だ。とはいえ、その疑問は数年後に氷解した。同時に「マジでか」と内心絶望する事になったのだが。

 それは兎も角、人間の夫婦に拾われた私は10歳になるまでの間イギリスで育ち、義父の仕事の都合で日本の並盛町という町に引っ越す事になったのである。

 並盛町という町の名前に頭の何処かで何かが引っ掛かったが、正直思い出せそうも無い。

 まあそれはどうでも良い事だ。と、いうより色々とあり過ぎてそんな事は忘却してしまった。

 日本に来てからの私は新たに出来た友人と一緒に遊んだりする日々を過ごしていた。尤も、かなり目立つ容姿をしていたから成長するに従って遊ぶ機会が中々作れなかったが、私は今でも彼の事を友人だと思っている。

 そして、全く関係無い話だがその友人というのがこれまた何とも綺麗な心の持ち主だった。

 あまり良い環境ではなかったせいか少し捻くれていたし、嘘だって吐く事も無いってわけじゃない。

 でも、一緒に居て気持ちの良い人だった。

 

――――それから数年が立ち、中学生になった頃。

 

「アルトリア! オレと付き合ってくださいっ!!」

 

 親友が額から炎のようなものを出し、パンツ一丁の状態で私に告白をした。

 普段見せていた虫も殺せないような人畜無害そうな顔から一転して何故か荒々しい顔付きになっている。

 その顔を見て私は漸く思い出した。

 この世界が【家庭教師ヒットマンREBORN!】と呼ばれているモブに厳しい世界である事。

 私の親友こと沢田綱吉がこの世界の主人公である事を思い出したのである。

 そして同時に自分がどうしようもない程原作を壊してしまったと言う事も理解してしまう。

 沢田綱吉が告白するのは本来ならば笹川京子だった筈だ。しかし、何故かは知らないが彼は自分に告白をしてしまったのだ。

 

「え、えっと…………」

 

 パンツ一枚で私に告白をする彼を見て眼鏡がずり落ちるのすら気にならない程に困惑する。

 まさか自分に告白するとは思わなかった。

 やはり男女間に友情は成立しないのかと思いつつも私は彼の告白に対し返事を返す。

 

「ふ、不束者ですがよろしくお願いします」

 

 私の返事を聞いて、まさか受け入れられるとは思わなかったのか。

 額の炎が消えていつもの彼に戻っていながらも、呆気に取られていた。

 その顔を見て思わず笑ってしまう。まあ常日頃から「パンツ一枚かつ正々堂々と告白してきたら考える」と言っていたし、何より私は彼の事が嫌いではない。

 だからまあ、文字通り死ぬ気で告白してきた親友の勇気に応えてやったのだ。

 おかげで原作が崩壊してしまったが、まあ、何とかなると思いたい。

 

   +++

 

 沢田綱吉がその少女、アルトリア・キャスターに出会ったのは小学五年生の頃。

 自転車に乗れない事をクラスメイトはおろか下級生にも馬鹿にされ、何とか乗れるようになろうと誰もいない夕暮れの公園で練習していた時だった。

 

「――――大丈夫ですか?」

 

 いつまで経っても乗ることが出来ず何度も何度も転ぶのを繰り返してると、いつの間にかそこに居た彼女が自分に話しかけてきていた。

 突然の出来事だった。金色の髪に碧眼という日本ではあまり見ない外国の人で尚且つかなりの美少女だった。

 女の子と話した事が無い綱吉は当然慌てふためいたが彼女は落ち着いた様子で自身の手を取る。

 

「怪我をしているみたいですが、痛みはありませんか?」

「は、はい…………大丈夫です」

 

 少女からの問い掛けに綱吉はそう答える。

 大丈夫、とは言えないくらいに痛いし傷もあるし血も出ているが、初対面の女の子に対しそんな格好悪い事は言えなかった。

 すると少女は少しだけ困ったように笑い、綱吉の傷の手当を始める。

 自分の手が血で汚れるにも関わらず彼女は笑ってこう言った。

 

「強がりなのは分かってます。こう見えても私、嘘を見抜けるんですよ」

 

 傷の手当を終えてから、綱吉はアルトリアと互いに話し合った。

 小学五年生でありながら未だに自転車に乗れない事、それでバカにされて今必死になって練習している事も。

 全てを聞いた上で彼女はただ頷き、そして笑った。

 ただ、その笑みは嘲りやバカにした意味を一切含んでいないもので、綱吉の事を認めているとても優しい笑みだった。

 その微笑みを見て「どうして?」と尋ねた。

 

「貴方が頑張っている事は馬鹿にされるような事でも無いし、貴方の努力は嘲笑われるものじゃないですから」

 

 綱吉はその言葉を聞いて何故かは分からないが涙が出た。

 その時の感情を綱吉はまだ知らなかった。

 それからというものの綱吉はよくアルトリアと一緒に過ごした。

 何時の間にか乗れるようになっていた自転車で遠くに行ったり、自分の家に招いて一緒に遊んだりした。

 本当に今までの人生が何の味気も無いガムに思えてくるような、輝かしい毎日だった。

 

――――それが変わったのは中学生になった頃。

 

 アルトリアが上級生の男子に告白されているのを目撃してしまった時だった。

 彼女は誰もが認める美少女だ。目を惹くのは当然と言えば当然だ。そして同時に彼女との仲が少しずつ離れていっているような気がした。

 向こうは今でも自分の事を親友と思っているし自分も思っている。

 だが、それもアルトリアが誰かと付き合えば自然と疎遠になっていく。

 その事実に気が付いた時、綱吉は怖くなった。

 それでも告白出来なかったのは今の関係を壊したくないからで、もし断られてしまった時これからアルトリアとどのように接すれば良いか分からないからだ。

 だから綱吉は問題を先送りにしてるだけだとしても思いを秘めたままにし――――。

 

――――突然現れた、自分をマフィアのボスにするという赤ん坊の手によって全てが壊される事となった。

 

 パンツ一丁で告白する事になり、あの異常な状態から戻った綱吉は恐怖した。

 間違いなく断られると。

 しかし、綱吉の思いに反してアルトリアは困ったように笑いながらもこう言った。

 

「ふ、不束者ですがよろしくお願いします」

 

 そして、この光景を遠くから眺めていた謎の赤ん坊、リボーンは酷く驚いた様子で呟いた。

 

「…………まさか上手く行くとは思わなかったぞ」

 

 もしその場に綱吉が居たならば間違いなく怒り狂っていたであろう発言だった。

 原作の流れが崩壊した事により様々な問題が発生するがそれはまだ先の話である。




プロローグは出した。
誰かこれの続きを書いてくれませんかね?
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