キャストリアに転生したが原作を壊してしまった   作:霧ケ峰リョク

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すみません大分遅れました。
と、いうのも仕事が忙しかった(いつもの)のとswitch2を買えてバナンザの世界に旅立ってました。
ちなみに今日ようやくプロコンの方も買えたんでswithh2セットを一通りそろえることが出来ました。

ゴメンね皆、俺…………先にZAとエアライダーの世界に行ってるよ!!

でも今日イオンでゲリラ販売してたから多分近い内普通に買えるようになる気がすると思う。


冠位家庭教師戦線

「――――で、どうするのさ」

 

 星の内海、楽園の妖精が製造された場所。

 そこで三体のアルターエゴが一つ、夜の炎を扱った巨大な本を持った少女が椅子に座り、全身に亀裂が走り身動き一つ取れなくなっている綱吉に問いを投げた。

 アルターエゴ。それは自我から分かたれた別人格。

 ビーストの眷族であると同時に綱吉自身から分かたれた三体はそれぞれが神霊級サーヴァントと同等の戦闘能力を有している。が、その制作方法からある欠点が存在する。とある世界において月の蝶が産み出したアルターエゴ同様、生み出した存在に対する叛意を胸中に秘めていた。否、敵意を隠していなかった。

 それでも何とか同じ陣営で共存できているのはORTという共通の敵が存在するからである。

 もし時間があったならば獅子身中の虫であるアルターエゴなんて敵を産み出す愚行を犯す事は無かっただろう。

 

「連中、殺す必要があるなら殺してくるけど。あそこまでズタボロになってるならボク一人でも行ける」

 

 その言葉を綱吉に告げると同時に三体のアルターエゴを覆っていた死ぬ気の炎が消失する。

 日輪を連想させる黄金の鎧を身に着けた、綱吉の父親である家光に似た金色の髪をした少女。

 必要最低限の軽装で身を隠してるだけの琥珀色の髪をした少女。

 そして巨大な本を持っているがそれとは不釣り合いな程小柄の、三人のアルターエゴの中で一番小さいオレンジ髪の少女が前に出て言った。

 

「必要無いよ。ノックス、マーネ、アルクス」

 

 殺気だった三体のアルターエゴの名前を呟いて静止させる。

 

「約束は約束だ。色々と邪魔や横やりが入ったけど、それでも皆はオレという試練を乗り越えた。なら約束通り時間が来るまでは見逃すよ」

「…………あいつ等が大切だから見逃してるんじゃないのか?」

「無いよ。それは無い。不確定要素は出来る限り排除したかったから」

 

 少なくともあの時の自分はあの場で皆を仕留めるつもりではあった。

 最初こそ加減はしていたがそれは余力を残しておきたかったし、過剰攻撃(オーバーキル)するより抵抗する心を圧し折った方が良いと判断したからだ。とはいえ、邪魔者が現れたせいでその判断が間違っていたと思い知らされたわけだが。

 

「…………超直感もああいった状況だと意味が無い、か」

 

 決して慢心していたわけではない。

 それでも心のどこかで甘さを捨てきれなかった部分はある。

 だから負けたんだと責められれば甘んじて受け入れるしかない。

 ただ――――。

 

「ただ全く無意味じゃない。誤差の範囲内ではあるだろうけど、皆が強くなっている。それはオレにとっても有益な事だ」

「害になる可能性だってあるだろ」

 

 琥珀色の髪をした少女、アルクスが綱吉を睨み付ける。

 

「あんたがオレ達を産み出したのは目的を達成する為の時間が無かったから、それを短縮する為にオレ達を作り出した。それでもギリギリだってのは分かってんだろ」

「それが分かっているのなら猶更お前達を行かせるわけにはいかない。向こうにはグランドセイバーも居るんだから」

 

 敵がビースト一体だけだったならグランドセイバーも単独で綱吉の寝首をかきに来ただろう。それが一番効率が良い最善策なのだから。

 だが三体のアルターエゴが居るとなると話が変わってくる。

 ニ対一で足止めをされると分かった以上、グランドセイバーとしても邪魔な存在を抑え込む為に自分以外の戦力が必要だと理解した筈だ。次はボンゴレミルフィオーレ関係無く束ねてこっちへ向かって来る。

 他ならぬ自分の考える事だ、よく分かる。

 

「一人一人は現時点のお前達に及ばないし犠牲だって大勢出るけど、ある程度は数の暴力で抑え込める。その隙をついてグランドセイバーは各個撃破してくるよ」

「そんなこと…………!!」

 

 綱吉の説明を聞いてアルクスは悔しげに顔を歪ませる。

 ニ対一で戦っていたからこそ、グランドセイバーの強さが分かる。

 一対一で戦えば間違いなく負けるのは明らかだし、綱吉の説明通り各個撃破されるのは目に見えて明らかだ。

 

「そういうわけだから今はこっちもプランを進めつつ自力の底上げをやる事、分かった?」

「…………分かった」

「なら良い。それでノックス。宝具の方は完成させたの?」

「言われずともちゃんと書き上げたよ。私の宝具、貴方のための物語(メルヒェン・マイネスレーベンス)をね」

 

 話を振られたノックスは持っていた巨大な本を綱吉に見せる。

 その本の表紙には夜の炎が灯っており、巨大な力が生物のように脈打っていた。

 綱吉はノックスが掲げる本を見て満足そうに笑い、そして新たにやって来た客人を見て声を上げる。

 

「そっか。二人ともオレのプランに賛同したって事で良いんだね」

 

 遠くからゆっくりとやって来る二人に綱吉は歓迎し、三体のアルターエゴはそれぞれ視線を向ける。

 一人は呆れ、一人は同情し、一人は悲しみの意を込めた目で見た後、綱吉の共犯者へとなった、人類の敵へと堕ちた男達から視線を逸らす。

 

「ありがとう。γ、そして(デイモン)・スペード」

 

 楽園へと足を踏み入れた二人の男、γとD・スペードは強い決意を固めたかのような鬼気迫る形相で綱吉に対し膝をつき首を垂れた。

 

   +++

 

「――――最終的な結論を言いますがツナを止めなければこの世界は滅びます」

 

 シモンファミリーの聖地から何とか日本にあるこの時代のボンゴレファミリーのアジトへと帰還する事が出来た私達は、この場に集まった全員に私達が今置かれている状況を説明した。

 10年前の世界からやって来た私達は当然として何故かここに居るミルフィオーレファミリーの面々、そして特殊暗殺部隊ヴァリアーに同盟ファミリーの代表としてキャバッローネファミリー、最後に復讐者(ヴィンディチェ)と六道骸一派。

 これだけの面々が一箇所に集って何も起きないわけがなく、敵という事もあって一触即発を通り越して殺し合いが開催されそうになったけれど何とか抑え込んで説明を聞いて貰った。

 

「…………話は聞いてて理解した。けど、とてもじゃねぇけど信じられねぇ」

「信じるも信じないもないだろ。現実としてあのバカは今の世界を滅ぼそうとしている」

 

 弟弟子の蛮行を聞いて信じられないと言わんばかりの顔をするディーノさんに対し、会議室から離れたところでソファーに寝そべりゲームをしているオルタが冷たく突き放した。

 

「そもそもとして本当に協力なんか出来るのかこいつら。ついさっきまで殺し殺され合いをしていて、根絶やしまでしようとしていた連中だ。協力なんて論外だろ」

「それは分かってますが…………」

「お前達が一つの危機に対し力を合わせるなんて土台無理な話だ。ま、オレとしてはあのバカを守るアルターエゴの足止めをする肉壁になってくれるなら文句はいらないが」

 

 ユニの言葉を遮って持論を淡々と語る。

 確かに個性豊かというには強過ぎる上にユニークな人達が集まっている中、全員を纏め上げるなんていうのは不可能だ。

 多分ツナなら一応は纏める事は出来るだろうが、居ないどころか敵として君臨してるんだから手に負えない。加えてこことは違う未来を歩んだオルタも纏め上げる事なんかせず肉盾(ミートシールド)として利用すると公言している。

 その言葉に反感を覚えない人は居ない。

 加えてツナにそっくり、というより別の時間軸を生きたツナの影法師だから思うところがある人も多いだろう。

 私は、彼に何かを言う資格は無い。

 

『…………別の世界を生きたⅩ世(デーチモ)よ』

「オレはボンゴレファミリーになった事は無い。だからその名で呼ぶのはよせ。お前達が呼んでいたオルタで十分だ」

『オルタよ。話を聞く限り、お前は王となったのだろう。そのように突き放すような真似は』

「突き放しているからこれで良いんだよ。それに王だから人を尊重するなんていうのはない。むしろその逆、王は民を整理し国を治める者。お前等の事情とかくっそどーでも良いわ」

「っ、てめ――――元はと言えばお前が10代目に未来の記憶なんか渡すからだろうが!!」

 

 ツナと同じ存在だから何も言わなかった獄寺は堪忍袋の尾が切れたのか、オルタに掴みかかる。

 それに対しオルタは興味無さげに彼を払いのけた。

 

「オレもここまでやらかすとは思わなかったんだよ。記憶を押し付けたとしても何も変わらないと思ってたからな。一人だったら何も」

「そもそもどうしてツナに記憶を渡したんだ?」

「オレには要らないものだったからな。後悔や慚愧は人を纏めるのに不必要なものだ。いずれこうなるのなら先に体験していた方が良いだろ。あいつもその事は覚悟してる」

「…………そうか」

「まあお前等と言う予定外の異物が居たからな。過去に記憶を送ったからこうなったのか、それともマーレリングの主がやらかしたからこうなったのかは分からんが」

「…………お前はもう、ダメツナじゃねぇんだな」

「グランドセイバーとして呼ばれてようが所詮は影法師、ここに居るのは沢田綱吉の成れの果ての残骸だよ。誇りも覚悟も、オレには無い」

 

 オルタの言葉にリボーンは何かを言う事は無かった。

 家庭教師として沢田綱吉の末路を見てどう思ったのか、それは私には分からない。

 

「そもそもの話、今のお前等で戦力になれる奴が居るのか? リングも砕かれ、アルコバレーノも死に、半年しかないというのに」

 

 彼の言う通り、今の私達には戦う力が無い。

 技術も、武器も、戦う為の条件も、全てが欠落している――――だからどうした。

 

「オルタ――――いいえ、ツナ。私が教えた事は覚えてますか?」

「悪いけど記憶に無い。人として生きた頃の記憶は殆ど残ってないからね」

「足りないところから持って来る、これも魔術の為に必要な事なんですよ。力が足りなければその為に必要な物を、道具が無ければその道具を作るのも、ビーストになったツナと戦いに持ち込む為に必要な全てを私が用意します」

 

 砕け散ったボンゴレリング、マーレリングの欠片をくるめた袋をテーブルの上に置く。

 今からやらないといけないのは全員のバージョンアップ。リングを強化して、全員の能力を英霊レベルにまで引き上げなくちゃいけない。

 

「対ビーストの為の育成プラン、冠位家庭教師戦線。死んでも強くなりたい人だけ私のプランに乗りなさい」




補足
本編では語りませんがオルタにはルーラークラスの適性があります。
守らなくちゃ人が次々と死んでいく現実に適応する為に心を切り捨てて数で判断出来るようにならなくちゃいけなかったからです。
で、完全に切り捨てる為に過去に送ったわけです。
ちなみにツナがビーストになる確率はかなり低かったりします。
リボーンがやって来て仲間を大切に思えるようになって、その人達と関わり合いのある人全てがORTに無惨に殺されるくらいなら、って考えなければこうはなりません。
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