キャストリアに転生したが原作を壊してしまった   作:霧ケ峰リョク

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今年最後の投稿となります。
ようやくここまで書けた気がします、っていうか今年で完結予定だったんですがね…………。
ただ来年には完結する予定で頑張ります。

そして、次回からヴァリアー編のように一人ずつ倒していく戦いが始まります。

ここまで来るのに本当に長かった…………!


決戦準備

「――――成る程、つまり貴女達も戦えるようになりたい。と」

「はいっ! ハル達も戦えるようになりたいんです!」

 

 困った。割とガチで困った相談だ。

 とはいえ、理由は理解出来ないわけじゃない。

 いきなり血で血を洗う殺し合いが繰り広げられる未来の世界に連れて来られた挙句、彼女達からしたら友人であるツナがいきなり闇堕ち。加えて半年後にはこの星が物理的に崩壊するという死刑宣告までされたのだ。

 だから、まあ戦えるようになりたいと思うのは自然な事だ。

 ただ問題なのは彼女達が戦う為の準備をしていない一般人でしかないということだ。

 

「先に言っておきますが、戦場に立つ事の意味と理由は問いません。ですが貴女達が戦う必要は無いと思いますよ」

 

 非戦闘員だからという理由で戦いに遠ざけたところで彼女達が無事でいられるわけじゃない。

 半年後にはツナが、ORTがやって来る以上、どう足掻いても戦いの舞台に巻き込まれる。

 でも、それでも戦う為に剣を取る必要は無い。戦う人達の為に何かをしたいからって別に戦いの舞台に上がる必要は無いのだから。

 

「貴女達はこの時代に来てからも頑張っていたと聞きました。戦うことが出来なくても戦っている人のサポートをしていた。ならそのままサポートを続ければ」

それ(サポート)ももう、私達は要らないよ」

「それは…………」

 

 皮肉な話だが、暴走したツナを止める為にボンゴレファミリーとミルフィオーレファミリーは手を組む事になった。

 先の一件、ツナの命を奪おうと奇襲した結果、ツナの逆鱗に触れて返り討ちにあった。

 が、その時にツナがミルフィオーレの開発していた新兵器に触れてしまい暴走。結果、ミルフィオーレファミリーとツナの暴走を止める為にやってきた復讐者(ヴィンディチェ)が壊滅するも何とか鎮静化に成功。

 とはいえ、まだ完全に止まってないということもありミルフィオーレがボンゴレの傘下に降るという事、そしてツナの暴走が止まった後に白蘭の処刑を行うという二つの条件を飲んだ上で暴走したツナの対策を行うと対外的にはそういう事になった。

 マーレリングの守護者達は納得してなかったし、青い子に至っては裸で土下座までして懇願したりしてたけどそれは今は関係の無い話。

 ボンゴレファミリーとミルフィオーレファミリー、二つのマフィアが手を組んだ事で非戦闘員の人が増えた。おかげで衣食住の負担が無くなった。

 そしてそれは彼女達の仕事をやる必要が無くなった事を意味する。

 

「それでも皆には京子ちゃんやハル、皆のサポートが必要だよ」

 

 仕事が無くなったからといって今まで通り同じように料理を作ったり掃除をしたり、出来る事はある。

 その方が彼女達の為になる――――いや、違う。

 

「…………ここまで来て説得は無粋か。分かった。ならはっきり言うよ――――誰も、きみ達が戦いの舞台に上がる事を望んで無い」

 

 冷たく突き放すような物言いに京子ちゃんとハルは一瞬、驚いたような傷ついたような顔をする。

 彼女達にとっては辛い現実、だけど皆が望んでいる現実だ。

 特に笹川先輩は京子ちゃんがこういった鉄火場から遠ざけようと頑張っている。

 

「それでも戦いたいの? きみ達の大切な人達の思いを裏切ってでも」

「はい。私達もツナさんを止めたいんです!」

「…………分かった。私の方からリボーンに伝えておく。悪いけど、私じゃ貴女達に教えることは出来ない」

 

 彼女達の意思は固い、その覚悟はもう折れない。

 戦うのが怖いことだと、武器を手に取るということがどういうことなのかも、そして相手を傷つけることがどういうことなのかも分かっている。

 その上でこの選択を選んだのなら、私には止められない。

 

「ユニも同じですか?」

「まあ、お二人と同じ考えではあります。ですが、それ以外にも少し、二人だけで話したいことがあるんです」

「…………京子ちゃん、ハル。すみませんが暫く二人っきりにさせて下さい」

「うん。ありがとう、アルトリアちゃん」

 

 私が教えるわけでもないのに感謝の言葉を告げる二人に何も言えなくなる。

 その後ろめたさから眼を逸らすように二人が出て行くのを待ち、ユニと二人きりになってから話を始める。

 

「それで、話って何?」

「沢田さんを止める為の修行。上手くいくと思いますか? 正直に話してください」

「…………正直、かなり厳しいのが現実だよ。ツナには超直感があるから」

 

 こっちが入念な策と切り札を用意しても超直感のせいでバレる。

 今の自分にも有効で、まともに受けたらヤバいと判断したらツナは私達を近寄らせない。

 近付いたとしても各個撃破してくる筈だ。

 

「この策で上手くいって成功してほしい。けど間違いなく通じない。そもそも私達がこうやることも読まれてるかもしれない。だって、山本に対人魔剣を教えたのは私だから」

「沢田さん。学生の頃は勉強が苦手とは聞いていましたが」

「普通の勉強はね。魔術とかは才能もあった上に熱心に勉強してたから本当に得意なんだよ。ダメツナって蔑まれる劣等感を唯一克服するものだったていうのと地獄の未来を見て必死になってた、ってのもあるんでしょうが」

「…………前々から思っていたんですが、私達も魔術を使う事は出来るんですか?」

 

 ユニからの問いに私は一瞬逡巡し、口を開く。

 

「可能か不可能かで言うなら可能です。そも、固有結界だって魔術の一つですから」

 

 XANXUSはツナの固有結界のやり方を見てその技術を盗み、白蘭は千里眼の力で固有結界のノウハウを理解して使用できるようになった。

 と、いうかツナも身体を弄繰り回す前から魔術自体は使えていたんだ。

 

「とはいえ、今から使えるようになったとしてもただ使えるだけ。使いこなしているツナにはとどかないのが現実です。それなら固有結界を使えるようになる方が良いですね」

「私も使う事が出来るんですか?」

「出来ますよ。大空属性を持っている人間は魔術理論・世界卵を有していますから。いえ、世界卵を持っているから大空属性になるって言った方が良いですね。そしてこれを更に発展、応用したものがツナがやろうとしている天体受胎になります」

「…………さっきも話してましたけど、本当にそんなことが可能なんですか?」

「はっきり言って不可能です。天体の卵が無ければ星は産まれませんし、それを乗り越えても様々な問題があります。この地球のような星が産まれるなんていうのは本当に天文学的確率なんですよ。ツナはボンゴレリングで解決しましたが…………してしまいましたが、本当によく考えるとやっぱり本当に勝ち目ないよ。ビーストクラスのサーヴァント」

 

 ここまで絶望的だと笑い話にもならない。

 多分、皆も気づいている。気付いたうえでこれしかやれないから頑張っているだけで、実際に戦えば次は蹂躙される事も。

 オルタの言う通り肉盾になった方がまだ勝ち筋がある。

 やっぱり勝つ方法なんかないのかな?

 

「…………サーヴァントってどういう事なんですか? グランドサーヴァントやハイサーヴァントという存在がどれだけ強力なのかは聞きましたが、そもそも普通のサーヴァントを知らないのですが」

「そういえばビーストとかグランドサーヴァントがどれだけ危険なのかは教えましたが通常のサーヴァントについてはちゃんと説明できていませんでしたね。と、いってもグランドが世界が行使する兵器であるのなら通常のサーヴァントは個人が使役するぐらいの違いでしかありませんが」

「個人が使役…………人間がサーヴァントを従えられるんですか?」

「可能ですよ。まあ英霊を召喚するだけのエネルギーが必要ですし、彼等が応じなければ召喚されませんが」

「…………応じるだけの理由があれば、不可能じゃないんですね」

「でもさっきも言ったようにこの世界では出来ませんよ。それに呼び出した人間によっては殺し合いが起こる場合もありますし、そもそも呼び出されるのだって聖杯戦争が主ですし」

「聖杯、戦争…………」

「簡単に説明するなら何でも願いが叶う聖杯というトロフィーを巡って七人の魔術師と七騎のサーヴァントが殺し合う魔術儀式の事ですね」

 

 サーヴァントを使った殺し合い、その言葉の意味を理解したユニは悲痛そうな表情をする。

 

「儀式が成功するなんてことは滅多に無いし、サーヴァントも自分の願いを叶える為にマスターを殺す事も珍しくない。(トゥリニセッテ)を奪い合うこの時代と大差は無いですね」

 

 サーヴァントを使った殺し合いをしていないだけで願望器を巡った争いをしているのは変わりない。

 ただ一つイレギュラーだったのはツナがその願望器一つを丸ごと消費して生み出されるような怪物だった事だろう。

 

「よく、そのサーヴァントを従えることが出来ますね」

「普通は従いませんよ。マスター側が敬意を持って接していたり、サーヴァント側がマスターに仕える事を問題視していないという例外はありますが、令呪という絶対命令権がマスターには与えられますから。これを使えばサーヴァントにもよりますが命令を強制させる事も出来ますし」

「…………待ってください。その令呪っていうのは、ビーストクラスのサーヴァントに効果は無いんですか?」

「…………いえ、令呪はビーストクラスにも有効――――」

 

 瞬間、私の脳裏にある考えが過る。

 そしてそれはユニも同じであったようで、彼女は私の顔を見つめていた。

 とはいえ、令呪で命令をするにしても様々な問題がある。

 令呪を作る事もそうだし、ビーストであるツナのマスターになる事もそうだ。

 契約する方法も考えなければいけないしそこに持ち込むまでにはどうしたら良いのかも考えなければいけない。

 だけど、今までと違って光明が差した気がした。

 

「ユニ。恐らくですが貴女が一番危険な目にあいます。その覚悟はありますか?」

「…………わかりません。でも、やらないといけないってのは分かってます」

「そうですね…………なら、こう言いましょう。地獄を見る覚悟はありますか?」

「はい。って言えれば良かったんですけどね。多分、私の覚悟は沢田さんに比べたら劣るものです。それでも、彼とはもう一度会って話さなくちゃいけないから…………」

 

 決して自信をもっているわけではない。

 それでも勇気を振り絞って私を見るユニからは強い覚悟を感じた。

 

「なら、これは貴女に任せます」

 

 私は一つ(ボックス)をユニに手渡す。

 

「これは…………?」

「武器、と言っても差し支えない代物です。これはツナには渡せなかったから、私が管理していたものを匣に封じたものです。私以外では貴女にしか使えない」

 

 白蘭も使えないわけではないがあれに渡すのは論外だ。

 そして私よりユニが使った方が良い。

 

「その匣に封じられてるものは最果てにて輝ける槍(ロンゴミニアド)。聖剣に匹敵する兵装の一つ、聖槍です」




補足というわけではありませんが小ネタ

この作品でのビーストは大空属性だけしかなれません。
なんで白蘭やユニもビーストになろうと思えばなれます。
ちなみにもしツナと同じように最初からアルトリアに出会っていればビーストに堕ちます。
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