キャストリアに転生したが原作を壊してしまった   作:霧ケ峰リョク

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終盤まで来て更新速度が停滞していた事を懺悔いたします。
言い訳はしません。内容もどんどん人を選ぶ内容になってますし、気分転換に書いては他のを執筆してたりとかしてましたし。
でも覚悟は決めました。4月までに本編を終わらせる予定で頑張ります(体調不良になったらごめんね)。

原作キャラ死亡タグをつけた意味をシモンや復讐者だけで終わらせる気はありません。


内海への旅

 残された半年の期間はあっという間に過ぎて行った。

 皆の修行は当然のように思い通りに進まない。強くなっているのは間違いない、が間に合ったかは正直微妙なところだ。それでも全員、何か切っ掛けを掴めているのだから無駄ではなかった、無意味ではなかったと思いたい。

 泣いても笑ってもこれが最後の戦い、休む暇の無いボスラッシュの始まりだ。

 

「準備は出来たか?」

 

 部屋で休んでいたところにリボーンがやって来た。

 扉を開けた事に気付けなかったから、どうやら相当考え込んでいたらしい。

 ここ最近ずっとこんな感じだ。真綿で首を絞められているような気分だ。

 

「準備、は当の昔に出来てます。ただ、もっと良い方法が無かったのかと後悔してます」

「それはこの半年の修行の事についてか?」

「それもあります。が、やっぱりツナの事になりますね」

 

 座っていた椅子ごと向きを変えてリボーンに向き直る。

 

「最後に話をしませんか? 多分、もう話す機会も無いと思うので」

「…………ああ、そうだな」

「じゃあ話しましょうか。最後の話し合い、最後の反省会を」

 

 私のベッドへと飛び乗るリボーンにそう呟く。

 反省会、そうとしか言いようがない。誰も彼もが罪を犯し、悪い事を無自覚に行い、その結果がこれなのだから反省するしかない。

 それが意味のある行いなのかは分からない。けど、しないよりはした方が良いだろう。

 

「私は、貴方がツナの周りにファミリーと言って人を集めるのが好きじゃなかったです」

「ボンゴレファミリーの10代目にしたことじゃないのか?」

「それも好きじゃないですけど、ORTを倒した後に王様になるんだからその予行練習にはなると思ってたんで利用しようと思っていたんです。マフィアなら、悪い人達ならツナの大切なものにはならないと思っていたから」

 

 でもツナの周りに集まったのは悪い人じゃなく、普通に悩みのある少年少女たちだった。

 裏社会で生きてきた、自分の産まれにコンプレックスがある少年。

 野球が好きで好きで大好きで、明るく振る舞っているが本当はじっとりしている少年。

 幼い頃からマフィアで育った、善悪の区別がつかない無邪気な子ども。

 ボクシングに夢中で常に熱血な、妹思いのお兄ちゃん。

 地元愛が強過ぎて自分のルールを第一にしている強い人。

 自らが受けた仕打ちに激しい憎悪を抱き、マフィアを滅ぼそうとした少年。

 そして誰からも愛された事が無かった少女。

 

「ツナは貴方と関わった事で変わっていきました。私はそれが面白くありませんでした。新しく出来た友達じゃなく、私だけを見ていてほしかった。私という存在が消えて消失するまで」

「本当は?」

「…………ずっと、私の事だけを思っていてほしいに決まってるじゃないですか!! 私が消えた後でも、ツナが他の女の子を好きになるとか絶対に認められるか! 男の子でもダメ! 恋とか愛とか友情も、全部私の私だけのものなんだぁ!!」

 

 心の内に溜め込んでいたどす黒いものを全部吐き出す。

 本当はツナに友達とか出来るの凄く嫌だった。ツナにとって初めてで唯一の友達で、恋人で、奥さんは永遠に私だけのものにしたかったんだから。

 

「…………重いな」

「女の子なんてそんなものですよ。男の子もそんなものです。だから愛憎劇がこの世にあるんですから」

 

 口にしたことは一度も無かったし、これをツナに聞かせるつもりは無い。

 ただ、もしかしたらツナは分かっていたかもしれない。いや、どうだろう。超直感って好意には鈍感だから、どんなにどろどろしてても好意である以上伝わってないかもしれない。

 私がツナの事を好きだというのも口で直接伝えたからだし。

 

「そんな私だったからツナが悩んでいた事に気付けなかった。恋は盲目とはよく言いますよ。ツナなら乗り越えられる、じゃないよ。ツナがどんだけ辛かったか、苦しかった見ようとしてなかった」

 

 本当に呆れる反吐が出る。

 妖精眼を持ってるんだからちゃんと聞けば無理してる事ぐらい分かった筈なのに。

 恋人失格だよこの馬鹿野郎。

 

「…………それを言うならオレもだ」

 

 私の後悔を聞いてリボーンが口を開く。

 

「オレは、ボンゴレファミリーの10代目としてあいつに必要なものを用意してきた。仲間との出会いがそれだな。骸との戦いはマフィアの恐ろしさを、ヴァリアーは早過ぎたが試練としてあいつがそれに打ち勝てるよう家庭教師としてしっかり教育してきたつもりだ」

 

 ただ、とリボーンは言葉を続ける。

 

「もしお前の事情を、ツナが背負っているものを知っていたらそんな教育はしなかった。残酷な話になっちまうが、もし知っていたらオレはもっと別の教育をしていただろう。仲間とともに戦うボンゴレファミリーのボスとしてではなく、人間性を削ぎ落として孤独に一人で戦う王としてな」

 

 それはもしかしたらありえたかもしれない未来。

 本来なら邂逅する筈の無い存在との出会いはリボーンの胸中に何を齎したのか。

 

「オルタも言ってましたけど、彼は皆に出会わなかった世界線から来た存在ですよ」

「だとしても、だ。あのダメツナがあそこまでならないといけないくらい酷い未来が約束されてるってのなら、仲間を作るって事がどれだけ残酷な仕打ちだったのか理解していなかった」

 

 思い出すのはあの時のツナの絞り出すような叫びだ。

 代案を求めるツナに私達は何も言うことが出来なかった。

 

「あいつが納得できるだけの答えをオレ達は出せるか?」

「…………無理です。全てを知った時には何もかもが手遅れだったから」

「そうか。残念だ」

 

 私の言葉の意味を理解し、リボーンはベッドから飛び降りる。

 時間は切れ、賽は投げられてしまった。どんな出目が出るかは神のみぞ知る。

 願わくば少しでも良い結末を迎えられる事を祈っている――――。

 

   +++

 

「それでは、これよりツナが居る星の内部へと向かいます」

 

 ミルフィオーレファミリーが用意した改造された軍艦に搭乗し、甲板の上で私はこの場に居る全員に宣言した。

 緊張、覚悟、決意、怒り、恐怖。抱えている思いは多種多様なれどここに集ったのは現状の最高戦力である。

 

「この船でどうやって星の内部に行くのかと疑問に思った方も居るとは思いますが、その疑問に対する解答は私が作ったエデンリングとこの船の動力源となっているバミューダの夜の炎、そしてミルフィオーレファミリーが開発した転移装置を使う事で行く事が可能になるとしか説明出来ません」

「少し質問良いか?」

 

 リボーンが挙手をして質問する。

 

「夜の炎のワープである程度は理解出来る。転移装置ってのも補助として使うっていう事で説明がつくしな。だがエデンリングは何が関係するんだ? 普通のリングでない事は分かっていたが」

「エデンリングは楽園への鍵でもあるんです。あれを使わなければ私は兎も角他の皆を星の内海へと連れて行く事が出来ないんです。例え夜の炎や転移装置を使ったとしても中に入る事は出来ず弾かれてしまいます」

「そうですか。あの時、沢田さんがエデンリングを持っていたから私達も中に入る事が出来たんですね」

 

 ユニはかつて星の内海に入った時の事を口にする。

 

「新しくなったボンゴレリング、ボンゴレギアと統合してもエデンリングの能力は失われません。鍵としての機能を充分に果たしてくれます。ただ中に入ったら最後、夜の炎や転移装置を使ってのワープは出来なくなります」

「それはどうして?」

「恐らく、星の内部はもうツナの領域に変わっているからです。空間が支配されている以上、ワープは使えません」

「成る程、つまり中に入ったら最後後戻りは出来ないって事か」

「その通りです」

 

 白蘭の発言を肯定する。

 転移が出来ないという事は地上に戻る事が出来ないという事でもある。

 いずれにせよ、後戻りするつもりはない。

 

「それでは出発します。覚悟は良いですね?」

 

 私の言葉に答える者は誰も居なかった。

 だけど、誰も彼もが強い決意を秘めた目で私を見ていた。

 これ以上はもう言う必要は無いだろう。

 

「結界展開! 急速潜航します!!」

 

 大空、嵐、雨、晴、雲、霧、雷、そして夜。

 8つの属性が複合した結界が船全体を覆うと私達は軍艦ごと地中の中へと沈んだ。

 夜の炎を使う事で虚数空間へと侵入し、霊墓アルビオンを無視して最短距離で楽園へと向かう。

 それが当初の予定だった。

 ツナやアルターエゴという強敵を前に此方の戦力を削りたく無いという本音もあった。が、当然のようにその考えは読まれていたらしく、虚数空間には大量のモスカが船に銃口を向けて待機していた。

 

「まさか、本当にこんな方法で来るなんてね。まあ霊墓アルビオンは封鎖したからこの方法しか無かったけどさ」

 

 巨大な本を背負ったアルターエゴの少女が此方を見下ろしながら、敵意を此方に向ける。

 

「総員! 戦闘準備!!」

「やれ、モスカども」

 

 アルターエゴの少女が告げると同時にモスカ達の銃口が火花を吹く。

 私達の未来をかけた戦いの火蓋が切られた瞬間だった。




今まで嫌いではあるけど好きでもあると描写してきましたが事実ではあります。
ただこの作品のキャストリアは他の皆が敵になってしまうくらいツナの事が大好きなだけなんです。
原作キャストリアやモルガンもそんなところがあるのでこの作品のキャストリアはそんな悪いところが表に出ちゃってるだけなのです。
そんなだからツナがビーストになるんだよ(原因その1)。
ちなみに原因その2はリボーンでその3はジョット。
自己肯定感の無い子どもに残酷な運命と凄惨な歴史と必ず消滅する恋人なんか与えるからこうなっちゃったじゃないか。
なっちゃったからには、もう、ね?

尚、本編では描写しませんでしたが本心からツナとお似合いとか言われると機嫌が良くなるので態度がめっちゃ柔らかくなります。
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